「お世話になっております」を使いこなして、就活の電話対応を誰よりも完璧にするための記事。
企業の採用担当から
「株式会社転職の採用担当○○です。お世話になっております」
と電話がきたらどう対応すればいい?返事のやり方は?
逆にあなたが電話をかけるときには、どうしたらいい?
という疑問を解消していきます。
まずは結論から、必ずこんな感じで対応しましょう。
採用担当からの電話を受ける;
「ぷるるる~、ぷるるる~」
就活生(あなた);
ガチャ「はい、○○です」
採用担当から電話;
「株式会社転職の採用担当○○です。お世話になります」
就活生(あなた);
「お世話になっております」
採用担当;
「就活大学・○○さんでしょうか?」(初めての電話を想定、省略可)
就活生(あなた);
「はい、○○です(または○○と申します)」(省略も可)
採用担当;
「本日は面接日程調整の件で、電話をいたしました。~~~」
▼▼▼▼▼▼
つづいて、あなたが採用担当へ電話をかけるケースの電話対応例。立場は変わりますが、これと逆の対応をするだけです。
就活生(あなた)が電話をかける;
「ぷるるる~、ぷるるる~」
採用担当;
ガチャ「はい、△△です」
就活生(あなた);
「就活大学の○○と申します。お世話になっております」
人事部の誰か;
「お世話になっております」
就活生(あなた);
- 固定電話にかけるとき|「採用担当の△△様、いらっしゃいますか?」
- 携帯電話にかけるとき|「今、お時間よろしいでしょうか?」
採用担当;
- 固定電話|「少々お待ちください」~~~「はい、代わりました△△です」
- 携帯電話|「はい、お願いします」
就活生(あなた);
「誠に申し訳ありません。本日の会社説明会の件なのですが…体調不良のため、説明会を欠席いたします。誠に申し訳ございません。」
~後略~
ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、NG例や、「お世話になっております」の意味、使い方について詳しくみていきましょう。
※長文になりますので、時間の無い方は「パッと読むための見出し」より目的部分へどうぞ。
就活・電話対応「お世話になっております」のポイント
まずは先ほど示した電話対応例をもとに、就活・電話対応のポイントを解説していきます。
【電話対応例①】就活電話を受けるときのポイント
採用担当から電話を受ける;
「ぷるるる~、ぷるるる~」
電話には3コール以内に出るのがビジネスマナーの鉄則。
就活生;
ガチャ「はい、○○です」
「もしもし~」はNGとなるので要注意。電話に出るときは「はい、○○です」だけ使う。
採用担当から電話;
「株式会社転職の採用担当○○です。お世話になります」
相手も名乗り、挨拶の「お世話になります」を使ってくる。ここは「お疲れ様です」や「こんにちは」の人もいる(採用担当は立場としてあなたの目上にあたるので、それでも問題はない)。
就活生;
「お世話になっております」
必ず挨拶の「お世話になります」「お世話になっております」と挨拶をする。「こんにちは」「お疲れ様です」は絶対に使わない。「こんにちは~、お世話になります」などはOK。
採用担当;
「就活大学・○○さんでよろしいでしょうか?」(初めての電話を想定、省略可)
丁寧な採用担当であれば、まちがった電話番号にかけていないかどうか、確認をしてくる。とくに初めて電話をかける相手のときに使われる。
就活生;
「はい、○○です(または○○と申します)」(省略も可)
「はい、○○でございます」でも可。
採用担当;
「本日は面接日程調整の件で、電話をいたしました。~~~」
ここからようやく本題に入る。
【電話対応例②】就活電話をかけるときのポイント
就活生が電話をする;
「ぷるるる~、ぷるるる~」
採用担当;
ガチャ「はい、△△です」
就活生;
「就活大学・就活学部の○○と申します。お世話になっております」
相手が電話にでたら、大学名+学科+名字を名乗り、挨拶「お世話になっております」を必ず使う。大学名+氏名でも可。また、社会人は「会社名+名字」だけで可。
採用担当;
「お世話になっております」
(採用担当は立場としてあなたの目上にあたるので、それでも問題はない)。 相手も必ず挨拶を返してくる。ここは「お疲れ様です」など、少しラフな表現を使う人もいる
就活生;
固定電話にかけるとき|「採用担当の△△様、いらっしゃいますか?」
携帯電話にかけるとき|「今、お時間よろしいでしょうか?」
固定電話にかけるときには、相手が目的の人とは限らない。日系企業では、たとえ誰の電話にかかっていようと、気づいた人が電話に出るように教育されている。なので必ず「〜〜様はいらっしゃいますか?」と確認する。「〜〜様(さん)お願いします」でも可。仮に運よく本人であったとしたら「はい、△△です」とくるので、そこから本題を始める。
携帯電話にかけるときは、相手がいま、話をできる状態にあるかを必ず確認する。「いただいてもよろしかったでしょうか?」はNG。過去形ではなく、現在形「よろしいでしょうか?」を使う
採用担当;
固定電話|「少々お待ちください」~~~「はい、代わりました△△です」
携帯電話|「はい、お願いします」
固定電話にかけた場合は、電話をつないでくれるまで少し待つ。もし担当者が不在であれば「それでは後ほど、改めてご連絡いたします。失礼いたします」と電話を切る。ちゃんとした企業なら「お電話をいただいた旨、担当者にお伝えいたしましょうか?」と聞かれるので、その際には「はい、お願いいたします」と素直にお願いをする。
携帯電話にかける場合、相手の都合を確認した上で本題に入る。もし相手の都合が悪ければ「会議中ですので、後ほど改めます」などと返答があるため、そのときは「承知いたしました。それではお電話お待ちしております。失礼いたします。」と言って電話をきる。
就活生;
「誠に申し訳ありません。本日の会社説明会の件なのですが…体調不良のため、説明会を欠席いたします。誠に申し訳ございません。」
ここでようやく、本題に入る。
こんな就活の電話対応はNG!
×NG例①もしもし~
ビジネスシーンにおける電話対応で「もしもし~」は使いません。
- NG×電話をかけるとき「もしもし、○○さんですか?」
- NG×電話をうけるとき「もしもし~、○○です」
先の例文で示したとおり、
- ◎電話をかける=「就活大学・就活学科の○○と申します。お世話になっております」
- ◎電話をうける=「はい、○○です」
としましょう。
×NG例②自己紹介・挨拶なしに本題から入る
ビジネスシーンにおける電話対応で「挨拶・自己紹介なしで本題から入る」はNG。
- NG×挨拶・自己紹介なしで本題から入る
先の例文で示したとおり、
- ◎電話をかける=「就活大学・就活学科の○○と申します。お世話になっております」
- ◎電話をうける=「お世話になっております」
としましょう。
×NG例③何の御用でしょうか?
採用担当からの電話をうけるとき、「何の御用でしょうか?」と聞いてはいけません。
何か用件があるから電話をかけているのであって、まずは例文の通り「お世話になっております」挨拶をしましょう。
黙っていても、相手から話しをはじめます。
×NG例④コールが長すぎる
ビジネスシーンにおける電話対応で「コールを鳴らす時間が長い」のはNG。
- NG×コールが長い
理想論ではありますが、
- ◎電話をかける = 5コール以上かけない
- ◎電話をうける = 3コール以内に出る
としましょう。
ビジネス電話をかける時、5コールで誰も電話に出なければ、会社が休みか、全員が出払っている可能性があります。また改めて電話をしましょう。
(携帯電話にかけるときも同じ)
これはビジネスマナーですので、心得ておきましょう。
×NG例⑤「〜様いらっしゃいますか?」をスキップ
これは固定電話にかけるときのみ。
ビジネスシーンにおける電話対応で「〜様いらっしゃいますか?」を飛ばすのはNG。固定電話に出た人が、あなたの目的の人とは限らないからです。
- NG×「〜様いらっしゃいますか?」と確認しない
- 丁寧すぎる表現×「〜様いらっしゃいますでしょうか?」
先の例文で示したとおり、
- ◎固定電話にかける=「採用担当の〜様いらっしゃいますか?」
としましょう。
※「〜様」の部分は「〜さん」でも構いません。
※「〜様いらっしゃいますか?」の部分は「〜様お願いします!」でも可。
※もし声で本人とわかった場合には「〜様でいらっしゃいますか?」でも可。
×NG例⑥全然OKです、問題ありません、了解です
これらは、ビジネス敬語としてふさわしくない表現です(いちおうは丁寧語「です・ます」を使っているので敬語としては成り立ちますが…表現がふさわしくないためNG)。
- NG×全然OKです、問題ありません、了解です
こんなときは、
- ◎はい、頂いた日程で伺えます。
- ◎いえ、質問はありません。
- ◎はい、承知いたしました。
などを使いましょう。これは場面によって、いろいろと使い分けの必要があります。難しいので別途コラムを作成しますね。
結構大事な「お世話になっております」の発音
ここで重要なポイントをひとつ。
電話で連絡するときには発音というか、アクセントというか、話し方も重要だということ。
「お世話になっております」
を電話で発音するときには、こんな感じにするとよいでしょう。
- ◎お世話になっておりますぅ~
音声でお伝えしたかったのですが、やり方がわからないため申し訳ありません。
ポイントは「すぅ~」と語尾を少し伸ばすこと。これで物腰の柔らかい印象を与えることができます。ただし伸ばしすぎは厳禁。適度な「間」を身につけましょう。
いっぽうで、印象の悪い話し方としては、
- NG×お世話になっておりまぁ~~す
「まぁ~~す」と発音すると、頭の悪い印象を与えるため要注意です。
電話を切るときは「失礼します」「失礼いたします」
電話対応は最初も重要ですが、最後も肝心。終わりよければ全てよし、です。
全ての会話が終わったら、
「失礼します」または「失礼いたします」
と言って電話を切りましょう。
私のブログ記事のように「ではでは〜」で終わってはいけません。
ここまで述べてきたことは社会人になってからも必ず使いますので、今のうちに身につけておくと後々ラクになります。
就活の電話対応は神経質になる必要なし
ここまで就活・電話対応のやり方をツラツラと語ってきましたが…。
就活の電話対応だけに限っていえば、そこまで神経質になる必要はありません。最低限のマナーだけおさえて、あとは自然体で臨みましょう。
神経質になると、伝えたいことが伝わらない
なぜなら、細かいことばかりを気にしていると、本当にいろいろと気になりすぎてしまい、伝えたいことが伝わらなくなるから。これは面接の言葉遣いでも一緒で、礼儀を気にしすぎると、自分の言葉で語れなくなり、あなたの良さが伝わらなくなってしまいます。
電話対応など、ビジネスマナーは入社してから嫌というほど学びます。ビジネスマナー研修なるものが入社してから必ずあるため、就活生のうちは「ほどほどに」で大丈夫。
就活は「ビジネスマナー大会」ではない!!
そして人事の採用担当もリクルーターも、ビジネスマナーで内定を決めているわけではありません。多少の無礼は「就活生だから」という理由で許されます。
ビジネスマナーがそこまで合否に影響するのであれば、「ビジネスマナー大会」を開いて、上位者を採用すればいいだけ。
でも実際にはそんなことないので、ご安心ください。
就活で重要なのは、面接で話す内容、あなたのこれまでの人生、あなたの人となりです。決してビジネスマナーではありません。小手先の技術に走らないようにしましょう。
※それでも最低限の礼儀・敬語だけは抑えておきましょう。
「お世話になります/なっております」の違い
「お世話になります」「お世話になっております」では意味が違います。
- 初対面=(これから)お世話になります
→ 〜になる = 未来形(英語だと will, be going to ~) - 面識 or やりとりあり=(今)お世話になっております
→ になっている = 現在進行形(英語だと be doing )
という違いがあるため、抑えておきましょう。詳しくは参考記事にて記載しております。
参考となる記事:
まとめ
これでもかというくらい「お世話になっております」を使った電話対応のやり方について語ってみました。これは社会人になってからも必ず役に立ちますので、就活生のうちに身につけておくと、あとあと楽になります。
ぜひ、ありとあらゆる場面を経験し、使い方をマスターしてください。頭でどうこうなるものではないので、ビジネスシーンで場数を踏んでくださいね。ではでは~~。