「お伺いしたい」「伺いたい」「伺いたく存じます」正しい敬語は?

さて、あなたへ問題です。「お伺いしたい」「お伺いしたく存じます」「伺いたい」「伺いたく存じます」どれが敬語の正しい使い方でしょうか?

どれも敬語としては合っていそうだけど、実は間違っている表現があります。ついつい意識せずに、ビジネスメールや商談で使ってしまいがち。そこで、この4つの正しい用法と理屈を復習しておきましょう。

想定外に記事が長くなってしまったので、まずはシンプルに要点をまとめます。

×「お伺いする」という敬語はすべて間違い

「お伺いする」が間違い敬語である理由は、「行く・尋ねる」の謙譲語「伺う」に謙譲語「お~する」を併用しているから。これを二重敬語といい、マナー違反。正しい敬語は「伺う」「伺います」です。

×「お伺いする」以外にもある間違い例文

・NG例文「お伺いします」
・NG例文「お伺いしたいです」

・NG例文「お伺いしたく存じます」
・NG例文「お伺いできますでしょうか?」
・NG例文「お伺いしてもよろしいでしょうか?」
・NG例文「お伺いさせて頂きます」
・NG例文「お伺いさせて頂きたいです」

※これらの敬語は誤りではあるものの、文化庁の「敬語の指針」には「慣例としてOK」となっています。が、とくに私のようなおっさんは納得できません。

●「伺う」の正しい例文

・正しい例文「伺います」
・正しい例文「伺いたいです」

・正しい例文「伺いたく存じます」
・正しい例文「伺えますか?」

ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、

本文中にて、なぜ間違いなのか?どうしたら正しい使い方をマスターできるか?という点についてくわしく見ていきましょう。

なぜ「お伺いしたい、したく存じます」が間違い敬語?

まずは「お伺いしたい」「お伺いしたく存じます」が間違い敬語である理由を解説。

「お伺いしたい」の敬語解説

「お伺いしたい」は分解してみると、以下のような構成です。

  • 「行く・尋ねる」の謙譲語「伺う」
  • 謙譲語「お〜する」
  • 願望「~たい」

よくよく見ると「行きたい・聞きたい」の謙譲語「伺いたい」と「お〜する」という謙譲語を同時に使っているため、二重敬語に該当。この使い方はNGです。

※二重敬語とは、一つの言葉に同種類の敬語を2回使うことであり、ビジネスマナー違反です

※謙譲語とは「自分の立場を下げることで、相手が自動的に持ち上がる」という敬語で、自分の動作や行動に使います。敬語の種類には他に、尊敬語「目上の人に対して、相手を立てたいときに使用する」と、丁寧語「聞き手の人に対して、丁寧にしゃべる言葉」があります。

「お伺いしたく存じます」の敬語解説

「お伺いしたく存じます」は細かく分けると、以下のような構成です。

  • 「行く・尋ねる」の謙譲語「伺う」
  • 謙譲語「お〜する」
  • 願望「~たい」
  • 「思う」の謙譲語「存じる」
  • 丁寧語「です・ます」

こちらも「お伺いしたい」と同様、「お伺いする」の部分が二重敬語でありマナー違反です。

ところで、「思う」の謙譲語「存じる」は、「行く・尋ねる」と別の単語ですので謙譲語を使ってもOK。

正しい敬語は「伺いたい」「伺いたく存じます」

繰り返しになりますが、「お伺いする」という敬語が間違いであるため、「伺う」を使えば正しい敬語となります。念のため、「伺いたい」「伺いたく存じます」の敬語を以下にて解説しておきます。

「伺いたい」の敬語解説

敬語を考えるときはまず、原型に戻して細かく考えていくのが基本。

「伺いたい」は細かく分けると、

  • 「行く・尋ねる」の謙譲語「伺う」
  • 願望「~たい」

このようになり、目上の人やビジネスメールで使える正しい敬語となります。ちなみに「伺いたい」の意味は「訪問したい」「尋ねたい(聞きたい)」です。

※謙譲語とは「自分の立場を下げることで、相手が自動的に持ち上がる」という敬語で、自分の動作や行動に使います。敬語の種類には他に、尊敬語「目上の人に対して、相手を立てたいときに使用する」と、丁寧語「聞き手の人に対して、丁寧にしゃべる言葉」があります。

「伺いたく存じます」の敬語解説

「伺いたく存じます」は細かく分けると、

  • 「行く・尋ねる」の謙譲語「伺う」
  • 願望「~たい」
  • 「思う」の謙譲語「存じる」
  • 丁寧語「です・ます」

このようになり、目上の人やビジネスメールで使える正しい敬語となります。ちなみに「伺いたく存じます」の意味は「訪問したいと思う」「尋ねたい(聞きたい)と思う」です。

【使い方】伺いたい・伺いたく存じます

つづいて「伺いたい」「伺いたく存じます」がどんなシーンで使えるのか?使い方を解説していきます。どちらも「訪問したいとき」「質問したいとき」のビジネスメールや会話で活躍する表現です。

「伺いたい」の使い方・意味

  • 例文「1月4日に年始の挨拶へ伺いたいのですが、ご都合いかがでしょうか」
    → 意味「1月4日に年始の挨拶のために訪問したいけど、どう?」
  • 例文「貴社に伺い、お話しを伺いたいです」
    → 意味「訪問して話を聞きたい」
  • 例文「すみません、ひとつ伺いたいのですが」
    → 意味「すみません、ひとつ質問したいのだけど」
  • 例文「この商品について、いくつか伺いたいのですが」
    → 意味「この商品について、質問したいのだけど」

ということで、アポイントをとる、問い合わせをする、といったときのビジネスメール・電話でよく使う表現になります。

「伺いたく存じます」の使い方・意味

  • 例文「1月4日に年始の挨拶へ伺いたく存じます。ご都合いかがでしょうか」
    → 意味「1月4日に年始の挨拶のために訪問したいけど、どう?」
  • 例文「貴社に伺い、お話しを伺いたく存じます」
    → 意味「訪問して話を聞きたいと思う」
  • 例文「すみません、ひとつ伺いたく存じます」
    → 意味「すみません、ひとつ質問したいと思う」
  • 例文「この商品について、いくつか伺いたく存じます」
    → 意味「この商品について、質問したいと思う」

ということで先ほどと同様に「アポイントをとる」「問い合わせをする」といったときのビジネスメール・電話でよく使う表現になります。

▼先ほど「伺いたい」で使った例文をそのまま「伺いたく存じます」に直してみました。なんか、とっても堅苦しい表現になりますよね!?

イメージの通り堅苦しい敬語「伺いたく存じます」は、特に重要な相手へのビジネスメールや商談で使用されます。念のため、使い分けの例についても見ておきましょう。

【使い分け】伺いたい・伺いたく存じます

「伺いたい」と「伺いたく存じます」はどちらも、丁寧な敬語でありビジネスメールや目上の人に使える表現です。ただニュアンスが若干違いますので、使い分け方についても解説しておきます(あくまで私の考える使い分け方法です)。–つづく–

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