銀行員は転職に有利?使えない!?どっちが本当かをガチ検証

よく「銀行員は転職に向いていない

あるいは、

転職しても全く使い物にならない

などと言われることがあります。

それはどういう理由で言われているのか考えてみると現在の銀行が抱える問題と密接に関わっているという事がよく理解できていきます。

そこで。

現役銀行マンの筆者が「銀行員は使えない」といわれる理由と、逆に銀行員が「転職に有利となる点」をあげていきます。さらに銀行員の転職事情についてもザックリ紹介しておきますね。

銀行員は使えない?転職に不利な点4つ

まずは銀行員が転職に不利となる点から。

1.転職に役立つスキルが無く、つぶしが利かない

銀行員は使えない?転職に不利な点その1

  • 自分で稼いだり転職に役に立つスキルが身につかない、または無いこと

第二新卒と言われる若年層の転職でしたら別ですが、30代になった銀行員が転職するのは圧倒的に不利でしょう。

というのも銀行員は銀行業務という特殊さゆえに、転職に関わるスキルを全く持って持ち合わせていない場合が多いから

銀行で必要なスキルといったら…

  1. 「稟議書作成力」
  2. 「決算書読取力」
  3. 「銀行法務理解力」
  4. 「事務の速さと正確さ」
  5. 「札勘定」
  6. 「ストレス耐性」

くらいのものです。

銀行員は一般的にストレス耐性のついている人が多いので、多方面に有利なスキルかもしれませんが、その他のスキルはこれと言って他業種の仕事で使えるものはありません。

つまり。

年次を重ねれば重ねるほど、銀行から抜け出せない「人材」へと変化していってしまうのです。これが「潰しが効かない」と言われる所以と言えます。

いっぽうで。

建設業やIT関係、飲食関係、メーカー、商社など銀行以外の業種では「自分で稼ぐことができる技術やスキル」を持っていることが殆どですが…

銀行員は「銀行」という母体に属していなければ自分で金を稼ぐことが出来ない場合が多いです。

2.有名大学卒・銀行員というプライドが邪魔をする

銀行員は使えない?転職に不利な点その2

  • 学歴および銀行員のプライドが邪魔をして、転職先の条件に満足できない

銀行員が転職に不利な理由として挙げられるのが「プライド」です。

実際に転職した銀行員が全く使い物にならないという場合が散見されますが、これはプライドが邪魔している事も多いです。

  1. 名の知れた大学を出たオレは凄い!
  2. 銀行員というは誰もがあこがれるブランドだ!!
  3. 銀行でハードに仕事をしているから、誰よりも仕事ができるハズだ!
  4. さらに自分は頭も良いし資格もいっぱい持ってる!!

という勘違いした意識高い系プライドを持ち合わせている銀行員は多いです。

たとえば地銀でしたら、地元の旧帝大の卒業生で派閥が出来上がったりするなど、大学を意識した繋がりが多く、社会人になっても自分の学歴を意識し続けてしまう環境にあることが原因の一つと言えるでしょう。

またメガバンクであれば各大学ごとの派閥があるのはもちろん、先輩後輩の関係に異様に厳しいのです。

インテリそうに見える銀行員の中身って、じつはバリバリ体育会系なのですよね。

もちろん行内ではそういった繋がりが重要になっていきますが、転職して銀行を出た時には、その意識が邪魔をしてしまうことも多いです。

学歴を仕事の実力を同等だと勘違いした銀行員が多くなっていくのです。

年功序列など銀行の旧体質を嫌がり「実力主義の仕事」に転職した場合、「自分が思っていたようなスキルを持ち合わせていなかった」と、さらにプライドを傷つけられてしまうなんてことも実際に起こっています。

こういった現場に遭遇した時に「銀行員のプライド」というのはこうも邪魔なものだと考えさせられるのです。

3.お願いセールスのなれの果て

銀行員は使えない?転職に不利な点その3

  • お願いセールス、土下座セールスのなれの果て…

銀行員の営業マンが転職をする場合、銀行ではある程度数字を挙げてきたという人であっても転職先ではまったく使い物にならないという場合があります。

理由は「お願いセールス」でしょう。

過度なノルマ達成のため銀行員は得意先に「お願いセールス」をして回ることが多いです。

担当者が変わるごとにセールスされ続ける先も、「昔お世話になった恩があるから・・・」と受け入れることが多く、このようにして日々銀行員はノルマを達成しています。

しかし。

このノルマ達成の原因を作ったのは、銀行であり、かつての良くした担当者である、ということを忘れてはいけません。

つまり。

お願いセールスは数字は取れるが基本的にセールストーク力などなくても顧客の良心に付け込んでいけただけなのです。

お願いセールスで数字をあげた行員が転職先で数字をあげられるかと言われたら、それは違うでしょう。勘違いした全く使い物にならない銀行員がここに誕生してしまうのです。

お願いセールスは銀行員でしたら基本的にしてきたはずです。

ただ、本当にお客さんに必要な商品を届けるという銀行本来の業務から離れてしまったなれの果てが、銀行員の転職事情に影を差していることに気が付かないのでしょう。

4.銀行員を辞めたい or 辞めた人が転職市場にあふれている

銀行員は使えない?転職に不利な点その4

  • 銀行員を辞めたい、あるいはすでに辞めた人が転職市場にあふれている

ということも転職が不利になる要因のひとつです。

とくに最近の銀行業界はマイナス金利政策の影響をうけて業績がわるくなるばかり。

対策として。

大手メガバンクの「三菱・三井住友・みずほ」は3行ともにリストラや人員削減計画を発表しています。大手がこんな調子ですから当然、地銀はもっともっと厳しい状況。

銀行業界全体が今後もしばらくは人を減らして経費を減らし、利益をあげていくしかないような状況にあります。

さらに。

銀行員の出世競争はそうとうに厳しく、さらにバリバリ体育会系であり、なおかつ激務ブラックであるため、イメージと違った若手の離職率も非常に高いのですよね。

さらにさらに。

入社3年目くらいにはすでにキャリアのおわりが見えてしまい、すぐに自分の限界を感じてしまい、転職に目がいくのです。

こうして大量の銀行出身者が転職市場にあふれかえることになります。

そうなるとどうなるのか?

需給バランスによって銀行員の転職市場価値は必然的に下がり、転職に不利になります。

銀行員は転職に有利?メリット5つ

ここまで銀行員が転職に不利な点を紹介しましたが、銀行員は転職に有利な点もいくつかあります。これより紹介していきましょう。

1.銀行員の転職先はズバリ「もっと自分の条件に合った銀行」

銀行員は転職に有利?メリットその1

  • 銀行から銀行への転職はスムーズ

銀行員で転職が上手くいった人はほとんどが別の銀行へ転職します。

銀行員は特殊な業務を行うので、特に30歳を超え役席者になると他業種への転職は「不可能」と考えていて良いでしょう。

結婚して家庭をもっている人が多いなか、リスクを背負ってまで他業種を一から修得しようとする人は、リアリストの多い銀行員からすれば稀有な例です。

銀行員の転職先No.1である「銀行」。

今いる銀行で成績を上げていたり、資格を数多く保有していたりする人は、もっとよい条件を提示してくれる別の銀行へ転職することが多く、その場合銀行員は有利に転職することができます。

銀行業は現在優秀な人材が欠如しており、人材の能力開発が喫緊の課題となっています。

とくに地方銀行や信用金庫、信用組合と小さな金融組織になればなるほど即戦力を欲しがっている場合が多いです。

地銀などでそこそこの職員であれば、信用金庫でバリバリ働ける場合も多いですし、小さな組織であるが故に給料や福利厚生が改善され、勤務時間やノルマなどが減る場合も十分に考えられるのです。

現代の銀行員は、新たな銀行を求めて転職活動を行っているのです。

2.銀行で取った公的資格で独立または、転職

銀行員は転職に有利?メリットその2

  • 公的な資格をもとに独立あるいは、業種を変えた転職もできます

銀行は資格取得を奨励しており、時には国家資格まで取らされる事があります。

主な資格としては、

  • 「中小企業診断士」
  • 「ファイナンシャルプランナー技能士」
  • 「税理士」
  • 「司法書士」
  • 「行政書士」
  • 「社会保険労務士」
  • 「宅地建物取引士」

などあり。

これらの資格は、国家資格で持っているだけで転職に有利に働きますし、税理士や司法書士であれば独立することも十分に可能です。

銀行に勤めていれば財務関係や法律関係に触れる機会が多く、好きでこういった資格を取る人が多いのも事実です。これらの資格保持者は転職に有利だということができます。

銀行員は資格取得に疲れて辞めていく人も多いですが、逆に仕事で使う部分も多く一般的な人よりこれらの資格を取りやすい環境にあります。

銀行という立場を上手く利用して資格取得に励んだ人は転職が有利に働くと言えるでしょう。

3.他業種ではありえない情報量

銀行員は転職に有利?メリットその3

  • ありとあらゆる業界/業種/企業の情報をもっていること

銀行員は他業種では考えられないほどの情報を蓄積しています。

就職活動をしていた時、実際に働いてみないとその業種の奥深い部分までは分からないことが多かったはずです。

しかし銀行員はほとんど全ての業種を、中の深い部分まで理解することが可能な環境にあります。

転職に有利とは言いがたいかもしれませんが、自分のやりたい理想の仕事に一番近づくことができる業種と言えるのではないでしょうか。

転職するためのクッションとして銀行があるわけではありませんが、銀行を経由することによってその業種の良いところ、悪いところが見えてくるので、そういった面では多業種の転職組よりは有利かもしれません。

4.基礎的な社会性、個人の能力が高い

銀行員は転職に有利?メリットその4

  • 基礎的な社会性と個人能力が高いこと

専門的なスキルはありませんが、基礎的な社会性や有名大学の出身など個人の能力が高い場合が多いです。

このため、まだ銀行に染まりきっていない若手の銀行員は転職に有利に働く場合があります。

現代の中小企業などは優秀な人材を集めるのに苦心しているという事情もあり、20代の若手である第二新卒でしたら転職してほしいという企業が多いのも事実です。

そもそも銀行員はそれなりの学歴とそれなりの常識的な知識を兼ね備えてなければ就職できない事が多いので、伸びしろがある若手職員の転職は有利ということができるでしょう。

5.激務耐性がある

銀行員は転職に有利?メリットその5

銀行は他業種よりも圧倒的に激務であり、激務耐性があると採用担当から認識されているため、転職では多少有利にはたらくかもしれません。

逆に他業種から銀行へ転職するとあまりの激務ブラックな環境に驚くこともしばしばあります。激務ブラックな状況もフツーになると、それがデフォルト状態になって感覚がマヒしてくるのですよね。

【銀行員の闇】なぜ銀行員は転職するのか?

銀行員は少なからず夢や希望をもって入社てきたはずです。

例えば地域の発展のためやコンサルティング業務で企業を元気にするため、そのような気持ちで厳しい入社試験にも突破し就職したはずだったのです。

現実とのギャップが激しい銀行員という仕事

しかし。

蓋を開けてみると、実際の銀行業務はそんな夢や希望とは全く違ったものになってしまっているということが、転職の大きな理由となっている場合も多いです。

過度なノルマ、徹底した上下関係、残業が当たり前の日々。

地域貢献のための融資業務や、総合的なコンサルタント業務を沢山こなしていきたかったはずが、終わらない不景気のためか、いつの間にか手数料収入の高い保険や投資信託を不必要な顧客に頭を下げて売込む毎日へと変わっていく。

そんな現状が銀行員のやる気を削ぎ落してしまいました。

その上、毎日上司から圧力をかけられ続け、メンタルを壊された銀行員が転職し、次の職場で上手くやっていけるのかと言われたら答えはイエスとは言い難いでしょう。

もちろん、自分のやりたいことが見つかったからと前向きな転職をされる方もいますが、そういった方はごく少数で、ほとんどが何かしら銀行と折り合いがつかずに辞めてしまう方が多いと言えるのです。

まとめ

現在、メガバンクを中心に銀行員の大量リストラが行われています。

銀行業務自体がAIに代わられるのではないかと危惧されている現代、「使えない銀行員」が銀行からどんどん切られていってしまっています。

しかし。

逆に「使えない銀行」が銀行員に見捨てられていくという現象も同時に起こってるのも事実です。

特に若手職員が、憧れをもって入行した銀行があまりにも想像と違ったものになってしまっているのも銀行の抱える大きな問題といえるでしょう。

今後の銀行の在り方というのが問われています。

銀行を辞めて転職するなら早いほうがいい

ここまで見てきたように銀行員という仕事は、あまりにつぶしの効かない職業であるため、基本的に転職に有利となることは少ないです。

銀行業務という特殊性は、銀行業務としてしか使うことができなく、「銀行の転職先は銀行」というおかしな構図が出来上がりやすくなっているためです。

ただし。

20代なり第二新卒のウチであればそんなことは関係ありません。

若手銀行員は転職にも有利に働くことが多いので、自分の想像と違ったり、やりたいことが他にできた場合などは、そのポテンシャルを失う前に転職を決意してしまった方が良いでしょう。

IT企業の営業になることもできますし、化学メーカー営業にもひょっとしたらなれるかもしれません。それこそ可能性は無限にあります。

逆にある程度の年代の行員が転職を”しなければならない”時は、同業種への転職をするのが最善の手段と言えるのではないでしょうか。

とにかく銀行から転職するなら早ければ早いほうがいいです。

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そして上記はあくまでも私の周囲にいるメガバンクとか、地銀の大学同期と友人にきいた話。

でもでも。

転職先はあなたが転職したくても、相手企業の事情によって大きく変わります。たとえば今は人材不足が深刻なIT業界も、数年後にはリストラが始まっているかもしれません。

そのときどきの状況によって転職先の候補も変わってきますし、あなたの経歴やスペックによっても変わります。

そういった意味で。

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