上司からの飲み会やデートの誘いを断るときに使える丁寧な敬語フレーズを紹介する記事。
まずは要点のまとめから。
「参加できません」「お断りします/致します」は失礼?
失礼ではないものの直接的な表現であり、相手からすると冷たく断られたように感じる。よってビジネスシーンでは不適切。よりかしこまった丁寧な敬語フレーズが好まれる。
誘いを断るときの敬語フレーズに「参加できません」「お断りします/致します」は失礼ではないものの丁寧レベルは低く、かなり冷たく断るときの表現です。
相手に不快感を与えてしまうリスクあり。ホントに相手と距離を置きたくて冷たく断るときにだけ使います。
ということで、
よりかしこまった敬語が好まれるビジネスシーン(電話・メール・文書・手紙・上司・社外・就活・転職)では不適切。もっと丁寧な言い換えをしましょう。それでは進めていきます。
誘いを断る敬語フレーズ、基本は①前置き+②理由+③断り
まずはビジネス・プライベート問わず使える断り方の基本について簡単に復習しておきます。
①丁寧な前置き+②断る理由+③断りのフレーズ
誘いを断るときの敬語フレーズは基本、
- 丁寧な前置き
・お詫びや、申し訳なく思う気持ちを表すフレーズ
・相手をまず持ち上げる(そのあと落とすことになるのだけど・・・)
+ - 誘いを断る理由
+ - 断りの丁寧な敬語フレーズ
で成り立ちます。たとえば、
【例文】
前置き①せっかくのお誘いではございますが、
理 由②あいにく先約があり、
断 り③今回は遠慮させて頂きます
こんな感じの構成になっているとすばらしく丁寧な断りの敬語フレーズとなります。
これらをひとつの文章にしてみると・・・例文「せっかくのお誘いではございますが、あいにく先約があり、今回は遠慮させて頂きます」という素晴らしい断り文章のできあがり。
④さらにお詫びを入れて完璧に!
くわえて、
先ほどの「①前置き、②理由、③断り」のあとに続けて、お詫びをしましょう。
たとえば、
【例文】
前置き①せっかくのお誘いではございますが、
理 由②あいにく先約があり、
断 り③今回は遠慮させて頂きます。
【例文】
お詫び④お心遣いを無にするような返事となりましたこと、深くお詫び申し上げます
こんな感じ。すると・・・
例文「せっかくのお誘いではございますが、あいにく先約があり、今回は遠慮させて頂きます。お心遣いを無にするような返事となりましたこと、深くお詫び申し上げます」
というように断りのビジネスメールにも十分に使える、丁寧な敬語となります。
①~④に色々な敬語を当てはめると完璧な断り方になる
あとは簡単。
この組み合わせに、
前置き①には何を使う?
理 由②には何を使う?
断 り③どんな断り敬語を使う?
お詫び④どんなお詫び敬語を使う?
で色々な誘いに対する断りフレーズを作ることができます(例文は次項目にて)。
この基本さえマスターしておけば、あなたの語彙が広がるほどに断るときの敬語の幅も増えていきます。スポーツや学業と同じくビジネスも、すべて基本からです。そんなことも理解せずに敬語WEBサイトを運営しているゴミが多いためご注意を。
すみません・・・
前置きが長くなりました。
これより、①②③④それぞれに使える丁寧な断りの敬語フレーズを紹介します。
誘いを断るときの丁寧な敬語フレーズ①前置き
- 前置き「せっかくのお誘いにも関わらず心苦しい限りではございますが」
- 前置き「せっかくのお誘いなのですが」
- 前置き「前々からとても楽しみにしていたのですが」
- 前置き「お誘いを頂き至極光栄に存じますが」
- 前置き「お誘いを頂きとても嬉しく存じますが」
- 前置き「せっかくのお心遣いではございますが」
- 前置き「お心遣いを頂いておきながら心苦しい限りではございますが」
- 前置き「誠に不本意ながら」「誠に不本意ではございますが」
- 前置き「大変遺憾に存じますが」
- 前置き「出席したい気持ちは山々でございますが」
- 前置き「せっかくお誘いを頂いておきながら非礼この上ないことと存じますが」
- 前置き「せっかくお誘いを頂いておきながら私事で大変恐縮ではございますが」
- 前置き「私事で大変恐れ入りますが」
※「都合が悪い」とは言わず、違う敬語フレーズを使う。
誘いを断るときの丁寧な敬語フレーズ②理由
ビジネスシーンで誘いや仕事を断るときに、「友人との合コンがあるため」などと細かく伝える必要はありません。
が、
親しい友人・先輩・上司・社外取引先あるいは今後も関係を継続したい先に対しては細かい理由をしっかりと伝えても良いでしょう。そうでないと「不本意ながら断る」という気持ちが伝わりません。「なんだよ、社交辞令かよ!」と思われてしまう恐れがありますのでご注意を。
このあたりの使い分けは、あなたがどれだけ相手と親密であるか、今後の関係性をどうしたいのか、によって変わります。親密であればあるほど、今後の関係を重視すればするほど「断るための言い訳」を細かく伝えるべきです。
(ただしキツイ表現は避け、やんわりと)
以下の例文をご参考にどうぞ。
「誘いを断る」ときの理由
誘いを断る理由の注意点として、「都合が悪い」とは言わず違う敬語フレーズを使います。
・とくに平日の飲み会の誘いを断るときに有効
- 断る理由「あいにく先約があり」
- 断る理由「あいにく別件があり」
- 断る理由「あいにくプライベートの予定があり」
- 断る理由「業務に支障をきたすため」「業務が立て込んでおり」
- 断る理由「来期の予算策定業務に支障をきたすため」
- 断る理由「明日の会議の準備があり」
- 断る理由「クレーム処理に支障をきたすため」
- 断る理由「20:00から海外との電話会議予定があり」
- 断る理由「あいにく取引先との約束があり」
- 断る理由「あいにく出張で不在にしており」
- 断る理由「あいにく外出で不在にしており」
-
家族/友人をダシにして断る
・とくに休日の誘いを断るときに有効。使いすぎると逆効果。 - 断る理由「あいにくプライベートの予定があり」
- 断る理由「どうしても外せないプライベートの予定があり」
- 断る理由「両親が来訪しており」
- 断る理由「兄弟が来訪しており」
- 断る理由「妻の体調不良により家事をサポートしなければならず」
- 断る理由「妻の体調不良により子の世話をしなければならず」
- 断る理由「子供の体調不良により」
- 断る理由「家庭の事情があり」
- 断る理由「家族との先約があり」
- 断る理由「家族で旅行に出ており」
- 断る理由「親戚の葬儀があり」
- 断る理由「親戚の結婚式出席のため」
- 断る理由「友人の結婚式があり」
- 断る理由「○○の葬儀があり」
- 断る理由「妻が不在にしており子供の部活動の送り迎えをしなければならず」
- 断る理由「妻が不在にしており子供の塾の送り迎えをしなければならず」
→ 上司からの「飲み会の誘いを断る」ときの理由20選、メール例文
誘いを断るときの丁寧な敬語フレーズ③断り
誘いを断るときの注意点として、「参加できません」「お断りします」というような直接的な敬語フレーズは使いません。やんわりと断るための敬語フレーズを使うべき。
- 断りの敬語「お気持ちだけ頂戴します」
- 断りの敬語「お気持ちだけ頂戴いたします」
- 断りの敬語「ご遠慮いたします」
- 断りの敬語「遠慮させて頂きます」
- 断りの敬語「辞退させて頂きます「辞退いたします」
※「都合が悪い」とは言わず、違う敬語フレーズを使います。
※「参加できません・出席できません」のような直接的な表現は避け、やんわりと断ります。
断るときの丁寧な敬語フレーズ④お詫び/謝罪
何度もおなじ敬語フレーズを使うのはみっともないため、できるだけ①②③との重複フレーズを避けましょう。
お詫び・謝罪も「①前置き+②お詫びの敬語」の構成にするとより丁寧になります。
- お詫びの敬語「大変申し訳ありません」「大変申し訳ございません」
- お詫びの敬語「お詫び申し上げます」「深くお詫び申し上げます」
- お詫びの敬語「お詫びの申し上げようもございません」
- お詫びの敬語「陳謝いたします」
- お詫びの敬語「大変失礼いたしました」
「お心遣いを無にするような返事となり~」「参加いたしたいのは山々でございますが~」「非礼この上ないことと~」などが使える。
「弊社内の事情によりご迷惑をお掛けし、~」「勝手を申し上げますが~」「非礼この上ないことと~」などが使える。
【断りのシーン別】ビジネスメールの文例集・書き方
つづいて、実際に「①前置き、②理由、③断り敬語」「④お詫び」を使った断りのビジネスメール例文を、シーン別に紹介します。
上司からの「飲み会の誘いを断る」
【メール件名】返信Re: 飲み会のお誘い
○○部長(社内上司)
お疲れ様です。
このたびはお誘いくださいまして、誠にありがとうございます。
さて、せっかくのお誘いにも関わらず心苦しい限りではございますが、あいにく先約があり、今回は遠慮させて頂きます。お心遣いを頂いておきながら大変申し訳ありません。
また別の機会にご一緒させて頂ければと存じます。何卒宜しくお願いいたします。
ノマド
→上司からの「飲み会の誘いを断る」ときの理由20選、メール例文
上司からの「食事の誘いを断る」ときのメール例文
【メール件名】返信Re: 食事のお誘い
○○部長(社内上司)
お疲れ様です。
このたびはお誘いくださいまして、誠にありがとうございます。
さて、せっかくのお誘いにも関わらず心苦しい限りではございますが、あいにく先約があり、今回は遠慮させて頂きます。お心遣いを頂いておきながら大変申し訳ありません。
また別の機会にご一緒させて頂ければと存じます。何卒宜しくお願いいたします。
ノマド
→上司からの「食事の誘いを断る」ときの理由20選、メール例文
上司からの「休日の誘いを断る」ときのメール例文
【メール件名】返信Re: 休日ゴルフのお誘い
○○部長(社内上司)
お疲れ様です。
このたびはお誘いくださいまして、誠にありがとうございます。
さて、せっかくのお誘いにも関わらず心苦しい限りではございますが、あいにく先約があり、今回は遠慮させて頂きます。お心遣いを頂いておきながら大変申し訳ありません。
また別の機会にご一緒させて頂ければと存じます。何卒宜しくお願いいたします。
ノマド
→上司からの「休日の誘いを断る」ときの理由20選、メール例文
「飲み会の誘いを断るto社外」ビジネスメール例文
【メール件名】返信Re: 飲み会のお誘い
ビジネス会社
営業部 ○○ 様
お世話になっております。株式会社転職・ノマドでございます。
このたびはお誘いくださいまして誠にありがとうございます。
さて、せっかくのお誘いにも関わらず心苦しい限りではございますが、あいにく別件があり不本意ながら今回は遠慮させて頂きます。大変申し訳ございません。
よろしければ、また別の機会にご一緒させていただければ幸いです。何卒宜しくお願い申し上げます。
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株式会社転職
法人営業部 国内営業課
ノマド サラリーマン
〒xxx-xxxx
●●県●●市●●Δ-Δ-Δ
電話:xxxxxxx
FAX:xxxxxxx
E-mail:nomad@gmail.com
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「結婚式の誘いを断るto社内先輩」ビジネスメール例文
社内や大学の先輩から結婚式の誘いがあったとき。仕事を理由にし、丁寧な断りをいれるビジネスメール例文。理由は細かく伝える必要なし。
【メール件名】返信Re: 結婚式のご招待
◯◯ さん(先輩)
このたびはご結婚おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。また、結婚式にもご招待いただき誠にありがとうございます。
さて、せっかくのご招待にも関わらず申し訳ありませんが、仕事の予定が詰まっており不本意ながら出席を遠慮させて頂きます。ぜひ出席しお祝いを申し上げたいところ、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
甚だ略儀とは存じますが、まずはお詫びまでにご返事申し上げます。
末筆ながら、お二人の末永いご健勝とご多幸をお祈りいたしております。
ノマド
「コンパや女性の誘いを断る」ビジネスメール例文
上司や先輩、友人・男性・女性からパーティー/イベント/コンパの誘いがあったとき。仕事を理由にし、丁寧な断りをいれるビジネスメール例文。
【メール件名】返信Re: 10月25日・野球観戦のお誘い
○○さん(先輩・上司・友人・男性・女性)
お疲れ様です。
野球観戦のお誘い、誠にありがとうございます。
さて、せっかくのお誘いなのですが、当日は営業締め日が近く業務に支障をきたすため、不本意ではございますが今回は遠慮させて頂きます。大変申し訳ありません。
また別の機会にご一緒させて頂ければと存じます。宜しくお願いします。
その他いろいろ
→【ビジネス】丁寧な断りのメール文例(仕事依頼・誘いなどシーン別)
→「仕事を理由に誘いを断る」ときのメール例文(飲み会・結婚式など)
ちゃんとした敬語を使えるビジネスマンはゼロ(苦笑)
ちょっとココだけの話というか、
あまり敬語の使い方にきびしくしばられるのは良くないという話。
じつは、
ビジネスパーソンでちゃんとした敬語を使えているヒトは極めてマレです。ほとんどゼロといっても差し支えありません。
なぜなら学校でもベーシックな部分しか習わないことにくわえ、社会人になったら先輩や上司・取引先のBroken敬語から学ぶから。
結果として間違った敬語をつかう上司がいると、部下も間違えるという罪深い状況に…それがどんどん連鎖して、しまいには誰も正しい敬語を使わなくなるという悲劇。
まぁ、わたしもそのループの中にいるのですけど…
たとえば、
「伺います」「伺いたいです」「お伺いしたいです」「お伺いいたします」どれが正しい敬語ですか?
ときかれてもたぶん多くのビジネスパーソンは間違うことでしょう。
敬語って結局、その程度なのですよね…
→ 「お伺いしたい」「伺いたい」「伺いたく存じます」正しい敬語は?
敬語の使い方
- 謙譲語「伺う」の使い方:敬語フレーズとビジネスメール例文
- 「~してください」の代わりに使えるビジネス敬語、メール電話の例文
- 「教えてください」の代わりに使えるビジネス敬語、メール電話の例文
- 何かを「頼む」ときに使える敬語と、ビジネスメール・電話の例文
- 「できない」の代わりに使える敬語5選、ビジネスメール電話の例文
- 誤用の多い「させていただく」症候群には「いたします」が効く!