海外駐在員とは?もはや会社員とは思えない給与・年収の話

現役の海外駐在員が、
そのナメきった仕事ぶり・激務度・年収・メリットvsデメリットについてウラオモテなく本音でかたる記事。

※ メーカー海外駐在員・商社の駐在員・某大手銀行マン・証券マンの海外駐在員への取材にもとづきます。

そもそも海外駐在員とはなにか?

という基本的な部分から、海外駐在員の仕事内容〜年収・給与〜生活ぶり~ぶっちゃけいろいろ勘違いしてるよね?

についてくわしく解説していきます。

就活・転職のご参考にどうぞ。

海外駐在員とは?

海外駐在員の意味

海外駐在員(英語:An expat)とは、海外転勤となり一時的に海外へ移住しているサラリーマンのこと。業種はとわず、どんな職種においても会社の命令で海外に転勤したのであれば「海外駐在員」と呼ばれる。

また、最初から自分の意思で海外へ就職・転職したひとは「現地採用」とよばれており、駐在員とは区別される。

駐在妻・駐妻とは?

くわえて、海外駐在員サラリーマンの妻は「駐在妻」あるいは「駐妻」とよばれる。駐在妻は家事や子育ての負担が減って(メイドを雇って)ヒマになることも多く、そのプチセレブな暮らしぶりをブログなどでひけらかし自己満足にひたるヒトもいる(性格最悪)。

  • 例)今日はヒルトンでランチ会♪5000円/人なり
    → ランチに5000円払うなんて絶対おかしい…
  • 例)駐妻仲間とアフタヌーンティー♪5000円/人なり
    → お茶するだけで1人5000円は金銭感覚おかしい!
  • 例)駐妻オススメ!お得なランチ3000円〜
    → ランチ3000円ってどう考えても高いだろ!?
  • 例)自宅のプールサイドでまた~り(見たくもないけど写真付き)♪
    → 家にプールあるんか〜い!
  • 例)息子のインターにて(もれなく写真付き)♪
    → インターナショナルスクールを「インター」ってゆっちゃう?

海外駐在員になるには?

海外駐在員は、希望したからといって誰しもがなれるわけではない。

でも、海外駐在員になれる確率を上げることはできる。具体的には以下のような企業を就職・転職先に選ぶとよい(上から順に海外駐在になれる可能性がたかい)。

  • 総合商社
    三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、双日、住友商事
  • 大手専門商社
    メタルワン、伊藤忠丸紅鉄鋼、稲畑産業、長瀬産業など
  • 化学メーカー
    信越化学工業、東レ、旭化成、三菱ケミカル、住友化学、三井化学、東ソー、旭硝子など
  • メーカー
    トヨタ、ホンダ、三菱重工、住友金属鉱山、JFE、新日鉄住金など
  • メガバンク
    三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行
  • 金融業界
    農林中央金庫、損保、生保、証券会社など
  • サービス業
    リクルートなど

海外駐在員の年収・給与事情

もはや一般的になっていることではあるが、海外駐在員の年収・給与はその仕事内容にみあわず高い。

額面年収は日本の給与×1.5倍、手取りだと×1.8倍が目安

具体的には、日本でもらう年収・給与の1.5倍くらいとなるのが目安。

たとえば日本での額面年収が500万円であれば、750万円にUpする。額面年収が1000万円であれば、1500万円にUpする。

ただし、

これは額面での話であり、手取り額は日本にいたときのx1.8倍くらいとなる。なぜなら駐在員は駐在先で所得税・住民税をはらう義務が発生するが、これらはすべて会社が負担するから。

したがって、日本の手取り vs. 海外駐在員の手取りを比べると「日本にいるときの手取りx1.8」がほとんどの会社で目安となる。

つまり、

  • 大手メーカー海外駐在員であれば「30歳・年収1000万円=手取り750万円」
  • 大手専門商社の海外駐在員であれば「30歳・年収1100万円=手取り800万円」
  • メガバンク海外駐在員であれば「30歳・年収1500万円=手取り1000万円」
  • 総合商社の海外駐在員であれば「30歳・年収2000万円=手取り1400万円」

の価値がある。

上記はあくまでも目安であり、駐在する国や企業によって違いあり

海外駐在員の給与から引かれるもの・引かれないもの

海外駐在員の給料から、引かれるものと手元に残るものを整理すると表のイメージ。日本との比較をしておく。

○=年収から引かれるもの
×=年収から引かれないもの

日本で勤務 海外駐在員
所得税 ×
(会社負担)
厚生年金
住民税 ×
(会社負担)
雇用保険
組合費etc
年収から
引かれる割合
20~30%程度
※所得税による幅
10%程度
手取り 年収の7~8割 年収の9割

日本だと額面年収の7~8割しか残らないのに、海外駐在していると年収の9割は手元に残る。額面年収Upしている以上にメリットが大きいと言える。

これはほとんどの日系企業で共通している。例外は少ない。

年収よりもスゴイ!手当・福利厚生でのメリット

海外駐在員は年収もおおきくUPするが、もっとスゴイのは手当や福利厚生でのメリット。

年収に含まなかった手当・福利厚生には以下のようなものがある。原則としては会社がすべてを負担する。

  1. 住宅手当(300~1200万円/年)
    ・海外駐在員の住宅は「なにか危険なことがあるとマズイ」という理由からもれなく高級住宅となる。国と企業・役職によってマチマチだが家賃30万円/月~100万円/月はフツー
    ・途上国だともれなくプール&ジム付きのマンションに住める
  2. クルマ(&運転手)
    ・クルマがないと生活できない地域ではクルマ(&運転手)が支給される
    ・たとえばインドなど危険の多い国では駐在員用にクルマ1台+運転手、駐妻用にクルマ1台+運転手、というちょっとおかしな状況になる
  3. 子供の養育費(100~200万円/年/人)
    ・小中高インターナショナルスクールの学費(100~200万円/年)
    ・幼稚園、保育園の学費(100~200万円/年)
    ・ゼロ歳から養育費を出す企業もあるが、一般的には3歳以降の学費をすべて会社が負担
  4. 英会話スクールの費用(50~100万円/年/人)
    ・家族と本人の英会話スクール費用を会社が負担する
    ・赴任後の6ヶ月は全額会社もち、そのあとは半額会社もちみたいなケース多し
  5. メイドさんの費用(先進国はナシ、途上国のみ)
    ・生活がむずかしい国では子育てや掃除をしてくれるメイドさんがつく(50万円~100万円/年)。これもすべて会社負担
    ・たとえばアフリカ、中東、インド、フィリピン、ベトナム、ブラジル、インドネシアなどの途上国では必須
  6. 病院代・治療費(基本は全額)
    ・すべての病院、治療にかかる費用を会社がだす
    ・風邪をひいた、といった些細なことから手術が必要な高額治療までぜんぶ
  7. ハードシップ手当(50~150万円/年)
    ・駐在する国の危険度におうじた手当。たとえばインド、イラン、中国の奥地、ブラジル、トルコなどの途上国やイスラム文化圏に駐在するさいにでる。金額は企業と駐在する国によってマチマチ。50万円/年~150万円/年くらいのイメージ
  8. 出張手当
    ・出張にともなう手当(一日につき4000円~8000円)
    ・営業職で出張がおおいと、出張手当だけで100万円/年ほどになる。これは国内でもおなじ

海外駐在員はある種の特権階級であり、仕事内容にみあわない高給取りである。

日本だと単なるぺいぺい課長であっても、海外駐在になるとなんと年収2000万円もみえる。そして20代・年収1000万円も現実的な数字である(企業によるけど)。

それでは具体的に年収事例を紹介していく。

年収・給与例①大手メーカー海外駐在員

※家族構成によって上下する
※駐在する国の物価によっても上下する
※手取り額は9割ほどとなる

  • 新卒3-7年目25-29歳『年収650-800万円』
    ・主任クラス(駐在先ではマネージャー職)
    ・海外駐在手当+裁量労働手当+家族手当+物価の差額(物価の高い地域ほど年収も高くなる)
    ・駐在先の所得税&住民税は一般的に会社が負担するため額面年収≒手取りとなる
    ・厚生年金(額面の約9%)、健康保険料、雇用保険料etcが額面から引かれる
    ・家賃補助全額、子供の養育費などは別途
    ・駐在する国や家族構成によって年収がふれるため、幅を持たせている
  • 新卒8-10年目30-32歳『年収800-1000万円』
    ・主任クラス(駐在先ではマネージャー職)
    ・マンションは豪邸+途上国だとプール&ジム&メイド付き(もちろんすべて会社持ち)
    ・途上国だとクルマ&運転手付き
    ・駐在する国や家族構成によって年収がふれるため、幅を持たせている
  • 新卒11-15年目33-37歳『年収1000-1300万円』
    ・係長クラス(駐在先ではマネージャー職)
    ・同上
  • 新卒18-23年目40-45歳『年収1300-1800万円』
    ・課長(駐在先ではシニア マネージャー職)
    ・同上
  • 新卒23-28年目45-50歳『年収1800-2500万円』
    ・部長(駐在先ではディレクター or MD)
    ・同上
  • 新卒28年目50歳『年収2000万円~』
    ・理事(駐在先ではMD)
※ただし企業によって上も下もあり。基となる年収をみればすぐに計算できる
【参考記事】年収ランキングは嘘!?自動車メーカーの年収まとめ
※注意)年収に含んだ or 含まなかった手当
  1. 年収に含んだ手当
    ・海外駐在手当
    ・裁量労働手当(20代の海外駐在員でもマネージャー職なので残業代は出ない)
    ・家族手当(扶養が多い=手当多い)
    ・物価の差額(物価の高い国 > 低い国)
  2. 年収に含んでいない手当
    ・ハードシップ手当(危険な国や地域の駐在員にあてられる手当:国によって年間50~100万円)
    ・出張手当(営業だと50万円/年くらいが目安)
    ・家賃補助全額(400万円/年~)
    ・子供の養育費(100万円/年/人~)
  3. 税金で得していること
    駐在先の所得税&住民税は一般的に会社側が負担する(年収の20%~40%お得になる)
  4. 日本と同じく引かれるもの
    ・厚生年金(額面の約9%自己負担)
    ・健康保険料
    ・雇用保険料
    ・組合費etcなど些細なものは
    → おおむね上記の額面年収x90%が手取り

年収・給与例②メガバンク海外駐在員

※家族構成によって上下する
※駐在する国の物価によっても上下する
※手取り額は9割ほどとなる

  • 学部卒4年目26歳『年収650‐750万円』
    ・ぺいぺい(駐在先ではマネージャー)
    ・残業代はゼロ
    ・海外駐在手当+裁量労働手当+家族手当+物価の差額(物価の高い地域ほど年収も高くなる)
    ・駐在先の所得税&住民税は一般的に会社が負担するため額面年収≒手取りとなる
    ・厚生年金(額面の約9%)、健康保険料、雇用保険料etcが額面から引かれる
    ・家賃補助全額、子供の養育費などは別途
    ・駐在する国や家族構成によって年収がふれるため、±10%ほどの振れあり
  • 学部卒7年目29歳『年収1200-1300万円』
    ・役付き(駐在先ではマネージャー)
    ・最速出世組で「役付き(部長代理、支店長代理、調査役クラス)」に昇格しているとしたときの海外駐在員の年収
    ・同上
  • 学部卒11年目33歳『年収1500万円~』
    ・管理職(駐在先ではシニア マネージャー)
    ・最速出世組で「管理職(課長クラス)」に昇格した場合の海外駐在員の年収
    ・同上
  • 学部卒15年目37歳『年収2100~2400万円』
    ・管理職(駐在先ではシニア マネージャー)
    ・最速出世組で「次長」に昇格した場合の海外駐在員の年収
    ・同上
  • 学部卒19年目41歳『年収3000万円前後』
    ・部長(駐在先ではディレクターかMD)
    ・最速出世組で「部長」に昇格した場合の海外駐在員の年収
    ・同上
  • 学部卒28年目50歳『年収4500万円~』
    ・管理職(駐在先ではMD)
    ・最速出世組で「執行役員」に昇格した場合の海外駐在員の年収
    ・同期入社1人~マックス3人が昇格するものと推測
    ・同上
※注意)年収に含んだ or 含まなかった手当は①メーカーと同じ
以下参考記事の年収×1.5倍すると各企業の海外駐在員の年収がわかる。
【参考記事】銀行員(メガバンク)の年収ランキング

年収・給与例③専門商社の海外駐在員(化学系大手)

※家族構成によって上下する
※駐在する国の物価によっても上下する
※手取り額は9割ほどとなる

  • 新卒3-7年目25-29歳『年収700-900万円』
    ・主任クラス(駐在先ではマネージャー職)
    ・海外駐在手当+裁量労働手当+家族手当+物価の差額(物価の高い地域ほど年収も高くなる)
    ・駐在先の所得税&住民税は一般的に会社が負担するため額面年収≒手取りとなる
    ・厚生年金(額面の約9%)、健康保険料、雇用保険料etcが額面から引かれる
    ・家賃補助全額、子供の養育費などは別途
    ・駐在する国や家族構成によって年収がふれるため、幅を持たせている
  • 新卒8-10年目30-32歳『年収800-1000万円』
    ・主任クラス(駐在先ではマネージャー職)
    ・マンションは豪邸+途上国だとプール&ジム&メイド付き(もちろんすべて会社持ち)
    ・途上国だとクルマ&運転手付き
    ・駐在する国や家族構成によって年収がふれるため、幅を持たせている
  • 新卒11-15年目33-37歳『年収1000-1500万円』
    ・係長クラス(駐在先ではマネージャー職)
    ・同上
  • 新卒18-23年目40-45歳『年収1300-1800万円』
    ・課長(駐在先ではシニア マネージャー職)
    ・同上
  • 新卒23-28年目45-50歳『年収1800-2500万円』
    ・部長(駐在先ではディレクター or MD)
    ・同上
  • 新卒28年目50歳『年収2000万円~』
    ・理事(駐在先ではMD)
※注意)年収に含んだ or 含まなかった手当は①メーカーと同じ
以下参考記事の年収×1.5倍すると各企業の海外駐在員の年収がわかる。
【参考記事】稲畑産業の年収

年収・給与例④総合商社の海外駐在員

※家族構成によって上下する
※駐在する国の物価によっても上下する
※手取り額は9割ほどとなる

  • 学部卒6年目28歳『年収1200-1400万円』
    ・主任クラス(駐在先ではマネージャー職)
    ・海外駐在手当+裁量労働手当+家族手当+物価の差額(物価の高い地域ほど年収も高くなる)
    ・駐在先の所得税&住民税は一般的に会社が負担するため額面年収≒手取りとなる
    ・厚生年金(額面の約9%)、健康保険料、雇用保険料etcが額面から引かれる
    ・家賃補助全額、子供の養育費などは別途
    ・駐在する国や家族構成によって年収がふれるため、幅を持たせている
    ・残業代ゼロ
  • 学部卒8年目30歳『年収1300‐1600万円』
    ・主任クラス(駐在先ではマネージャー職)
    ・同上
  • 学部卒10年目32歳『年収1500-1800万円』
    ・アシスタントマネージャー(駐在先ではマネージャー職)
    ・同上
  • 学部卒13年目35-40歳『年収1700-2300万円』
    ・課長1(駐在先ではシニアマネージャー職)
    ・責任の大きさ、管理するチームの大きさ、業績によって年収は振れる。
    ・同上
  • 学部卒18年目40-45歳『年収2500-3000万円』
    ・課長2(駐在先ではシニアマネージャー職)
    ・責任の大きさ、管理するチームの大きさ、業績によって年収は振れる。
    ・同上
  • 学部卒18-23年目45-50歳『年収3000-3500万円』
    ・課長3(駐在先ではディレクターかMD職)
    ・責任の大きさ、管理するチームの大きさ、業績によって年収は振れる。
    ・同上
  • 学部卒28年目50歳『年収3500-4000万円』
    ・部長(駐在先ではディレクターかMD職)
    ・昇格は非常にむずかしい。総合職でも同期入社~3%くらい。
    ・同上
以下参考記事の年収×1.5倍すると各企業の海外駐在員の年収がわかる。
【参考記事】【保存版】総合商社の年収ランキング

【クチコミ】海外駐在員のぶっちゃけ事情アレコレ