「お間違い」「お間違え」の違いってなに?「お間違えのないよう~」って正しい?
という疑問を解消するための記事。
まずは結論として「お間違い」「お間違え」違いをまとめると、
- 「お間違い」:動詞「間違う」の名詞形+尊敬語「お」
- 「お間違え」:動詞「間違える」の名詞形+尊敬語「お」
となりますので、元になる動詞が違うだけでどちらも正しい言葉といえます。
また、意味としては同じため、使い分けはどうしたらいいの?という疑問が残ります。
こちらも結論ですが、「お間違い」「お間違え」を使い分ける必要はありません。どちらも同じように使えます。
したがって、
「お間違いのないよう、ご注意ください」「お間違えのないよう、ご注意ください」
はどちらでも同じ意味だ、ということになります。
ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、
もっと詳しく例文つきで、意味、違い、使い分け、敬語の正しい使い方について解説していきます。
※長文になりますので、時間の無い方は「パッと読むための見出し」より目的部分へどうぞ。
この記事の目次
「お間違い」は「間違う」の名詞形+尊敬語「お」
冒頭で述べたとおりなのですが、ここでは、なぜ「間違う」が「お間違い」に変化するのか、語形変化をくわしく解説します。
(中学生レベルの国語文法にもどって考える必要があります)
「間違う」は五段活用動詞
「間違う」は辞書によると五段活用動詞となっています。日本語ってむずかしくて、動詞の中でも活用の種類(変化する規則)によって、さらに細分化されているのです・・・。
五段活用ってなに?
は例文で考えるほうがわかりやすいため、まずは以下をご覧ください。
間違 わ ない(未然形)
間違 い ます(連用形)
間違 う 。(終止形)
間違 う とき(連体形)
間違 え ば(仮定形)
間違 え !(命令形)
間違 お う(未然形)
五段活用動詞とは、もっともシンプルにすると、ルールに基づいて(50音の縦に)5段階の語形変化がある動詞のこと。「間違う」の活用形をみると50音のたて5段階に「わ・い・う・え・お」という変化があります。
「間違い」は「間違う」の連用形
上の例で示したとおり、「間違い」は五段活用動詞「間違う」の連用形、という活用の種類になることがわかります。連用形についてのこまかい説明は省略しますが、ざっくりとは動詞に「~~ます」をつけたときの音の変化のことを指します。
ここでは「~~」の部分が連用形に該当します。
「間違い」は「間違う」の連用形が名詞になった言葉
動詞の連用形は、そのまま名詞として使うことができます。
これを「連用形の名詞化」というのですが、ビジネスにはまったく役に立たない知識ですので、覚えてなくても何ら問題はありません。
連用形の名詞化はどんな動詞にもつかってよく、他にもたとえば「疲れる → 疲れ」「晴れる → 晴れ」「流れる → 流れ」「歩む → 歩み」などがあります。
「お間違え」は「間違える」の名詞形+尊敬語「お」
つづいて同じように、なぜ「間違える」が「お間違え」に変化するのか、語形変化をくわしく解説します。
(こちらも中学生レベルの国語文法にもどって考える必要があります)
「間違える」は下一段活用動詞
「間違える」は辞書によると下一段活用動詞となっています。日本語ってむずかしくて、動詞の中でも活用の種類(変化する規則)によって、さらに細分化されているのです・・・。
下一段活用ってなに?
は例文で考えるほうがわかりやすいため、まずは以下をご覧ください。
間違 え ない(未然形)
間違 え ます(連用形)
間違 える 。(終止形)
間違 える とき(連体形)
間違 えれ ば(仮定形)
間違 えろ !(命令形)
下一段活用動詞とは、もっともシンプルにすると、活用語尾が50音図のエ段だけで活用する動詞のこと。「間違える」の活用形をみるとエ段だけで変化があります。下一段とは、中央のウ段よりも一段下、との意味でこの呼び方をします。
「間違え」は「間違える」の連用形
上の例で示したとおり、「間違え」は下一段活用動詞「間違える」の連用形、という活用の種類になることがわかります。連用形についてのこまかい説明は省略しますが、ざっくりとは動詞に「~~ます」をつけたときの音の変化のことを指します。
ここでは「~~」の部分が連用形に該当します。
「間違え」は「間違える」の連用形が名詞になった言葉
動詞の連用形は、そのまま名詞として使うことができます。
これを「連用形の名詞化」というのですが、ビジネスにはまったく役に立たない知識ですので、覚えてなくても何ら問題はありません。
連用形の名詞化はどんな動詞にもつかってよく、他にもたとえば「疲れる → 疲れ」「晴れる → 晴れ」「流れる → 流れ」「歩む → 歩み」などがあります。
「お間違い」「お間違え」はどちらも同じように使える
結論としては、どちらも意味としての違いはなく同じように使えます。元になる動詞が違うのはなんとなく気になりますが…。
「お間違えのないよう、お間違いのないよう」はどちらも正しい
「お間違え」「お間違い」に違いは元になる動詞だけの違い。
ということは「お間違えないよう~、お間違いのないよう~」も同じであり、どちらも正解です。
お間違い(え)ないでしょうか?は間違い敬語!
「お間違い・お間違え」を使った表現で、もっともよく使われる「お間違い(え)ないでしょうか」は間違っています。
なぜなら尊敬語「お」が自分の行為に使われ、自分を立ててしまっているから。「お間違いないでしょうか?」では意図しない、別の意味になってしまいます。
たとえば、マクドナルドで店員が使う言葉に
「ご注文は以上でお間違い(え)ないでしょうか?」というのがあります。
これが間違えている理由を考えてみましょう。
◎尊敬語「お」の間違った使い方:
まずは尊敬語「お」の間違った使い方を例文でみていきましょう。
- NG例文①ご注文内容は以上でお間違いないでしょうか?
- NG例文②こちらのバッグはお客様のものでお間違いないでしょうか
- NG例文③私のお忘れ物をホテルまでとりに行きました。
これらの使い方が「お間違い」である理由は、自分の行為あるいは自分の持ち物にたいして尊敬語「お」を使っているから。
NG例文①②では、間違う可能性があるのは、お客様ではなく自分であるはず。にもかかわらず自分の行為に対して尊敬語「お」を使っている点でおかしい。
これだと意味としては「(お客さま自身が)間違っているかもしれないので、確認してほしい」となってしまいます。
NG例文③は、自分の持ち物にたいして尊敬語「お」を使ってうやまっているので、間違い敬語。これは尊敬語のもっともやりがちな間違いであるため、要注意。自分のものではなく、他人の持ち物であれば正しい敬語になります。
◎尊敬語「お」の正しい使い方
つづいて尊敬語「お」の正しい使い方を例文でみていきましょう。
- 例文①皆様、他にご質問はないでしょうか?(ご質問はございませんか?)
- 例文②お客様、お忘れ物はないでしょうか?(お忘れ物はございませんか?)
- 例文③お客様、目的地のお間違いのないよう、ご注意ください。
このように尊敬語「お」は、相手の行為や持ちものをうやまって使うことが基本です。
例文①の場合「質問がある」かもしれないのは、皆様であって自分ではないはず。そんなときには相手からの「質問」を「ご質問」とするのが正しい使い方。
例文②も同じように、「忘れ物がある」かもしれないのは客であって、自分ではない。そうすると「忘れ物」は客の持ち物であり、尊敬語「お忘れ物」は正しい。
例文③も同じように、「間違いがある」かもしれないのは、お客様のほうであるため、尊敬語「お間違い」として注意をうながしています。
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以上がざっくりとした解説になりますが、くわしくは別の記事にてまとめています。ご参考にどうぞ。
参考になる記事:
まとめ
これでもかというくらい「お間違え」「お間違い」について語ってみました。この二つの表現は、元の動詞が違うだけであり、意味や用法に違いはありません。
また、よく使われる「お間違いないでしょうか」という表現は敬語に誤りがあり、使うのはおすすめできません。「よろしいでしょうか」などとしましょう。
ぜひ、ありとあらゆる場面を経験し、使い方をマスターしてください。頭でどうこうなるものではないので、ビジネスシーンで場数を踏んでくださいね。ではでは~~。
すごいな、何から何まで正しいところが一つもない記事。
そもそも「間違う」と「間違える」を同じ意味だと思ってるのか、こいつは。
こういう”間違った”記事(決して”間違えた”記事ではない)がネットにあふれるから、日本語が乱れるんだよなぁ。