電話対応やバイト敬語としてよく使われる「お間違い(お間違え)ないでしょうか?」。
これに対する返事・返答はどうする?
という疑問を解消していく記事。
まずは基本として「お間違いないでしょうか」の意味は「間違いないですか?」であり、使い方の例文は以下のとおり。
◎お間違いないでしょうか?の使い方(本当はすべて間違い敬語)
- 例文①ご注文は以上でお間違いないでしょうか?(確認のシーン、間違い敬語)
- 例文②こちらのバッグはお客様のものでお間違いないでしょうか?(〃同上)
- 例文③部長、送別会は「ご参加される」でお間違いないでしょうか?(〃同上)
- 例文④部長、会議の資料はこちらでお間違いないでしょうか?(〃同上)
- 例文⑤××さんの携帯電話でお間違いないでしょうか?(〃同上)
- 例文⑥~という理解でお間違いないでしょうか?(〃同上)
これだけ様々なビジネスシーンで間違い敬語として使われるため、もはや「正しい敬語」として認定されてもいいような…(しつこいけど本当は間違っている)。
そして、「お間違いないでしょうか」への返答は「質問の内容や状況によって異なる」が正しいです。返答の例文を出したほうがわかりやすいため、状況別に例文でまとめていきます。
※長文になりますので、時間の無い方は「パッと読むための見出し」より目的部分へどうぞ。
例文①ご注文は以上でお間違いないでしょうか?
返答①はい、お願いします/いいえ、サラダが抜けています。
ここでの「お間違いないでしょうか?」の意味は、
「自分が復唱した注文内容について、自分の認識が本当に間違いないかどうかを確認してほしい」として使われます。したがって「はい/いいえ」で返答をすればいい、ということになります。
※本当は自分の行為や持ち物にたいして尊敬語「お」を使うのはおかしい。「よろしいでしょうか?」を使うのがよい。
例文②こちらのバッグはお客様のものでお間違いないでしょうか?
返答②はい、私のです/いいえ、違います。
ここでの「お間違いないでしょうか?」の意味は、
「自分がもってきた客のものと考えられるバッグについて、自分の認識が本当に間違いないかどうかを確認してほしい」として使われます。したがって「はい/いいえ」で返答をすればいい、ということになります。
※本当は自分の行為や持ち物にたいして尊敬語「お」を使うのはおかしい。「よろしいでしょうか?」を使うとよい。
例文③部長、送別会は「ご参加される」でお間違いないでしょうか?
返答③はい、参加します/いいえ、参加しません。
ここでの「お間違いないでしょうか?」の意味は、
「部長は参加するとして考えているけども、自分の認識が本当に間違いないかどうかを確認してほしい」として使われます。したがって「はい/いいえ」で返答をすればいい、ということになります。
※本当は自分の行為や持ち物にたいして尊敬語「お」を使うのはおかしい。「よろしいでしょうか?」を使うとよい。
例文④部長、会議の資料はこちらでお間違いないでしょうか?
返答④間違いありません/いいえ、違います。
ここでの「お間違いないでしょうか?」の意味は、
「自分が正しいと思って用意した会議資料について、自分の認識が本当に間違いないかどうかを確認してほしい」として使われます。したがって「はい/いいえ」で返答をすればいい、ということになります。
※本当は自分の行為や持ち物にたいして尊敬語「お」を使うのはおかしい。「よろしいでしょうか?」を使うとよい。
例文⑤××さんの携帯電話でお間違いないでしょうか?
返答⑤はい、××です/いいえ、私○○と申しますが・・・。
ここでの「お間違いないでしょうか?」の意味は、
「自分が正しいと思って電話した相手について、自分の認識が本当に間違いないかどうかを確認してほしい(自分が間違い電話をしていないかどうかの確認)」として使われます。したがって「はい/いいえ」で返答をすればいい、ということになります。
※本当は自分の行為や持ち物にたいして尊敬語「お」を使うのはおかしい。「よろしいでしょうか?」を使うとよい。
例文⑥~という理解でお間違いないでしょうか?
返答⑤はい、おっしゃるとおりです/いいえ、そうではなく○○です。
ここでの「お間違いないでしょうか?」の意味は、
「自分の理解していることが正しいかどうかについて、自分の認識が本当に間違いないかどうかを確認してほしい」として使われます。したがって「はい/いいえ」で返答をすればいい、ということになります。
※本当は自分の行為や持ち物にたいして尊敬語「お」を使うのはおかしい。「よろしいでしょうか?」を使うとよい。
お間違い(え)ないでしょうか?は間違い敬語!
「お間違い・お間違え」を使った表現で、もっともよく使われる「お間違い(え)ないでしょうか」は間違っています。
なぜなら尊敬語「お」が自分の行為に使われ、自分を立ててしまっているから。「お間違いないでしょうか?」では意図しない、別の意味になってしまいます。
間違い敬語である理由について、くわしくは別の記事にしていますのでご参考にどうぞ。
参考になる記事:
まとめ
今回はこれでもかというくらい「お間違いないでしょうか?」の返答方法について語ってみました。ただし、この表現は敬語に誤りがあり使うのはおすすめできません。
「よろしいでしょうか」などとしましょう。
ぜひ、ありとあらゆる場面を経験し、使い方をマスターしてください。頭でどうこうなるものではないので、ビジネスシーンで場数を踏んでくださいね。ではでは~~。