日本は学歴社会。これは代えがたい事実で就職活動を進めると出身大学で足切りをされてしまうケースが必ずあります。
「大学など関係ない」という人事担当者は、世間体を気にして社交辞令で言っているだけであって鵜呑みにするのは間違いです。
そこで今回は化学業界における出身大学でのふるい分けを解説していきます。
学歴フィルターが存在する化学業界
何度も言いますが、出身大学による学歴差別は必ず存在します。
どの企業も採用前にどの大学から何人採用するかを大まかに決定。
本当に優秀な人だけを集めたいのであれば、東大から全員採用すればいいのですが実際はそうではありませんのでご安心を。
大学のバランスを重視する理由は社内に学閥ができにくいようにするため、世間の批判をさけるため、営業に東大卒を配置すると売れそうにない、などいろいろな理由があります。
で結局、あなたの大学が狙っている化学メーカーに就職採用枠を持っていればチャンスはあります。
逆に枠がない場合にはノーチャンス。受けるだけ時間の無駄です。さっさと違う業界や会社を攻めましょう(就職四季報を3年分くらい見ればだいたい分かります)。
就職偏差値60〜の化学メーカーに内定する大学
私が独断と偏見でまとめた就職偏差値60〜の化学素材メーカー。
まずは基本として化学メーカーランキング上位企業は、
- 文系だとできるかぎり「旧帝大下位クラス」以上の大学、
- 理系も同じくできるかぎり「旧帝大下位クラス」以上の大学、
だと多少は就活が楽になります。
旧帝大下位クラスでも企業によってリクルーターも派遣してくれますし、大学限定の「個別説明会」も開いてくれます(ただし本当に企業によりますし、その年にもよります)。
適当なエントリーシートを出したとしても、とりあえずリクルーター面談もしくは、グループ面接に進める可能性あるのが、旧帝大下位クラスの大学。
学歴フィルター・ボーダーの大学
つづいて学歴フィルターのボーダーにいる大学。
- 文系「旧帝大下位クラス」「関関同立・マーチ」「地方上位国公立(神戸・横国大クラス)」
- 理系「中堅国公立トップクラス研究室かつ成績トップクラス」「中堅私大トップクラス研究室かつ成績トップクラス」
こんなイメージです(これも企業によって好き・嫌いがあります → 基本は先輩のせいで大学ごと嫌われたり、好かれたりします)。
ですから学歴フィルターは厳しいともとれるし、甘いともとれます。これは、あなたの学歴による相対的な評価になるため、なんとも言えません。
実際に採用実績をみると、文系・理系ともに関関同立・マーチの学生もいます。
ただしこれには多少の裏があるためいずれにせよ、化学メーカー上位企業に内定するには、中堅私大・中堅国公立の学生にとって厳しい就活になるでしょう。
なぜ企業はいろいろな大学から採用するの?
「東大卒+ハーバード大留学+TOEIC 990点+MBAホルダー」
たとえば、会社にこんな経歴の人ばかりになったらどう思いますか?
私は絶対に商売が上手くいかなくなると思います。
こんなハイスペックは毎年一人採用すれば十分です。いろいろなバックグラウンドや個性を持つ個人が集まって初めてビジネスは上手くいきます。かぶったようなキャラクターの人は何人も必要がないのです。
これが、東大だけじゃなくて色々な大学から新卒を採用する理由です。
就活は「(同じ大学の就活生との)相対評価」
そういう意味で、希少価値の高いキャラクターを持っている人は選考に通りやすいですね。そうでない人は、チャンスはありますが自然と競争倍率が高くなります。「希少価値の高いキャラ」の定義は難しく、ひと昔前だったらTOEIC 900点以上とかだったりしました。
ところが今は留学が当たり前になり、英語ができるだけで有名企業に入れる時代ではありません。就活は絶対評価ではなく「相対評価」なのです。
(とくに同じ大学の就活生の)ライバルが弱ければ自分が内定するし、ライバルが強ければ落ちる、というだけのこと。
ただしその戦いの土俵に立てるかどうか、というのはまず学歴で決まります。
さて、前置きが長くなりましたが本題に入りましょう。
文系総合職の大学別採用枠
下の表を見てわかるように各有名大学から多くて3名の採用になります。応募人数を考えたら競争倍率は1000倍を軽く超えるという…
化学メーカーへの内定は不可能と思われる業界ですね…。でも就職人気のない業界でもあるので、「倍率がどこまで実態をあらわしているのか」というのは不明です。
ちなみに文系(事務系)総合職の採用枠の中には理系の学部卒も含みます。
なぜ理系の学部卒が事務系採用枠に入るか?
というと、学部卒だと研究開発とか生産部門に配置できるだけのスキルが足りていないから。理系・学部卒は技術営業とか本社品質保証などの「文系じゃきびしいけど理系の院卒やドクターを使うのはもったいない」という部門に配属となります。
学部卒・理系採用枠は文系とわけている企業もありますが…。この辺りも企業によっていろいろな採用戦略があるので、募集要項を確認しておきましょう。
大学 | 採用枠 文系学卒 |
採用枠 理系学卒 |
東大 | 1〜3 | |
京大 | 1〜3 | |
阪大 | 1〜3 | |
一橋 | 1〜3 | |
早稲田 | 1〜3 | |
慶応 | 1〜3 | |
旧帝大下位 (北海道、東北、名古屋、九州) |
1〜5 | |
地方上位国公立・上智・ 関関同立・マーチ・同クラス |
1〜5 | |
合計 | 7〜28 | 2~10 |
【文系総合職】国公立大学の採用枠と傾向
- 準備中
【文系総合職】私立大学の採用枠と傾向
- 準備中
理系総合職の大学別採用枠
総合職理系は会社によって採用する大学の顔ぶれがガラッとかわります。
ですが基本はすでに採用実績のある高学歴の大学。もしくは低学歴でも上位研究室の成績優秀者、共同研究している研究室からしか採用しません。
まとめるとこんな感じ。
- 理系は旧帝大以上の大学=とりあえず学歴フィルターはクリア
- ボーダーは地方国公立と中堅私大の上位研究室&成績優秀者
ボーダー付近と思われる地方国公立大学や中堅私大のあなたはこちらをご確認ください。
就職四季報の「大学別採用数」は極めて正確
こんな記事を書いてはみたものの、化学メーカーの「大学別採用実績」は就職四季報にて公開されていましたね。
私も就職四季報をチェックしたのですが、ここに公表されている「大学別採用実績」は極めて正確です。化学メーカーはほとんどの有名企業で大学別採用実績が公表されていたと思いますので、あらかじめご確認ください。
※ただし就職四季報の年収データは極めてめちゃくちゃ。私のブログで公表している各企業の年収のほうが、圧倒的に確度高いです。