サラリーマンが不動産投資に失敗する13の理由、失敗しないための方法

サラリーマンの不動産投資は確実に稼げる!

という勘違いした不動産投資ブログにダマされないための知識を提供する記事。

まずこういう勘違いブロガーの不動産投資歴を見たら…みんな数年くらいしか投資してないシロウトだったということ。

不動産投資って、利益を確定するまでに10年なり20年かかるシロモノだというのに(すぐに価格高騰して売り切った場合をのぞく)。

5000万円ローン組んで家賃収入が 120万円/年!!

不労所得ヤッタぁ!!

って言ったってなぁ…

10年後に不動産価値ゼロになったら、ローンの半分も回収できずに借金だけ残るやろがっ!?みたいな。

不動産投資やマンション投資は最初の数年くらいなら誰だって利益でます(カラクリは本文にて)。そこは重要じゃなくむしろ大事なのは出口戦略だということ。

ということで、

サラリーマンが不動産投資(マンション投資)に失敗する理由と、失敗しないようにするためどうしたらいいのかを語ります。

不動産投資で節税できたら、その投資は99%失敗している

サラリーマンの不動産投資にありがちな失敗事例その一。

投資=節税だと考えてしまうこと。

投資と節税はぜったいに両立しません。もし不動産投資・マンション投資で節税ができているとしたら、その投資は赤字のハズ。

節税できるのは不動産を取得した初年度だけです。そのあとの家賃収入には所得税も住民税もかかります。だって税金って「所得があるのだったらそれに比例して取る」というルールになっているのですから。

サラリーマンの年収が600万円から1000万円になったら税金がおおく取られるのとおんなじ事です。

ということでホントは「投資の失敗=節税」とするべき。

ただし減価償却(モノの劣化代)によって毎年、経費として落とせるので「家賃収入ー減価償却費ーその他経費」に対して所得税・住民税がかかる。

赤字物件でも節税によって収支プラスになる富裕層

まぁ、

サラリーマンのほかに副業の純利益が年間100億円もあって、所得税・住民税でほとんど国に献上している。それなら、所得をへらすために赤字でもいいから経費で落ちる何かに使わなきゃ!というときにだけ節税の効果はあります。

事業収入のおおいヒトは不動産投資で赤字になっても節税効果のほうが大きいことを想定しているからやるのですね。

たとえば副業純利益のうち税金に70億円はらっていたら?

70億円で不動産投資して、まずは事業収入を30億円にする(ホントは全部経費とはいかないけど…)。そして税金が15億円におさえられればラッキー。

もともと払うべき税金70億円 → 不動産投資70億円+税金15億円

どうせ税金に消えるハズだった70億円を不動産に変えるだけで、税金はたったの15億円に!!そうすると不動産投資は55億円までの赤字なら、実質的にポケットから出ていくお金はまだプラスであるハズ。

節税のためとはいえこれを毎年やるのだから、富裕層はドンドン資産が増えて大富豪になるのですね。

つまり、

不動産やマンション投資というのは、お金があまって仕方ないというヒトがやるものあって、ビンボーなサラリーマンにはまったく向かない投資先だと言えます。

不動産を買ったときの経費は実際には減価償却(モノの劣化代)によって毎年、経費として落とす。したがって70億円で不動産を買ったからといって一括で経費にできるわけではなく「家賃収入ー減価償却費ーその他経費」にたいして所得税・住民税がかかる。
所得税・住民税の計算はテキトーですし、不動産取得税なども追加でかかります。あくまでも例え。
副業収入がとんでもない金額(たとえば1億円/年とか)だったら、節税のために不動産投資することをオススメします。

管理費を計算していない・経費を甘く見ている

サラリーマンの不動産投資にありがちな失敗事例その二。

現金1200万円でマンションを買い、家賃収入が10万円/月×12=120万円だった!利回り10%、不労所得バンザイ!

だけど…

管理費1.5万円・修繕積立金0.5万円だったら?

実際にはいってくる家賃収入は8万円/月×12=96万円/年になるハズ。

すると利回りは…

8%になってしまいますね。通常は管理費5%というのが不動産業界の一般的なレートですが、何も知らないと管理費15%とか明らかに相場より高い契約をふっかけられているケースあり。

不動産投資は「家賃収入≠手取り収入」です。家主の持ち出しが多いことを認識し、ランニングコストもちゃんと把握したうえで投資の利回りを計算すべき。

ちなみに、

ほかにもあるランニングコストは以下のとおり。

  1. 損害保険料(地震・火災など)
  2. PM会社費用
  3. 借入金利子
  4. いろいろな税金
  5. 出口でかかる費用(売却?建て替え?にともなう費用)

税金(所得税・住民税etc)を甘く見ている

サラリーマンの不動産投資にありがちな失敗事例その三。

税金を利回り計算にいれていない。利回り5%・家賃収入60万円/年が見込まれるマンションを買ったのに…税金と経費を入れたら赤字になった!

これもよくある失敗例。

不動産の取得および不動産収入、売却時には以下のような税金が発生します。

  • 不動産を取得したときの税金
    ①印紙税
    ②登録免許税
    ③不動産取得税
  • 不動産をもっているときの税金
    ①固定資産税・都市計画税
    ②所得税
    ③住民税
  • 不動産売却時に課される税金
    ①印紙税
    ②登録免許税(抵当権抹消が必要な場合)
    ③譲渡所得税(売却益が出た場合)
    ④所得税
    ⑤住民税

とくに忘れがちなのは所得税・住民税。サラリーマンでなにかしらの副業収入があれば確定申告して税金を追加で支払う必要あり。

マンションや不動産を買ったときの借り入れは経費で落ちませんので、家賃収入がおおければ多いほど所得税・住民税の負担額はふえます。

家賃の想定相場が高すぎる

サラリーマンの不動産投資にありがちな失敗事例その四。

つづいて、

不動産営業マンの資料では「家賃の実績2017年:平均10万円/月」と書かれているのに…

契約した瞬間に退去された!!

で、

つぎの入居者が家賃10万円/月ではまったくつかない。

で、

買ったマンションの条件に近い物件の家賃を調べたら…なんと家賃相場5万円/月だった!

しょうがないから半額バーゲンセールして家賃5万円/月でようやく入居者を確保したけど、残ったのは8万円/月の銀行融資ローン。月3万円の赤字をだしつづける物件になった。

こんな失敗もあります。

不動産業者は高く売ろうとする(手数料が多くなるため)

なぜこんなことがあるのか?

というと不動産業者が少しでも高く売りつけるために家賃をつり上げたのですよね。

たとえば身内を入居者にして家賃10万円/月にしていたとか。これではちょっとあからさまなので、友人に10万円/月で1年間住んでもらって後でキックバックするとか。

こうすれば、

すばらしく高い利回りの投資マンションがすぐに出来あがります(苦笑)。

価格が高すぎる

サラリーマンの不動産投資にありがちな失敗事例その五。

「高値づかみ」。

不動産会社の営業マンや不動産コンサルタントは正直、自分たちに都合のよいロジックしか使いません。

彼らは売ってコミッションを得ることが仕事なので、ある程度は仕方ないでしょう。ところが勉強不足だとこの営業トークにフツーにだまされます。

都合のよいロジックから、都合の悪い事実を引き出すのが投資家の仕事であると心得ましょう。

「安く買って高く売る」これはどんな投資であっても共通することです。ホイホイと決めてしまわないようにご注意ください。

不動産価格のロスを計算してない

サラリーマンの不動産投資にありがちな失敗事例その六。

「不動産価格のロスを忘れている」

たとえばマンション新築を購入して、10年で価格が新築時の60%になったとすると…1年あたりのキャピタルロス(毎年の減損損失)は4%。

もし、

これを下回る利回り(~4%)しか得られていないのであれば、差額はマルッと損失になります。たとえば利回り1%であれば3%の損失。さらには家賃収入がゼロにならない限りは所得税・住民税を払う必要あり。社会保険料も上がります。

これでは何のためにマンション投資しているのか、意味不明です。

すくなくとも、ロスを上回る家賃収入をえていなければ勝ち目はありません。※ 例外的には価格が上昇する場合もあり。

定期預金利回り0.1% << 不動産投資5%利回り!?

サラリーマンの不動産投資にありがちな失敗事例その七。

「銀行金利が0.1%以下の時代に、マンション投資で5%の高利回りが期待できます」

こんなセールストークを聞いたことがありませんか?

こんな言葉に惑わされるのであれば、マンション投資以前の問題として算数にかんする知識が不足しています。

  • 銀行の金利は元本が減らないので複利計算
  • マンション投資は元本(不動産価値)が減りつづけるので1年ごと計算。たとえば1年目=家賃収入100万円(不動産価値1000万円)、2年目=家賃収入90万円(不動産価値900万円)、3年目=家賃収入80万円(不動産価値800万円)であっても利回り10%といえる。

小学校の算数で「単位をそろえないと計算できない・比較もできない」って習いましたよね?

上記の利回り計算は、

「1メートルの金 vs. 1キロの金」をくらべて、どっちがいいでしょう?と質問しているのとおなじです。

買ってすぐに多額の修繕費用が発生!?

サラリーマンの不動産投資にありがちな失敗事例その八。

営業マンの説明では「いや~あと10年くらいは修繕なしでいけますよ!」という甘い言葉にダマされて失敗するヒトもいます。

実際には買った翌年に500万円の修繕費が必要になった!!みたいなことになれば目もあてられません。とくに古い物件にはご注意ください。

世の中、悪いヒトはいくらでもいます。これまで修繕計画どおりにやっていなかったり、売り抜けることを前提にしていたために修繕していなかったり…

たとえば給湯器・エアコン・エレベーターなどは、何度も取り替えることになります。不動産投資は初期投資だけでなく運用管理費についても注意する必要があります。

10~20年後に大赤字になっている

サラリーマンの不動産投資にありがちな失敗事例その九。

買ってから数年、利益がでるのはあたり前。でも10年後には大赤字になっているパターン。

不動産価値は一部の場所をのぞいて下がり続けます。家賃も古くなれば下がり続けます。

それでも収益を維持できますか?

不動産投資ブロガーで、たった2-3年の投資で「不動産はぜったいに稼げる!!」みたいなことを言うヒトがいます。

こんなブロガーはアホ丸出しです。

不動産投資は最初の数年はそれなりに稼げるようにできているのです。なぜなら不動産価値は数年ではおおきく変わらないし、周辺の状況もたいして変わらないから。

修繕や空室率などによって赤字リスクを抱えているのは、買ってしばらく経った後です。

そんなことも知らずにいるようでは、たんなる雑音以外のなにものでもないので無視してください。

不動産営業マンが無責任なのは「出口戦略」をちゃんと考えてないところ。

空室率が…想定よりも高かった

サラリーマンの不動産投資にありがちな失敗事例その十。

これは一瞬にしてオーバーフローする典型的な例。

かなり初歩的ではありますが、もし想定家賃10万円/月の投資用マンションを2個もっているとしてどちらかが空室となったら…

あなたの不動産における空室率は50%。

もし不動産を購入するときに2個で月15万円の借り入れローンをしていたら…5万円の赤字を垂れ流し続けるハメになります。

これではどれだけ高い利回りが見込まれるとしてもダメ。給料をローン返済にあてなければならず、何のための不動産投資だか分かりません。

空室率対策には大量のマンションを保有すればOK?

こんなことを言うと、

  • リスク分散のために100戸くらいの投資用マンションをもっておけばいい!!
  • マンション1棟をマルッと買ってしまえばいい!!

というヒトがでてきます(誰とは言いません)。なぜなら、仮に空室が一戸や二戸あっても全体の空室率をひくくすることができるから。

確かにロジックとしては成り立っているように見えますね。

でも、

「寝言は寝ていえ!!」と私は思います。

これはもう例をだせばすぐにわかります。たとえば以下2つの例からみてみましょう。

  • 100戸のマンションを買うのに50億円を10年ローンで借りたとしたら…
    ・想定家賃収入が5億円/年で空室率50%で…2.5億円の家賃収入とする
    ・家賃でまかなえなかったローン返済金額2.5億円/年は?サラリーマンの給料じゃ払いきれない
    ・仮にうまく全部を買値で売却できたとしても…借り入れ50億円にたいする利子分は自腹
  • 2戸のマンションを買うのに1億円を10年ローンで借りたとしたら…
    ・想定家賃収入が0.1億円/年で空室率50%で…0.05億円の家賃収入とする
    ・家賃でまかなえなかったローン返済金額0.05億円/年はサラリーマンでは払いきれない
    ・仮にうまく全部を買値で売却できたとしても…借り入れ1億円にたいする利子分は自腹

保有する不動産は少ない方がローリスク(ローリターン)

ということで、

借り入れ金額がすくないほうが圧倒的に低リスク(ローリターン)。2戸マンション運用の損失は100戸マンションより明らかに少ない。

もちろん稼ぎもすくなくなるのだけど…

こんなものは投資とはいわず単なるギャンブルです。投資は理論が確立されているから投資であって、理論のない投資は競馬やパチンコとおんなじこと。

そして間違った投資理論をふりかざすヒトはもっと最悪で、詐欺師という。

借り入れ額が多すぎ!!

サラリーマンの不動産投資にありがちな失敗事例その十一。

サラリーマンが不動産投資のカモになる理由は…

ローンと利子をカバーできなくても、サラリーマン年収から持ち出して返済にあてることができるから。

もし持ち家の住宅ローンがなく、それなりの大企業にお勤めであれば銀行はホイホイと融資してくれます。

銀行にとってみれば、

あなたに5千万円くらい融資したとして仮に不動産価値が50%になったとしても、貸し倒れるリスクは低くサラリーマンの給料があれば返済できます(自宅の住宅ローンがなければですけど…)。

借り入れ+利子をうわまわるリターンが期待できれば借り入れはいくらしてもいいのですが…不動産投資やマンション投資にそこまでのリターンはありません(海外投資は別)。

建替え・出口戦略を考えていない

サラリーマンの不動産投資にありがちな失敗事例その十二。

20年後の出口戦略というか、ゴールというかをまったく考えてない。

出口を考えるのはどんな投資においても常識なのですが…

不動産投資においては ①売るか、②建て替えるか、という一見するとシンプルな出口が想定できます。

でも実際には「株のようにパッと売ればOK」「建て替えればOK!!」では済まされません。

マンション投資であれば建替えは、

所有者および議決権の各4/5以上の多数の賛成がないと決議できません。これは絶対にすんなりといかないでしょう。

不動産を売るにしても、

基本的に古くなった不動産は中古市場でパッと売れる保証など、どこにもありません。むしろマンション余りのなかで、古い中古住宅が売れればミラクルと言えるでしょう。

※ ただし「戸建て+土地付」「マンション1棟保有+土地付」であれば出口戦略はラク。あくまでもマンション投資の場合。

その他いろいろ

サラリーマンの不動産投資にありがちな失敗事例。

その他にもあるイロイロな悩み。

  1. 入居者の家賃滞納
  2. 夜逃げ
  3. 自殺など
  4. 入居者がめちゃくちゃ
  5. ヤ○ザが入居
  6. 外国人トラブル
  7. 地震により壊滅(地震保険は高スギ)
  8. 台風や洪水・天災により倒壊

最大の失敗 = 不動産営業マンにすべてを任せる