化学素材メーカーはブラックなの?ホワイトなの?という誰にも聞けない就活生、転職者の疑問。現役の大手化学メーカー営業マンがクビ覚悟で化学業界の裏側を語ります。
就職活動や転職活動のご参考になりましたら、嬉しい限りです。
ひとつの会社の中でもホワイトとブラックが混在する
まず指摘したいのは、一つの会社全体がホワイトかブラックかだけで語るのは止めてほしい、ということ。
たとえば一つの会社の中でも◯◯という事業に関わる人は激務でブラック企業な状態。
一方で△△という事業に関わる人の仕事は楽でホワイト企業な状態。
といった具合に、ひとつの会社の中でもホワイトな部署とブラックな部署が存在するのです。
その①職種による違い
事務系営業職は忙しいけど技術系の新規事業R&Dはヒマ、という様に差があります。
一般的に文系の間接部門(広報、原料調達、CSR、法務)は完全にホワイト。間接部門でも決算期や締めの前後に忙しいのが、経理、財務、企画管理。
営業は完全に人によるし顧客による。商品が末端に近ければ近いほど激務でブラック化し、上流であればあるほど激務じゃない。
理系の職種では新規事業R&Dが最もヒマ、次に知的財産部と生産、既存事業R&Dは同じくらいの激務度。最も忙しいのが設備・技術のエンジニア(建設業界と同じくらいの激務度)。
総合職の激務度合いが職種によってどう変わるかについては、参考記事に詳しくまとめてみました。
その②事業、商品による違い
たとえば汎用商品の事業はヒマで高機能商品の事業は忙しい、といった具合。
商品の性格やお客さんの顔ぶれによってもホワイトな状況になるか、ブラックな状況になるかが違います。
一般的に、商品が末端製品に近ければ近いほど、激務(たとえば繊維とか、フィルムとか)。そうでなければ激務じゃない。そして客がめんどくさいと激務になります(たとえば自動車メーカー相手のビジネス)。
また、どんな優良企業でも赤字事業は確実にブラックになります。なぜなら、予算も人も極限まで減らされるから。
赤字事業の社員はサービス残業が横行し、その上、とても激務になります。これはホワイト企業だから、ブラック企業だから、とか全く関係なし。
運悪くそのような事業に配属になってしまった場合、すぐに転職することを推奨します。
この点についても詳しくまとめていますので、ご参考になりましたら幸いです。
その③人の性格による違い
いわゆる「損をしてしまう性格」というやつです。
私は会社内のローテーションで何回か担当職務が変更しましたが、前任の担当者はたいてい夜の10時くらいまで普通に仕事をやっていました。そして私に担当が変わった瞬間、楽な仕事に変貌。
「同じ仕事をしているのに、なんであの人は忙しかったのだろうか?」という疑問から「こんな性格の人だったからか!」という特徴を見出しました。
仕事は生み出そうと思えば、いくらでも生み出せます。マジメな人ほど、手の抜き方がわからず激務になります。
全社的にブラックな企業も存在する
化学素材メーカーのうち一社だけブラック企業を開示します。それは富士フィルムです。
富士フィルムはどんな職種につこうが関係なくブラック企業。いろいろと内情を知ってしまっているため詳細な理由については開示できませんが、間違いのない事実。
一方で化学素材メーカーの中でも2ch掲示板で叩かれている積水化学工業、東レ、信越化学工業、三菱化学、住友化学、三井化学、昭和電工、旭硝子、クラレ…といった会社は全社的にブラックな企業ではなく部署や職種によってブラックとホワイトが混在する会社です。
入社後、ブラックな部署に配属となってしまった場合には運が悪かっただけ。転職をご検討ください。
で結局、どうなの?
化学素材メーカーは一般的にみるとホワイト企業が多いかなぁ…という程度の答えしか思いつきません。その理由は上述したように職種によっても違うし、商品とお客さんの性格によっても違うからです。
ただ、世間一般のブラック基準「過労死」「月100時間以上の残業」「高い離職率」「サービス残業」といったキーワードには、なかなか該当しません。ちゃんと法律上、問題のない範囲で運営されています(当たり前だけどできてない業界が多すぎる)。
せめてあり得るとしたら「上司が理不尽」「パワハラ」「暇すぎて死にそう」「やりがいを感じない」くらいのものです。
だからブラック業界ではなく、ホワイト業界かなぁ、と思います。
そもそも化学素材メーカーに就職・転職するメリットは「楽な仕事で、それなりに高年収」ということなので、この前提が崩れるような企業に入社してしまったら…すぐに転職するべきですね。
まぁ結局は入社してから配属になって実際に働いてみるまでは分からないのです。
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