3分でわかる製薬業界。現状と課題、今後の動向【2017年版】

記事が長くなってきたため、ここで製薬・医薬品メーカー業界の流れと、今後の動向・将来性をざっくりとサマリーします。国内はとくにジェネリック医薬品を国策で増やしていったところが転換期になっています。

  1. 作れば売れる時代。新薬がどんどん上市
  2. ブロックバスター時代(大型新薬をひとつでも開発すれば20年安泰)
  3. 製薬バブル期へ突入!!
  4. 開発をやりつくし新薬開発の難易度はどんどん上がる
  5. 開発コストもどんどん上がる
  6. さらに法規制も厳しくなり、もっと難易度上がる
  7. 2010年問題、1990年ころに開発した新薬の特許がどんどん切れていく
  8. そのうえ国策でジェネリック医薬品をどんどん増やすと言いやがる!!
  9. そのうえ薬価制度の改定(引き下げ)をすると言いやがる!!
  10. ジェネリック薬品にシェアを奪われる先発薬品メーカー(武田など、大手は国内売上を落としている)…
  11. 薬価制度の改定で、どんどん稼ぎにくくなる…
  12. 頼みの新薬もなかなか生み出せない(企業によるが…)
  13. 新薬は自社開発するものではなく買うものだ!!
  14. グローバルでM&A活発化(今ココ!)
  15. M&Aした企業の収穫期に入れるか??
  16. 製薬業界は「ハイリスク&超ハイリターン」から、
    「ハイリスク&ミドルリターン」の業界へ…

製薬・医薬メーカー業界はこれまでが出来すぎだった(上述した通り)。ジェネリック医薬品にどんどんシェアを奪われ、新薬開発もリスクとコストがどんどん上がる、残された道は業界再編とM&Aだけなのか!?

今後のことは正直に申し上げると分かりません。製薬業界はギャンブルであり予測不能。売れる新薬をいくつか投入できれば10年くらいは計算できる、という程度。

私の勝手な意見としては、

医薬・製薬業界の今後は「安定でもないし、かといってお先真っ暗でもない。他業界のメーカーと同じくらいのレベル」という結論になる。

※これは外資系メーカーであろうと日系メーカーであろうと、ほとんど同じ状況。

※※製薬メーカーはこれまで優遇されすぎていた。年収も含めて今後は「優遇されすぎない普通のメーカー」になるだろう、という意味。

製薬業界は今後どうなる?

先ほどのサマリーで結論を出してしまったが、以下が今後の動向となる。

  1. これまでのように激甘な市場で荒稼ぎできる業界ではない
  2. 今後も世界的なM&Aはつづく
  3. 国内大手5社も集約される可能性あり
  4. 中堅以下クラスの先発医薬品メーカーはますますきびしい
  5. ジェネリック医薬品メーカーも安泰ではない
  6. 業界の整理が終われば未来は明るい(何年後になるかは不明)
  7. パイプラインの弱い先発医薬品メーカーは市場から退場させられる

いずれにせよ、これまで製薬メーカーが日本で出していた利益は少なからず、国にうばわれて(国民にうばわれて)しまう。そうなるように厚生労働省が主導しているのだから逆らえない。

製薬メーカーの平均年収ランキング-2015年度

つづいて製薬メーカーの平均年収ランキングを紹介(各社の2015年度・有価証券報告書より)。

※HD=ホールディングスの略

  1. 1115万円/45.1歳|大塚HD
  2. 1111万円/48.4歳|シンバイオ製薬
  3. 1093万円/43.8歳|エーザイ
  4. 1092万円/43.0歳|第一三共
  5. 1067万円/42.3歳|アステラス製薬
  6. 982万円/43.3歳|そーせいグループ
  7. 978万円/42.0歳|サンバイオ
  8. 968万円/44.9歳|キョーリン製薬HD
  9. 958万円/40.0歳|武田薬品工業
  10. 938万円/39.9歳|ペプチドリーム
  11. 934万円/41.8歳|中外製薬
  12. 890万円/41.4歳|塩野義製薬
  13. 890万円/46.2歳|アンジェス
  14. 882万円/40.3歳|生化学工業
  15. 880万円/45.0歳|田辺三菱製薬
  16. 876万円/40.2歳|小野薬品工業
  17. 856万円/45.8歳|大正製薬HD
  18. 840万円/42.1歳|大日本住友製薬
  19. 832万円/42.0歳|協和発酵キリン
  20. 825万円/43.6歳|ツムラ

製薬業界の年収は他業界とくらべると高い。この理由は「大量にいるMR(営業職)の年収が高い」「年収の低い工場ワーカーの比率が他メーカーと比べて少ない」などの理由がある。

平均年収は一般職もふくんだものになるため、大卒・総合職の年収体系については以下の記事をご参考にどうぞ(MR/研究開発でわけています)。

製薬メーカー大手5社の年収ランキング。真の高年収はココだ!

【研究開発職の年収】

大塚製薬の年収って実は低い?総合職の年収まとめ
武田薬品工業の年収
田辺三菱製薬の年収が低いって本当?総合職の年収まとめ
第一三共の年収
エーザイの年収
アステラス製薬の年収って本当に高い?総合職の年収まとめ

【MR職の年収】

大塚製薬の年収|MR職(営業職)の年収まとめ
第一三共の年収|MR職(営業職)の年収まとめ
エーザイの年収|MR職(営業職)の年収まとめ
アステラス製薬の年収|MR職(営業職)の年収まとめ
武田薬品工業の年収|MR職(営業職)の年収まとめ

製薬業界の参考データ

→ 【2016年】製薬会社の世界ランキング売上TOP15

→ 【2016年】ブロックバスター医薬品ランキング世界TOP15

→ MR職が「激務・辛い・きつい」と言われる5つの理由

1つの新薬にかかる研究開発費用→10年で1.5倍に

・2003年:18億ドル(約1980億円)
  ↓約1.5倍に!!
2013年:26億ドル(約2860億円)

※出所:CSDD
※海外のレポートであるため国内の事情とは異なります。傾向としては増えていることに変わりありません。
※アステラス会長談2015年「製薬会社の開発費あたりの新薬創出数は徐々に少なくなっている。今は10億ドルの開発費をかけても新薬を1つ生み出せるかどうかという時代になった。」
→出所:日本経済新聞

各企業のパイプラインまとめ

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