【2016年】製薬会社の世界ランキング売上TOP15

【最新2016年】製薬会社・医薬品メーカーの世界ランキングTOP15。2016年1月~2016年12月の売上・研究開発費・純利益のまとめとなります。

就活・転職のご参考にどうぞ。

※ジョンソン・エンド・ジョンソンおよびバイエルは医薬品部門の売上のみ集計

【ランク外】売上148億㌦|武田薬品工業

※為替は2015年度の121円/ドルを使用(武田薬品工業の決算資料より)

日系メーカー国内No.1の武田薬品工業も世界売上ではTOP15にすら入らない。これまでの大型買収の成果もあり、売上は増加するも利益は……という状態。これから買収した企業の収穫期に入ればさらなる躍進もあり得るが、うまくいかなければ逆噴射も…。

●2015年度の売上(純利益率):
148億㌦(5%)

●2015年度の研究開発費:
27億㌦

●売上成長率(2015年対比):
+2%

15位 172億㌦|バイエル(ドイツ)

バイエル(Bayer AG)はドイツの化学メーカーであり、製薬会社でもある。製薬部門の日本法人は「バイエル薬品株式会社」として活動している。

主要なブロックバスター医薬品は、米リジェネロンと共同開発したEYLEA®(一般名:aflibercept – アフリベルセプト)がある。日本国内での商品名は「アイリーア」。AMD治療、DME治療などに用いられる。

●2016年の売上(純利益率):
172億㌦(13%)

●2016年の研究開発費:
48億㌦

●売上成長率(2015年対比):
+7%

●ブロックバスター医薬品:
①売上
50億㌦|EYLEA®/アイリーア(国内)
・独バイエル:17億2200万ドル[€16億2500万]
・米リジョネロン:33億2300万ドル
②売上 53億㌦|Xarelto®/イグザレルト(国内)
→ 脳梗塞の予防薬
・独バイエル:31億200万ドル[€29億2800万]
・米J&J:22億8800万ドル

14位 194億㌦|ブリストル・マイヤーズスクイブ(米)

ブリストル・マイヤーズスクイブ(Bristol-Myers Squibb Company)は米国の製薬会社。抗生剤・抗腫瘍薬・HIV治療薬に有力な製品群を持っており、一般には「バファリン」(解熱鎮痛剤)シリーズが広く知られている。

●2016年の売上(純利益率):
212億㌦(23%)

●2016年の研究開発費:
5億㌦

●売上成長率(2015年対比):
+17%

●ブロックバスター医薬品:
①売上 38
億㌦|Optivo®
→ がん免疫
②売上 33億㌦|Eliquis®/エリキュース(日本)
→ 脳卒中の予防

13位 212億㌦|イーライ・リリー(米)

イーライリリー・アンド・カンパニー(Eli Lily Company)は米国の製薬会社。日本法人は「日本イーライリリー」として活動している。

●2016年の売上(純利益率):
212億㌦(5%)

●2016年の研究開発費:
52億㌦

●売上成長率(2015年対比):
+6%

12位 219億㌦|テバ(イスラエル)

テバファーマスーティカル・インダストリーズ(Teva Pharmaceutical Industries Ltd)は、イスラエルの製薬会社。後発医薬品(ジェネリック医薬品)メーカーとしては世界最大である。毎年すごい勢いで成長しているものの、ジェネリック医薬品メーカーであるため利益率は低い。

●2016年の売上(純利益率):
219億㌦(1%)

●2016年の研究開発費:
14億㌦

●売上成長率(2015年対比):
+11%

11位 229億㌦|アムジェン(米)

アムジェンは(Amgen Inc.)は米国のバイオ医薬品会社。)日本ではアステラス製薬との共同出資の新会社「アステラス・アムジェン・バイオファーマ」として展開している。

ブロックバスター医薬品にはNeulastaがある。日本では「ジーラスタ」の商品名で協和発酵キリンが販売元。がん化学治療法の持続型G-GSF製剤として使われる。

●2016年の売上(純利益率):
229億㌦(34%)

●2016年の研究開発費:
38億㌦

●売上成長率(2015年対比):
+6%

●ブロックバスター医薬品:
売上 47億㌦|Neulasta/ジーラスタ(国内)
・アムジェン:46億4800万ドル
・協和発酵キリン:5.3億ドル[59億円]

10位 230億㌦|アストラゼネカ(英)

アストラゼネカ(AstraZeneka Plc)はイギリスの製薬会社。日本法人は「アストラゼネカ株式会社」である。

主力商品だったコレステロール値を下げる医薬品、Crestor®(日本名:クレストール)の特許切れで苦しい状況に…。クレストールの売上は2011年のピーク時66億ドル → 2016年34億ドルへと半減した。

いっぽうで今後、期待されているのは抗がん剤のLYNPARZA®(日本:臨床試験中)。これまで乳がんなどの治療薬として順調に売上を伸ばしてきている。

●2016年の売上(純利益率):
230億㌦(15%)

●2016年の研究開発費:
58億㌦

●売上成長率(2015年対比):
▲7%

●ブロックバスター医薬品:
①売上2億㌦|LYNPARZA®(日本:臨床試験中)
→ 抗がん剤
②売上34億㌦|Crestor®/クレストール(日本)
→ コレステロール値を下げる医薬品
③売上10億㌦|Pulmicort®/パルミコート(日本)
→ 喘息の治療薬

9位 256億㌦|アッヴィ(米)

アッヴィ(Abbvie Inc)は、米国のバイオ医薬品会社である。日本法人は「アッヴィ合同会社」として活動している。

主要なブロックバスター医薬品には、抗リウマチ薬のHumira®(一般名:Adalimumab – アダリムマブ)などあり。日本国内での商品名は「ヒュミラ」でアッビ合同会社(アブビーの日本法人)、エーザイが販売元。

「ヒュミュラ®」だけで売上のなんと60%強も占めている。製薬はまさにギャンブル。

●2016年の売上(純利益率):
256億㌦(23%)

●2016年の研究開発費:
43億㌦

●売上成長率(2015年対比):
+14%

●ブロックバスター医薬品:
売上 160億㌦|Humira®/ヒュミラ(国内)
→ 抗リウマチ薬

8位 303億㌦|ギリアド・サイエンシズ(米)

ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences)は、米国に本拠をもつ世界最大のバイオ製薬会社である。日本法人は「ギリアド・サイエンシズ株式会社」として活動している。

主要なブロックバスター医薬品は、C型肝炎の治療薬Harvoni®(一般名:Ledipasvir – レジパスビル)。日本国内での商品名は「ハーボニー」でギリアド・サイエンシズ日本法人が販売元。

●2016年の売上(純利益率):
345億㌦(44%)

●2016年の研究開発費:
33億㌦

●売上成長率(2015年対比):
▲7%

●ブロックバスター医薬品:
売上 90億㌦|Harvoni®/ハーボニー(国内)
→ C型肝炎の治療薬

7位 334億㌦|ジョンソン・エンド・ジョンソン(米)

ジョンソン・エンド・ジョンソン(英:Johnson & Johnson)は米国の製薬会社および、日用品メーカーである。日本法人は「ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社」として活動している。

主要なブロックバスター医薬品には、米メルクとの共同開発で生み出した、抗リウマチ薬のRemicade®(一般名:Infliximab – インフリキシマブ)がある。日本国内での商品名は「レミケード」で田辺三菱製薬が販売元。

他にも独バイエルとの共同開発で生まれたXarelto®(一般名:Rivaroxaban – リバーロキサバン)もブロックバスターとなっている。日本国内での商品名は「イグザレルト」でバイエル薬品(バイエルの日本法人)が販売元。脳梗塞が起こるのを抑える医薬品として用いられる。

●2016年の売上(純利益率):
334億㌦(23%)

●2016年の研究開発費:
90億㌦

●売上成長率(2015年対比):
+7%

●ブロックバスター医薬品:
①売上 53億㌦|Xarelto®/イグザレルト(国内)
→ 脳梗塞の予防薬
・独バイエル:31億200万ドル[€29億2800万]
・米J&J:22億8800万ドル
②売上 78億㌦|Remicade®/レミケード(国内)
→ リウマチの治療薬
・米J&J:65億6100万ドル
・米メルク:12億6800万ドル

6位 345億㌦|グラクソ・スミスクラインGSK(英)

グラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline plc)はイギリスの製薬会社。日本では「グラクソ・スミスクライン株式会社」が現地法人として置かれている。

主要なブロックバスター医薬品には、喘息の治療薬Advair(一般名:サルメテロール・フルチカゾン – Salmeterol/Fluticasone)がある。日本国内では「アドエア(Adoair)」という商品名で販売。

●2016年の売上(純利益率):
345億㌦(4%)

●2016年の研究開発費:
44億㌦

●売上成長率(2015年対比):
+3%

●ブロックバスター医薬品:
売上 43億㌦|Advair/アドエア(国内)
→ 喘息の治療薬

5位 358億㌦|サノフィ(仏)

サノフィ(Sanofi S.A.)はフランスの製薬会社。日本法人は「サノフィ株式会社」である。

主要なブロックバスター医薬品にはLantus®などがある。日本国内での商品名は「ランタス」で、糖尿病のインスリン注射に用いられる。

●2016年の売上(純利益率):
398億㌦(14%)

●2016年の研究開発費:
54億㌦

●売上成長率(2015年対比):
▲1%

●ブロックバスター医薬品:
売上 60億㌦|Lantus®/ランタス(国内)
→ 糖尿病のインスリン注射

4位 398億㌦|メルク(米)

メルク(Merck & Co Inc)は米国の製薬会社。ドイツの化学メーカー;メルクから独立した会社である。

主要なブロックバスター医薬品には糖尿病の治療薬、Januvia®(ジャヌビア)などがある。

●2016年の売上(純利益率):
398億㌦(10%)

●2016年の研究開発費:
101億㌦

●売上成長率(2015年対比):
+1%

●ブロックバスター医薬品:
①売上 39億㌦|Januvia/グラクティブ or ジャヌビア(日本)
→ 糖尿病の治療薬

3位 485億㌦|ノバルティス(スイス)

ノバルティス(Novartis International AG)はスイスの製薬会社。日本では「ノバルティスファーマ株式会社」という会社名で展開している。

主要なブロックバスター医薬品には、抗がん剤のグリベック(Glivec、米国でのみGleevec)がある。

●2016年の売上(純利益率):
485億㌦(14%)

●2016年の研究開発費:
90億㌦

●売上成長率(2015年対比):
▲3%

●ブロックバスター医薬品:
①売上 33億㌦|Glivec/グリベック(日本)
→ 抗がん剤
②売上 31億㌦|Gilenya/ジレニア(日本)

2位 510億㌦|ロシュ(スイス)

エフ・ホフマン・ラ・ロシュ(F. Hoffmann-La Roche, Ltd.)はスイスの製薬会社。日本では2002年に中外製薬を買収し、日本ロシュを中外製薬に合併した。

主要なブロックバスター医薬品には、抗がん剤のHerceptin®(一般名:Trastuzumab – トラスツズマブ)などあり。日本国内での商品名は「ハーセプチン」で、ロシュ・グループの中外製薬が販売元。

他にも米バイオジェンとの共同開発で生み出した抗がん剤、Rituxan®(一般名:Infliximab – インフリキシマブ)もブロックバスターとなっている。日本国内での商品名は「リツキサン」で全薬工業及び中外製薬が販売元。抗がん剤としてはもっとも有名な医薬品であり、ベストセラーとなっている。

さらには抗がん剤のAvastin®(一般名:Bevacizumab – ベシズマブ)もブロックバスターになっている。日本国内での商品名は「アバスチン」でロシュ・グループの中外製薬が販売元。

●2016年の売上(純利益率):
510億㌦(19%)

●2016年の研究開発費:
100億㌦

●売上成長率(2015年対比):
+3%

●ブロックバスター医薬品:
①売上 67億㌦|Herceptin®/ハーセプチン(国内)
→ 抗がん剤
売上 85億㌦|Rituxan®/リツキシサン(国内)
→ 抗がん剤
・スイス・ロシュ:72億6800万ドル[CHF 73億]
・米バイオジェン:13億1500万ドル
売上 67億㌦|Avastin®/アバスチン(国内)
→抗がん剤

1位 528億㌦|ファイザー(米)

ファイザー(Pfizer Inc)は米国の製薬会社。2013年以来の世界No.1に返り咲き。研究開発費に毎年9000億円近く使われているが、ファイザー本体からの新薬は1998年のバイアグラ以来登場していない。

にもかかわらず、世界No.1となっているのは買収による効果が大きい。有力な新薬を会社ごと買収して収益を上げる手法は「ファイザーモデル」とも呼ばれ、1990年代~現在にいたるまでの製薬業界再編のきっかけとなった。

●2016年の売上(純利益率):
528億㌦(14%)

●2016年の研究開発費:
78億㌦

●売上成長率(2015年対比):
+8%

●ブロックバスター医薬品:
売上 49億㌦|Lyrica®/リリカ(国内)
→ 神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)の治療薬
売上 57億㌦|Prevnar13®/プレベナー13(国内)
→ 肺炎球菌のワクチン
売上 88億㌦|Enbrel®/エンブレル(国内)
→ 抗リウマチ薬、米アムジェンとの共同開発品
・米アムジェン:59億6500万ドル
・米ファイザー:29億900万ドル

2016年・研究開発費はメルク、ロシュが1兆円ごえ