OTC医薬品メーカー(一般用医薬品)の企業ランキング2017年版。
ただ注意点としてOTC医薬品だけを作っている企業って、実はほとんど存在しません。
どの企業も、医療用をやりながらOTC医薬品(一般用医薬品)もやる、あるいは日用品をやりながらOTC医薬品もやる、というスタイル。製薬メーカー大手にとってOTC医薬品(一般用医薬品)は「サイドビジネス」との位置づけであり、あくまで中心は医療用の医薬品なのです。
それもそのハズ、市場規模を比べてみるとすぐにわかります。
医療用の医薬品は「国内10兆円」の市場規模。
vs. OTC医薬品は「国内8000億円」の市場規模(筆者の独自調査)。
こうなると、どうしても医療用のほうに力を入れるのは企業としてあたり前ですよね…。
なので「OTC医薬品(一般用医薬品)を作っている企業の全体売上と、おおよその売上比率」をまとめます。就活・転職のご参考にどうぞ。
OTC医薬品(一般用医薬品)メーカー企業ランキングTOP10
※売上は会社全体の数字です。2017年4月時点で入手できる限り新しい数字を使っています。
第1位 武田薬品工業・・売上 1.8兆円
・ OTC医薬品の売上は非公開。あくまでメインは医療用の医薬品であり、OTC医薬品はサイドビジネスに過ぎない。
・ アリナミン・シリーズ、タケダ漢方胃腸薬、ベンザエース、ベンザブロック、
第2位 大塚HD・・・・ 売上 1.1兆円
・ 売上のほとんどが新薬であるものの、OTC医薬品も少し手がける。「ポカリスエット」「オロナミンC」などで馴染みのあるメーカー。
・ オロナインH軟膏
第3位 第一三共・・・・売上 9864億円
・ 子会社の第一三共ヘルスケアにてOTC医薬品を手がける(←2015年度の売上534億円)
・ ルル、リゲイン、ガスター10、カロヤン、カコナール、ロキソニンS、ほか多数
第4位 エーザイ・・・・売上 5479億円
・ 主力となっているのは医療用の医薬品ではあるものの、OTC医薬品もあつかう。「OTC医薬品 + 化粧品」の売上は181億円/2015年度
・ チョコラBB、サクロン、ナボリン、ハイガード
第5位 田辺三菱製薬・・売上 4317億円
・ 売上の大半は新薬であるものの、OCT医薬品も一部あつかう(←38億円/2015年度)
・ ナンパオ、タナベ胃腸薬、アスパラ目薬
第6位 ライオン・・・・売上 3786億円
・ 言わずと知れたオーラルケア分野(歯みがき関連)に強みを持つ企業。多角化のひとつとしてOTC医薬品もあつかっている(←中外製薬から譲渡された事業)。
・ バファリン、スマイル、バルサン、スクラート胃腸薬、ほか多数
第7位 興和(非上場)・ 売上 3744億円
・ 本業は商社ではあるが、OTC医薬品も作る企業。
・ キャベジンコーワ、コルゲンコーワ、バンテリンコーワ、ウナコーワ、ケラチナミンコーワ(商品名にはすべて社名であるコーワがつく)
第8位 塩野義製薬・・・ 売上 3099億円
・ 医療用がメインではあるものの、OTC医薬品も製造・販売している。
・ シオノギ軟膏・胃腸薬、パイロン、セデス
第9位 大正製薬HD・・・売上 2901億円
・ 売上の60%以上が「OTC医薬品」「セルフメディケーション」分野
・ リポビタンD、パブロン、リアップ、リビタシ、胃腸薬、ヴィックス、ナロン ほか多数
第10位 参天製薬・・・・売上 1952億円
・ 眼科薬の先発医薬品メーカーであり、一部はOTC医薬品も手がける(売上の6%程度)
・ サンテ・シリーズ