1000万円超えもある?メーカー平均年収ランキング100【2019年版】

【2019年版】メーカーの平均年収ランキング。この記事では平均年収1000万円を超える企業26社および、ランキングTOP100までを紹介します。2018年3月期あるいは同等の有価証券報告書からくる、最新の平均年収ランキングです。

就職・転職のご参考にどうぞ。

※「ホールディングス=HD」と省略。

この記事の目次

【2019年版】メーカーの平均年収ランキングTOP100

平均年収だけでなく業種、平均年齢、平均勤続年数、従業員数、売上高、当期純利益も掲載しておく。ちょっと見にくいけどご了承を…

1~50位

51~100位

ここでひとつ注意点を。

非上場企業は年収データを開示しておらず、とくに外資系企業(非上場が多い)に抜けがある点はご了承を。

実際には平均年収1000万円を超える企業はまだまだある。どんな業界あるいは企業が上位にランクインしているのか、傾向をザックリ把握するという使い方をオススメする。

平均年収が高いメーカーの特徴、および理由

平均年収の高い企業にはいくつか、特徴というか理由がある。その点について簡単に解説を。もちろん純粋にもともとの年収が高いこともあるが、ちょっとしたトリックによって年収が高く見えている会社もある。

1. 持株会社(ホールディングス会社)である

じつは平均年収1000万円を超えるようなメーカーの大半は、持株会社(ホールディングス会社)となっている。

たとえば平均年収1000万円超のメーカーだと、

  • 3位 三菱ケミカルHD 平均年収1440万円(年齢46.1歳)
  • 5位 バンダイナムコ HD 1216万円(46.6歳)
  • 6位 JX TG HD 1212万円(44.3歳)
  • 8位 LIXIL グループ 1195万円(43.8歳)
  • 9位 ジーエス・ユアサ コーポレーション 1129万円(52.0歳)
  • 11位 キリン HD 1105万円(43.9歳)
  • 15位 サントリー食品インターナショナル 1084万円(39.6歳)
  • 18位 大塚 HD 1076万円(44.3歳)
  • 20位 日本軽金属 HD 1042万円(52.3歳)
  • 21位 ユニデン HD 1041万円(46.7歳)
  • 26位 アサヒグループ HD 1001万円(42.9歳)

などあり。平均年収1000万円超のメーカー26社のうち、11社は持株会社であるため平均年収が高く出ている。

でもじつは持株会社も同業他社とたいして年収に違いは無い。

三菱ケミカルがずば抜けて年収の高い企業のように見えるが、実際には決してそんなことはなく。三菱ケミカルよりも第一三共やアステラス製薬といった製薬メーカーのほうが年収期待値は高い。

では、なぜ持株会社の平均年収が高くなるかというと…

持株会社にはブルーワーカーがいないから。さらに従業員は管理職以上のおっさんばかりで構成されており、結果として高年収となる。

たとえば、

  • 部長50歳 年収1500万円
  • 次長45歳 年収1200万円
  • 課長40歳 年収1000万円
  • 課長代理35歳 年収750万円
    ⇒ 平均年収1112万円、平均年齢42.5歳、従業員数4人

こんな感じの人員構成だと平均年収1112万円・平均年齢42.5歳になることがわかる。

そして、このような人員構成の部署なりグループが10個あると従業員数40人の持株会社で平均年収1112万円となるだろう。

したがって大卒総合職の年収を考えるのであれば、持株会社の年収は参考になる。いっぽうで現場ワーカーなどヒラ社員の年収を見るには不適切。まったく当てにならない。

逆にいうと持株会社にしていないメーカーで平均年収ランキングTOP100に入るような企業は総合職・一般職とわず確実に年収高い。

なお一般的にメーカーは工場など現場のブルーワーカーが全従業員の9割くらいを占める。もちろん、そのような社員の年収は低い。したがってメーカーの平均年収は商社などと比べて低くなりがち。

ところが残り1割の大卒総合職の年収を見ると…仕事量などを考えるとそんなに悪く無い。40歳前後で年収1000万円が見える(企業によって上も下もある)。

2. 業界自体のスタンダードが高い

メーカーといっても、その中には医薬品を作るメーカーもあれば自動車を作るメーカーもある。

年収はメーカーという括りではなく「製薬業界」「自動車業界」「化学業界」「繊維業界」「石油業界」などのような括りで横並びになっている場合が多い。

つまり。

  • 製薬メーカーなら、製薬メーカーのなかでライバル企業の年収動向やその平均値を見ながら決められている。
  • 石油業界なら、そのなかで同業他社の年収を見ながら決められる。
  • 化学メーカーなら、化学業界のなかで他社の平均値や年収動向を見ながら決められる。

なぜかというと大きく2つの理由あり。

  1. 「他社より優秀な人材を集めたいけど、できるだけ少ない給料で済ませたい」という企業の思惑があるから。すなわち優秀な人材があつまる・辞めないであろうギリギリのラインで年収設定するのだ。
  2. 競合他社あるいは同業他社よりも年収が低いと従業員(とくに労働組合)が文句を言い出すから。できるだけ同業他社に年収をあわせないといけない大人の事情がある。

結果として似たような業界の企業は似たような年収体系になる。

もちろんNo.1キーエンス(平均年収2088万円)やNo.4ファナック(平均年収1347万円)のような例外もあるけど…。

3. 業績が良い、利益率が高い、高い付加価値を生んでいる

給料の高い企業は一般的に業績も良い傾向にある。

たとえば製薬メーカーは利益率がメーカー業界のなかではズバ抜けて高く、さらに人件費が高騰しても薬価に反映すればいいだけなので従業員に気前よく還元できる。

あるいはキーエンスやファナックのような高収益企業も、従業員に気前よく還元できる。

逆もまた然り。儲かっていない企業は当然のことながら薄給になりがち。給料うんぬんの前に、存続する価値のない万年赤字企業はドンドン淘汰されていくのが経済原則である。

泥舟に乗ってしまわないように、せめて就職・転職する先の企業の経営状況くらいはしっかりと見ておこう。

メーカーで年収の高い業界、低い業界

メーカーの中でも細かい業界別に年収ランキングをつくるとしたら、

高年収「別格キーエンス > ファナック >>>> 製薬≒石油元売 > 鉄鋼≒化学素材≒電気機器≒機械・重工業≒ビール≒非鉄金属≒自動車・自動車部品 > 食品」低年収

といった感じになる。これは大卒総合職だけでなく現場の一般職にもつうじる傾向であり、あとはその企業の業績によって毎年違う(±100万円くらいは簡単に変わる)。

もちろん企業によって違うので要、個別検証。

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その他、理由を挙げればキリはない。平均年齢が高ければ平均年収も高くなるし、あとはもともとの企業のポリシーもある。

でも概ね上記3つの理由でたいていは説明がつくと思う。

メーカー年収ランキングTOP20の解説

上位にランクインしているのは、いわゆる大手企業ではなくほとんど誰も知らない企業と思われるためTOP20については企業の補足とコメントをしておく。

1位 平均年収2088万円 キーエンス(35.9歳)

No.1の「キーエンス」。センサー業界では知らない人がいないほど有名、業界No.1企業。彼らも企業を相手にセンサーなどを売っているため一般人は知らなくて当たり前。

そして「営業利益の○○%はボーナスにあてる!」という素晴らしいポリシーであるため、営業利益が伸びれば伸びるほど年収も上がる仕組み。

数年前まで平均年収2000万円には届いてなかったけど、会社が右肩上がりに成長しているため、ついに平均2000万円超を達成。メーカーだが工場を持たず、利益率が驚異的に高い(営業利益率60%とか、普通ではあり得ない数字になる)。

なおキーエンスの年収事情については別記事でくわしく書いている。

2位 1575万円 ソレイジア・ファーマ(48.4歳)

No.2の「ソレイジア・ファーマ」は名前のとおり製薬メーカー。抗がん剤など、がん領域の治療に特化した専業メーカー。

2006年に創業し2017年3月に東証マザーズに上場した新しい会社であるため知名度は低く、従業員も2017年12月時点で15人しかいない(平均年齢48.4歳)。ということで今のところ製薬ベンチャーの域を出ていないが、いちおう上場企業であるためランキングに入れておいた。

3位 1440万円 三菱ケミカルHD(46.1歳)

  1. 三菱ケミカル(旧・三菱化学、三菱レイヨン、三菱樹脂が合併)
  2. 大陽日酸
  3. 田辺三菱製薬
  4. 生命科学インスティチュート

を傘下におく持株会社。三菱グループである。それぞれバラバラの事業体であったが、2000年代に各社をつぎつぎと傘下におさめ現在の事業体となった。事業領域は三菱ケミカルの手がける基礎化学品および機能化学品、大陽日酸の手がける産業用ガス、田辺三菱製薬および生命科学インスティテュートの手がけるヘルスケア領域というようになっている。

平均年収1440万円は、ハッキリ言って参考にならない。なぜなら持株会社であるうえに、それぞれの事業会社ごとに年収体系が違うから。

正直なところ三井化学・住友化学・ほか大手化学メーカーとくらべても三菱ケミカルの年収は低い(その年の業績にもよるけど…)。

ということで参考値程度にお考えを。

4位 1347万円 ファナック(41.5歳)

No.4の「ファナック」は年収ランキング上位の常連企業。産業用ロボット(自動車の工程などでつかう)などを手がけるFA(Factory Automation)機器メーカーである。

最近は業績がすこしずつ落ちていて年収も下落傾向。かつてはNo.1キーエンスとともにメーカー1位・2位あらそいを演じていたが…キーエンスの伸びが凄すぎて置いてかれた感は否めない。

まぁ、それでもこの数字だからすごい。

5位 1216万円 バンダイナムコHD(46.6歳)

No.5の「バンダイナムコHD」はゲームやおもちゃ等でお馴染みの企業。じつは結構年収高いが、持株会社なので公表の年収は参考値にしかならない。

6位 1212万円 JX TG HD(44.3歳)

ガソリンなどを作るメーカー。石油元売業界No.1企業である(昭和シェル・出光興産と続く)。石油元売業界はメーカーのなかでは年収高く、その中でもJXはトップクラスと言える(ただしコスモ石油は年収低い)。

そして大した仕事もしないので高給・それなりの仕事量で、働く環境としてはすぐれている。

また、どれだけ自動車が進化しても今後30年でガソリン車が無くなるリスクは低く、就職・転職先として問題はないだろう。

7位 1195万円 シンバイオ製薬(49.9歳)

バイオ系の医薬品メーカー。製薬は先発薬メーカーであればどこも給料高い。けどシンバイオ製薬は平均年齢が50歳近いので先発薬メーカーの中では実質、中級クラス。

8位 1195万円 LIXIL グループ(43.8歳)

窓枠のサッシや建設材料などを手がけるメーカー。持株会社なので年収高くでているが、同業と比べてずば抜けて年収が高いわけじゃない。TOTOなどと同じレベル。

9位 1129万円 ジーエス・ユアサ コーポレーション(52.0歳)

とくに自動車やフォークリフトのバッテリーなどを手がけるメーカー。平均年収だけ見ると高給なように感じるが、それは平均年齢が高いことと、持株会社であることに起因する。実際にはソニーなどほかの電機メーカーのほうが年収高い。

10位 1113万円 レーザーテック(43.2歳)

レーザー顕微鏡などの製品を手がける電気機器メーカー。

レーザー顕微鏡の分野ではオリンパス、キーエンスに次ぐ国内3位。たぶん誰も知らない企業と思うけど実は年収高いし、経営もしっかりしている高収益ニッチ企業。

11位 1105万円 キリン HD(43.9歳)

キリンビールなどを傘下におく持株会社。食品・飲料業界は基本、薄利多売の会社がおおくそんなに高い年収は期待できない。食品&飲料業界ではキリン・アサヒが年収高い2トップ。あとは横並び感がつよい(外資のぞく)。

12位 1104万円 オプトラン(38.8歳)

光学薄膜装置などを手がける電気機器メーカー。会社の規模からすると信じられないかもしれないが年収高い。高収益ニッチ企業で従業員にもちゃんと還元する、ファナック的な会社。

1999年創業と、電気機器メーカーのなかでは比較的新しい部類にはいる。ひょっとしたら将来、キーエンスのようにとんでもない年収の会社になるかも。すべては今後の成長次第。

13位 1103万円 第一三共(42.5歳)

先発薬メーカー大手。国内製薬メーカーとしては売上No.4である。とくに「がん領域」に注力している。新薬の材料にとぼしく劇的な成長は見込めないが、依然として稼ぐ力はある。

工場の現場ワーカーなど一般職もいれての平均年収1103万円はすごい。言うまでもなくメーカーの中では高く、トップクラスである。

なお営業職(MR)は給料は高いが精神的にツライのであまりオススメしないが、研究開発や間接部門(人事や経理など)、一般職であれば高給・まったりの素晴らしい仕事である。

14位 1087万円 そーせいグループ(46.5歳)

創薬ベンチャーであり売上・利益規模は大したこと無い。でも平均年収がそれなりに高いのは製薬業界で、先発薬メーカーだから。

人材を確保するためにはそれなりの年収にしなければいけない。

15位 1084万円 サントリー食品インターナショナル(39.6歳)

洋酒・ビールメーカーであるサントリーHD(非上場企業)傘下の清涼飲料事業子会社。サントリー食品インターナショナルにおいては、サントリーグループ内のソフトドリンク部門を受け持ち、傘下のサントリーフーズを主軸に国内外に清涼飲料事業を展開している。

「サントリー食品」は実際のビジネスを子会社のサントリーフーズなどにやらせていて、サントリー食品としては統括機能がほとんどと思われるため持株会社と同様のあつかい。

おなじ飲料ならキリンやアサヒのほうが年収期待値は上。

食品飲料業界で薄利多売していることが年収を高くできない事情である。

16位 1079万円 アステラス製薬(43.2歳)

先発薬メーカー大手。国内製薬メーカーとしては武田薬品につぐ売上No.2である。泌尿器、移植分野に加え、米国社買収で抗がん剤を第3の柱に育成した。

工場の現場ワーカーなど一般職もいれての平均年収1079万円はすごい。言うまでもなくメーカーの中では高く、トップクラスである。なお営業職(MR)は給料は高いが精神的にツライのであまりオススメしないが、研究開発や間接部門(人事や経理など)、一般職であれば高給・まったりの素晴らしい仕事である。

17位 1076万円 東京エレクトロン(44.2歳)

半導体製造装置で世界No.3。電気機器メーカーである。半導体関連は装置メーカーだけでなく原料メーカー、末端ユーザーもふくめてどの企業も2016年ー2018年ころまで絶好調だった。

直近2018年後半から中国ー米国の貿易戦争により減速中だが、とりあえず好調な業績を反映して年収も急騰した。

5年前の2014年3月期は平均年収808万円(42.4歳)だったことを考えると、好業績を反映したボーナス増による一時的な年収増と考えたほうが良い。

18位 1076万円 大塚 HD(44.3歳)

大塚製薬などを傘下におく持株会社。ポカリスエットのイメージが強い大塚製薬だが、利益のほとんどは先発医薬品からくる。先発薬メーカー大手であり、製薬業界では武田薬品、アステラス製薬につぐ国内No.3。

持株会社であるため年収は参考値程度にお考えを。実際にはほか大手製薬と比較して大塚製薬は年収低い。なぜなら他は全従業員の年収データであるのにたいし、大塚HDだけは持株会社の年収だから。

製薬業界においては異例ともいえる年収の低さであり、大手化学メーカー並かもっと低い恐れあり、要注意。

19位 1044万円 エーザイ(44.7歳)

先発薬メーカー大手。国内製薬メーカーとしては第一三共につづき売上No.5である。

神経系、消化器系に強みがあるほか、認知症薬は米バイオジェンと、抗がん薬では米メルクと国際協業を推進している。

工場の現場ワーカーなど一般職もいれての平均年収1044万円はすごい。言うまでもなくメーカーの中では高く、トップクラスである。

なお営業職(MR)は給料は高いが精神的にツライのであまりオススメしないが、研究開発や間接部門(人事や経理など)、一般職であれば高給・まったりの素晴らしい仕事である。

20位 1042万円 日本軽金属 HD(52.3歳)

アルミ製品を手がけるメーカー。

持株会社であることと、平均年齢が高いことから年収も高いように見えるが実際にはそうでもない。40歳管理職・年収800-850万円くらいと推測。

化学業界の中堅メーカーのほうが給料は高い。

メーカー業種別の平均年収ランキング

つづいて業種別の平均年収ランキングも掲載しておく。総合商社やテレビ局・コンサル・金融などの激務業界とくらべて年収はやはり低い傾向。

それでも平均1000万円超えるような企業もあり。

メーカーは一部の激務企業をのぞいて労働時間が短いので、コスパ重視の人にはオススメの就職・転職先である。

そして工場のブルーワーカーが圧倒的に多いので平均年収も低くなりがち。それなりの会社であれば総合職入社で40歳時・年収1000万円前後。もちろん、それより年収高い企業もたくさんある。くわしくは別記事でまとめている。

製薬メーカー

医薬品メーカーは2019年現在で67社の上場企業あるが、そのうち24社がメーカー年収ランキングTOP100にランクイン。

製薬メーカーはメーカー業界の中において特異的に年収の高い企業がおおい。会社の規模はほとんど関係ない。大卒のMR(営業)および開発職の人数比率が高いためでもあるが、もともと他メーカーと比べても年収高い。

メーカーでかつ持株会社じゃないのに平均年収1000万円を超えている会社はガチで給料高い。いっぽうで製薬メーカーでも持株会社となっている企業については要個別検証である。

ただし年収高いのは新薬メーカーに限り、ジェネリック医薬品や一般薬品メーカーはそこまで期待できない。

機械・電気機器・精密機器メーカー

機械・電気機器・精密機器メーカーは業績の上下が激しく、年収も結構振れる。好景気のときにはボーナスが弾み年収も高くなる傾向。

2016-2018年においては大半の企業が好業績であり、新たにランクインした企業もおおい。

化学素材メーカー(石油・繊維・ゴム・ガラス土石含む)

化学素材業界においては、三菱ケミカルが特別給料の高い会社というわけではなく基本、大企業であればどこも大差ない(ただしJXはそれを抜きにしてもメーカー業界では年収トップクラス)。

まとめると「石油関連 > 化学素材≒ガラス土石≒ゴム > 繊維」といった感じ。あとは企業の業績によってだいぶ上下するのでご注意を。将来性のありそうな企業を選ぶことが就職・転職においては最重要である。

食品・飲料メーカー(ビール含む)

食品飲料メーカーでメーカーTOP100までにランクインしたのは持株会社(「●● HD」としてある企業および「●● 本社」に該当)が大半。プラス「サントリー食品」は実際のビジネスを子会社のサントリーフーズなどにやらせていて、サントリー食品としては統括機能がほとんどと思われるため持株会社と同様のあつかい。

すでに述べている通り持株会社の平均年収は大卒総合職の年収を把握するには役立つが、全従業員の平均年収を知るにはつかえない。

TOP100入りした13社のうち9社が持株会社である。

そんな中「味の素」「日本たばこ産業(JT)」「江崎グリコ」「日本ハム」は全従業員の平均年収であるにもかかわらずメーカーTOP100入り。実際の年収も高いことが伺えるうえに、大卒総合職の年収は必然的にもっと高くなるだろう。

また食品・飲料メーカーは薄利多売ビジネスの企業がおおく、年収はメーカーの中でもそんなに高くない。ただし企業にもよるので要、個別検証。

※サントリービールは非上場であるためランク外としたが、食品・飲料業界の中ではキリンビール・アサヒビールにつぐくらいの高年収が望める。

鉄鋼・非鉄金属・金属製品メーカー

鉄鋼・非鉄金属・金属製品メーカーの上場企業は2019年現在で174社ある。そのうちたった5社しかメーカー年収ランキングTOP100入りしていない。

そしてランクインした企業もすべて持株会社であり、少数の従業員から割り出した平均にすぎず、まったく当てにならない。

年収が低く出ている理由は以下のとおり推測。

  1. 鉄鋼メーカーはリーマンショック以降の鉄鋼不況(市況価格低迷)により業績がイマイチ振るわないため、ボーナスも低く、結果として年収も低迷しがち。とくにJFEの低迷がヒドイ(絶頂期の2006年3月期は平均年収1246万円 / 44.5歳であり、鉄鋼不況の間に300万円も年収が下落している。逆に当時はバブっていたともとれるが…)。
  2. 非鉄金属業界はもともと利益率の低い企業が多く、したがって従業員への還元もイマイチ良くない。一部の有力企業をのぞいて年収増の要素があまり無い。
  3. 金属製品業界はビジネスが多岐にわたるため一概には言えないが、工場ワーカーの比率が高いため年収低くなりがち(人手が必要となるビジネスであるケースが多い)。

完成車・自動車部品・輸送機器メーカー

完成車・自動車部品・輸送機器メーカーの上場企業は2019年現在で95社ある。そのうちたった4社しかメーカー年収ランキングTOP100入りしていない。

年収が低く出ている理由は以下のとおり推測。

  1. 輸送機器業界は持株会社がすくなく、純粋な全従業員の平均年収で勝負している。
  2. とくに完成車メーカーは完成までの工程があまりに多すぎて、なんだかんだ人海戦術に頼っている部分もまだまだ沢山ある。結果として現場ワーカーが多くなり、平均年収を下げている。

反則ワザの持株会社にせず純粋に全従業員で勝負しているため、ランクインする企業が少なくても仕方ない。

実際にはトヨタ自動車やデンソーの年収は高いし、総合職であればトヨタ系列の主要自動車部品メーカーの年収も高い(メーカーの中ではという話)。あとはそれなりで、平均値以上ではある。

紙パルプ・その他製品メーカー

あとは紙パルプおよび、その他製品のメーカー年収ランキングTOP100入りした企業たち。

紙パルプ業界はNo1の王子HD(王子製紙を中核とする持株会社)ですら平均年収875万円であるため、年収の面では基本的にオワコン業界と考えて良い。

メーカー年収ランキングまとめ

以上をまとめると…。

メーカー業界における特筆すべき点として、製薬メーカー(先発薬メーカーに限る)は会社規模などは関係なくどこも年収高い。

入社2~3年目でも年収700万円くらいは目指せるであろうMR(営業)が年収を押し上げているものと推測するが、間接部門や開発部門であれば仕事まったり高給である。

またホールディングス制の会社、三菱ケミカル・バンダイナムコ・JX・キリン・アサヒなどは参考値程度にお考えを。それぞれ業界のトップクラスにいることは間違いないが、ほかと比較してもずば抜けて年収高いわけではない。

メーカーの中でも細かい業界別に年収ランキングをつくるとしたら、

高年収「別格キーエンス・ファナック >>>> 製薬≒石油元売 > 鉄鋼≒化学素材≒電気機器≒機械・重工業≒ビール≒非鉄金属≒自動車・自動車部品 > 食品」低年収

といった感じになる。

あとは企業の業績によって±100万円くらいは簡単に振れるのでご注意を(企業の年収はボーナスによる可変部分が結構なウエイトを占めるため)。もちろん企業によって違うので要、個別検証。

たとえば。

鉄鋼メーカー国内No2のJEFは絶頂期の2006年3月期は平均年収1246万円 / 44.5歳であり、リーマンショック後の鉄鋼不況の間に300万円も年収が下落している(現在: 942万円 / 44.5歳)。

逆もまた然りで業績が良いメーカーは給料も高くなりがち(そうしないと従業員から不満爆発するから)。

結論

で結論。

もっとも重要なのは現在〜将来にわたり業績拡大の期待できる企業に就職・転職すること。そうすれば自動的にボーナスが上がり、年収は高くなる。

ただしその見極めが非常に難しいのだけど…

当ブログではその判断材料をできる限り提供しているので、業界研究カテゴリーものぞいてみてほしい。

参考記事