化学素材メーカー理系の職種まとめ①仕事内容②やりがい③苦労

就活・転職者のために化学素材メーカー理系・技術系の職種と仕事内容を現役営業マンが解説。

「仕事内容」「魅力・やりがい」「苦労すること」をまとめてみました。(他業界にも共通する職種は仕事内容だけ記載しておきます)

就職活動生や転職者のご参考になりましたら嬉しい限りです。

【参考】化学素材メーカー文系の職種まとめ①仕事内容②魅力③苦労

①既存事業の研究・開発職

仕事内容

  • 既存事業(既に上市している商品)の基礎・応用研究、開発
  • 既存商品のちょっとした改良(既存フィルムをより薄くしたりなど…)
  • 短期的な成果を求められるため商売に直結しそうなネタばかりになりがち
  • 既存顧客から要求された商品物性のデータ取り
  • 開発した商品の売り込み(営業と共に)
  • 既存顧客、潜在顧客との技術ミーティング
  • 特許出願

仕事の魅力・やりがい

  • 商売に直結する開発テーマが多いため仕事をやっている感がある
  • 売れる確率が高い研究テーマをやるので研究者として成果を出しやすい
  • 開発品が上手くいくと顧客にも喜ばれる
  • マーケット(顧客)に直結しているので、顧客からの反応がモチベーションになる

仕事での苦労

  • 自社営業マンや顧客から強烈なプレッシャーを受ける(重要開発案件の場合、特に)。たとえば、「明日中に資料完成させてくれ!」「1週間以内に○○のデータを取ってくれ!」といった依頼が平気である。
  • 開発品のお蔵入り…途中で様々な問題により開発テーマ断念する瞬間がツライ。
  • 顧客評価で思ったような性能がでないとき ← 自社ラボ結果と顧客ラボ・実機評価で同じような結果がでずに売り込みが上手くいかない。最も多いパターン。
  • 開発品が自社工場で生産できないとき ← これも良くあるパターン。性能はよいと分かっていて顧客も「買うよ」と言ってくれているのに供給できずに断念する。

②新規事業の研究・開発職(コーポレートR&D)

仕事内容

  • 既存事業開発の部隊にはできない研究テーマ。すぐには商売になりそうにないが、10~20年後に化けそうな新規素材開発。
  • 全くの飛び地または開発に時間と予算がかかりすぎるテーマ。
  • 終わりがない永遠の開発テーマ。「青色発行ダイオード」みたいなやつ
  • 特許出願

仕事の魅力・やりがい

  • あたればとてつもなくデカイ。世界を変える、業界地図を塗り替えてしまうような可能性を秘めている。

仕事での苦労

  • 先が見えない。
  • 商品完成まで何年かかるかわからないので、潜在顧客にも紹介できない、サンプリングもできない。
  • マーケットからの手ごたえが全くない。
  • ホームランを狙いすぎて、逆にテーマが限られてしまう。医薬、水処理、スマホ関係など…
  • 数年間進捗がないことなど当たり前
  • 社内の進捗報告会議がツライ(ほとんど何も進まないため)

③技術営業・技術サービス

仕事内容

  • 基本、研究職でそれなりのキャリアを積んだベテランがやる。文系営業と分けている会社もある。
  • 既存・新規商品の売り込み(技術的なメリットの解説などをする)。
  • 商品セミナー開催
  • まれに現場に入って指導する←技術レベルの低い海外顧客中心
  • 中国やインドなど海外の途上国を周ることになりがち。

仕事の魅力・やりがい

  • すでに出来上がっている商品の拡販をするので実績、成果を出しやすい
  • 海外の技術レベルが低い顧客から先生呼ばわりされる
  • マーケットからの反応がモチベーションになる

仕事での苦労

  • 自社製品のみならず、その使われ方まで十分な知識が必要となる。
  • 地球の奥地に行かなければならない

⑤生産技術開発

仕事内容

  • 工場一般職の管理
  • 安定生産・安定供給できるように現場を管理
  • 品質クレーム対応
  • 開発品の試作、生産
  • 製造コストダウンプロジェクトの提案、進捗管理
  • 現場の安全管理

仕事の魅力・やりがい

  • 部下がたくさん(現場のオペレーター全ての上司になる)
  • 会社の利益を支えているという使命がモチベーション

仕事での苦労

  • 生産失敗したときの責任が重大。
  • 品質クレーム。
  • 工場トラブルの責任重大。

⑥他業界と変わらない職種

品質保証

商品の一般分析、合否判定。クレーム対応。化学物質含有調査などの法令対応。

機械・電気系エンジニアリング

自社プラントの設計。設備投資案件。定期修理関係。

知的財産・特許

全社特許のとりまとめ。

【参考】化学メーカー・理系職種の激務度

↑職種別に激務度をまとめています。ご参考にどうぞ。