【2018年版】航空会社(エアライン)の売上ランキング世界&国内。
2017年12月期・2018年3月期あるいは同等の決算報告書から最新の売上ランキングを紹介します。
就職・転職のご参考にどうぞ。
11位 中国東方航空(中国)157億㌦
英語表記:China Eastern Airlines
上海に拠点を置く中国No.2の航空会社。1988年に分割解体された中国民用航空総局(CAAC)の上海管理局を引き継いで誕生した。
中国における主要国内線および国際線を運航し、旧民航系航空会社の中でも大手エアラインのうちの一社である。中国語では略して東航と呼ばれる。
航空アライアンス「スカイチーム」に加盟している。
→ 公式HP
10位 ANAホールディングス(日本)178億㌦
傘下に全日本空輸(株)などをおく日本の最大手航空会社。通称「全日空」「ANA」。
1952年12月設立、現在は国際線、国内線ともに国内最大規模をほこる。
イギリス・スカイトラックスによる航空会社の格付けで、実質最高評価の「The World’s 5-Star Airlines」の認定を得ている。日本のエアラインとしては史上初の獲得。グローバルでみても評価の高い航空会社である。
コーポレートスローガンは「あんしん、あったか、あかるく元気!」、タグラインは「Inspiration of JAPAN」。
航空アライアンス「スターアライアンス」に加盟している。
→ 公式HP
9位 中国南方航空(中国)197億㌦
英語表記:China Southern Airlines
中国No.1の航空会社。中国では略して「南航」と呼ばれる。
1988年に分割解体された旧・中国民用航空総局 (CAAC)の広州管理局を引き継いで1991年設立。中国No.2の中国東方航空と起源はおなじ。
その後2002年には旧民航系の航空会社の集約政策により、中国北方航空、新疆航空を併合し現在にいたる。
2017年には世界No.1のアメリカン航空との戦略的提携に合意したと発表。提携にあたりアメリカン航空が中国南方航空に2億ドル(日本円で約222億円)出資。
提携は2017年後半からコードシェア提携とインターライン契約を開始し、中国、または北米や南米のネットワークを相互の顧客に提供する。コードシェアを実施する路線ではマイレージの獲得やスルーバゲージなどのサービスを提供することになる見込み。
航空アライアンス「スカイチーム」に加盟していたが、2018年12月31日をもって脱退した。
8位 サウスウエスト航空(米)212億㌦
英語表記:Southwest Airlines
アメリカ(米国)テキサス州ダラス市に本社をおく大手航空会社。アメリカにおいては売上No.4の規模をほこる。
1967年エア・サウスウエストとして、米テキサス州で設立された。その後、航空自由化政策(ディレギュレーション)とともに自力で路線網を少しずつ拡大したことに加えて、いくつかの格安航空会社を買収することでも路線規模を拡張しており、全米に路線網を持つ大手航空会社となった。
格安航空会社として知られ徹底した人件費以外のコスト削減等がはかられ、収益率は他社より高い。1973年以来、米国の景気動向にかかわらず黒字運営を続ける全米で数少ない航空会社の1つである。
7位 インターナショナル・エアラインズ・グループ(西・英)260億㌦
英語表記:International Airlines Group [西・英]
イギリスのブリティッシュ・エアウェイズとスペインのイベリア航空の持株会社。大手航空会社である。統合後も両ブランドを維持し経営している。
2018年現在、グループで546機の航空機を保有し279都市に就航。毎年1億5百万人に利用されている。またEU域内ではルフトハンザ(独)、エールフランス(仏)につぐ第3位の売上をほこる。
航空アライアンス「ワンワールド」に加盟している。
→ 公式HP
6位 エミレーツ航空グループ(UAE)279億㌦
英語表記:Emirates Airlines / The Emirates Group
UAEのドバイを本拠とする大手航空会社。政府系の会社であり民間企業ではないため、ランキングにいれるのもどうかと思ったが一応いれておいた。
2007年頃には燃料費高騰などで経営難に苦しむ航空会社が多い中、エミレーツは原油高による中東諸国の好景気に支えられ「世界で最も景気の良いエアライン」と言われていた。しかし拡張路線を歩んできた同社も、2008年以降のアメリカを震源とする金融危機の影響を受けた。
2008年にはエミレーツ航空が保有するスリランカ航空の株式をすべてスリランカ政府が引き取ることとなった。さらに2009年には利用客の減少から、使用機材を変更したり、不採算路線から運休や撤退をした。
しかし2010年より成田国際空港へ就航を開始するなど、金融危機前に比べてより採算性が高く見込める路線には積極的に機材を投入し、再び拡大路線を強めている。
2018年現在、グループで273機の航空機を保有し世界85カ国157都市に就航。毎年5千9百万人に利用されている。
なお、エミレーツ航空はどのアライアンスにも加盟していない。ただしJALマイレージバンクなど他社マイレージとは提携している。
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5位 エールフランス‐KLM(仏・蘭)291億㌦
英語表記:Air France-KLM
エールフランス(仏)と、KLMオランダ航空(蘭)の持株会社。2004年に両社が経営統合するような形で発足した。
2018年現在、グループで545機の航空機を保有し116カ国314都市に就航。毎年9千8百万人に利用されている。EU域内ではルフトハンザにつぐNo.2の売上をほこる。
航空アライアンス「スカイチーム」に加盟している。
→ 公式HP
4位 ルフトハンザ航空(独)383億㌦
英語表記:Lufthansa
ドイツのケルンに本拠を置くドイツ最大の航空会社。ドイツのいわゆる「フラッグ・キャリア」とされている。現在はドイツ国外の航空会社も多数傘下に置いている。
ルフトハンザのサービスの質には定評があり、航空会社の格付けを行っているスカイトラックス社では4つ星を獲得している。乗客の評価に基づき同社が発表する世界ランキングでは、常に上位を維持しており、2015年度は「ベスト・エアライン・イン・トランスアトランティック」賞に選ばれた。
航空アライアンス「スターアライアンス」に加盟している。
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3位 ユナイテッド・コンチネンタル航空G(米)$415億㌦
英語表記:United Continental Holdings [米国]
傘下にユナイテッド航空などをおく持株会社。
2010年に全米4位のコンチネンタル航空と、全米3位のユナイテッド航空が統合して誕生。その後2012年にコンチネンタル航空は完全統合され、ユナイテッド航空にすべてを集約した。
なおユナイテッド航空は2002年12月に経営破綻したがその後再建に成功し、現在にいたる。
2018年現在ではグループで760機の航空機を保有し193カ国356都市に就航。毎年1億4千8百万人に利用されている。
米国・世界ランキングのどちらもデルタ航空、アメリカン航空につぐ売上3位。上位3社はいずれもわずかな差であり各社、首位争いにしのぎを削っている。したがって年によってランキングは入れ替わる。
なお航空アライアンス「スターアライアンス」の中心的存在でもある。
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2位 デルタ航空(米)421億㌦
英語表記:Delta Air Lines [米国]
アメリカ合衆国ジョージア州アトランタ市に本拠を置く大手航空会社。
1929年「デルタ・エア・サービス」として旅客サービスを開始したことが起源(それまで農薬散布の会社だった)。その後アメリカ国内における航空会社と合併を繰り返して規模を拡大してきた。
しかし。
2005年、ほか大手航空会社とおなじく原油価格の高騰にともなう燃料費の増加によって収益が悪化。くわえてハリケーン・カトリーナによって同社の地盤であるアメリカ南部が被害を受けたことなどから経営危機におちいり、ノースウエスト航空と同時期にChapter 11の適用を申請して経営破綻した。
その後も飛行機の運行を継続しながら経営再建を行い、2007年にChapter 11から脱却して経営再建に成功した。
また2008年には当時全米5位のノースウエスト航空と合併し、当時としては世界最大の航空会社「デルタ航空」が誕生した。
2018年現在、リース機もふくめると876機の航空機を運行し(自社所有は676機)、毎年1億8千万人に利用されている。
なお航空アライアンス「スカイチーム」に加盟している。
→ 公式HP
1位 アメリカン航空グループ(米)430億㌦
英語表記:American Airlines Group [米国]
アメリカ・テキサス州フォートワースに本部を置く世界最大の航空会社。本社はダラス・フォートワース国際空港に隣接している。略称「AAL」。
2013年にアメリカン航空・USエアウェイズの合併により誕生。その後2015年にブランドをアメリカン航空に完全集約し、USエアウェイズ ブランドは終了した。
なお旧アメリカン航空の機材は2001年9・11同時多発テロの際にハイジャックされ、テロに使われた。そのため利用客が激減して経営が悪化し倒産寸前まで追い込まれた。
同時多発テロ後、ユナイテッド航空・デルタ航空・ノースウエスト航空といった大手航空会社がChapter 11を申請して経営破綻するなか、アメリカン航空は「機内サービスを減らし、コストダウンを図れるところは何でもし、何とか持ち直す」方法で経営破綻を回避することとなった。
しかし。
その後の燃料費上昇により経営は再び悪化し2011年にChapter 11の適用を申請し破綻した。こういった背景により2013年アメリカン航空・USエアウェイズが合併し、現在にいたる。
2018年現在ではグループで650機以上を保有し、150カ国1,000都市以上に就航。航空アライアンス「ワンワールド」に加盟している。
→ 公式HP
日本国内の航空会社ランキング
つづいて日本国内の航空会社ランキング。5社しか無いのでランキングといっても大層なものでは無いのですけど…
1位 ANAホールディングス|売上1.9兆円・純利益1438億円
世界ランキングNo.10で登場したため詳細は省略。日本の航空会社トップとして、さらなる拡大に期待したいところ。平均年収832万円。→ 公式HP
2位 日本航空(JAL)|売上1.3兆円・純利1354億円
東京都品川区に本社を置く航空会社。惜しくも世界ランキングTOP10には入らなかったが、イギリス・スカイトラックスによる航空会社の格付けで最高評価の「The World’s 5-Star Airlines」の認定を得ており、世界的に評価されている航空会社である(ANAも同様に得ている)。
ほか海外大手エアラインとおなじく、2005-2008年には燃料価格高騰の影響をうけて経営がいちじるしく悪化。
2010年に会社更生法の適用を申請し、株は紙クズ同然となった。これには多くの株主が巻き込まれ当時「JALショック」と呼ばれるほど世間を騒がせた。
その後は当時京セラの会長だった稲盛氏を社長として迎えいれ、徹底的なコストダウンと不採算路線の廃止などをおこない、経営再建をはかり2012年には再上場を果たした。
航空アライアンス「スカイチーム」に加盟している。
平均年収866万円。
→ 公式HP
3位 パスコ|売上510億円・純利10億円
いわゆる客を乗せて飛行機を飛ばす航空会社ではなく、航空測量・空間情報事業を行う会社である。
測量・計測の国内最大手であり地形・地図データを、その他の業務と連携させる空間情報サービスに強みをもつ。 納入例として官公庁・自治体における都市計画・固定資産評価・道路管理・水道管理等の業務支援などがある。
また世界的にみても航空写真測量の分野ではトップレベルである。
1999年にセコムの傘下に入ることとなった(以前は三菱商事の関係会社だった)。
平均年収630万円。
→ 公式HP
4位 スターフライヤー|売上380億円・純利18億円
福岡県北九州市に本拠を置く航空会社。
2002年に「神戸航空株式会社」として設立。2006年3月に北九州空港の移転と同時に羽田空港との間の路線運航を開始し、現在ではほか複数の路線で運営している。
2012年に入って以降、格安航空会社 (LCC) 等の参入にともなって経営が悪化し、国際線の廃止や機材削減、ANAを株主とする増資などを含めた経営合理化策を推進している。
また航空券の座席予約システム(CRS)もANAのものを使用するように変更したため、搭乗券の控えなどもANAを利用した際と同じ様式のものが発券される。
今となってはあまり存在意義を感じない会社である。ANAとの経営統合は時間の問題か。
平均年収600万円。
→ 公式HP
5位 アジア航測|売上239億円・純利11億円
いわゆる客を乗せて飛行機を飛ばす航空会社ではなく、航空測量業、建設コンサルタント事業などを手がける会社。
空中写真からの地図量産化技術を世界で初めて実用化した会社であり「技術のアジア」と標榜される所以である。近年の主要な開発技術は「ディジタルステレオ図化機(図化名人)」、「赤色立体地図」(1枚の地図で地形を立体的に見せる表現技法:2014年グッドデザイン賞受賞)、3Dモデリングサービス(複数の重複する画像から3次元モデルを生成)等がある。
平均年収653万円。
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