激務・ブラック企業とのウワサがある「リクルート・ホールディングス」。今回は、なぜリクルートが2chなどの掲示板で「激務・ブラック企業」と書かれるのか、理由を解説していきます。
就活・転職のご参考になりましたら幸いです。
リクルートHDの平均勤続年数・年収
まずは客観的な従業員データから、激務・ブラック企業度を判断。数字はリクルート・ホールディングスの有価証券報告書(2016年3月期)より抜粋している。
- 平均年齢35.1歳
- 平均年収904万円
- 平均勤続年数6.8年
まず平均年齢35.1歳で、平均年収904万円あるので「リクルートHDの年収は高い」といえる。
次に平均勤続年数、つまり従業員がどれくらい長く働いているか、をみると6.8年となっている。平均勤続年数6.8年は異様に短いとみているが、これは主観なので、他大企業と比較してみる。
※傾向が正しいことを示すため、過去の平均勤続年数もまとめておく。
- 平均勤続年数6.6年(2015年3月期)
- それ以前はデータなし
平均勤続年数6.8年という数字は短すぎ!!
比較として、リクルート・ホールディングスに近い平均勤続年数の有名企業を挙げてみた。
- ヤフー:6.0年
- SBI証券:6.1年
- セブン銀行:6.4年
- 住友不動産:6.8年
- 東京個別指導学院:7.0年
- HIS:7.3年
一般的に、ヤフーなどIT企業の勤続年数は短い。これには主に4つの理由がある。一つは給料が安いこと。二つめは、もともと転職を繰り返したい人が就職する業界であること。三つめは激務であること。最後に、成果を出せない人は永遠に出世できない業界であること。
そして激務・ブラック業界で有名な証券会社、不動産販売会社、旅行代理店、学習塾関連は、言うまでもなく平均勤続年数が短くなる(年収が仕事量に見合わないか、激務すぎる)。
これらのブラック業界と肩を並べているリクルートは、間違いなく勤続年数が短すぎる。
念のため一般的な大企業との比較もしておく。
- 信越化学工業:20.5年
- ホンダ:20.5年
- 日産:20.6年
- メーカー大手:15~20年
- 電力業界:20年前後
- 石油業界:20年前後
- 鉄道業界:20年以上
一般的にメーカーやインフラ系の大企業は、離職率が低く、平均勤続年数も長い。これには主に三つの理由がある。一つは、年収が(仕事量に対して)高いこと。二つめは、激務じゃないこと。最後に、仕事をしてなくても年功序列で出世できること。
なぜ年収は高いのに勤続年数が短い?それは激務だから
実は先ほどまでの数字をみるだけで、リクルート・ホールディングスが激務・ブラック企業だと言われる理由が判明している。
リクルートは年収が高いのにも関わらず、平均勤続年数は短い。年収が低ければ平均勤続年数が短いのも納得できる。
なぜだろうか?
年収が高くても、
- 激務でワーク・ライフバランスが悪ければ、よりよい環境を求め転職する。
- 働く環境が悪ければ、よりよいワーク環境を求め転職する。
- 上司が嫌いであれば、よりよい人を求め転職する。
これらの理由により勤続年数が短くなっている。
「リクルート=激務・ブラック説」の理由まとめ
ここまでの説明で「リクルートが激務・ブラック企業である理由」については完結しているが…。実際に働いている(働いていた)人から情報を仕入れているので、まとめていく。
①高すぎる「ノルマ設定」
リクルートの社員は期ごとに目標(ノルマ)を課せられる。これ自体は普通のことで、私の勤めるメーカーでも、必ず期ごと、年ごとにノルマを設定する。
ただしリクルートの問題点はノルマ設定が高すぎること。
たとえば営業だとすると、
- 前期比+30%の売上
- 前年比+30%の売上
といったノルマが平気で設定される(実際にあった話)。普通の企業に勤めている人ならお分かりになるでしょうが、この目標がどれだけ無茶苦茶なことか…。
達成するのですら大変なノルマだが、これを達成したら年収が増える。でも、次の期には更に高いノルマを課される。
- ノルマ達成
↓年収増える - さらに高いノルマ
↓年収増える - さらに高いノルマ
↓ - ∞
つまり「常に自己ベストを更新し続けろ!!」ということ。
こんな仕組みでは、3年以内にノルマ未達になるのが当たり前である。
※ただし入社して1~2年は勉強期間のためノルマなし。証券会社と同じ仕組み。
※営業だけでなく管理部門にもノルマはある。
②ノルマ未達だと…
ノルマ未達だと、上司から「詰め(つめ)」られる!!
と言いたいところだが、リクルートがブラック企業になりきれていないのは「詰め文化」の甘いところ。某証券会社のようなことはありません(上司によってはあるのかな?)。
リクルートではノルマ未達になったら、年収が上がらないだけ(十分にイタイけど)。
再度、高いノルマに挑む。また達成できない、また年収が上がらない。激務なのに永遠に給料が上がらない。はぁ、疲れた、会社辞めよ。終わり。
③高いノルマ設定=激務
高いノルマを設定される企業は激務になる。
これはあたり前で、マジで死に物狂いで働かないと「ノルマ達成」できないから。リクルートって見てくれだけはいい企業だけど、そこで働いている人は決して楽じゃない。
①②を繰り返すだけの仕事に嫌気が差して、辞める人が多い。だから、平均勤続年数は低い。リクルートは決して人材輩出企業なんかじゃない。
ノルマ達成できる「スーパーマン」は20代1000万円
この点だけは、リクルートに就職するメリットとして述べておかなければいけない。若くても「高いノルマ」をきちっとクリアし続ければ、20代でも年収1000万円越えする。
逆にノルマをクリアできない社員は、どんどん下に抜かれ居場所がなくなる。その結果が「平均勤続年数6.8年」という数字。
そして、ノルマを達成する秘訣は長時間労働するしかない。どれだけ効率よく仕事を進めても、長時間労働しないと実績はでない。これがリクルートなど、サービス業をする人の現実である。※メーカーはアイディアだけで何とかなる
なので「仕事が好きで仕方ない、仕事の虫になりたい!!」という人にだけ就職・転職をおすすめする企業。決して「楽な仕事でそれなりの高給を得たい」という私のような人には向かない。
まとめ
なぜメーカー勤務の私がリクルートの内情を知っているかというと…。
リクルートに就職しだけどイメージとのギャップで退職した人が、少なからず周りにいるからです。
そして、ベンチャー企業の会合に行くと必ず「元リクルートで~す」という人がいます。
リクルートが嫌だけど大企業には転職したくない。だから中小のベンチャーに転職した、というパターンですね。ちなみに、元リクルートで起業家として成功している人は稀です。
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ホールディングスって持ち株会社ですから平均勤続年数が短いのは当たり前だと思いますが。