電話対応で「○○様のお電話でお間違いないでしょうか」は正しい?

電話対応のビジネスシーンで「○○様のお電話でお間違いないでしょうか?」と確認するのは正しい?それとも失礼?

という疑問を解消する記事。

まずは結論ですが、

  1. 「○○様のお電話でお間違いないでしょうか?」は敬語の使い方として間違い。
  2. なぜなら尊敬語「お」が自分の行為に使われ、自分を立ててしまっているから。
  3. これでは意図しない、別の意味になってしまう。
  4. 「失礼だ」と思う人がいるのは、敬語の使い方の間違いにある。

ということになります。

それでは、なぜ失礼だと感じるのか?なぜ敬語として間違っているのか?という検証と、詳しい敬語、意味、使い方の解説をしていきます。

※長文になりますので、時間の無い方は「パッと読むための見出し」より目的部分へどうぞ。

~様のお電話でお間違いないでしょうか?が失礼だと感じる理由

なぜ確認する意味で使う「~様のお電話でお間違いないでしょうか?」が失礼に感じるかと言うと…。尊敬語「お」の使い方がおかしいから。

「お電話」というのは相手の電話であるため正しい尊敬語の使い方ですが、「お間違いないでしょうか?」の表現に間違いがあります。

「お間違いないでしょうか?」の間違った意味

尊敬語「お」の使い方についてはややこしいので後述するとして、まずは「お間違いないでしょうか?」といった「お間違い」の使い方をすると、どのような意味になるか?

考えてみます。

◎「~様のお電話でお間違いないでしょうか?」の意味:

(電話をとった~様自身が)電話を間違っているかもしれないので、確認してほしい。

◎自分が言いたかったこと:

(自分が)間違い電話をしているかもしれないので、確認してほしい。

ということで尊敬語「お間違い」を使うと、「電話をとった~様(相手)が電話を間違っているかもしれないので、相手に確認してほしい」という、わかるような、わからないような、気持ち悪い意味になります。

なぜなら、尊敬語「お」は自分の行為・持ち物にたいしては使わないから。

これでは電話をとった相手に「オレが自分の電話をどう間違えるんだ?間違えるわけないだろ!?」と怒られても仕方ありません。

なぜこのような意味になるのか?

次項より尊敬語「お」の正しい使い方とともに解説していきます。

尊敬語「お」の使い方に、お間違いがある

先ほどみたように、「お間違いないでしょうか?」は、とんでもなくヘンテコな意味になってしまうことが分かりました。

なぜなら、尊敬語「お」の使い方に「お間違いがある」からです。

※「お・ご」には尊敬語と謙譲語の2つの使い方がありますが、ここで「間違う」かもしれないのは相手側であることから、「尊敬語」として解釈するのが正しい。

※※謙譲語は基本、自分の行為に対して使う。尊敬語は基本、相手の行為に対して使う。

◎尊敬語「お」の正しい使い方

まずは尊敬語「お」の正しい使い方を例文でみていきましょう。

  • 例文①皆様、他にご質問はないでしょうか?(ご質問はございませんか?)
  • 例文②お客様、お忘れ物はないでしょうか?(お忘れ物はございませんか?)
  • 例文③間違いのないよう、ご注意ください。

このように尊敬語「お」は、相手の行為や持ちものをうやまって使うことが基本です。

例文①の場合「質問がある」かもしれないのは、皆様であって自分ではないはず。そんなときには相手からの「質問」を「ご質問」とするのが正しい使い方。

例文②も同じように、「忘れ物がある」かもしれないのは客であって、自分ではない。そうすると「忘れ物」は客の持ち物であり、尊敬語「お忘れ物」は正しい。

例文③も同じように、「間違いがある」かもしれないのは、相手のほうであるため、尊敬語「お間違い」として注意をうながしています。

◎尊敬語「お」の間違った使い方:

つづいて間違った尊敬語「お」の使い方。

  • NG例文①~様のお電話でお間違いないでしょうか?
  • NG例文②ご注文内容は以上でお間違いないでしょうか?
  • NG例文③こちらのバッグはお客様のものでお間違いないでしょうか
  • NG例文④~という理解で間違いないでしょうか?
  • NG例文⑤部長、送別会は「ご参加される」でお間違いないでしょうか?
  • NG例文⑥私のお忘れ物をホテルまでとりに行きました。
  • NG例文⑦私のお車、レクサスなんだ。どう、クールでしょ!?
  • NG例文⑧私のお財布、30万円もしたんだ…。

これらの使い方が「お間違い」である理由は、自分の行為あるいは自分の持ち物にたいして尊敬語「お」を使っているから。

NG例文①②③④では、間違う可能性があるのは、相手ではなく自分であるはず。にもかかわらず自分の行為に対して尊敬語「お」を使っている点でおかしい。

この使い方をすると「お間違い」するかもしれないのは客であるとの誤解を生み、マジメに返答すると「オレが間違えてるって言うのか?なんて失礼なバイトだ!」となります。

NG例文⑤も同じ。間違う可能性があるのは部長ではなく、自分であるはず。自分の行為なのに尊敬語「お」を使うのはおかしい。

この使い方をすると「お間違い」するかもしれないのは部長であるとの誤解を生み、マジメに返事をすると「オレが参加と言ったら参加なんだ。間違うわけないだろ!」という返答になります。

NG例文⑥⑦⑧は、自分の持ち物にたいして尊敬語「お」を使ってうやまっているので、間違い敬語。これは尊敬語のもっともやりがちな間違いであるため、要注意。自分のものではなく、他人の持ち物であれば正しい敬語になります。

よろしいでしょうか?を使う

「お間違いないでしょうか」は敬語として誤りであるため、言い換えが必要です。

そんなときには「よろしいでしょうか?=よいでしょうか?」で言い換えるとすんなりといきます。NGとして使った例文をよろしいでしょうかを使って言い換えてみましょう。

よろしいでしょうか?を使った言い換え例

  • 言い換え①~様のお電話でよろしいでしょうか?
  • 言い換え②ご注文内容は以上でよろしいでしょうか?
  • 言い換え③こちらのバッグはお客様のものでよろしいでしょうか?
  • 言い換え④部長、送別会は「ご参加される」でよろしいでしょうか?
  • 言い換え⑤~という理解でよろしいでしょうか?

よろしいでしょうか?の意味は「よいでしょうか?」

よろしいでしょうか?という表現になじみのない方のために解説。

よろしいでしょうか?の意味は「よいでしょうか?」であり、「お時間をいただいてもよろしいでしょうか?」などとして、相手の許可を求めるときに使います。

「よろしいでしょうか」に使われる「よい」の意味をまとめると、

  1. 許可できる
    ▼例文:部長、来週休みを頂いてもよろしいでしょうか?
    ▼例文:ここでタバコを吸ってもよろしいでしょうか?
  2. 差し支えない、支障ない、問題ない
    ▼例文:一点、質問してもよろしいでしょうか?
    ▼例文:今、お時間を頂いてもよろしいでしょうか?
  3. どうでもよい、不要だ無用
    ▼例文:建前えはよろしいから、本音を述べよ。

こんな感じの意味として使えばよい、ということになります。

※その他にも「よい」は「頭が良い」「心がけが良い」などの用法もあります。

※※意味①と意味②は同じですが、わかりやすくするために分けました。

※※※「よろしかったでしょうか?」は如何なるときもNGとなります。ご注意ください

参考となる記事:

相手が間違うかもしれないときは「お間違い」で間違いない

「~様のお電話でお間違いないでしょうか?」は敬語としておかしい。でも「お間違い」という表現は、使い方によっては、正しいときもあります。

具体的には「相手が間違う可能性のあること」であれば「お間違い」は正しい使い方。

冒頭でも示しましたがたとえば、以下のような「お間違い」の使い方は間違いないです。

「お間違い」の正しい例:

  • 例文①部長の作成した資料に、お間違いがみつかりました。
  • 例文②はい、お間違いございません。
    →「よろしいでしょうか?」と確認されたときの返答
  • 例文③先輩の敬語の使い方って、お間違いだらけですね。
  • 例文④お間違いのないよう、ご注意ください。
  • 例文⑤申請された内容にお間違いがございました。以下のとおりにご訂正ください。
  • 例文⑥部長の発言には常にお間違いがない。

敬語の気持ち悪いルール:間違っていても普段使いされてたらOK

ところで敬語というか、言葉全体にいえることですが、たとえ間違った敬語でもそれが普通に使われていたらOK。という気持ちの悪いルールがあります。言葉や敬語というのは、時代とともに代わっていくのです。

たとえば、

  • お伺いいたします
  • ご連絡いたします
  • ご報告いたします

こんな敬語の使い方は本来、二重敬語でありNGとなるのですが・・・。ビジネスシーンで普通に使われる表現だからOK!!という解釈になっています。

なぜ間違い敬語か?という点については、ここでは深く語りません。ご興味のある方は参考記事よりどうぞ。

参考となる記事:

まとめ

これでもかというくらい「お間違いないでしょうか」について語ってみました。

「お間違いないでしょうか」という表現は敬語に誤りがあり、使うのはおすすめできません。「よろしいでしょうか」などとしましょう。

ぜひ、ありとあらゆる場面を経験し、使い方をマスターしてください。頭でどうこうなるものではないので、ビジネスシーンで場数を踏んでくださいね。ではでは~~。

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