ビジネスメールで「了解」と返信するときの書き方・例文

ビジネスメールで「了解!」と返信したいときの正しい書き方を、誰よりも完璧にするための記事(もちろん例文つき)。

まずは要点のまとめから。

「了解!」はビジネスシーンでは不適切

「了解!」という言葉はビジネスシーン(目上・上司・先輩・メール)では使いません。

その理由は大きく3つ。

  1. 動詞が省略されており文章として不完全
    「了解!」は「よいお年を」と同じく不完全な文章をビジネスシーンで使うのはイマイチ
  2. 使い古されたフレーズであること
    小学生から大人まで使うシンプルな表現であるため、ビジネスシーンにふさわしくないと考える目上のヒトもいます。相手にすこしでも不快感を与えるおそれのあるフレーズは使わないほうが無難。
  3. より丁寧な敬語フレーズがあること
    「わかりました」の代わりに「了解!」「了解です!」を使うと、あなたの敬語レベルを疑われてしまいます。もっと丁寧な言い換えがあるのに、あえて「了解!」を選ぶ意味がありません。
了解!の言い換え例文

そこで丁寧な敬語への言い換えが必要となります。

「了解!」の言い換え表現にはたとえば、

  1. 例文「承知いたしました」
    ビジネスメールで使える丁寧レベル
  2. 例文「承知しました」
    ビジネスメールで使える丁寧レベル
  3. 例文「かしこまりました」
    ビジネスメールで使える丁寧レベル
  4. 例文「わかりました」
    部下⇔上司のあいだで使える丁寧レベル
  5. 例文「了解いたしました」
    丁寧ではあるものの、上記の理由により使わないほうが無難
  6. 例文「了解しました」
    丁寧ではあるものの、上記の理由により使わないほうが無難

などがあります。

このうち例文①②③はとても丁寧な敬語であり、ビジネスシーン(目上・上司・先輩・メール・電話など)では万能につかえるすばらしい表現。

例文④は社内の目上の人(部下⇔上司)に使えるくらいの丁寧レベルになります。

例文⑤は「する」の謙譲語「いたす」を使って敬語にしているため丁寧ではあるものの、中には失礼だと感じてしまう目上のヒトもいます。

「疑わしきは罰する」というのが敬語の基本であり、相手に少しでも不快感をあたえるリスクのある例文⑤や例文⑥は使わないほうが無難です。

ざっくりとした解説は以上となります。

本文中ではシーン別に、ビジネスメールの例文を使いながらくわしく解説していきます。

【例文】アポイントメールに「了解!」と返信する

たとえばビジネスシーンでよくあるのは、あなたが取引先にアポイントを申し込んだとき。

取引先から都合のよい日時の連絡がきて、

「アポイント日程の件、了解です!よろしくお願いします」とアポイント確定させるメール返信をするときの例文を考えます。

取引先から「ご訪問いただく件、9月10日13:30にておねがいします」といった形でアポイントメールがきます。

これに「了解!」とするメール返信は以下のようにしてください。

【例文】アポイント確定メール返信

メール件名:Re:Re:貴社訪問のお願い(企業名・名字)

株式会社ノマド
営業部
佐藤 様

ご多忙にも関わらず日程をご調整いただき、誠にありがとうございます。

承知いたしました、それでは9月10日13:30に貴社へ伺います。

当日は何卒よろしくお願いいたします。

************************************
株式会社転職のまど
転職事業部 転職部 営業課
山本 一郎
〒xxx-xxxx
●●県●●市●●Δ-Δ-Δ
TEL/FAX:00-0000-0000/1111
Mobile:090-0000-0000
E-mail:nomad@gmail.com
企業HP:企業のホームページURL
************************************

【書き方】アポイント確定メール返信のポイント

メール件名の書き方

メール件名:Re:Re:貴社訪問のお願い(企業名・名字)

【メール件名の書き方】
件名はそのままにして「履歴つき返信」を使う。日程調整がむずかしく5回も10回もやり取りを繰り返してRe:Re:Re:Re~~~みたいになったら、さすがに「Re:」を一回のみに書き換える。目安としては3~5回くらい。
【NG例文】
「日程了解!」「アポイント確定!」などの意味不明なメール件名はNGとなるためご注意を。メール返信では「履歴つき返信をつかう」と決まっている。

メール宛名の書き方

転職株式会社
人事部
転職 様

【メール宛名の書き方】
採用担当者の名前がわかるときは、会社名+部署名(課名)+名字を宛先にする。部署名や課名は入れてもよいし入れなくてもよい。また役職つきの相手であれば「○○部長」「部長 ○○様」などとする。
【NG例文】
「○○部長 様」はマナー違反、役職者に「様」はつけない。「部長 ○○様」はOK。

メール挨拶文の書き方

ご多忙にも関わらず日程をご調整いただき、誠にありがとうございます。

【メール挨拶文の書き方】
返信メールでは必ずしも「お世話になっております。○○です」からはじめる必要はない。返信をもらったことに対するお礼を述べてもよいし、お詫びを述べてもよい。ここでは忙しいのにもかかわらずアポイント日程を調整してくれたので例文のようにした。
【NG例文】
「お疲れ様です」「こんにちは」「お久しぶりです」は社内の相手にのみ使う挨拶フレーズであるためNG。カジュアルすぎる。

ほかにも使える例文としては以下がある。

  1. 例文「ご多忙にも関わらずお時間をいただけるとのこと、誠にありがとうございます」
  2. 例文「お忙しいところご調整いただき、誠にありがとうございます」
  3. 例文「お忙しいところご調整いただき、大変恐れ入ります」
  4. 例文「ご多忙にも関わらずご返信いただき、誠にありがとうございます」

メール本文の書き方

承知いたしました、それでは9月10日13:30に貴社へ伺います。

【メール本文の書き方】
「了解!じゃあ~~に訪問するよ!」というアポイント確定の返信をする。丁寧な敬語にすると例文のようになる。
日時の表記の仕方はPM1:30でも可、相手がわかれば良い。
【NG例文】
「お伺いいたします」「お伺いします」は二重敬語となりNG。謙譲語「伺う」+丁寧語「ます」で「伺います」が正解。

メール結び・締めの書き方

当日は何卒よろしくお願いいたします。

【メール結びの書き方】
返信メールにグダグダと長い結びは必要ない。メール結びをしっかりと書くべきなのはお詫びや何かのお願いごとが発生するビジネスシーン。

メール署名の書き方

************************************
株式会社転職のまど
転職事業部 転職部 営業課
山本 一郎
〒xxx-xxxx
●●県●●市●●Δ-Δ-Δ
TEL/FAX:00-0000-0000/1111
Mobile:090-0000-0000
E-mail:nomad@gmail.com
企業HP:企業のホームページURL
************************************

【メール署名の書き方】
あなたが誰だか分かる情報を入れること。企業に勤めている方は「会社名+部署名+課名+(役職名)+氏名+住所+電話+Eメール+会社のホームページ」で構成されているとよい。署名のデザインはどうでもよい。役職名は入れても入れなくてもよい。

【例文②】上司からの依頼事項に「了解!」とする返信メール

つづいて上司や先輩からの仕事の依頼にたいして「了解!」と返事をしたいときの例文と書き方。もちろん「了解です」「了解いたしました」などは使いません。冒頭で紹介した「承知いたしました」「かしこまりました」などを使います。

【例文②】上司からの依頼事項に「了解!」

メール件名:Re:Re:会議資料の作成依頼

icon-hand-o-up 【メール件名の書き方】メール件名はそのままにして「履歴つき返信」を使う。

○○部長

お疲れ様です。

資料作成の件、承知いたしました。今週末までに作成の上、提出いたします。

icon-hand-o-up 【メール本文の書き方】メール本文ではまず「了解」の言いかえを使って連絡する。ほかには「承知しました」「かしこまりました」なども使える。つづいて納期を指定されていない場合、自分で設定するか、あるいは上司に「いつまでに作成いたしましょうか」などと質問する。

どうぞよろしくお願い致します。

icon-hand-o-up 【メール結びの書き方】定型分でよい。そこまでこだわる必要もないし、「恐れ入りますが」などと謙遜する必要もない。

ノマド

icon-hand-o-up 【署名の書き方】上司や先輩への社内メールに電話番号をいれたり、住所を入れたりする必要はない。名字だけでOK。

【例文③】取引先の依頼に「了解!」とメール返信

つづいて取引先など社外のヒトからの依頼にたいして「了解!」と返事をしたいときの例文と書き方。もちろん「了解です」「了解いたしました」などは使いません。冒頭で紹介した「承知いたしました」「かしこまりました」などを使います。

たとえば、以下のようなビジネスシーンを想定して使いましょう。

  1. 取引先から商品カタログ送付の依頼があったときの了解メール返信
  2. 在庫確認の依頼があったときの了解メール返信
  3. 仕事を頼まれたときの了解メール返信

【例文③】依頼に了解メール返信

メール件名:Re:Re:会議資料の作成依頼

【メール件名の書き方】
メール件名はそのままにして「履歴つき返信」を使う。

株式会社ケミカル
資材部
○○部長

お世話になります。転職のまど・営業部の山本と申します。

【メール挨拶文の書き方】
初対面の相手には「(これから)お世話になります」、面識のある相手には「(いま)お世話になっております」をつかう。この2パターンを使い分けるだけでよい。ここでは資料請求をうけたシーンで、初めての相手を想定している。

このたびは弊社製品iPhone7に関してお問い合わせをいただき、誠にありがとうございます。

ご依頼の製品カタログ送付(3部)の件につき、承知いたしました。

カタログのお届けには3-5営業日ほどいただいておりますが、
あらかじめご了承いただければ幸いです。

【メール本文の書き方】
まずは問い合わせのお礼を簡単に。つづいて依頼事項について「了解」という意味の文章を入れる。また納期も明確にしてあるとGood。

追加でご依頼事項等ございましたら、何なりとお申し付けください。

何卒よろしくお願い申し上げます。

【メール結びの書き方】
ほかにも何かあったら言ってね!を丁寧な敬語フレーズを使って文章にする。あとは定型文でよい。

************************************
株式会社転職のまど
転職事業部 転職部 営業課
山本 一郎
〒xxx-xxxx
●●県●●市●●Δ-Δ-Δ
TEL/FAX:00-0000-0000/1111
Mobile:090-0000-0000
E-mail:nomad@gmail.com
企業HP:企業のホームページURL
************************************

【メール署名の書き方】
企業に勤めているヒトは上記のような情報をいれておくとGood.

【注意】こんな間違い敬語、使ってませんか?

せっかくの機会ですので、ビジネスメールでよく使われる敬語の「意味と使い方」もおさらいしておきます(とくに例文でつかった間違いやすい敬語について)。

社会人の皆さんでも間違っていることは多々あります。恥ずかしいミスを犯さないよう十分にご注意ください。