つづいて転職メールにありがちな、やってはいけない注意点を解説します。ちなみに当ブログで紹介している「NGとなる例文」はすべて既存の転職サイト(リクナビ・マイナビなどの転職エージェント)から引っ張っています。
とくに気をつけていただきたいのは、丁寧すぎて意味不明のメール質問・返信になってしまうこと。転職メールの目的はあなたの意図を簡潔に伝えることが重要であり、丁寧すぎることは悪。
たとえば以下のNG例文のようにダラダラと文章を書くことは、丁寧であっても読みにくいだけです。
×やってはいけない!NG例文
拝啓
貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
●● ●●と申します。現在、大手商社に勤務しております。
突然のeメールにて失礼いたします。
さて、貴社Webサイトの求人ページにて、コンサルタント職を募集していることを知り、応募させて頂きたいと考えております。
応募にあたり、募集要項について質問がありご連絡させて頂きました。
今回、貴社求人募集の要綱欄に「プロジェクトマネジャー経験2年以上」とありますが、私はプロジェクトマネジャー経験はありません。
私でも応募は可能でしょうか?
貴社が扱う事業戦略からシステム導入に至るまでの総合的なコンサルテーションに是非挑戦したいと常々考えていました。グローバルな視点を持ちプロジェクトを推進していく能力は、貴社コンサルタントとして役に立つと確信しております。
以上、ご返信いただければ幸いです。
お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
敬具
これの何がダメなのか?
少し考えてみましょう。
なぜダメなのか?①メールで拝啓・敬具を使う
拝啓
貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。〜後略〜 敬具
メールで拝啓・敬具を使うのは、退職挨拶などのホントにかしこまったメールを送りたいときだけ。企業に問い合わせ・質問するときには必要のないフレーズです。
拝啓・敬具は「かしこまって言う」「うやまって言う」という意味であり、取引先におくるビジネス文書・レター・手紙に使います。
→ ビジネス文書での「拝啓・敬具」の書き方、縦・横書きの位置
なぜダメなのか?②あなたの意思を感じない「させていただく」
さて、貴社Webサイトの求人ページにて、コンサルタント職を募集していることを知り、応募させて頂きたいと考えております。
応募にあたり、募集要項について質問がありご連絡させて頂きました。
「させていただきます」は「させてもらう」の謙譲語であり、敬語としては正しいです。
が、
「応募させてもらう=応募させていただく」として使うと、あなたの意思を感じられないのですよね…まるで企業からの許しがないと応募できないかのような、表現です。
でも転職応募って条件さえ満たせば誰にでもできるハズ。
くわえて、あなたの意思でその企業に「応募したい!」であるハズ。
そういう時には「応募したいと考えております」「応募いたしたく存じます」という敬語で十分に丁寧です。
なぜダメなのか?③ビジネスシーンで「可能でしょうか」を使わない
私でも応募は可能でしょうか?
相手に「わたしが○○できますか?」と問い合わせ・質問したいとき。
「わたしが○○するのは可能でしょうか?」はビジネスシーンで使うには、ふさわしくない表現。
ここでは、応募することに対する相手からの「許可・許し」をもらいたいのですよね。
だったら「可能でしょうか?」はあまりにも上から目線です。
「要項を満たしていないけど応募したい!それって可能?」
では確実にオカシイ。
ということなので、もっとビジネスシーンにふさわしい表現があります。そうすると例文にしたようにするとよいでしょう。
【正しい例文】
ただ私、募集要項にご記載の以下2件を満たしておらず、応募の可否につき伺いたく存じます。
・プロジェクトマネジャー経験3年以上(経験なし)
・TOEIC 900点以上(現在TOEIC 800点)
【注意】短い文章で要点だけを伝えること!!
「丁寧すぎる表現は読みにくいだけ」に追加して、もう一点。
就活・転職のメール返信ではマナーをまもるのは当然のことですですが、メールマナーを守ったうえで「どこまでシンプルに要点を伝えられるか」にも気をつけましょう。
×メールマナーで気をつけたいNG例:
- NG例「同じ言い回しを2回使う」
→ 違う表現に変える - NG例「お礼や謝罪ばかり述べている」
→ お礼はマックス2回までにする。かぶる時には違う表現に変える
使い分け例)ありがとうございます。お礼申し上げます。感謝いたしております。 - NG例「時候の挨拶などをいれてしまい、手紙風のメールになっている」
→ 転職メールに時候の挨拶は必要なし。拝啓・敬具なども使う必要なし。 - NG例「絵文字や顔文字を使う」
→ 論外です
知らないと恥ずかしい!間違いやすい敬語
転職メールをふくむビジネスメールでは、使いなれない敬語ばかり登場するかと思います。先ほどの例文メールでだと例えば、「お世話になっております」「突然の連絡にて大変失礼いたします」「伺う」など。
さて、ここで問題です。
以下の例文から正しい敬語の使い方をしているものを、選んでください(解答時間30秒)。
- 例文①「お伺いいたします」
- 例文②「お伺いさせていただきます」
- 例文③「お伺いします」
- 例文④「お伺いしたいです」
- 例文⑤「伺いたいです」
- 例文⑥「伺いたく存じます」
- 例文⑦「伺います」
答えは申し上げられません(性格最悪)。
正解は以下の記事でご確認ください。
さて話は逸れましたが、
問い合わせメールに限らず、ビジネスメール(転職メール含む)は決められた敬語の使い回しで成り立ちます。そしてビジネスメールならではの敬語は数に限りがあります。
ということで、マスターしておくと必ず役に立つ、よく使う敬語、間違いやすい敬語の解説記事をまとめておきます。