非鉄金属メーカーの国内ランキング2017年版、売上トップ20。
また、非鉄金属メーカー各社の強み、弱み、違いをざっくりとまとめています。
就活と転職の業界研究にお役立てください。
1位|住友電気工業(売上2.9兆円)
国内No.1の非鉄金属メーカーは住友電気工業(通称:住友電工)。
住友電工はもともと電線やケーブルのメーカーであったが、今では売上の50%以上が自動車むけの材料となっている。
特にワイヤーハーネス(自動車に電気を伝える電線)で世界No.1シェア25%を誇る。
強みは自動車ワイヤーハーネスでの圧倒的シェア、弱みは特にない。
- 2015-2016年の売上2.9兆円、当期純利益910億円
2位|三菱マテリアル(1.4兆円)
国内No.2の非鉄金属メーカーは三菱マテリアル。
三菱マテリアルはセメント・金属(とくに銅)・アルミ・電子材料などの事業を持つが、コア事業は売上の50%近くをしめる金属(とくに銅)事業。
「権益投資(石を取り出す)→精錬(石から金属を取り出す)→加工」を手がけるほか、金属リサイクル事業にも力を入れている。
強みは昔から持っている安値で買った鉱山権益からの安定収益、リスクを負わない堅実な経営。
弱みは2~4番手の商品が多く、つき抜けた実力がないこと(三菱グループの会社はどこも同じ)。総合力で何とかしている感じ。
- 2015-2016年の売上1.4兆円、当期純利益613億円
3位|古河電気工業(8748億円)
国内No.3の非鉄金属メーカーは古河電気工業(通称:古河電工)。
古河電工は、住友電工をスケールダウンしたような会社。事業構成がほとんど同じため、違いを説明できない(苦笑)。
強みは各事業の売上とバランスがいいこと。
弱みは特に見あたらない。
- 2015-2016年の売上8748億円、当期純利益100億円
4位|住友金属鉱山(8554億円)
国内No.4の非鉄金属メーカーは住友金属鉱山(通称:住山)。
住友金属鉱山は、資源事業(とくに銅、ニッケル)、精錬事業(石から金属を取り出す)、材料事業から成り立つ。
強みは圧倒的な資本力(自己資本比率65%、vs. 三菱マテリアル30%、三井金属鉱業32%)、リスクを冒さない堅実な経営。
弱みは非鉄金属の市況価格に業績が左右されること(これは仕方ない)。
三菱マテリアルとの違いはセメント事業・アルミ事業を持っているかどうか。三菱はセメント&アルミ事業があり、住友金属鉱山にはない(住友グループには「住友大阪セメント」あり)。
- 2015-2016年の売上8554億円、当期純利益▲3億円
▼2015年度の決算数字は赤字だったが、気にするレベルではない。
5位|フジクラ(6785億円)
国内No.5の非鉄金属メーカーはフジクラ。
フジクラは、住友電工・古河電工をさらにスケールダウンしたような会社。事業構成がほとんど同じため、違いを説明できない(苦笑)。
強みは各事業の売上とバランスがいいこと。
弱みは世界シェアの高い商品を持たないこと。
- 2015-2016年の売上6785億円、当期純利益113億円
6位|UACJ(5757億円)
国内No.6の非鉄金属メーカーはUACJ。旧:古河スカイ(古河グループ)と旧:住友軽金属工業の合併により誕生した。
軽金属、特にアルミ(アルミ缶や自動車部品などに使う)をコア事業にする。
強みはアルミの世界シェアNo.3(国内No.1)。国内ビジネスでの安定収益
弱みはアルミ自体が汎用商品であり、大きく稼げる事業ではないこと。外部環境の変化に弱いこと。グローバル展開がイマイチなこと。
- 2015-2016年の売上5757億円、当期純利益51億円
7位|日本軽金属ホールディングス(4644億円)
国内No.7の非鉄金属メーカーは日本軽金属(通称:日軽金)。
UACJと似たような事業構成であり、アルミをコアビジネスにして周辺事業を固める戦略。違いは特になし。
強みは国内での安定した地位。
弱みはUACJと全く同じため省略。
- 2015-2016年の売上4644億円、当期純利益155億円
8位|三井金属鉱業(4505億円)
三井金属鉱業は機能材料事業、金属事業(とくに銅)、自動車機器事業から成り立つ。
強みは、機能材料事業のとくに、2輪分野(バイクなど)で使う触媒における世界No.1シェア(50%弱)。自動車用ドアロックも世界No.1。安定した収益が見込める。
弱みは、外部環境変化を受けやすい金属事業(これは仕方ない)。
- 2015-2016年の売上4505億円、当期純利益▲209億円
9位|DOWAホールディングス(4065億円)
DOWAホールディングスは、環境・リサイクル、精錬事業、電子材料、金属加工、熱処理の5事業から成り立つ。探鉱(鉱山を探すこと)プロジェクトに毎年、少額ながら投資をしているので、いずれ川上権益に投資するかも?
最も売上の大きい精錬事業がコアビジネスと見ることもできるが、収益面では5事業すべてにおいて、それなりの利益を出している。
強みは細かいニッチ分野の集合体であるところ。収益のバランスがよく、大崩れしにくい。
弱みはすべてにおいて中途半端なところ。上流権益を持たないこと(価格の下落局面では有利になる)。
- 2015-2016年の売上4065億円、当期純利益218億円
10位|リョービ(2545億円)
リョービは金属加工をメインとする会社。
手がける事業には、ダイカスト(自動車用途)、パワーツール(のこぎりなどの工具)、建築用品(ドアクローザなど)、印刷機器(大型プリンター)の4事業がある。
川上の採掘・精錬などを持たない分、川下展開にしか生き残る道はなく、末端製品も手がけている。
強みは不明。競合が少ないニッチ分野を攻めることで成り立っている気がする。
弱みはニッチな割に収益性が低いこと。自動車にしろ、工具にしろ、あまり稼げそうな分野ではない。低位安定、といったイメージ。
- 2015-2016年の売上2545億円、当期純利益93億円
11位|昭和電線ホールディングス(1697億円)
名前の通り「電線」を作る会社として発祥。香港企業が大株主。
今の事業構成は、電線、電力システム、巻線、コミュニケーションシステム、デバイスの5事業からなる。コアビジネスの電線事業は、汎用なので大きく稼げないが計算できる事業。他はどうしょうもない。
住友電工・古河電工・フジクラと手がける事業が丸かぶりしていて、どの分野でも競争に勝てる技術と体力に乏しい。
- 2015-2016年の売上1697億円、当期純利益▲91億円
12位|古河機械金属(1617億円)
歴史の教科書にもでてくる「足尾銅山」が出発。
旧:古河財閥の中核であり、古河金属(鉱山開発)→古河電工(精錬、加工)→富士電機(電機製品)→富士通(末端)という流れでグループ内で完結するビジネスをやっていた。
その後、国内銅山のコスト競争力なくなった時から川下展開を加速。
今では機械事業(ドリル、クレーンなど)と金属事業が同じくらいの売上比率。他にも電子、化成品、不動産事業を持つ。
住友金属鉱山、三菱マテリアルが原料ソースを海外にもとめて権益投資、鉱山の確保に走ったのとはまるで逆の方向性。
この経営判断のミスが今の格差につながっている。
強みはドリル、クレーンの国内市場での高シェア。
弱みは上流事業を諦めたこと(今さらどうしょうもないけど)。国内シェアがいくら高くても収益性に難ありではどうしょうもない。
- 2015-2016年の売上1617億円、当期純利益50億円
13位|大紀アルミニウム工業所(1570億円)
- 2015-2016年の売上1570億円、当期純利益22億円
14位|アーレスティ(1444億円)
- 2015-2016年の売上1444億円、当期純利益30億円
15位|アサヒホールディングス(1184億円)
- 2015-2016年の売上1184億円、当期純利益50億円
16位|東邦亜鉛(1141億円)
- 2015-2016年の売上1141億円、当期純利益▲162億円
17位|CKサンエツ(685億円)
- 2015-2016年の売上685億円、当期純利益19億円
18位|タツタ電線(525億円)
- 2015-2016年の売上525億円、当期純利益29億円
19位|東邦チタニウム(434億円)
- 2015-2016年の売上434億円、当期純利益42億円
20位|大阪チタニウムテクノロジーズ(411億円)
- 2015-2016年の売上411億円、当期純利益▲88億円
非鉄金属メーカーの違い
非鉄金属メーカーの違いは、ざっくりとは以下の通り。
- 上流(鉱山開発、権益投資)の三菱マテリアル、住友金属鉱山、三井金属鉱業
- ケーブル・電線・ワイヤーハーネスの住友電工、フジクラ、古河電工、昭和電線、タツタ電線
- 分野特化の日本軽金属(アルミ)、UACJ(アルミ、銅箔)、東邦亜鉛、東邦チタニウム
- その他
みたいなイメージです。
詳しくは企業HPに書かれている情報をご参照ください。
また各企業の中途採用情報についてはリクナビなどでご確認を(リンクしておきます)。
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古河電工の売上が兆円になってますよ