「お世話になっております」社内電話・メールではNG?正しい使い方

「お世話になっております」「お世話になります」って社内の人に電話・メールするときに使える?という疑問を解消するための記事。

まず結論から、

「お世話になっております」「お世話になります」の使い方は、

  • ◎正解|社外メール冒頭の挨拶に使う
  • ◎正解|社外からの電話の挨拶に使う
  • ◎正解|社外・商談の挨拶に使う
  • ◎正解|社外・名刺交換の挨拶に使う
  • ×NG|社内メール・電話では使わない

となります。そして社内の電話・メール挨拶に使う言葉は「お疲れ様です」「こんにちは・おはようございます」が一般的。ただし会社の文化にもよりますので、上司や先輩に確認してみるとよいでしょう。

「お世話になります」「お世話になっております」は初対面・面識あり、のどちらであっても使えます。また、「平素よりお世話になります・お世話になっております」「いつもお世話になります」は面識のある相手にのみ使います。

ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、敬語としての意味や、正しい使い方について詳しくみていきましょう。

※長文になりますので、時間の無い方は「パッと読むための見出し」より目的部分へどうぞ。

「お世話になっております・お世話になります」の意味

まずは「お世話になっております」「お世話になります」の意味を考えてみましょう。

もとは「世話になる」という言葉であり、これの丁寧な敬語表現が「お世話になります・お世話になっております」です。ということは「世話になる」の意味を考えてみるとよいわけですね。

「世話になる」の意味

「世話になる」の辞書的な意味は「人の援助を受ける・人のやっかいになる」であり、「友人の世話になる」「子供の世話がやける」「その節はお世話になり、ありがとうございました」などとして使われます。

つまり、メールや電話で挨拶として使われる「お世話になっております」は「援助をもらっています」ということになります。

「いつもお世話になっております」だと「いつも援助をもらっています」の意味であり、

「いつもお世話になり、ありがとうございます」だと「いつも援助をもらい、ありがとうございます」の意味となります。

本来の意味は薄れ「ビジネスの挨拶」として定着

先ほどまでみてきたように「お世話になっております」の本来の意味は「援助をうける」です。したがって、これから取引をする、もしくはすでに何かのビジネスがある場合に「お世話になる・なっている」を使うのが、本来あるべき姿なのです…。

ところが実際には、相手の世話になっていなくても(ビジネスがなくても)使われます。本来の意味はだんだんと薄れ「丁寧な挨拶表現」として使われているのです。

そして今では「こんにちは」「お疲れ様です」などの代わりに使う挨拶として、

「お世話になっております」が定着しています。

「お世話になっております」の敬語解説

念のため「お世話になっております」が敬語として正しいことを確認しておきましょう。

  1. 「世話」に謙譲語「お」で「お世話」
  2. 「いる」の謙譲語「おる」+丁寧語「ます」

「お世話になります」の敬語解説

つづいて「お世話になります」も敬語として正しいことを確認しておきましょう。

  1. 「世話になる」に謙譲語「お」で「お世話になる」
  2. 丁寧語「ます」

※「お世話になっております」のほうが「お世話になります」よりも丁寧レベルは上。理由は「~おります」という謙譲表現を使っているからです。「なります」は丁寧語「ます」だけを使っています。

※「いる」は現在形、「なる」は現在・未来の両方を表せる、ということで「(今)お世話になっております」「(今~今後)お世話になります」という違いがある、という主張もあります。が、実際にはどちらでも構いません。

「お世話になっております・なります」の使い方

「お世話になっております」の意味は「援助を受ける」ですから、社外の人に使っても、社内の人に使っても間違いではありません。社外だけでなく、社内の人にだって援助をもらって、私たちの仕事は成り立っているわけですから。

でも実際には、社外のメール・電話・商談で挨拶に使い、社内の人を相手には使いません。

  • ◎正解|社外メール冒頭の挨拶に使う
  • ◎正解|社外からの電話の挨拶に使う
  • ◎正解|社外・商談の挨拶に使う
  • ◎正解|社外・名刺交換の挨拶に使う
  • ×NG|社内メール・電話では使わない(お疲れ様です。などを使う)

【例文①】社外メールでの使い方とポイント

株式会社転職
転職 様

平素よりお世話になっております。就活株式会社の就活です。

 icon-hand-o-up 「平素より~」は面識のある相手に使う。初対面の相手にメールを送るには「お世話になっております」を挨拶に使い、メール本文では「突然のご連絡、大変失礼いたします」を使う。

~後略~

【例文②】就活メールでの使い方とポイント

株式会社転職
人事部 採用チーム
転職 様

お世話になっております。就活大学・就活学科の就活太郎と申します。

突然のご連絡、大変失礼いたします。貴社のホームページを拝見し、連絡いたしました。

~後略~

 icon-hand-o-up 初対面の相手にメールを送るには「お世話になっております」を挨拶に使い、自己紹介を簡潔にする。「~申します」は名乗るときに使う謙譲語。メール本文では「突然のご連絡、大変失礼いたします」を使う。

~後略~

▼「世話になる=援助をもらっている」なので、初対面には不適切だとする主張もあります。が、ビジネスシーンでは「こんにちは」の代わりに「お世話になります」を使うため問題ありません。気になる方は「突然のご連絡、大変失礼いたします。~と申します」としましょう。

「お世話になっております」の他にも使える言い換え表現

つづいて「お世話になっております」以外にも使える挨拶表現のまとめ。場面ごとに使い分けができると、より素晴らしいメールになるでしょう。

  • いつもお世話になり、誠にありがとうございます(面識のある相手のみ)
  • 大変ご無沙汰しております(連絡期間が空いたときのみ)
  • 先般は○○の件でお世話になり、誠にありがとうございました(具体的にお礼を述べる)
  • 平素は格別のご高配を賜り、深くお礼申し上げます(形式ばった言い方)
  • いつもご愛顧いただき、ありがとうございます(形式ばった言い方)
  • 突然のご連絡、大変失礼いたします(はじめての相手に送るメール)

なぜ「お世話になっております」を社内で使わない?

つづいて「お世話になっております」を社内メール・電話で使わない理由を述べていきます。

長くなりますので、ご興味ある方だけどうぞ。

社内=ウチ、社外=ソトの使い分けが必要

敬語って本当にややこしくて、とにかく目上の人に敬意を示せばいい、というものではなく、相手の立場、自分の立場、ウチ・ソト(身内と外)の関係を考えながら、ふさわしい表現を使わないといけないのです。

「上司には必ずこの表現を使え!」「就活メールでは必ずこの表現を使え!」と決まっているものではなく、正解がありません。相手が丁寧だと感じたらそれでOK、そうでなければNG、というように感覚的な部分も多くあります。

さて話は逸れましたが、

ビジネスシーンでは「社内=ウチ(身内)、社外=ソト(外)」と考えます。

たとえば、

社外の人に対しては、あなたの会社の役員であろうと社長であろうと「社長の佐藤が申しておりまして・・・」のように、呼び捨てを使い、社外の人をたてるために謙譲語を使います。社外の人に対しては、社内の役員をたてる尊敬語「佐藤社長がおっしゃいました」は使いません。

もっとわかりやすい例として、

他人に対して自分の父親のことを話すとき、「お父さん」は使わず「父」を使います。身内のことは呼び捨てを使うことでへりくだり、必ず相手をたてます。

社内は身内であるため、不必要に丁寧すぎるのは悪

社内でも部下⇔上司などのように、目上⇔目下の上下関係はあります。ですがビジネスシーンでは社内の人は全員、あなたの身内と考えます。

社内で「お世話になっております」を使うことは、おなたの父親に対して「お世話になっております」を使うことと同じ。

父親が子供を「世話する」のは当たり前のことで、わざわざ言うまでもないことです。

それと同じロジックで社内の人に「お世話になっております」を使うのはおかしい、ということになります。上司が部下の「世話をする」のは、身内としてあたり前のことなのですから。

社内の人には一般の常識内で敬語を使う

ということですので、「お世話になっております」だけでなく、不必要に丁寧な表現を社内の人に対して使うのは、本来のビジネスマナーとしては「?」が残ります。

社内では一般社会の「目上⇔目下」で使われる敬語の、常識の範囲内で使えばいいということになります。

社内メール・電話では「お疲れ様です」などを使う

長々と書いてしまいましたが結論としては、社内同士のメール・電話で「お世話になっております」は使いません。ビジネスとは関係のない日常シーンで「目下 ⇔ 目上」に使う敬語を、一般の常識内で使えばいいのです。

そこで「お世話になっております」の代わりに使える表現をまとめておきます。

  • お疲れ様です(社内メール・電話の挨拶)
  • こんにちは(〃同上)
  • おはようございます(〃同上)

「こんにちは」などの挨拶は時間帯を選ぶため、実際には「お疲れ様です」が使われるケースが多いですね。

「(いつも)お世話になっております」の使い分け

ところで「お世話になっております」と同じような表現には、「いつもお世話になっております」「平素よりお世話になります」「いつもお世話になり、ありがとうございます」「お世話になります」などがあります。

これらの使い分け方法を、まとめておきます。

  1. 相手と初対面;
    「お世話になっております」「お世話になります」
  2. 相手と面識あり;
    「いつもお世話になります」「いつもお世話になっております」「平素よりお世話になっております」「いつもお世話になり、ありがとうございます」
  3. 初対面でも、面識ありでも使える
    「お世話になります」「お世話になっております」

※「いる」は現在形、「なる」は現在・未来の両方を表せる、ということで「(今)お世話になっております」「(今~今後)お世話になります」という違いがある、という主張もあります。が、実際にはどちらを使っても構いません。

注意!会社・部署ごとの文化があるため、必ずご確認を!

と、ここまでは一般の常識を解説しました。

ただし、これはあくまで一般常識であり、会社や部署ごとに規律があるのも事実。

具体的には、

お堅い業界(銀行業界・インフラ業界など)。

上下関係の厳しい会社。

社外の人とあまり接点がなく、ウチ向きの仕事が多い間接部門(経理・人事など)の部署。

などで、社内敬語が不必要に丁寧になるケースがあります。

これから新卒を迎える学生、転職者は必ず、入社してから先輩や上司に確認しましょう。

まとめ

これでもかというくらい「お世話になっております」「お世話になります」について語ってみました。

ぜひ、ありとあらゆる場面を経験し、使い方をマスターしてください。頭でどうこうなるものではないので、ビジネスシーンで場数を踏んでくださいね。ではでは~~。

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