敬語「お控えくださいますよう vs 頂きますよう」意味と違い・使い方

① お控えくださいますよう~

vs.

② お控えいただきますよう(頂きますよう)~

の敬語、意味と違い、目上・上司・取引先への使い方、注意点についてビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説していく記事。

まずは基本。

「お控えくださいますよう vs お控えいただきますよう」の意味はどちらも「控えてほしい」の丁寧な敬語フレーズ。

どちらも正しい敬語であり使い方はたとえば…

  • 【例文】お控えくださいますようお願い申し上げます
  • 【例文】お控えいただきますようお願い致します

のようにしてメール文末・結びに使うと、上司・目上やビジネスパートナーに使えるすばらしい敬語フレーズになります。

ビジネスシーンでなにかしら控えてほしいとき。依頼・お願いにつかう敬語フレーズです。

どちらをつかっても丁寧な敬語であり使い分けの必要はありません。

その根拠については本文にて。

ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、本文中ではメール例文をまじえながらくわしく進めていきます。

※長文になりますので時間の無い方は「見出し」より目的部分へどうぞ。

この記事の目次

意味と敬語の違い

まずは「お控えくださいますよう vs お控えいただきますよう」の意味と敬語における違いについて簡単に。

ようはどちらも「控えてほしい」ということなのですが、あまりに乱暴なのでもう少しくわしく解説します。

控えるの意味

控える(ひかえる)の意味は…

  1. 待つ・待機する
  2. そばにいる
  3. 空間・時間が迫っている、近くに位置する、近くに予定される
  4. 度を越さないように、分量・度数などを少なめにおさえる。節制する
  5. 自制や配慮をして、それをやめておく。見合わせる

たとえば、

【例文】面接会場の外で控える →「待つ」の意味

【例文】最後の大会が8月に控えている →「迫る」の意味

【例文】ダイエット中にお酒を控える →「やめておく」の意味

のようにして使います。

ちなみに敬語はにするときは尊敬語or謙譲語「お(ご)」で「お控え」というようにします。

「自分がお控えする」のであれば謙譲語としての使い方。

上司・目上・取引先などの「相手がお控えくださる」のであれば尊敬語としての使い方。

“お控えくださいますよう”の意味・敬語

「お控えくださいますよう vs お控えいただきますよう」の違い

まず

「お控えくださいますよう」の辞書的な意味は…

「控えてくれるよう~」であり、ビジネスシーンでなにかしら控えてほしいとき。依頼・お願いにつかう敬語フレーズです。

「お控えいただきますよう」の敬語を細かくみていくと、以下のような成り立ちです。

  1. “渡し”に尊敬語「お(ご)」で「お控え」
  2. “くれる”の尊敬語「くださる」で「お控えくださる」
  3. 丁寧語「ます」+「~ように」で「お控えくださいますよう」

尊敬語をうまくつかい、この上なく丁寧な敬語表現となっていることがわかります。

「お控えください」単体としての意味は「〜してくれ」「〜して欲しい」の丁寧な言いまわしと考えることができます。

ところが、

「お控えください」は敬語ではあるものの、結局のところ命令形であるために強い口調となります。

そこで「ますようにお願い」と続けることで「お願い」とすり替え、やんわ〜りとした表現にしています。とても丁寧な敬語フレーズと言えますね。

したがって目上(上司・先輩・取引先)やビジネスメールにふさわしい敬語フレーズです。

ちなみに「お控え」の「お(ご)」は謙譲語と尊敬語の使い方があります。ここでは「相手が〜してくれる」というように相手を主語にしているため尊敬語としての使い方です。

【補足】

謙譲語とか尊敬語がむずかしく感じるあなたは「お(ご)~くださる」セットで敬語(尊敬語)と覚えておきましょう。

「~」の部分には「連絡」「査収」「了承」などいろいろ使えます。

なお謙譲語と尊敬語には両方とも「お(ご)〜」の使い方があります。くわしくは後ろで解説しています。

“お控えいただきますよう”の意味・敬語

「お控えくださいますよう vs お控えいただきますよう」の違い

つづいて

「お控えいただきますよう」の辞書的な意味は…

「控えてもらうよう~」であり、ビジネスシーンでなにかしら控えてほしいとき。依頼・お願いにつかう敬語フレーズです。

「お控えいただきますよう」の敬語を細かくみていくと、以下のような成り立ちです。

  1. “渡し”に謙譲語「お(ご)」で「お控え」
  2. “もらう”の謙譲語「いただく」で「お控えいただく」
  3. 丁寧語「ます」+「~ように」で「お控えいただきますよう」

謙譲語をうまくつかい、この上なく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上やビジネスメールで使うのにふさわしい表現、と言えるでしょう。

ちなみに「お控え」の「お(ご)」は謙譲語と尊敬語の使い方があります。ここでは「自分が〜してもらう」というように自分を主語にしているため謙譲語としての使い方です。

【補足】

謙譲語とか尊敬語がむずかしく感じるあなたは「お(ご)~いただく」セットで敬語(謙譲語)と覚えておきましょう。

「~」の部分には「連絡」「査収」「了承」などいろいろ使えます。

違いはあるが、使い分けする必要はない

ここまで意味をみてきましたが「お控えくださいますよう vs お控えいただきますよう」の違いにお気づきでしょうか?

どちらも結局のところ言いたいことは同じ。

「控えてほしい」

と言いたいわけですが…

  • “お控えいただきますよう~“だと意味は「控えてもらうよう」
    →敬語は謙譲語「お(ご)〜いただく」

vs.

  • “お控えくださいますよう~“だと意味は「控えてくれるよう
    →敬語は尊敬語「お(ご)〜くださる」

というように意味と敬語の使い方が違います。

いい加減しつこいのですが、だからといって言いたいことは全く同じなわけです。

したがって、

敬語の使い方には違いはあれど、どちらもひとしく丁寧な敬語であり目上・上司・社外取引先につかえるフレーズです。

ただ少しニュアンスの違いというか敬語の使い方が違うよ、ということですね。

ビジネスメール結びとして一般的なのは「お控えくださいますよう〜」のほうですが、心底どちらでも差し支えありません。

敬語”~いただく vs くださる”の違いをもっと!

せっかくですので「~いただく」「~くださる」の違いをもっと考えてみます。

たとえば結び・締めに使う「お願い」するときのシーンを考えましょう

すると…

「ご容赦くださいますようお願い申し上げます」
「ご容赦いただきますようお願い申し上げます」

「ご了承くださいますようお願い申し上げます」
「ご了承いただきますようお願い申し上げます」

「ご確認くださいますようお願い申し上げます」
「ご確認いただきますようお願い申し上げます」

こんな敬語フレーズをよく使います。

実はこれらは「くださる」を使うのが一般的です…
「いただく」としても丁寧ではありますが…

ところが、たとえば何かをもらった時のお礼のシーンを考えます。

「たいそうなお品をくださりありがとうございました」
「たいそうなお品をいただきありがとうございました」

もうひとつ、

「いつもご利用くださりありがとうございます」
「いつもご利用いただきありがとうございます」

上記の例文はどれも敬語としては正しい使い方。

ただ圧倒的に「いただき〜」とするほうが多いですね。

結び・締めに使うフレーズとしては「くださいますよう」のほうが一般的で、お礼に使うフレーズとしては「いただきありがとう」を使うのが一般的です。

ただし何度もしつこいのですが…

本来であればどれも丁寧な敬語であり、使い分けする必要はありません。

【補足】敬語の種類(ざっくり復習)

① 尊敬語とは?
相手をうやまって使う敬語の一種。
相手の行為にたいして使い、自分の行為には使わないことが基本。

敬語の種類はほかに②謙譲語、③丁寧語がある

② 謙譲語とは?
自分をへりくだって下にすることで、相手への敬意をあらわす敬語。
自分の行為に使い、相手の行為には使わないことが基本(例外あり)。

③ 丁寧語とは?
いわゆる「です・ます」口調のこと。

上司・目上に“お控えください”は失礼?

ところで「お控えいただきますよう〜」「お控えくださいますよう〜」の他によく使われる敬語には「お控えください」があります。

「お控えください」は目上に失礼とまでは言わないものの、親しい取引先や上司および社内のコミュニケーションにつかえる程度の丁寧レベル。

つかっても失礼ということでは無いのですが…

ビジネス文書・メールや初対面の相手など気をつかうべきシーンではより丁寧な敬語に言い換えすると好感度UPします。

“お控えください”は敬語としては正しい

「お控えください」を敬語としてみていくと…

「〜ください」は命令形「~してくれ」の尊敬語であり、敬語としてはなりたっています…

「ください」は敬語ではあるものの結局のところ命令形であるために、どうしても強い口調となります。

これまで見てきたように、

「お控えくださいますようお願い申し上げます」「お控えいただきますようお願い申し上げます」「お控えいただければ幸いです」などとして使うとすばらしい敬語表現となります。

※ ほかにも使える丁寧な「お控え」の例文はあとで

ビジネスメールには堅苦しい敬語がオススメ

ビジネス会話であれば「お控えください」としてもよいでしょう。

あるいは上司・目上など社内コミュニケーション、親しい取引先にもOK。

が、ビジネスメールにおいてはより堅苦しい敬語フレーズが好まれます。

なぜならメールは会話と違い、態度で敬意をしめすことができないから。

メールにおいては丁寧な敬語フレーズを使うことが上司や目上のひとにたいする最大限の配慮なのです。

とくに、

あまり親睦のない取引先への社外メールや、きびしい上司・目上へのビジネスメールには言い換えするほうが無難です。

相手に「控えてほしい」、つまり何かしらのお願い・依頼ビジネスメールに使うフレーズですので、より丁寧な文章を心がけたいものです。

ただし使っても失礼にはあたりません。もっと丁寧な敬語フレーズがあるよ、ということです。

“お控えいただきますよう”は間違い敬語?

少し話はそれますが「いただきますよう」が謙譲語として誤りだという指摘があります。

間違いだという指摘の根拠は、

  1. “いただく”は「もらう」の謙譲語
  2. 謙譲語は自分の動作を低めて相手を敬うため、基本は自分の動作にしか使えない
  3. “お控えする”のは相手だから…
  4. “お控えいただきますよう〜”は相手の動作に謙譲語を使うことになり、おかしい?

ということです。

正しい敬語である根拠

まずは結論だけ述べますが「お控えいただきますよう」は間違った謙譲語ではありません。

「お控えいただく」は 「私が相手に控えてもらう」という意味。

自分が上司・目上・取引先など相手に「〜してもらう」の主語は自分であるハズ。したがって自分を低めて上司・目上・取引先をたてる謙譲語「いただく」をつかいます。

ちなみに尊敬語をつかって相手の行為をたてるのであれば…

「お控えくださる=相手が控えてくださる」をつかえばOK。

謙譲語にも”お(ご)”という使い方がある

ややこしいので基本的な敬語の使い方についてくわしく解説を。

じつは尊敬語と謙譲語にはどちらも「お(ご)」の使い方があります。

謙譲語としての「お(ご)」の使い方はたとえば、

「会議日程のご連絡
「忘年会開催のお控え
「販売状況のご報告
「転勤のご挨拶
「貴社ご訪問のお願い

こんな感じのフレーズがあります。よくビジネスメールの件名で目にする表現ですね。

ところが例文は自分が「ご連絡・お控え・ご報告・ご挨拶」するため「お(ご)」をつかうのはおかしいと感じるかたもいらっしゃることでしょう。

これは、

謙譲語「お(ご)」の使い方を知らないためにくる勘違いです。

尊敬語の「お(ご)」だと勘違いしているために間違い敬語と感じるのですが、実際にはどれも正しい敬語をつかっています。

いっぽうで尊敬語の「お(ご)」は、「●●部長が戻りになりました」などのようにして、相手の行為をうやまって使う敬語です。

他にもあるセットで謙譲語となるフレーズ

謙譲語の「お・ご」は尊敬語の「お・ご」と勘違いしやすい敬語です。

他にもセットで謙譲語として覚えておくと役に立つフレーズを以下にまとめます。

  1. お(ご)〜する
    お(ご)〜します
  2. お(ご)〜いたす
    お(ご)〜いたします
  3. お(ご)〜いただく
    お(ご)〜いただきます
  4. お(ご)〜申し上げる
    お(ご)〜申し上げます
  5. お(ご)〜させていただく
    お(ご)〜させていただきます

※「させていただく」は日本語としておかしい表現になる時もあり何でもかんでも使える訳ではない

「〜」の部分にイロイロな語がきて謙譲語になります。たとえば「了承」「確認」「連絡」「検討」「容赦」「査収」「取り計らい」など。

「お(ご)」は省略しても丁寧なケースあり。

また丁寧語「ます」とくみあわせて「〜します」「〜いたします」とするのが丁寧な使い方ですのでご留意ください。

ちなみに、これは文化庁の「敬語の指針」においても解説されています。私のような頭の悪い人には難しいのですが、ご興味ありましたら以下のリンクよりどうぞ。

“お控えいただきたく存じます”としても丁寧

「お控えくださいますよう vs お控えいただきますよう」と似たような敬語には

「お控えいただきたく存じます」もあります。

言いたいことはどれもおなじく「控えてほしい」なのですが…

「お控えいただきたく存じます = 控えてほしいと思います

とすることで「控えてほしいなぁ」というあなたの希望・願望を伝える敬語にしています。

敬語の解説

「お控えいただきたく存じます」の敬語の成り立ちとしては…

  • “控える”に「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」で「お控えいただく」
  • 願望「〜したい」で「お控えいただきたい」
  • さらに”思う”の謙譲語「存じる」で「お控えいただきたく存じる」
  • さらに丁寧語「ます」で「お控えいただきたく存じます」

謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上やビジネスメールで使うのにふさわしい表現、と言えるでしょう。

ほかにも使える敬語

他にも…

  • 【例文】お控えいただければと存じます
  • 【例文】お控えいただければ幸いです
  • 【例文】お控えいただけましたら幸いです

なども似たような意味であり、とても丁寧な敬語です。

・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望「~したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」

ビジネス会話・電話では”お控えいただけますか?”

ビジネスメールではなく会話や電話シーンであれば…

「お控えくださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。

長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。

そこでビジネス会話・電話では…

  • 【例文】お控えいただけますか?
  • 【例文】お控えいただけますでしょうか?

といった質問フレーズをつかいましょう。

意味としては「控えてもらえますか?」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。

「〜いただけますか?」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。

敬語の解説

お控えいただけますか?」「お控えいただけますでしょうか?

の敬語の成り立ちとしては…

  • “控える”に「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」で「お控えいただく」
  • 可能の「ける・れる・られる」で「お控えいただける」
  • さらに丁寧語「ます」で「お控えいただけます」
  • 疑問形にして「お控えいただけますか?」

“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「お控えいただけますでしょうか?」

どちらの表現も謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。

どちらかというと「〜いただけますでしょうか?」のほうが丁寧なのですが…バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか?」を使うのをオススメします。

シーンに応じて”ご遠慮”としても丁寧

ここでひとつ追記。

「お控えいただく・お控えくださる」は「ご遠慮いただく・ご遠慮くださる」をつかった敬語に言い換えることもできます。

「控える」ということはつまり「遠慮する」ことなので、どちらも結局のところおなじことを言っている訳です。

遠慮の意味は”慎み控えること”

遠慮(読み:えんりょ)のそもそもの意味は…

  1. 人に対して、言葉や行動を慎み控えること。

  2. 辞退すること。また、ある場所から引き下がること。

たとえば、

【例文】遠慮なくご連絡ださい →「控える」の意味

【例文】会議室での喫煙はご遠慮ください →「控える」の意味

【例文】飲み会への出席を遠慮いたします →「辞退する」の意味

のようにして使います。

ちなみに敬語は「遠慮」に尊敬語or謙譲語「お(ご)」で「ご遠慮」というようになります。

「自分がご遠慮する」のであれば謙譲語としての使い方。

上司・目上・取引先などの「相手がご遠慮くださる」のであれば尊敬語としての使い方。

というように2パターンあります。

“ご遠慮ください”だと意味は「遠慮してくれ」

「ご遠慮ください」としたときの意味は…

「遠慮してほしい」
「遠慮してくれ」

遠慮は「①控える」「②辞退する」のどちらかの意味であるためシンプルに要約すると、

①控えてほしい・止めてほしい

②辞退してほしい

のどちらかの意味に解釈できます。

ここで「ご遠慮」の”お(ご)”は尊敬語。自分の行為ではなく相手に「遠慮してくれ!」「遠慮してほしい!」という意味になります。

使い方は文字どおり上司や目上・取引先になにかしら遠慮してほしいときのビジネスシーンで使われます。

なお「ご遠慮してください」は間違い敬語であるためご注意を。

“ご遠慮”をつかった言い換え例文

下にいくほど丁寧なフレーズになります。

  • 例文「ご遠慮ください」
  • 例文「ご遠慮くださいませ」
  • 例文「ご遠慮いただきたく、お願い致します」
  • 例文「ご遠慮いただきたく存じます」
  • 例文「ご遠慮いただければと存じます」
  • 例文「ご遠慮のほどお願い申し上げます」
  • 例文「ご遠慮くださいますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご遠慮いただきますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご遠慮いただければ幸いです」
  • 例文「ご遠慮賜りますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご遠慮いただけましたら幸甚に存じます」
  • 例文「ご遠慮賜れますと幸甚に存じます」
  • 例文「ご遠慮賜れましたら幸甚に存じます」

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

補)敬語の解説はこれまでと重複するため省きます

使い方・ビジネスメール例文【全文】

こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。

ここでは「お控えくださいますよう vs いただきますよう」をつかったビジネスメール例文を紹介します。どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしていますので、ご参考にどうぞ。

ビジネスメール例文①懇親会の案内

メール件名:【全社】懇親会開催のご案内

●●グループ
社員の皆さま (社内全員)

お疲れ様です。
幹事を務めさせて頂きます、総務部・ノマドと申します。

さて首記の件、日頃のご慰労をかねて●●グループ全社の懇親会を下記のとおり開催いたします。

仕事では関わることの少ない部署間の交流を深めるための、懇親の場といたしたく存じます。
皆様お誘い合わせの上、ぜひご参加ください。

どうぞよろしくお願いいたします。

①日時:1月30日(木)18:30~
※本社1階に18:00集合 → 移動
②場所:●●ホテル15階
※地図を別途添付いたします
③会費:1000円/人(当日受付にて徴収)
④緊急連絡先:
・xxx(幹事・ノマド)
・xxx(副幹事・野間子)

なお会場は貸切となりますが、ホテルには宿泊の方々・ゲストもいらっしゃいます。マナーを欠くような行為はくれぐれもお控えください。

以上

************
幹事
総務部 ノマド
************

※「周囲の方々へ十分にご配慮いただきますようお願い申し上げます」というように「ご配慮」をつかった言い換えもOK

※ また「ご遠慮」を使っても丁寧

公式なメールで箇条書きを使うときには「記~箇条書き~以上」のようにする。「記」は中央ぞろえ、「以上」は右寄せだが、ビジネスメールでは相手のメール環境によってレイアウトが崩れるのでどちらも左寄せでよい

ビジネスメール例文②ゴルフコンペの案内

メール件名①●●ゴルフコンペ開催のご案内
メール件名②【10月10日】●●ゴルフコンペ開催のご案内

営業部 各位 (社内各位)

お疲れ様です。
幹事を務めさせて頂きます、営業部ノマドです。

さわやかな季節を迎え、皆様ご清祥にお過ごしのこととお喜び申し上げます。

さて、恒例となっております「ノマド杯2018ゴルフコンペ」につき、下記のとおり開催いたします。

なお、本メールはご参加される方全員へお送りしております。
急用などでご欠席される場合は事前に小職までお申し付けください。

また当日は一般の方々もご利用なさいます

周囲へ迷惑となるような行為はくれぐれもお控えいただきますよう、あわせてお願い申し上げます。

どうぞ宜しくお願いいたします。

①日時:10月10日(土)7:30開幕式
※開幕式に間に合うようご集合ください
②場所:ノマド・カントリークラブ
③組合せ・ルール:添付ファイルをご参照ください
④スケジュール
7:30 開幕式
8:00 始球式 & 一組目スタート
15:00 成績発表・懇親会
16:00 閉幕
⑤交通のご案内
・クラブバス – 6:00 xx駅●口発
・電車 – 最寄xx駅
・車  – xx高速インター出口より30分

以上

************
幹事
総務部 ノマド
************

「周囲の方々へ十分にご配慮いただきますようお願い申し上げます」というように「ご配慮」をつかった言い換えもOK。また「ご遠慮」を使っても丁寧

他にもつかえる丁寧な言い換え

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが、上司・目上・取引先などに「控えてほしい」ときにつかえる例文をまとめておきます。

下にいくほど丁寧な敬語になります(場面によってはバカ丁寧に感じられるためご注意を)。

※ あくまでも目安としてお考えください。

①会話・電話対応につかえる丁寧レベル

下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お控えください
  2. お控えくださいませ
  3. お控えいただけますか?
  4. お控えいただけますでしょうか?
・「ませ」は丁寧語”ます”の命令形
・「いただけますか」は謙譲語「いただける」+可能+丁寧語の疑問形”ますか”
・「ますでしょうか」は丁寧語”ます”+”だろうか”の丁寧語「でしょうか」

②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お控えください
  2. お控えくださいませ
  3. お控えいただけますか
  4. お控えいただけますでしょうか
  5. お控えいただきたく、お願い致します
  6. お控えいただきたく存じます
  7. お控えいただければと存じます
  8. お控えくださいますようお願い申し上げます
  9. お控えいただきますようお願い申し上げます
  10. お控えいただけますようお願い申し上げます

注)上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。

【敬語の補足】

・「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+願望「~たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お控えくださいませ
  2. お控えいただきたく、お願い致します
  3. お控えいただきたく存じます
  4. お控えいただければと存じます
  5. お控えいただきますようお願い申し上げます
  6. お控えいただけますようお願い申し上げます
  7. お控えくださいますようお願い申し上げます
  8. お控えいただければ幸いです
  9. お控えいただければ幸甚に存じます
  10. お控えいただけましたら幸いです
  11. お控えいただけますと幸いです
  12. お控えいただけますと幸甚に存じます
  13. お控えいただけましたら幸甚でございます
  14. お控えいただけましたら幸甚に存じます

【敬語の補足】

・「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+願望「~たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

④最上級の丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お控えいただければ幸いです
  2. お控えいただければ幸甚に存じます
  3. お控えいただけましたら幸いです
  4. お控えいただけましたら幸甚でございます
  5. お控えいただけましたら幸甚に存じます

【敬語の補足】

・「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
・賜る(たまわる)は公式なビジネス文書や手紙によくつかう 

参考記事

ビジネスメール結びをより丁寧にするコツ