飲料メーカーの市場シェアランキング。課題と今後の動向は?

飲料メーカーの国内市場シェアと主要な製品まとめ。飲料メーカー業界の課題と今後の動向をざっくりと語っています。

就活・転職活動における食品・飲料業界研究にお役立てください。

飲料メーカーの市場シェア(国内)

飲料メーカー市場シェアランキング2000-2014年

※ビールは除きます

国内シェアランキングトップは約30%を持つコカコーラグループ。2位がサントリーでシェア約20%。国内2強体制が10年以上つづいている。

3~5位は混戦でアサヒ飲料・伊藤園・キリンが団子状態。

だいぶ離れて6位のダイドードリンコ以下に続く。

トップ5までで市場全体の84%を占め、6位以降の飲料メーカーではまったく相手にならない状況。下位メーカーは遅かれ早かれ行き詰るでしょう…

それでは個別ブランドをざっくりとみていきます。

飲料メーカー今後の動向

各企業の今後の動向について、ざっくりと述べていく。

①コカ・コーラグループ

コカ・コーラグループはかつて圧倒的なシェアを持っていたが、近年は市場シェア下落。要因は伸びてきた「お茶」「水」マーケットでのシェアが低いこと、ライバルが力をつけてきたこと。

コーラを筆頭に昔からのロングヒット商品でNo.1を何とか維持している感じ。

加えて日本の市場は今後、縮小していくことが目に見えており経営層はアジアの戦略拠点を日本から中国・東南アジアへ移している。

日本市場に対する「やる気」がみられないため、このままでは2位サントリーに抜かれるだろう。

②サントリー食品インターナショナル

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サントリーは2020年までに国内シェアNo.1を目指す。

これまでは順調にシェアを伸ばしてきており、今後もM&Aを中心とした拡大路線を続けるだろう。お金は腐るほど持っているため何も問題ない。

やる気のないコカ・コーラグループを抜いて国内No.1になる日は近いだろう。

※オランジーナ: サントリーが2009年に買収
※ペプシコーラ: サントリーが国内製造・販売権を持つ

③アサヒ飲料

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アサヒ飲料は2000年→2014年の間、市場シェア 7%→13% と倍増。主力商品「ワンダ」「十六茶」「三ツ矢サイダー」の好調が大きい。

《3商品で売上高の60%前後を占める》

AKBを起用したCM効果?営業努力?理由はよくわからない…

くわえて2つのM&A案件①「六甲のおいしい水」をハウス食品から買収(2010年7月)、②カルピス買収(2013年9月)によっても売上を着実に積み上げしてきた。

ただ飲料メーカーは消費者を相手にしているため、いつどうなるかは誰にも読めない。シェア・売上はCM効果・需要環境に大きく左右されるだろう。

④伊藤園

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10年くらい前からのお茶ブームに乗っかり急躍進。2000年→2014年で市場シェア 5% → 11%と2倍以上の伸び。

こういう消費者の気まぐれで急成長したり、潰れたり…やはりBtoCの商売は恐ろしい。でも客の反応がダイレクトに感じられるという意味では「やりがいのある仕事」なのだろうか?

とにかくお茶+健康ブームの波に乗ってきた伊藤園。

お茶の需要は減りそうにないけど「お~い、お茶」シリーズでどこまで引っ張り続けらるだろうか?疑問残る。

⑤キリン

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キリンの市場シェアは10%前後をずっとキープ。

伸びもしないが落ちもしない、安定的。

⑥ザコ(ダイドー・大塚・カゴメ・他)

あとは弱小メーカーの集まりなので敢えて何も言わない。

弱者連合か強者に吸収されるか、2者択一だと考える。

飲料メーカーの課題と今後の動向

日本のメーカー業界全部に共通する課題なのだが、飲料業界も例外なく同じでメーカー数が多すぎる。

日本の小さい市場に10社+その他では競争過多になって利益率が低くなるのはあたり前。しかもこれから人口減少時代を迎えるのだから、長期のトレンドで需要は減りはしても伸びることはない。飲料メーカーは国内3社に集約されるべき。※ただし中期のトレンドでは需要が伸びる。

今後2027年までに飲料メーカーは10社 → 5社までに絞られ、

次の2037年までに5社 → 3社というのが理想的なパターン。

業界6位以降の弱小メーカーは巻き返すことなど不可能なのだから、変に独自路線にこだわらず、事業を売却したほうが世の中のためになるし従業員のためでもある。

まとめると日系企業が人口減少時代にやるべきことは5つしかない。

  1. 価値のない企業を徹底的に潰す
  2. 残った企業はグローバル戦略をちゃんとする
  3. 国内市場は手薄にして世界市場を攻略する
  4. 人材を国内に留めておかないで世界中に派遣する
  5. くだらない仕事(工事現場、介護、看護師など)は全て外人にやらせる

今のところ理解・共感してくれる人は少ないのだが…

日本は10年後、間違いなくこういう方向に舵を切っているでしょう。