内定辞退はいつまでにする?法的責任とマナー【新卒/転職共通】

新卒採用や転職で「内定辞退」をするとき、いつまでに連絡をするべきでしょうか?まず結論ですが法的には「いつでも、いかなる理由でも」内定辞退はできます。ただし企業からの訴訟リスクを考えると、早ければ早いほどよいでしょう。

内定辞退が「いつでも」できる理由と、注意点、トラブル対処法については記事中をご確認ください。

※ちなみに「内定辞退の法的責任は入社日の2週間前まで」は完全に間違いです。

内定辞退の法的な期限:いつでもOK

まず結論ですが、就活・転職者はどちらも「いつでも内定辞退OK」です。その法的責任の根拠について整理しておきましょう。※あくまでも法的な見解だけで考えます。

そもそも採用内定の法的な意味とは?

過去の裁判例により、内定とは、就労開始の始まり時期の定まりが付いた解約権の留保された労働契約が成立しているものとされています(始期付解約権留保付労働契約)。

つまり、内定者と企業の間に「労働契約」が成立しているのと考えることができます。

※過去の裁判例には「大日本印刷事件/昭和54年7月最高裁の判例」などがあります。

法的には「内定辞退=退職(労働契約の解約)」

労働契約が発生しているのですから法的には「内定取り消し = 解雇」「内定辞退 = 退職(労働契約の解約)」と考えることができます。

したがって内定辞退を法的に考えるなら、退職(労働契約の解約)に関する法律を見ていけばよいわけですね。

「内定辞退」から2週間で労働契約の解約ができる

退職は「いつでも」できます。そして、労働契約の解約を申し入れてから2週間で退職できます。内定辞退においても同じように「いつでも」申し入れから2週間で内定辞退できる、ということになります。

「退職したい!」と申し出れば、2週間経過すると退職できるということですので、

「内定辞退したい!」と申し出れば、2週間経過すると完了です。

企業には内定辞退を拒否する権利がありません。

※念のため法律の原文を以下に記載しておきます。

〜民法(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)〜

627条
1 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する。

※期間の定めのない雇用 ≒ 正社員

【誤】内定辞退が法的に2週間前まで!
【正】内定辞退は法的にいつでも、どんな理由でもOK

以上のことから「法的に2週間前までに内定辞退をすると決まっている!」というのは完全に間違い。正しくは、いつでも、いかなる理由があっても内定辞退はできます。

そして、内定辞退から2週間後に労働契約は解約となります。内定辞退のタイミングが入社前日になったとしても、法的には問題ありません。

内定辞退(労働契約の解除)を入社の2週間前までに行うこと!

なんてどこにも書いていません(失笑)。

ゴミメディアのゴミ情報に惑わされないようにしましょう。しかし、このキャリアパークっていうサイト、他の情報も含めて間違いばかりで「DeNAの運営するメディア、WeLQ(ウェルク)」と同じ匂いがします…。

※間違い記事の出所:キャリアパーク

※内定辞退の法的期限が入社2週間前まで!は完璧に間違いです。

内定辞退はいつでもOK。ただし企業は損害賠償請求もできる

内定辞退がいつでもOKなら、とりあえず内定承諾書にサインして黙って就活を続けよう!となれるのですが、そう上手くはいきません…。

企業から訴えられるリスクも当然あります。

就活・転職者にとって無視できないのが、何かしらの形で企業から訴えられるリスクです。

あなたの内定辞退によって企業側に損害が生じていれば、法的には企業が損害賠償を請求することができるのです。

その損害とはたとえば、内定辞退までに企業が支払った研修費用とか、交通費とか、もろもろの金額ですね。いずれにせよ、金額はたかだか知れています(苦笑)。

企業はこんな少額な賠償請求を本当にするのか?

普通はしません。めんどくさいし、ニュースで報道されても嫌だし…。そもそも一般人との裁判を企業は好みません。のちのち、めんどくさくなることが目に見えているからです(特に大企業)。

内定辞退には「企業から訴訟のリスク」があることを理解しておきましょう(裁判の勝ち負けがどうなるかは別として…)。

企業から訴えられたらどっちが勝つ?

残念ながら私にはわかりません。どちらにも言い分があって正しいのですが、結局は就活・転職者側が勝つと思われます(完全に推測)。

なぜなら最近の時代の流れからして、個人の職業の自由の方が尊重されそうだから(完全に推測です)。

賠償請求されないなら、内定辞退をしまくればいい?

とうことですので結局、どうどう巡りです。図式化するとこんな感じ。

  • いつでも、どんな理由でも内定辞退はOK
  • なら2社の内定もらったけど就活継続!
  • 内定承諾書も法的効力はないからサインしまくろう!
  • 最終的に10社の内定を得た!
  • ど〜れ〜にしようかな〜。
  • 残りの9社は内定辞退!
  • 企業から訴訟されるリスクも(ほんのわずか)あり
  • あなたのモラルが問われている!

さぁ、あなたはどうしますか?上の図で示したような道を辿りますか?

それとも、ある程度モラルをもって就活・転職を進めますか?

もしあなたが「モラルに反することはしたくない!」という考えをお持ちでしたら、次の項目までお付き合いください。

内定辞退を連絡するときの「モラル・マナー」

さて書くのにも疲れてきましたが、「内定辞退」にはあなたの法的責任と、企業側の法的効力がないことがわかりました。ということですので、結局はモラル・マナーの話となってしまいます。

ここからは就活・転職者のモラルとマナーの話をしようと思います。

①いつまでに内定辞退する?→早いほどよい

この答えは「早ければ早いほどよい」です。が、理想と現実は違いますので、どれだけ内定辞退を引っ張れるか?を考えましょうか。

就活生であれば多くの企業で内定承諾書を提出する内定式(10月?)前まで。遅れた場合でも入社2週間前(3月下旬)までかなぁ…。

転職者は、もう少しタイトなスケジュールでも許されるでしょう。

②内定辞退の連絡はメール・電話・手紙?→電話がベスト

礼儀を重んじるのであれば、電話がベストな選択肢です。

ただ、別にメールや手紙でも構いません。結果的には企業からの「怒り電話」が飛んできますからね…。結果がどうせ見えているのであれば、最初から電話しておくべきですかね?

それとも、メールでやり過ごしますかね?

私なら内定辞退メールでやり過ごして、電話で怒られるパターンを選択します(苦笑)。

参考 → 内定辞退メールの書き方と全注意点【例文あり】

「内定辞退」トラブルへの対処法

内定辞退に関して想定されるであろうトラブルと、対処法を最後に紹介しておきます。

①内定辞退して「呼び出し」をくらったときの対処法

解説した通り、就活生や転職者には「いつ、いかなる理由においても」内定辞退をする権利があります。ですから企業から「呼び出し」を受けても慌てないで、冷静に対処しましょう。

必ず腰を低くして臨んでください。訴訟などの余計なトラブルを生みますので、横柄な態度をとることだけは止めてください。

で、内定辞退によって「呼び出し」を受けた時の対処法ですが、まずは「呼び出し拒否」します。それでも相手が応じない場合は仕方がないので、出向きます。

あとは壊れたラジオ作戦で、謝罪です。

「申し訳ございません、申し訳ございません、申し訳ございません…」

と壊れたラジオになったつもりで、ひたすら繰り返しましょうね。そうすればトラブルなく収まるでしょう。

内定を複数得たのであれば、どこかの企業に「お断り」を入れるのは仕方のないことです。法的な責任は発生しませんのでご安心ください。

②内定辞退メールに返信がなかったときの対処法

「内定辞退メール」を送ったものの、企業の採用担当から返信がこない場合もあります。

これは気にしなくていいですが、もし入社の数日前になってもまだ連絡がこなかった場合、さすがに電話しましょうね。

本当は無視している企業側の責任ですが…。あとで「知らなかった」と言われてもタチが悪いので…。

まとめ

今回は「内定辞退」の法的効力・法的責任と、モラルについて語りました。もし追加でご質問がございましたら、コメント欄にお願いいたします。