外資系企業の就活・転職サイトのキャッチフレーズ。
「(鬼のように働いて)年収1億円越えを目指そう!!」
「(ゴマすり)能力主義の外資系企業でクールなキャリアを築こう!!」
「(部下ゼロの名ばかり)20代マネージャーってクールだぜ!!」
「目指せ(激務すぎて結婚できない)キャリアウーマン!!」
かなり意識高い系な感じ。
さらに掲載されている企業を見ると…
なんとまぁ、ブラック・激務企業のオンパレードな訳です…
でも外資就活サイトでは、これらの企業が素晴らしい優良企業として賞賛されています(汗)。
月100時間以上の残業があたり前の激務企業をブラック企業とするべきかどうかは別の機会に議論をするとして。
今回はなぜ、外資就活・転職サイトが激務・ブラック企業ばかり賞賛しているのかを解説していきます。
理由①就活・転職サイト=掲載企業から貰うお金で成立
もはや説明不要かと思われますが念のため…
就活サイトや転職サイトは掲載企業から貰うお金で成り立っています。図式化するとこんな感じ。
「就活生を集客 → 企業宣伝 → 企業から宣伝費を貰う」
②お金さえ貰えばブラック企業だろうと賞賛する
だから当然、掲載企業のことを間違っても「ブラック企業」だなんて書けません(苦笑)。とりあえずどんな企業の紹介でもポジティブに締めくくります。
これは私がサイト運営者の立場だったとしても、そうするでしょう。ビジネスをするのに好きも嫌いもありませんし、客の満足度など知ったことではありません。
なぜなら、企業はお金をくれるけど就活生はお金をくれないから。だから就活・転職サイトは企業側に都合の良い情報ばかりになってしまうのです。
たとえば、リクルートや野村證券が「人材輩出企業=起業家の登竜門」と紹介されていたり(本当は激務で離職率が高いというだけ)。
電通が「完全週休2日制のワークライフバランスがとりやすい企業」と紹介されていたり(実際は過労死するほど激務)…
まぁもう何でもあり。潰れそうなシャープや東芝でさえもイケイケで宣伝するでしょう。
③外資系企業は採用活動に対する金払いがよい
外資系企業はリクルートにお金をかけます。それは優秀な人材を早く囲い込みしたいから。
単に頭が良いだけではダメで、激務に耐える体力・根性も必要、上司へのゴマすり能力も必要。
よく日系企業の根性論が否定されていますが、外資証券に必要な根性は日系企業の比ではありません。上司へのゴマすり能力・頭のよさ・体力・根性など、すべての条件を満たす人でないと入社半年で潰れます。
さて話は少々それましたが、就活サイトを効率よく運営したいなら金払いの良い外資系企業を中心に宣伝して運営する。というのが正解。
一方、化学素材メーカーみたいな資本集約的な業界は、リクルートにカネをかけない。なぜなら適当な人材を適当に雇っても会社は存続してしまうから。
だからリクルート、マイナビやらの安い費用で採用活動を請け負ってくれる外注サイトに運営を任せて終了。ワークショップなどの特別なことは何もしない。
学歴フィルター通過した学生のエントリーシートを読んで書類選考。あとは面接で適当に気に入った人材を選別すればOK。シンプルでカネのかからない採用活動を展開しています。
④激務・高給企業の就活にも需要がある
「毎日、20時間仕事をしても年収が高ければそれでOK!!」
こういう就活・転職者が一定の割合で存在するのは事実。需要があるから供給も存在するのでしょう。で、高給・激務企業ばかり掲載していたらブラック企業の職安みたいになってしまった。というパターン、これが外資就活サイトの姿です…
年収だけが目的なら外資金融・外資コンサルじゃなくてもいいんじゃない?
外資就活サイトでは何も語られませんが…
激務・ブラック企業に就職することだけが年収5000万円を突破する方法ではない。
「毎日、20時間仕事をしても年収が高ければそれでOK!!」
という考えで就職するのであれば、人生、損してますね…今の外資証券はゴールドマンサックスのMD(支社長クラス)であっても年収5億円前後しかもらえません。
リーマンショック前までは一桁、もしくはもっと高かったのに、今では年収10分の1以下です。ハイリスク・ハイリターン運用で結果だして50億円もらって逃亡。失敗したら国が税金を使って補填。という外資証券ドリーム時代は終わりました。
金融規制は今後ますます強化され、夢のない年収しか残らないでしょう。
もっと視野を広げれば、別の道でも年収を青天井にする方法があるというのに…
まとめ&筆者の小言
すみません、最後は少し話が飛びました。
サマリーすると、上述のように外資系企業の就活・転職を生業にするウェブサイトが完成します。
ビジネスだから法に触れなければ何をしても自由。同じウェブサイトを運営するものとして、目の付け所は素晴らしいと思います。でも似たような就活サイトばかりだと世の中つまらない。
ということで私は誰からお金を貰うわけでもなく「メーカー推し」を続けます(苦笑)。
《実際はグーグル先生から、なけなしの広告収入をもらってます。だからグーグル先生のことは絶対に否定しません》