【2019年版】サービス業の平均年収ランキング100 – コンサル・広告代理店・ITサービス等

【2019年版】サービス業界(各種コンサル・人材紹介・学習塾・教育・ホテル・広告代理店・IT/WEBサービスなど)の平均年収ランキング。

この記事では平均年収1000万円を超える企業11社および、ランキングTOP100までを紹介します。2018年3月期あるいは同等の有価証券報告書からくる、最新の平均年収ランキングです。

就職・転職のご参考にどうぞ。

※「ホールディングス=HD」と省略。

【2019年版】サービス業界の平均年収ランキングTOP100

平均年収だけでなく業種、平均年齢、平均勤続年数、従業員数、売上高、当期純利益も掲載しておく。ちょっと見にくいけどご了承を…

1~50位

51~100位

ここでひとつ注意点を。

非上場企業は年収データを開示しておらず、とくに外資系企業(非上場が多い)に抜けがある点はご了承を。

実際には平均年収1000万円を超える企業はまだまだある。どんな業界あるいは企業が上位にランクインしているのか、傾向をザックリ把握するという使い方をオススメする。

まとめ

平均年収の高い企業にはいくつか、特徴というか理由がある。その点についてまとめつつ、解説していく。

1. サービス業界は一般的に年収低い

一般的にサービス業界は年収が低い傾向にあり。

なぜなら付加価値を生み出していない会社が多いから。

証拠として。

サービス業界には2019年時点で約440社の上場企業があるのだが、平均年収800万円を超えている企業はたったの23社/440社、5.2%である。

工場のブルーワーカーがおおく、平均年収が低くなりがちなメーカー業界ですら年収800万円以上の上場企業は117社/1493社であり、7.8%になる。

そう考えるとサービス業界は就職・転職するヒトにとって基本的にオワコンとも言えるのだが・・・その中でも年収の高い企業もある。

2. ただし各種コンサル・広告代理店は年収高い

年収ランキング上位にランクインしている企業は、総じて高い付加価値をうんでいる企業であることが多い。

どのような企業かというと「コンサル」「広告代理店」「医療・医薬系サービス」「人材紹介」「IT/WEBサービス系」などがそれにあたる。

いっぽうでホテル業や清掃業をてがける企業は、誰がやってもあまり変わらない仕事であることが多いため年収も低くなりがちである。

根拠として。

年収ランキングTOP50にはいった企業をビジネス別でカウントしてみると、

  • 各種コンサル業:17社/上位50(34%)
    ※経営戦略系・IT系・建設系すべて含む
  • IT/WEBサービス系:10社/上位50(20%)

このようにコンサルとIT/WEBサービス系の企業だけで上位50の過半をしめる。

なお人材紹介や広告代理店業は母数がかぎられるためにランクイン企業が少ないように思うが、「電通 1272万円」「博報堂 1088万円」「リクルート 958万円」に代表されるように高い年収をほこる。

なお。

コンサルは外資系BIG3や、監査法人系、その他の戦略系コンサルが非上場であるためランキングに含まれていない。これらの外資コンサルは規模の大小に関係なくどの企業も平均年収1000万円は超えているだろう。

サービス業界の年収ランキングTOP20の解説

サービス業界(各種コンサル・人材紹介・学習塾・教育・ホテルなど)ではほとんど誰も知らないような企業が年収ランキング上位にいる。そこでTOP20については企業の補足とコメントをしておく。

※「ホールディングス=HD」と省略。

1位 2994万円 M&Aキャピタルパートナーズ(31.5歳)

No.1の「M&Aキャピタルパートナーズ」は社名のとおりM&A仲介・M&Aコンサルを手がける会社。企業や事業を売りたい・買いたい法人を顧客とし、仲介とコンサルをする、商社マンみたいな仕事。

企業を顧客にしている(B to B)のため表に出てこない。売上や利益の規模からすると中小レベルに毛が生えた程度なのに信じられないほど高年収。だけど実際、M&Aの仕事は付加価値が高いため高年収でもなんら不思議はない。

とくに最近は経営者が高齢化してビジネスを誰かに継承しなければいけないのだけど…税金の問題などがあり、節税目的も兼ねてM&Aの手法がよくつかわれる。ただ実際にどうやっているのかは謎(スミマセン…)。

ちなみにこの平均年収は全上場企業のなかでもNo.1である。20代で年収1000万超が確実で、実績さえあげれば年収2000万円超も全然ある。

▼過去の年収推移をみると、ここ数年とくに上昇しているのが見てとれる(下)。5年前にはランク外だったのに凄い(汗)。また他の企業と条件を合わせるため、ここでは2017年9月期の数字を使用している。

  • 2018年9月期・・2478万円 (31.3歳)
  • 2017年9月期・・2994万円 (31.5歳)
  • 2016年9月期・・1905万円 (31.1歳)
  • 2015年9月期・・2253万円 (30.5歳)
  • 2014年9月期・・1947万円 (29.9歳)
  • 2013年9月期・・1023万円 (30.1歳)

なぜ短期間にこんなにも年収あがったのか?

理由は簡単で最近の好業績をうけてボーナスが弾み、平均年収もあがったから。ただそれだけ。

コンサル業界は流行り廃りが激しく、今はたまたまM&A仲介およびコンサルのビジネスが噴いているということ。

でも平均勤続年数5年未満ってブラック企業臭がすごい…。要注意。

2位 1777万円 ストライク (35.0歳)

年収ランキング上位の常連企業。No.1のM&Aキャピタルパートナーズとやっていることは同じなので省略。M&A仲介・M&Aコンサルを手がける会社。公認会計士、税理士が主体のM&A仲介会社でネットを活用した独自のマッチング機能に強みあり。

コンサル業界は今、とくに事業継承目的のM&AとITコンサルの市場が急速に拡大しているためどの企業も恩恵を受けているだろう。

  • 2018年8月期・・1539万円 (36.2歳)
  • 2017年8月期・・1777万円 (35.0歳)
  • 2016年8月期・・1616万円 (34.9歳)

3位 1559万円 GCA (37.3歳)

なんとサービス業界の平均年収No.3もM&A仲介コンサル関連の企業。しかし平均年収1500万円超えなのはいいけど平均勤続年数が5年そこそこと、短すぎるのは気になる(コンサル業界すべてに共通)。激務になること必至。

20代で年収1000万超がほぼ確実である(ただし超絶激務なので年収の絶対額を見る人にだけオススメする)。

  • 2017年12月期・・1559万円 (37.3歳)
  • 2016年12月期・・2139万円 (37.2歳)
  • 2015年12月期・・2153万円 (37.1歳)
  • 2014年12月期・・1486万円 (37.8歳)
  • 2013年12月期・・1331万円 (36.6歳)

4位 1319万円 日本M&Aセンター (35.7歳)

なんとなんと。サービス業界の平均年収No.4もM&Aアドバイザリー関連の企業。中堅中小企業のM&A仲介で最大手であり、とくに事業承継案件に強みあり。

20代で年収1000万超がほぼ確実である(ただし超絶激務なので年収の絶対額を見る人にだけオススメする)。

  • 2018年3月期・・1319万円 (35.7歳)
  • 2017年3月期・・1418万円 (35.5歳)
  • 2016年3月期・・1237万円 (34.7歳)
  • 2015年3月期・・1385万円 (34.6歳)
  • 2014年3月期・・1412万円 (34.5歳)

5位 1272万円 電通 (40.1歳)

No.5にしてようやくコンサル以外の企業が登場。「電通」は言わずと知れた激務企業、おっと違った、年収ランキング上位の常連企業。

広告代理店では国内No.1、世界でも有数の存在である。テレビ広告業界をあまりにも牛耳っているため、たびたび問題視されるくらい圧倒的。それにしても平均年収の安定感はすごい。

20代で年収1000万円も可能(ただしその場合、年収の大半が残業代によって達成されるためワークライフのどちらも重視するヒトは絶対にヤメておいた方がいい)。

  • 2017年12月期・・1272万円 (40.1歳)
  • 2016年12月期・・1247万円 (40.3歳)
  • 2015年3月期・・1228万円 (39.5歳)
  • 2014年3月期・・1191万円 (39.1歳)
  • 2013年3月期・・1143万円 (38.9歳)

6位 1149万円 シグマクシス (36.9歳)

No.6の「シグマクシス」は歴史のあさい新興コンサルである。戦略立案からシステム導入まで支援する総合コンサル。三菱商事系のコンサル会社であったが現在は資本関係を解消している。戦略系コンサルにしては年収低め、外資のほうが年収高い(ポジションによるけど…)。

  • 2018年3月期・・1149万円 (36.9歳)
  • 2017年3月期・・1058万円 (37.3歳)
  • 2016年3月期・・1036万円 (37.1歳)
  • 2015年3月期・・991万円 (36.5歳)
  • 2014年3月期・・1041万円 (36.2歳)

7位 1107万円 ケネディクス (41.1歳)

ケネディクスは不動産ファンド運営会社としては最大規模(国内独立系だけで見ると…)。REITや私募ファンドなども幅広く手掛けている。

投資ファンドとしては決して年収が高いとは言えない。大手メーカーの方がまだマシなんじゃないかと思えるレベルである(それでも十分な水準なのだけど…)。

  • 2017年12月期・・1107万円 (41.1歳)
  • 2016年12月期・・1099万円 (41.0歳)
  • 2015年12月期・・1066万円 (40.5歳)
  • 2014年12月期・・939万円 (41.1歳)
  • 2013年12月期・・889万円 (40.4歳)

8位 1100万円 アイ・アールジャパン HD (40.3歳)

企業のIR(投資家関連)とSR(株主情報)に特化したコンサル。株主判明調査など独自サービスに強みあり。

年収はコンサルとしては決してトップクラスとは言えない。

経営的にたいして重要じゃない部分についてのコンサル業務をしているので、そんなに高い年収は望めない。コンサルは仕事の付加価値(現金価値)が高ければ高いほど、年収に反映されていく仕組みなのでIR関連のコンサルでは限界がある。

  • 2018年3月期・・1100万円 (40.3歳)
  • 2017年3月期・・1089万円 (41.7歳)
  • 2016年3月期・・849万円 (41.2歳)
  • 2015年3月期・・546万円 (38.0歳)

9位 1088万円 博報堂DY HD (43.7歳)

広告代理店としては電通につぐ国内No.2。海外企業のM&Aによりグローバル展開を強化中だが、それが吉と出るか?

年収は特筆すべき点がない。確かに平均年収1000万円超はすごいけど、仕事量に見合う給料かと言えば疑問がのこる。大手メーカーのほうがまだマシと思えるレベル。そして、まったり働きたいヒトにはオススメしない。

  • 2018年3月期・・1088万円 (43.7歳)
  • 2017年3月期・・1056万円 (42.2歳)
  • 2016年3月期・・1035万円 (42.9歳)
  • 2015年3月期・・1036万円 (42.8歳)
  • 2014年3月期・・1052万円 (44.2歳)

10位 1059万円 ドリームインキュベータ (33.8歳)

大企業むけ戦略コンサルとベンチャー投資・育成の2本柱で成り立つ。創業者はいわゆる外資戦略コンサルBIG3のボストンコンサル出身の堀氏。従業員の平均年齢が33.8歳と若いため実質はNo.5くらいのランキングになるだろう。20代で年収1000万円も全然イケる。

※戦略コンサルBIG3=マッキンゼー、BCG(ボストンコンサル)、ベイン

  • 2018年3月期・・1059万円 (33.8歳)
  • 2017年3月期・・1066万円 (33.6歳)
  • 2016年3月期・・1210万円 (33.7歳)
  • 2015年3月期・・1129万円 (33.6歳)
  • 2014年3月期・・1119万円 (33.5歳)

11位 1000万円 キュービーネット HD (49.8歳)

1000円カット、激安カットの先駆け的な存在。「QBハウス」を東日本中心に展開している。年収は持株会社なのでまったく当てにならない。

50歳で年収1000万円は決して年収高いとは言えない。せめて40歳で年収1000万円くらいになって欲しいものである。でも手がけているビジネスがエコノミークラスなのでまぁ仕方ないか…

12位 963万円 プラネット (43.4歳)

メーカー・卸間の電子データ通信・交換(EDI)の仲介などを手がける、IT/WEBサービス企業である。

中小企業として見るのであれば年収はトップクラスに高いけど、全企業を見渡してズバ抜けて高年収の企業とは言えない。平均勤続年数が12.4年とサービス業界にしてはマシなほうなので働く環境は悪くないかもしれない。

(ホントは平均勤続15~20年くらい欲しいところだけどサービス業界は離職率が高く、そんな企業を探すことすらも難しい…)

13位 958万円 リクルート HD (35.1歳)

言わずと知れた人材紹介の最大手企業。①求人情報検索エンジン「インディード(米企業を買収)」、②WEB・紙メディア、③人材派遣・人材紹介がビジネスの3本柱。

「リクナビ」「リクルートエージェント」ブランドだけでなく、情報誌「ゼクシイ」「ホットペッパー」、メディア運営も手がけている。

平均年齢が35歳そこそこであることを考えると平均年収は高い。

順調にキャリアを積めば32~35歳で年収1000万円も射程圏内である。ただし。色々と裏事情があってホントに限られたヒトにしか順調にキャリアを積めない。それが大問題。

14位 920万円 乃村工藝社 (42.7歳)

社名は「のむらこうげいしゃ」と読む。

展示施設、商業施設および博物館等のディスプレー企画などで業界最大手。ニッチ分野で有名な企業であり、手堅い経営をしている。

年収はちょっと物足りない気もするが、サービス業界においては全然マシなレベルにある。そして平均勤続14.6年も他と比較してかなりマシ(かといって優良企業である証拠にはならないけど…)。

15位 903万円 ベネッセ HD (44.7歳)

『進研ゼミ』『こどもチャレンジ』などで有名な通信教育の最大手。なお老人ホーム、出版等へも多角化し、最近では傘下に語学教室『ベルリッツ』も収めた。

年収は教育業界ではマシな方と思うが、全体を見渡すとこのレベルの企業はもっとたくさんある。そして持株会社であるため限られた少人数の管理職おっさんからくる平均年収であり、実態を反映していない。正直いって教育ビジネスに興味のあるヒトにしか就職・転職はオススメしない。

16位 898万円 ベイカレント・コンサルティング (32.2歳)

もともとはITコンサルを専業としていたが、現在では経営戦略からITまで幅広い分野でコンサル業務を手がけている。

平均年収はコンサルとしてはちょっと物足りないが、システム開発のためにITエンジニアも自社で多く有しており、平均を押し下げる要因となっている。

経営戦略コンサルのポジションであれば30-35歳マネージャーで年収1000万円は達成できるものと推測(違ったらゴメンなさい)。

17位 890万円 CSS HD (52.3歳)

スチュワード事業(ホテルの食器洗浄・衛生管理など)をメインに展開する会社。映像・音響・セキュリティ事業などにも多角化している。

平均年齢が高いために年収ランキング上位にはいっているが実際には年収低い。

18位 846万円 建設技術研究所 (42.7歳)

18位にしてようやく建設コンサル会社の登場。建設コンサルとしては準大手。河川、道路に強みがあり、技術士など資格保有者の比率も高い。

建設コンサルはコンサルといってもやる事が明確になっているため、いわゆる無から何かを生み出すような戦略コンサルとは毛色がまったく違う。建設コンサルは比較的、誰にでもできる(ただし専門性は必要)。仕事量に見合った年収であることが想定される。

19位 836万円 シミック HD (43.8歳)

新薬開発の治験支援(CRO)の先駆け的な存在。業界トップクラス。年収は特筆すべき点はなく、フツーに中堅企業の年収といった感じ。

20位 835万円 EJ HD(51.0歳)

エイトコンサルと日本技術開発が2007年に経営統合し発足。官公庁工事が柱の総合建設コンサルである。平均年齢が50歳超えていることを考えると年収は低い。

参考記事