【2018年版】製薬メーカー(先発薬・ジェネリック・一般用薬品・バイオ薬品など)売上ランキング国内TOP50。
2018年3月期あるいは同等の決算報告書から最新の売上ランキングを紹介します。複数の分野にまたがるため、分野ごとのランキングも記事の最後にて別途作成しています。
就職・転職のご参考にどうぞ。
※「ホールディングス=HD」「グループ=G」と省略。
なお売上ランキングTOP30については企業の概要も解説しておく。
ランキング第30位-21位
【2018年版】製薬メーカー(先発薬・ジェネリック・一般用薬品・バイオ薬品など)の国内売上ランキング。
まずはランキング30位~21位。各分野で知名度のそれなりに高い企業がこのランクに登場します。
- 30位 日本ケミファ|売上353億円、純利11億円
▼ジェネリック医薬品メーカー。新薬開発もおこなってはいるが、売上のほとんどはジェネリック薬からくる。アルカリ化療法剤「ウラリット」や鎮痛・消炎剤「ソレトン」が主力品。平均年収679万円。→公式HP - 29位 ダイト|398億円、純利30億円
▼富山県に本社をおくジェネリック医薬品(後発薬)メーカー。後発薬市場の拡大もあって売上は年々伸びている。平均年収511万円。→公式HP - 28位 扶桑薬品工業|459億円、純利9億円
▼大阪府に本社をおく先発医薬品メーカー。社名の読み方は「扶桑=ふそう」。透析液では国内シェアトップであり、人工腎臓用透析液「キンダリー」が主力製品。また注射針など周辺の医療用器具も手がけている。ただし先発メーカーのわりに利益率が低い点が気になる。平均年収550万円。→公式HP - 27位 あすか製薬|489億円、純利23億円
▼先発医薬品メーカーであり、高脂血症治療剤や女性ホルモン製品が主力。とくに産婦人科、内科、泌尿器科を今後の重点領域としている。平均年収788万円。→公式HP - 26位 鳥居薬品|641億円、純利47億円
▼JT(日本たばこ産業)連結子会社の先発薬メーカー。いちおう上場しているが過半の株をJTが保有している。腎・透析、皮膚疾患、アレルゲン、HIV感染症が重点領域。かつてはメルクやアサヒビールの子会社であったが1998年に今の体制となった。そろそろ実を結ぶか?平均年収740万円。→公式HP - 25位 ゼリア新薬工業|645億円、純利41億円
▼先発薬および一般用医薬品メーカー。先発薬では炎症性腸疾患治療剤「アサコール」、一般用では滋養強壮剤「ヘパリーゼ」、関節痛薬「コンドロイチン」などを主力としている。平均年収691万円。→公式HP - 24位 キッセイ薬品工業|740億円、純利90億円
▼長野県に本社をおく先発医薬品メーカー。腎・透析、泌尿器、糖尿病関連などを重点領域にかかげている。平均年収774万円。→公式HP - 23位 東和薬品|934億円、純利64億円
▼ジェネリック医薬品(後発薬)の専業メーカー。循環器、呼吸器、神経系、アレルギーなどを主力分野としている。平均年収616万円→公式HP - 22位 科研製薬|984億円、純利190億円
▼先発薬メーカー。もとは理研グループの一角であったが独立・上場して今にいたる。関節機能改善剤「アルツ」、爪白癬治療剤「クレナフィン」などが主力。整形外科、皮膚科、外科を重点領域としている。平均年収781万円。→公式HP - 21位 日本新薬|1,014億円、純利129億円
▼中堅クラスの先発薬メーカー。泌尿器科、血液内科、難病・希少疾患、婦人科、耳鼻咽喉科の5領域を中心に展開している。平均年収770万円。→公式HP
ランキング第20位-11位
【2018年版】製薬メーカー(先発薬・ジェネリック・一般用薬品・バイオ薬品など)売上ランキング国内TOP30。
つづいてランキング20位~11位。
- 20位 持田製薬|売上1,067億円、純利90億円
▼循環器、産婦人科、皮膚科、救急、精神科を重点領域とする先発薬メーカー。慢性疼痛・抜歯後疼痛治療剤「トラムセット」、抗うつ剤「レクサプロ」、高脂血症・閉塞性動脈硬化症治療剤「エパデール」などが主力製品。平均年収813万円。→公式HP - 19位 キョーリン製薬HD|1,106億円、65億円
▼先発医薬品メーカーの杏林製薬などを傘下におく持株会社。製薬メーカーとしては中堅クラスに位置する。呼吸器科・耳鼻科・泌尿器科が重点領域。平均年収930万円。→公式HP - 18位 ツムラ|1,178億円、純利145億円
▼漢方分野において国内No.1シェア。一般用薬もおおく手がけているが、医療用の漢方が収益源であり「漢方のツムラ」のスローガンで知られている。平均年収804万円。→公式HP - 17位 久光製薬|1,478億円、純利191億円
▼佐賀県に本社をおく貼付剤メーカー。医療用を主力としつつ、「サロンパス」ブランドでOTC医薬品も展開している。平均年収651万円。→公式HP - 16位 日医工|1,647億円、純利80億円
▼富山県に本社をおくジェネリック医薬品メーカー。ジェネリック医薬品におけるシェアでは沢井製薬に次いで日本国内No.2。平均年収675万円。→公式HP - 15位 沢井製薬|1,680億円、純利140億円
▼大阪府に本社をおくジェネリック医薬品メーカー。後発薬分野においては国内最大手メーカーである。平均年収579万円。→公式HP - 14位 ロート製薬|1,717億円、純利92億円
▼一般用薬(OTC医薬品)の専業メーカー。医療用医薬品には一切参入していないため利益率はそこまで高くない。一般用目薬において国内No.1のシェアをもつほか、米国子会社メンソレータムを通じてスキンケア事業も展開している。平均年収746万円。→公式HP - 13位 参天製薬|1.3兆円、純利1,460億円
▼眼科および一般むけの目薬・アイケア製品を手がけている製薬メーカー。国内の医療用目薬ではシェア1位。一般用目薬ではロート製薬についで2位のシェアを持つ。一般向けは「サンテメディカルシリーズ」が主力。平均年収819万円。→公式HP - 12位 小野薬品工業|2,618億円、純利502億円
▼医療用薬品メーカー。がん治療およびそのサポーティブケアのを重要な戦略分野と位置づけ、創薬研究においては独自の「化合物オリエント」という創薬手法が基盤となっている。平均年収905万円。→公式HP - 11位 大正製薬HD|2,800億円、純利316億円
▼一般用医薬品メーカー最大手。リポビタンシリーズ、パブロン、リアップ(育毛剤)の3分野を柱としている。収益源はリポビタンシリーズでドリンク剤市場で5割近いシェアを保持、売上では同社のセルフメディケーション事業の3割強を占めているがシェアは年々低下傾向。それにともない収益性も悪化している。成長ドライブは海外事業(2000年以降、複数の企業を買収した)であり、低調な国内事業を海外の成長でおぎなっている。平均年収876万円。→公式HP
ランキングTOP10
【2018年版】製薬メーカー(先発薬・ジェネリック・一般用薬品・バイオ薬品など)売上ランキング国内TOP30。
つづいてランキングTOP10。
10位 塩野義製薬|売上3,446億円
大阪府に本社を置く大手製薬メーカー(先発薬)。略称は「シオノギ製薬」「シオノギ」。
売上は過去最高の4,200億円を達成した2001年度以降、2,000億円を割り込んでいた時期もあったが近年は回復傾向。
また利益面でみると導出によるロイヤリティ収入(特許などを他社に貸した対価)がおおきく寄与し、2016・2017年度と連続で過去最高純利益を更新した。純利1,000億円超はスゴイ。
主力製品は以下のとおり。
- サインバルタ (日)・・売上235億円 (前年度比+45億円)
- クレストール (日)・・293億円 (-138億円)
- イルベタン類 (日)・・146億円 (-7億円)
- ロイヤリティ収入など・・791億円 (▲4%)
*HIVフランチャイズ、クレストール導出からくる
HIVフランチャイズ・クレストールの導出によるロイヤリティ収入によって
平均年収919万円。純利1,088億円。→公式HP
9位 協和発酵キリン|売上3,533億円
大手飲料メーカー・キリンHD傘下の製薬メーカーであり、バイオケミカルを柱に展開している。がん、腎、免疫疾患、中枢神経を重点領域とした研究開発、抗体技術に強み。また大手化学メーカー・富士フイルムとも提携関係にある。
主力製品は以下のとおり。
- ネスプ (日)・・売上564億円 (前年度比±0%)
- レグパラ (日)・・185億円 (▲7%)
- ジーラスタ (日)・・181億円 (+17%)
- アレロック (日)・・159億円 (▲12%)
- Abstral (海外)・・119億円 (+12%)
- 技術収入・・184億円 (+45%)
*ベンラリズマブ関連からくる
平均年収836万円。純利428億円。→公式HP
8位 田辺三菱製薬|売上4,338億円
2007年に当時の三菱ウェルファーマと田辺三菱製薬が経営統合して発足。
現在は国内No.1化学メーカー・三菱ケミカルHD傘下企業となっている。
売上は2008年度以降ほぼ横ばいではあるものの、自社開発品のロイヤリティ収入(他社へ特許などを貸した対価)によって合併当時から利益は倍増した。
海外売上比率10%未満であり、他大手製薬メーカーと違い国内メインのスタンスを取っている。海外はおもに他社に導出し、ロイヤリティを得ることで収益を確保している。
主力製品は以下のとおり。
- レミケード (日)・・売上646億円 (前年度比▲3%)
- シンポニー (日)・・321億円 (+29%)
- テネリア (日)・・175億円 (+6%)
- ロイヤリティ収入など・・791億円 (▲4%)
*ジレニア、インヴォカナ導出からくる
自己免疫疾患、糖尿病・腎疾患、中枢神経系疾患、ワクチンの4領域が今後の重点分野。
平均年収875万円。純利579億円。→公式HP
7位 大日本住友製薬|売上4,668億円
大手化学メーカー・住友化学の子会社であり、同社が50%超の株式を保有している。
おもに北米での海外事業によってほぼ右肩あがりに規模拡大し、2017年3月期に過去最高売上・過去最高利益を達成した。親会社の業績をささえる親孝行企業である。
現在では全社売上の50%以上を北米事業がしめ、主力製品は以下のとおり。
- ラツーダ (米)・・売上1,786億円 (前年度比+31%)
- ブロバナ (米)・・331億円 (±0%)
- メロペン (中)・・204億円 (+33%)
- 日本における医薬品の売上合計・・1,433億円 (+2%)
研究開発の重点は精神神経とがん領域としている。
平均年収861万円。純利534億円。→公式HP
6位 中外製薬|売上5,341億円
大手製薬メーカーの一角をなす(医療用医薬品)。国内のがん領域・抗体医薬品の売上シェアNo.1。
2002年にスイスの大手医薬品メーカー、ロシュとの戦略的アライアンスに基づきRocheグループ傘下となった。もともとの中外製薬のバイオをはじめとした独自創薬技術にくわえ、ロシュとのアライアンスによる新薬パイプラインを保有。
以降は、売上・利益ともにおおむね右肩上がりに成長。2017年度決算においては過去最高売上・過去最高利益を更新した。事業拡大にくるしむ他大手製薬メーカーとは対照的である。
なお実質上ロシュによる買収であるが、いちおうは独立経営および東証一部上場であり、それなりの体裁を維持している (ただし60%超の株式をロシュが保有)。
2019年現在、主力となっている医薬品は以下のとおり。
- アバスチン・・売上931億円 (前年度比+1%)
- リツキサン・・334億円 (+4%)
- アクテムラ・・331億円 (+10%)
- アレセンサ・・306億円 (+104%)
- エディロール・・296億円 (+11%)
- ロイヤリティおよびその他営業収入・・349億円 (+83%) *他社に貸した特許の使用料などのこと
平均年収952万円。純利727億円。→公式HP
5位 エーザイ|売上6,000億円
製薬メーカー大手。消費者むけ美容ドリンク「チョコラBB」などで知られる企業であるが、それは同社ビジネスのほんの一部。柱はあくまでも医療用医薬品である。
2018年3月期決算では中国・欧州およびロシア事業が大きく成長し、全社として4%の増収。また営業利益は米国をのぞく海外事業の好調および、製薬大手Merck (独) などとのパートナーシップによる契約一時金が寄与し30%増と大きく躍進した。
しかし、過去最高売上を達成した2009年度8,000億円には及んでいない。
2019年現在の主力製品は以下のとおり。
- ヒュミラ・・売上434億円 (前年度比+15%)
- リリカ・・401億円 (±0%)
※疼痛治療剤 - アリセプト・・443億円 (▲10%)
※認知症治療薬 - Aloxi (米国)・・396億円 (▲18%)
※制吐剤 - ハラベン・・399億円 (+7%)
※抗がん剤 - レンビマ/Kisplyx・・322億円 (+50%)
※抗がん剤
2008年にがん領域に強いバイオ医薬品企業のMGI Pharma(米)を買収し、事業領域を拡大。今後はがん、神経分野を開発する。
平均年収1044万円。純利518億円。→公式HP
4位 第一三共|売上9,601億円
2005年に三共と第一製薬の統合によって設立された製薬メーカー。血栓、循環代謝、癌領域に注力している。
2013年度の決算では売上1兆円を超えたが、その後は失速して1兆円に届かない範囲で収まっている(安定しているとも言う)。売上の6割超は国内であり、海外売上比率はそこまで高くない。
2019年現在の主力製品は以下のとおり。
- オルメサルタン・・売上1,497億円 (前年度比▲31%)
含むオルメテック(日本)、レザルタス(日本)、オルメサルタン(欧・米)
※高血圧症治療剤 - ネキシウム・・865億円 (+3%)
※抗潰瘍剤、国内品目 - エドキサバン・・771億円 (+107%)
含むリクシアナ(日本・欧州)、サベイサ(米国)
※抗凝固剤 - メマリー・・486億円 (+4%)
※アルツハイマー型認知症治療剤、国内品目 - プラスグレル・・328億円 (前年度比▲21%)
含むエフィエント(日本・欧州)、共同販促収入(米国)
※抗血小板剤
ネキシウムは2017年国内医療用医薬品の売上高2位となった。
また海外関連の買収も実施しているがあまり上手くいっておらず、2008年に買収したインドのRanbaxy Laboratoriesで品質問題・米国禁輸措置などが発生し事実上売却した(損失発生)。
これまでアルツハイマー型認知症治療剤「メマリー」や骨粗鬆症治療剤「プラリア」など独自の領域に強みを持っていたが、がん領域も強化しており、2025年にがん事業で3,000億円規模を目指している。
平均年収1103万円。純利602億円。→公式HP
3位 大塚HD|売上1.2兆円
大塚製薬などを傘下におく持株会社。おもに医薬品と機能性食品の事業から成り立つ。医薬品では中枢神経・がん領域を重点とし、機能性食品では「ポカリスエット」「オロナミンC」などが主力製品。
消費者にはポカリスエットで知られる大塚製薬だが、実際には医薬品が同社の柱であり売上8,000億円強は医療事業からくる。ちなみにポカリスエットなどを扱うNC事業は3,000億円強の売上にとどまる。
2019年現在における主力製品は以下のとおり。
- エビリファイ・・売上673億円 (前年度比▲29%)
※抗精神病薬。2014年にはエビリファイだけで6,500億円を売り上げたが特許切れによって全盛期の1割の売上となった。もちろん今後も減っていく見込み。 - エビリファイメンテナ・・709億円 (+24%)
※アリピプラゾール持続性水懸筋注用 - サムスカ/ジンアーク・・642億円 (+31%)
※V2受容体拮抗剤
大塚HDにおいては2014年当時、全グループ売上の半分を稼いでいたエビリファイ。特許切れで現在は全盛期の1割以下の売上にとどまるも、新薬リリースによってある程度カバーできているから凄い。
ただし利益面においては言うまでもなく急下降し、2017年度決算ではピーク時からおおよそ半減してしまった。
そして今後は新薬パイプラインの順調な立ち上がりによって、徐々に回復の見込みである。全社売上の半分をしめた製品が無くなっても、案外なんとかなるものである。
大塚製薬のポテンシャルを再認識できる結果となった。
平均年収1076万円。純利1,124億円。→公式HP
2位 アステラス製薬|売上1.3兆円
山之内製薬と藤沢薬品工業が2005年に合併して誕生した。泌尿器、癌、移植の3つの領域を重点としている。
2013年度決算ではじめて売上1兆円をこえ、その後も海外を中心に売上を伸ばしている。2007年度は海外売上比率は5割そこそこだったが、ここ10年の間に海外M&Aや海外増販によって最近では海外売上7割にせまる勢いである(国内事業が低迷しているせいもあるが…)。
なお2019年現在における同社の主力製品をまとめると以下のとおり。※売上はグローバルベース
- イクスタンジ・・売上2,943億円 (前年度比+17%)
→前立腺がん治療薬 - 泌尿器OABフランチャイズ・・2,281億円 (+6%)
ベシケア・・1,023億円 (▲15%)
ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ・・1,257億円 (+23.7%) - プログラフ・・1,985億円 (+7%)
→移植後の拒絶反応抑制剤、免疫抑制剤
上記5製品だけでなんと売上7,000億円であり、全社売上の5割超を占める。
2018年3月期決算をざっくりまとめる。
国内売上は3,800億円で15%減収、その分を海外増収でおぎない全社としては前年比0.9%減の売上1兆3000億円でおさまった(営業利益は18%減)。国内減収はこれで2年連続。2年前の国内売上4,800億円にたいして▲1,000億円もの売上が吹っ飛んだ。
理由はこれまでの稼ぎ頭、降圧剤「ミカルディス」に後発品(ジェネリック薬)が参入したこと。同剤の売上は932億円から463億円へと、わずか1年もたたない間に半減した。
また2017年4月にガスターなど長期収載品16製品を他社に譲渡したことも、国内事業減収の要因のひとつ。
ただそうは言っても、財務体質をみると致命的な部分は見あたらず健全である。
なお2000年代から大手製薬メーカーにおいてトレンドとなっている「会社ごと新薬パイプラインを買う」も進めており、2010年にOSI Pharmaceuticals(米国)を買収。2016年以降はGanymed Pharmaceuticals (独)やOgeda (ベルギー)を始めとして相次いで買収を実施している。
同社によると今後「がん、免疫関連疾患、眼科疾患、筋疾患などを中心として、標的因子から治療手段を開発するFocus Areaアプローチでの開発を進める」としている。
平均年収1079万円。純利1,646億円。→公式HP
1位 武田薬品工業|売上1.7兆円
国内最大手の先発薬メーカーである。2019年現在、主力製品には以下の製品群がある。
- 消化器系疾患 領域
エンティビオ・・売上1,966億円 (前年度比+36%)
たけキャブ・・551億円 (+62%)
その他 - 抗がん剤 領域
ベルケイド・・1,373億円 (±0%)
リュープロレリン・・1,144億円 (±0%)
NINLARO・・457億円 (+54%)
アジルバ・・730億円 (+9%)
その他 - 神経系
ベルケイド・・478億円 (+48%)
米製薬大手のファイザーがあみだしたビジネスモデル(=新薬開発の完全自前主義をあきらめて新薬のパイプラインごと会社を買っていく手法)を大胆に実行している唯一の日系企業。
といっても社長が外人なので経営はアメリカ流なのだけど…。
これまでの主な買収先は、
2008年 Millenium Pharmaceuticals (米)、2009年がん領域のIDM Pharma (米)、2011年 Nycomed International Management (スイス)、2017年 Ariad PharmaceuticalsNycomed International Management (米)などが挙げられる。
さらに2018年には日本企業において過去最大となるシャイアー (アイルランド)の買収を発表、これでようやく世界トップ10入りを果たす予定である。なお買収に費やされる金額は6.8兆円と見られている。
これまで大小さまざまな企業に投資してきたソフトバンク・孫正義 氏もビックリの買収額である。
で売上のほうはこれらの買収劇もあって、2000年前半の1兆円前後から10数年の間におおよそ2倍にせまる勢いである。
しかし利益面においては当時とあまり変わっていない…。
そして大型買収を繰り返す前、2008年ごろまで財務体質も健全そのものであったが、いまでは様変わりしてしまった…。
でも後もどりはできない…今後はシャイアーとのシナジーをどう発揮していくのか見もの。
平均年収1038万円。純利1,868億円。→公式HP
製薬メーカーの各種ランキング
医薬品メーカーのなかにもいくつかジャンルがあるため、それぞれの分野における売上ランキングもまとめておく。なお非上場企業については入手できる範囲で数字を掲載しており、100%正確ではない。
医療用医薬品(先発薬)メーカー TOP20
- 武田薬品工業 売上1.7兆円、純利益1,868億円
- アステラス製薬 1.3兆円、1,646億円
- 大塚ホールディングス 1.2兆円、824億円
- 第一三共 9,601億円、純利602億円
- エーザイ 6,000億円、純利518億円
- 中外製薬 5,797億円、純利924億円
- 大塚製薬(非上場) 5,312億円、純利880億円
- 大日本住友製薬 4,668億円、純利534億円
- 田辺三菱製薬 4,338億円、純利579億円
- 協和発酵キリン 3,465億円、純利544億円
- 塩野義製薬 3,446億円、純利1,088億円
- MSD(非上場) 3,153億円、純利NA
*ドイツ大手製薬メーカー・Merckの日本法人、外資企業。 - 小野薬品工業 2,618億円、純利502億円
- 日本ベーリンガーインゲルハイム(非上場) 2,586億円、純利NA
*ドイツ大手製薬メーカー・ベーリンガーインゲルハイムの日本法人 - バイエル薬品(非上場) 2,495億円、純利236億円
- グラクソ・スミスクライン(非上場) 2,251億円、純利NA
*イギリス大手製薬メーカーの日本法人、外資企業。 - 参天製薬 2,249億円、純利352億円
- 日本チバガイギー(非上場) 1,776億円、純利348億円
*スイス大手製薬ノバルティスの日本法人、外資企業。 - サノフィ(非上場) 1,764億円、純利NA
*フランス大手製薬サノフィの日本法人、外資企業。 - 日本化薬 1,678億円、純利154億円
ジェネリック医薬品メーカー TOP10
売上No.1の日本調剤は調剤薬局チェーンが本業であり、業種「小売」となっているため上部のランキングからは除外した。が、ジェネリック医薬品大手でもある。
- 日本調剤 売上2,412億円、純利益61億円
- 沢井製薬 1,680億円、純利140億円
- 日医工 1,647億円、純利80億円
- 東和薬品 934億円、純利64億円
- 富士製薬工業 379億円、純利33億円
- 日本ケミファ 353億円、純利11億円
- 日本ジェネリック(非上場) 312億円、純利115億円
- 共和薬品工業(非上場) 291億円、純利32億円
- 長生堂製薬(非上場) N/A
- テバ製薬(非上場) N/A
- 日新製薬(非上場) N/A
- 全星薬品工業(非上場) N/A
- ノーベルファーマ(非上場) N/A
製薬メーカー世界ランキング売上TOP30
為替レートは各企業の決算期における期中平均レートを使用。非上場企業は古いデータの場合もあり、100%正確ではない。*2018年12月期あるいは同等決算期の数字を使用。