ビジネスメールでの「拝啓・敬具」の書き方と位置について。
画像つきでだれよりもわかりやすく解説していく記事。
ビジネスメールで「拝啓・敬具」を使うのは公式な挨拶(退職とか着任)であることが多く、普段はあまり使いませんね。
だからこそマナーをしっかりと守って使いこなしましょう。
ビジネスメールでの「拝啓・敬具」の書き方と位置
ビジネスメールにおける「拝啓・敬具」の書き方と位置は2パターンあり。
①改行なしで「拝啓・敬具」を書くパターンと、②改行ありで書くパターンがあります。
ビジネスメールでは相手のメール環境によってレイアウトがくずれる可能性があるため「書き方①改行なし」がおすすめです。
といっても本当にどちらも公式に使えます。お好みで使い分けしましょう。
書き方と位置①改行なし
拝啓・敬具の書き方と位置パターン1。
ビジネスメールでは画像のように書きます。
「拝啓(スペース)時候の挨拶〜本文〜(スペース)敬具」といった具合に書き、位置はとくにこだわらずにOK。本文のスペースはあっても無くても構いません。
また、社名変更や本社移転など案内をするときのビジネスメールには「記・以上」をつかって詳細を記す必要あり。そんな時には上記のようにするとよいでしょう。
「記」は中央揃え、「以上」は右寄せにするのが一般的です。が、メールでは相手の環境によってレイアウトがくずれることもよくあるため、どちらも左寄せにして構いません。
書き方と位置②改行あり
拝啓・敬具の書き方と位置パターン2。
ビジネスメールでは画像のように書きます。
「拝啓(改行)(スペース)時候の挨拶〜本文〜(改行)敬具(スペース)」といった具合に書きます。敬具の後ろのスペースはあっても無くてもどちらでもOK。
「拝啓」の位置は左寄せ、
「敬具」の位置は右寄せ、
であることにご注意を。
また、社名変更や本社移転など案内をするときのビジネスメールには「記・以上」をつかって詳細を記す必要あり。そんな時には書き方①をご参照ください。
「改行ありvs.改行なし」どっちにすべき?
ここで疑問として「改行ありvs.改行なし」はどちらが公式なのか?というのがでてきます。
結論としては先にも述べたとおり「どちらでもよい」です。
もともと日本語の文章というと「たて書き」だったのですが、西洋の文化によって「よこ書き」するようになり、結局のところよこ書き自体が最近の文化であるわけです。
したがって、
横書きするビジネスメールにおいて何が正しいのか、誰も決めることはできません。繰り返しになりますが、私の推奨は「書き方①改行なし」です。
相手のメール環境によってレイアウトがくずれますし、そもそもメール機能に左寄せ・右寄せのないケースもあります。それならより書きやすい方がいい、という理由。
本文のスペースは無くてもよい
ビジネスメールで「拝啓・敬具」を使う時に守るべきことは少ないです。
本文のスペースとかレイアウトは比較的どうでもよい部分ですので自由に改良してください。
【注意点】拝啓〜敬具はこう使う!
「拝啓〜敬具・記・以上」の使い方と、使うときの注意点を解説します。ふさわしくない使い方をすると恥ずかしいので気をつけましょう。
「拝啓」のあとには時候の挨拶を!
「拝啓」のあとには必ず時候の挨拶を入れましょう。
「拝啓・敬具」は手紙の書き方をそのままビジネスメールに適用して使ったものであり、その名残として手紙マナーにしたがう必要があります。
ちなみに時候の挨拶とは、
- 企業向け「時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます」
- 個人向け「時下ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます」
などの書き出し挨拶のこと。
かみくだくと「最近どうよ?世話になっててありがとう!」というような意味。
季節ごとに「●●の候」というような季語を使うこともありますが…最近では上記のようにオールシーズンで使われる時候の挨拶しか見たことないですね。
➡︎ ビジネス挨拶文の例文50選(文書・メール・年賀状・時候ほか)
宛名書きは必要ない!
よくある「拝啓・敬具」を使ったビジネスメールの間違いとして、
「皆さま 拝啓(本文)敬具」のように宛名書きをしている人がいます。
これは間違いですのでヤメましょう。私のように古い人間は気にします。
▼ 手っ取り早く、手紙を書くときにはどうするのかを確認しておきましょう。
手紙を書くときには「拝啓(本文)敬具」とし、宛名は一番最後にきます。
じゃあビジネスメールでは宛名はどこに書くのかというと、書く場所がありません(失笑)。
だから最終的には「宛名無し」ということになりますね。
横書きで手紙風に書いているわけですからそもそもの設定に無理があり、いた仕方ないでしょう。
社内文書に「拝啓〜敬具」は必要ない
よくある間違いとして、
社内のひとにむけたビジネス文書で「拝啓・敬具」が使われている場合あり。
「拝啓〜敬具」というのは「謹んで申し上げます、敬って申し上げます」の意味であり、社内のひとに使うのにはふさわしくない敬語。
社内は「ウチ」として見るため、
気をつかいすぎないことが一般的なビジネスマナーです。
社内文書に「拝啓(挨拶)敬具」を使うのは完全に「バカ丁寧」であり、ひかえておきましょう。
※ ただしビジネスメールで何かしらの挨拶を、不特定多数にBCCで送信する際には使われます
拝啓・敬具はかならず1セットで使う
かなり初歩的な使い方ではありますが…
ひょっとしたら「拝啓(文章)以上」のように使ってしまう人もいるのかも。これは論外でNGとなる使い方ですので気をつけましょう。
「拝啓・敬具」「謹啓・謹白」は1セットとして使います。
ビジネスメールで「拝啓〜敬具」を使うシーンは限られる
ビジネス文書ではなく、
ビジネスメールで「拝啓・敬具」を使うシーンって実はほとんどありません。
転職・退職・転勤の挨拶・着任の挨拶など、かしこまった感じのメールをしたいときですね。
これらの挨拶メールはBCCでいろんな人に一斉送信することが多く、手紙風なビジネスメールが好まれます。そこで「拝啓・敬具」が登場します。
そもそも拝啓・敬具の意味は?
わたし自身、意味もわからずに使っている拝啓・敬具ですが…
そもそもどんな意味なのでしょうか?
拝啓 の意味は「つつしんで申し上げます」
拝啓 の意味は「つつしんで申し上げます」
拝啓 (文章) 敬具 でひとつのセットになり、ビジネス文書や公式な手紙に使われることの多い表現。
たとえば以下のようなビジネスシーンで使われます。
- 本社移転の案内文書
- 就任、退任の挨拶
- 会社設立の案内文書
- 社名変更の挨拶
- お礼状、お礼メール
・インターンシップお礼状(就活)
・取材協力のお礼状
・発表会参加のお礼状 - 退職、転勤、異動の挨拶ビジネス文書
- 見積書などほか多数
何かしらの「お知らせ」に使われることがほとんどですね。
「拝啓」という言葉は「拝む(おがむ)」「啓す(もうす)」からなります。
「啓」という言葉は今でこそ「啓発・啓蒙」などのような熟語に使われますが、もともとの由来には「言う」の謙譲語「啓す(もうす)」という意味もあります。
したがって拝啓を直訳すると「(相手のことを)拝んで申す」「(相手のことを)うやまって申す」という意味になります。
「つつしんで申す」は少し意訳しています。
敬具 の意味は「うやまって添え申します」
敬具 の意味は「うやまって(最後に)添え申します」
使い方は
拝啓 (文章) 敬具 でひとつのセットになり、ビジネス文書や公式な手紙に使われることの多い表現。ビジネスシーンはさきほどの例と重複するため省略します。
なぜこのような意味となるのか?
「敬具」の由来を考えてみましょう。
「敬」は「相手のことを敬う(うやまう)」
「具」という言葉は今でこそ「家具・道具・寝具」などのような熟語に使われますが、もともとの由来には「具す(ぐす)= 添える」という意味もあります。
これらのことを考えると
「うやまって(最後に)添えます」という意味として解釈できますね。
言葉の由来なんてホントは知らなくても構いません。情報を発信する立場としてすべての疑問を解消できるようにしたいがために、こんなことまで書きました。
「拝啓・敬具」を使ったビジネスメール例文
拝啓・敬具をつかって作成したビジネスメールの例文を、書き方と一緒にまとめておきます。
社内あて赴任・着任の挨拶メール(BCC一斉送信)
メール件名:着任のご挨拶
拝啓 春暖の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて私こと、4月1日付でxx支社■■営業部勤務を命ぜられ、過日着任いたしました。zz支社▲▲営業部在任期間中は、多大なご厚情とご指導を賜り、心より御礼を申し上げます。
これまでの経験を活かし、今後は■■営業部において●●事業の発展に力を尽くしてまいる所存でございます。
今後とも一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
甚だ略儀ではございますが、
まずはメールをもちましてご挨拶申し上げます。 敬具
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xx支社■■営業部 ノマド
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社内あて退職の挨拶メール(BCC一斉送信)
メール件名:退職のご挨拶
拝啓 春暖の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、このたび、一身上の都合により3月末で退職することになり、本日が最終出勤日となりました。
本来であれば直接伺いご挨拶すべきところ、メールでのご連絡となりましたことをお詫び申し上げます。
入社以来、●●営業部で3年、▲▲営業部で3年、資材部で3年と、多岐に渡る業務に携わることができ、多くのことを学ばせて頂きました。
在職中はたくさんの方にお世話になり、この場をお借りして御礼申し上げます。
また、退職に際しましては、温かい惜別や励ましのお言葉を頂きまして、本当にありがとうございました。
■■■■で学んだことを今後も活かし、さらに成長できるよう努めてまいります。
なお、今後の連絡先は下記のとおりとなります。
何かの折にご連絡いただければ幸いです。
・メール:xxx
・携帯:xxx
末筆ではございますが、
皆様のご健勝とご多幸、さらなるご活躍をお祈り申し上げます。 敬具
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リテール営業部 国内営業課
のまど サラリーマン
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