返信用封筒の「裏・差出人・行宛」書き方と全注意点

返信用封筒の同封マナーと書き方、注意点を誰よりも親切に解説していく記事。

とくに返信用封筒を同封する際の「行・宛」の使い方、裏(差出人)の書き方、折り方、速達便で返信して欲しいときの対処法、簡易書留で返信して欲しいときの対処法などについて見ていきます。

※返信用封筒に対して、あなたが返答するときのルールはこちらの記事(“御中の書き方と「係・宛・行」の消し方、書き換え方法”)にまとめています。

※長文になりますので、時間の無い方は「パッと読むための見出し」より目的部分へどうぞ。

返信用封筒とは文字通り「返信するための封筒」

返信用封筒とは文字どおり「返信するための封筒」です。あなたが手紙の差出人となり、受取人に返信してほしい時にいれる封筒のことです。

返信用封筒が同封されている例

返信用封筒は、何かの申し込み資料に同封されていることが多いです。

身近なところでは「クレジットカードの申請書」「インターネット銀行口座の申込書」などを取り寄せた際に入っている封筒です。また、結婚式の出欠確認などでも返信用はがきを同封します。

返信封筒を同封する理由は「相手への心遣い」

返信封筒を同封することで、相手のいろいろな手間が省けます。返信封筒が同封されていなければ、封筒を用意して、宛名を書いて…、という手間が発生しますよね。

相手へのちょっとした配慮ですね。また、返信用封筒にはあらかじめ宛名「◯◯行・宛・係」も書かれています。これは誤発送を防ぐ目的でもあります。

それでは、返信用封筒の書き方と注意点を見ていきましょう。

【返信用封筒の書き方】宛名は「行・宛」のどちらでもよい

まず返信用封筒を同封する方の悩みに「◯◯行」と「◯◯宛」のどちらを使うべきか?というのがあります。結論から申しますと、これはどちらを使っても構いません。なぜなら「行」「宛」ともに送り先・差出人を示す言葉だからです。

どちらかというと「行」を使った方が良い、どちらかというと「宛」を使った方が良い、と意見が分かれますが、心底どうでもいいです。それでも心配な方のために「行」「宛」の正しい意味について考えて、どちらが正式な表現かを論理的に説明しましょう。※様・御中は自分に対して使ってはいけません。

「宛・行」意味の違いを考えると「宛」が正式?

「宛」を辞書で調べると「(接尾語)送り先・差し出し先を示す」意味とあります。「誰かに手紙を当てる/宛てる」が変化して宛名としての使われ方になったのかと推測します。

「行」を辞書で引くと、宛名に該当しそうな意味はヒットしませんでした。「行く」は「ある地点に到着する」という意味を持ちますので、なんと〜くですが、手紙の宛名に使ってもよさそうです。

したがって「宛」「行」の意味の違いを考えると「宛」のほうが「宛名」として相応しい表現ということになります。そもそも「宛名」という言葉に使われているくらいですから、「宛」のほうが正式な使い方なのでしょうね…。

実際の返信用封筒では「行・宛」ともに同じ意味で使われる

ただ、これは理想論なので無視してください。実際の返信用封筒では「行」も「宛」も同じくらいの頻度で使われています。

繰り返しますが「行」「宛」のどちらを使おうと、心底どうでもいいことです。※様・御中は自分に対して使ってはいけません。

返信用封筒に「様・御中」は使わない

あなたが返信用封筒を同封するときに「様・御中」を使ってはいけません。自分に返信されてくる手紙に「自分 様」を使うということは、自分に対して敬意を表することになりNGです。

【返信用封筒の書き方】裏には何も書かない

返信用封筒ではあなたの「氏名 宛か行」と表に書き、裏には何も書きません。就活生の中には気遣いのあまり、返信用封筒の裏に差出人、つまり相手の住所と氏名まで書いてしまう人がいますが、これは不要な気遣いです。そして、裏に何かを書くのは失礼に当たります。

返信用封筒の本来の目的は「相手への気遣い」ですから、気遣えば気遣うほどいいと私は思うのですが…。この辺りが日本のビジネスマナーの難しいところです。

親切心でやったことが、実は「失礼にあたることだった」なんてこともよくあります。失礼にあたることはしないよう、十分に気をつけましょう。

裏に差出人を書くのはNG!

重要なので念のため繰り返しておきます。裏に差出人を書いてしまうのはダメです。返信用封筒における「差出人」とは送る相手のことを意味します。相手の情報を勝手に書く、というのは失礼にあたる行為ですので、気をつけましょう。

返信用封筒では表に「自分の住所・氏名+宛/行」を書いて、裏には何も書きません(しつこくてすみません)。

返信用封筒の裏に必要な差出人情報は差出人が書く

手紙を封筒で出すときには当然、裏面に差出人の住所や氏名が必要です。先に述べた通り、返信用封筒では相手が封筒の裏に差出人情報を記入して投函しますので、余計な気遣いは不要です。

【返信用封筒の書き方】必要な料金の切手を貼る

返信用封筒には、切手をあらかじめ貼りましょう。もう画像は省略しますが、上に示した画像の通りに作成してください。

切手をあなたが負担して貼る理由は、わざわざ返信してもらうのだから料金は自分で負担しよう、という「心遣い」です。

【折り方】「折らない」「2つ折り」「3つ折り」

返信用封筒を同封する方の悩みで「折り方はどうしたらいい?」というのがあります。こちらもまずは結論ですがたて・よこ、どちらでも「小さい返信用封筒を選んで折らない」「2つ折り」「3つ折り」で構いません。

先ほどと同じく「3つ折りじゃなきゃダメだ!」「いやいや2つ折りが基本だ!」と意見が分かれますが、心底どうでもいいです。要は、違和感なく綺麗に封筒の中に入っていれば問題ないわけです。

返信用封筒の折り方がイマイチで入らなかったら?

返信用封筒が3つ折りにしても封筒に入らなかった場合、適当に上下を折りたたんで、形を整えましょう。注意点ですが、返信用封筒でゴワゴワしたり、返信用封筒がグチャグチャにならないようにしましょう。←マナー違反でなくても相手への印象が悪いです。

なぜ返信用封筒の折り方は重要じゃないのか?

ここで「返信用封筒」の本来の目的を考えましょう。相手が手間にならないように、相手が誤発送をしてしまわないように、気遣いとして返信用封筒を同封するのでしたよね?

ということは、折り方がどうこう、というのは本来の目的から外れています。だから折り方は重要ではないのです。返信用封筒は相手が取り出しやすい、使い易い形で入っていれば、それで十分でしょう。

【速達】返信用封筒を速達便で受け取りたいときは====速達====を入れる

返信用封筒を速達便で返送してもらいたいときは、====速達====を入れます。赤太文字のボールペンなどで記入するとよいでしょう。ちなみに縦長の封筒の場合は右上に、横長の封筒の場合は右側に====速達====と入れてください。

もちろん、速達料金を含めた切手をあらかじめ貼っておきましょう。※サイズが不安なときは料金不足しないよう、多めに切手を貼ります。

【簡易書留】返信用封筒を簡易書留で受け取りたいときは簡易書留を入れる

返信用封筒を簡易書留で受け取りたい場合、赤の太文字で簡易書留を入れます。これは、たて書きの返信用封筒では左の中〜下部、よこ書きの返信用封筒では…不明ですが、どこかわかりやすい位置に書きましょう。

就活生は「返信用封筒」の書き方を間違えても気にしない!

「返信用封筒」の書き方を間違えてた!ビジネスマナーに慣れないうちはこんな経験、あると思います。でもご安心ください。マナー違反したからといってビジネスを失ったり、就活で選考に不利になったりしません。

そのような些細なことを気にするような採用担当がもしいたとしたら、そんな会社には就職・転職するべきではありません。こちらから願い下げです。また、そんな些細なことでビジネスチャンスを失うようなら、最初から取引する価値のない会社です。

営業マンの私が「就活太郎 御中」としていれば、さすがに常識を疑われてしまい、とてもマズイでしょう。

しかし、就活生であれば多少のミスは「若いから仕方ないなぁ」といって笑って済まされます。新卒採用は「正しい手紙コンテスト」ではないのですから、そんなに神経質になる必要はありません(苦笑)。

小手先だけ磨いてもダメ、重要なのは中身!

重要なのは手紙の中身、ビジネスの中身、メールの中身、あなた自身の人となりです。小手先の技術を磨いても、長い目で見ると何も役には立ちません。マナーや言葉遣いは年齢を重ねると自然に身につくことなので、もっとビジネスの本質的なことに時間を使いましょうね!

※私が就活生だった頃には「返信用封筒」の書き方なんて知りませんでした(汗)。でも社会人になると自然に身につきます。

【注意】他にも間違えやすい手紙マナー

「御中」の書き方と「行・係・宛」の消し方、書き換えは正しくできていますか?

基本として「御中」の使い分けは、個人宛であれば「様」を使い、個人宛でない時には「御中」を使います。

返信用封筒や手紙、ハガキを出すときに使われる「御中・様」ですので、この機会にマスターしておきましょう。くわしくは以下の記事をご参考にどうぞ。

【注意】間違えやすい敬語

「返信用封筒マナー」は合っていても、肝心の中身が間違えだらけでは元も子もありません。間違いやすい敬語について、誰よりもわかりやすく解説していますので、ご参考にどうぞ。