就活生のメールはなぜ嫌われる?NG例と鉄則マナー13選

就活生の「お礼メール」や「お願いメール」の内容があまりに気持ち悪いため、NG例を踏まえつつ就活メールの鉄則を紹介します。

※就活生が使っているであろう「Wantedlyの就活メールテンプレート」がメチャクチャなので、NG例として修正しています。

※私は採用担当ではありませんがOB訪問や社員座談会をする機会があり、そこでの実話から述べていきます。←すでに外れて就活生とお会いする機会は無くなりましたが…。

NG例①「させていただく」症候群

就活生のメールに最も多いパターンが「させていただく」の連発です。これは本当に気持ち悪い…。たとえば「お伺いさせていただく=訪問する」「お送りさせていただきます」などがあります。

なぜ「させていただく」が気持ち悪いのか?

「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語で、確かに敬語としてはOKです。ただ、話し言葉として使うと、サ行の発音が多すぎてとっても聞き苦しいのです。サラリーマンでもこの表現を連発する人がいます(私の上司とか)。でも、取引先からの印象はよくありません。

なぜ就活生は「させていただく」を連呼するのか?

大企業の営業マンである私ですら使わないのですが、なぜ就活生が連呼するのか?たぶん、どこかのくだらないメールテンプレート作成会社が紹介しているのでしょうね。これは就活生の責任ではなく、テンプレートを提供する会社、ビジネスマナーを教える側に責任があります。

※特に「Wantedly」の就活メールテンプレートはめちゃくちゃです。マジで全文を修正したほうがいいと思うよ。

このような表現を使っているテンプレート提供会社を見たら、ビジネスマナーを理解していない可能性が高い。鵜呑みにしないよう、気をつけましょう(私もたま〜には使います)。

正しいメールマナー

メール件名:Re:面接日程候補のご連絡

転職株式会社
人事部
◯◯様

お世話になっております。
就活大学の就活太郎です。

この度は面接の日程候補をご連絡いただき、誠にありがとうございます。

それでは●月●日(●)●時に、貴社にお伺いさせていただきます。 伺います。

当日はどうぞよろしくお願いいたします。

メール署名

NG例②メールで何回も同じことを書く

続いて就活メールで同じことをクドクド繰り返す就活生。たとえば「心より感謝いたします。ありがとうございました」がこれに該当。なんで2回も続けてお礼を表す文章が続くの?

メールが読みにくいし、何が言いたいのか分からない。メールの受け手からすると、本当に気持ち悪いので止めましょう。

重複する文章は不要

メール件名:Re:面接日程候補のご連絡

転職株式会社
人事部
◯◯様

お世話になっております。
就活大学の就活太郎です。

この度は面接の日程候補をご連絡いただき、誠にありがとうございます。

>●月●日(●)●時

上記の日時や場所、委細承知いたしました。(2回も書く必要なし)

それでは●月●日(●)●時に、貴社に伺います。

お忙しい中、お時間をいただけて大変嬉しく思います。(お礼は何度も必要ない)

当日はどうぞよろしくお願いいたします。

メール署名

NG例③文章が丁寧すぎて無駄に長い

就活メールで無駄に長いメールを書く人、要注意。たとえば「内定通知を受け取りました。ありがとうございました。このたびは採用内定をいただき、お礼を申し上げます」がこれにあたります。

一つの文章で終わることをクドクドと長く言っても無意味です。

誰もメールに丁寧さなど、求めていません。ビジネスメールで必要なことは、マナーに則った上で要点を簡潔に伝える能力であって、丁寧さではありません。

文章は短く、要点を伝える

メール件名:選考辞退のご連絡

転職株式会社
人事部
◯◯様

お世話になっております。
就活大学の就活太郎です。

さて首記の件、 ●月●日開催の●次選考に参加予約させて頂いておりましたが、参加予約しておりましたが、大学での試験日程と重なり、お約束させていただいた時間にお伺いできないことがわかり、ご連絡いたしました。諸事情により伺えなくなりました。

自分の不注意で誠に残念ですが、この度のつきまして、大変ご迷惑をおかけいたしますが、選考を辞退させていただきたいと思います。 選考を辞退したく存じます。

今後のスケジュールの調整の際にはこのような間違いがないよう、注意します。
本来であれば直接お伺いし 伺いお詫びするべきところ、メールでのご連絡となりましたこと、お詫び申し上げます。

末筆ながら貴社のご発展と皆様のご健勝をお祈り申し上げます。(「末筆ながら〜」を使っているのにメールが締めくくられていない。この表現を使うのは最後の一行だけ)

ご了承のほど、何卒よろしくお願いいいたします。

メール署名

NG例④宛名が無駄に長い

これは100%の就活生が犯している誤りです。たとえばメール宛名に「株式会社就活 人事部 人事課 採用担当チーム チームリーダー 採用一郎 様」などと書く就活生です。

就活生はメールマナーを知らないわけですから、ゴミ情報を発信するゴミメディアの責任ですね…。ということで正します。

大企業であればあるほど、部・課が細分化されており、名刺にあるすべてもことを宛名にしては、それだけで気持ち悪いメールになります。メール宛名には「社名・部署名・役職・名字」だけで十分です。

テンプレート添削

転職株式会社
人事部 人事課 採用グループ 新卒採用チーム
チームリーダー
就活一郎 様
転職株式会社
人事部 人事課
就活 課長(または名字 様)

NG例⑤メール件名が意味不明

これも就活生によくあるパターン。メール件名は、本文の内容を示すものにする必要があります。たとえばメール件名が「お礼」だと何に対するお礼なのか、わかりませんよね?以下の正しいマナーに則った件名の書き方を学びましょう。

正しいメールマナー

×NG件名:お世話になっております
×NG件名:お礼
×NG件名:就活大学の就活一郎です
正しい件名:OB訪問のお願い(就活大学・就活)
正しい件名:インターンシップのお礼(就活大学・就活)
正しい件名:面接日程候補のご連絡(就活大学・就活)

参考 → 【完全版】就活メールの“件名”につかう全例文と注意点 – 添削OK

NG例⑥敬語が「間違っている」

本当に「Wantedly」を始めとする、間違いだらけの就活メールテンプレートを提供する会社は何を考えているんだ(激怒)。これ以上、就活生に間違ったメールマナーを紹介するのを止めてくれ!見れば見るほど間違いだらけなので、もう名指しで批判します。

就活メールに敬語を使うのは当然ですが、使うなら間違いのない敬語を使いましょう。メールが読みにくくなる原因になります。

間違いやすい敬語

×NG敬語①お伺いいたします・お伺いさせていただきます
×NG敬語②取り急ぎお礼まで・取り急ぎご連絡まで
×NG敬語③ご尽力いただきたく存じます
正しい敬語①伺います・伺いたく存じます
正しい敬語②まずはお礼かたがた、ご挨拶申し上げます・取り急ぎご連絡いたします
正しい敬語③お力添えいただきたく存じます

参考 → お伺い致します/お伺いします/お伺いさせて頂きます…正しい敬語は?

参考 → 「お伺いしたい」「伺いたい」「伺いたく存じます」正しい敬語は?

参考 → 「取り急ぎお礼まで/ご連絡まで」意味と目上の方への正しい使い方

参考 → 「ご尽力」「お力添え」の意味とメールでの正しい使い方【例文あり】

NG例⑦お礼と謝罪が混在

お礼をしたいのか、謝罪をしたいのか、意味不明な就活メールを書く人がいます。ビジネスメールでは「お礼ならお礼」「謝罪なら謝罪」とするべきです。たとえば「内定辞退します、これまでのご配慮に感謝いたします」はOK。

でも「内定辞退します。申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも感謝もしています」は正直、めちゃくちゃ気持ち悪い。

まぁ、これも就活生の責任ではなく「Wantedly」がすべて悪いのですが…。読めば読むほど気持ち悪い例文ばかりです。ということで、こちらも修正していきましょう。

お礼と謝罪はどちらかにする!

件名:内定辞退(就活大学・就活)

〜前略〜

本来であれば、直接お伺いして伺いお詫びするべきところ、メールでのご連絡となりましたこと、重ねてお詫び申し上げます。これまでの心配りに大変感謝しております。(お礼と謝罪は混在するとみっともない)

〜後略〜

NG例⑧メールなのに「かしこまり過ぎ」

メールなのに手紙調で「かしこまった文章」を書く就活生がいます。これも受け手にとって気持ち悪いので、止めてください。断言しますが、就活メールでは手紙調の文章が必要となる場面はありません。

こちらもWantedlyの就活メールテンプレートを修正していきましょう。

テンプレ添削例

メール件名:内定辞退のご連絡

転職株式会社
人事部
◯◯様

お世話になっております。就活大学の就活一郎です。

先日貴社より内定をいただきましたが、○○○○の事情により、

大変恐縮ですが、内定を辞退させていただきたく、本日は連絡を差し上げました。諸事情により、内定を辞退いたします。大変申し訳ございません。

内定を頂いた後に、御社でどのような仕事をしていくか、

また、私が御社でどのような仕事に貢献ができるかと自分なりに考えた際に

別の会社様とのご縁を感じ、他の会社に入社をする決意を固めました。

せっかく内定を頂き、また見学・面接と何度もお時間を取っていただいたのに

大変申し訳ない気持ちです。(理由は「諸事情により」だけでよい、くどい)

本来であれば、直接お伺いして伺いお詫びするべきところ、メールでのご連絡となりましたこと、重ねてお詫び申し上げます。これまでの心配りに大変感謝しております。(お礼と謝罪は混在するとみっともない)

最後になりましたが、御社の益々のご発展をお祈り申し上げます。(「最後に〜」を使っているのにメールが締めくくられていないし、くどい)

今後、何かのご縁でご一緒する機会がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。

メール署名

当たり前だけど気を付けたい就活メールNG集

ここからは、言うまでもなくNGとなる例のまとめとなります。箇条書きにし、理由をダラダラ解説するのは控えておきます。就活メールマナーの基本として抑えておきましょう。

NG例9. 返信メールで件名を変える!

たとえば来たメールに「件名:面接日程候補のご連絡」とあれば、返信はタイトルをそのままに「履歴付き返信」をします。

これが基本で、その他の細かい注意点はこちらの記事( 【完全版】就活メールの“件名”につかう全例文と注意点 – 添削OK)をご参照ください。

メール件名はそのまま使う

件名:Re:面接日程候補のご連絡

NG例10. 携帯用のメールアドレスを使う

携帯用のメアドとは「xxxx@docomo.ne.jp」などのことです。これは受け手側にとってはどうでもよいことですが、あなた自身が使いずらいことが問題です。携帯メールでは署名などが作りずらいので…。

就活用メールアドレスを作る

YahooやGmailなどのフリーメールは使っても構いません。どこにいても即レスポンスできるようなメールサービスを使うのがよいです。

×NG例:携帯用のメアド

正しい例:大学のメール、Yahoo、Gmailなどのフリーメール

NG例11. メール署名がない

就活メールやビジネスメールでは、どこの誰が送ったメールかを特定できるように「メール署名」を文章の最後に付け加えます。こんな感じです。

メール署名を作る

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就活大学
就活学部 就活学科
就活 一郎 / SHUKATSU ICHIRO
〒123-4567 東京都千代田区丸の内xxx
電話:xxx-xxxx-xxxx
Eメール:xxxx@shukatsu.com
*******************************************

参考 → 【完全版】就活メールの“署名”の書き方と全注意点 – 添削OK

NG例12. メールアドレスがキラキラ系

就活用メールを作ることをおすすめします。たとえば「lucky7@gmail.com」といった、明らかに個人用のメールアドレスをそのまま使ったようなメアドはNGです。

正しいメールマナー

大学の学内メールアドレスを使うか「shukatsu.taro@gmail.com」のように、氏名+ドメイン名で構成されているとよいでしょう。

×NG例「lucky7@gmail.com」

正しい例「shukatsu.taro@gmail.com」

NG例13. メール本文に絵文字、顔文字を使用する

たとえば「就活 一郎ですm(_ _)m」「よろしくお願いします☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆」とか…信じられないかもしれませんが、実際にこういう就活生もいます。採用担当者はあなたの友達ではないことを、しっかり心得ておきましょう。

×NG例:就活 一郎ですm(_ _)m
×NG例:よろしくお願いします☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

まとめ

とにかくゴミのような就活メールテンプレートを作る会社は全部、無くなるべきですね…。DeNAのWELQのようにタチが悪すぎる。

就活生のメールですから、ある程度の間違いは大目に見ます。問題は、あなたが間違ったメールマナーを覚えてしまい、社会人となってから恥ずかしい思いをしてしまうことです。

しかも「Wantedly」は間違った就活メールテンプレート集をアプリ化しているから、余計にタチが悪い。

とうことですので、巷にあふれる就活メールテンプレートの修正作業も今後、すすめていきます。もう就活メール文例集を自作しようかなぁ…。