日本年金機構『職員・事務職』は年収低い?

日本年金機構『正規職員/事務職』の年収を、みやすいようにテーブルにてまとめておきます。①残業代なし年収、②残業代込み年収、③役員報酬、④福利厚生についてそれぞれ見ていきましょう。

①年齢ごとの年収目安(残業代・各種手当て別)

日本年金機構『正規職員/事務職』における最速出世組の年収をまとめます。地域調整は+10%を想定。

年 齢 役 職 年 収 基本給
万円/月
ボーナス
月数/年
初任給
学部卒
地域調整
ゼロ
280万円 17.67 3
初任給
学部卒
都内 307万円 21.2 3
学卒5年目
27歳
なし 432万円 22.5 4
(※2)
学卒8年目
30歳
主任 380万円 25 4
学卒15年目
37歳
調査役
係長クラス
480万円
(※1)
30 4
学卒18年目
40歳
管理職
課長
752万
(※3)
47 4
学卒23年目
45歳
管理職
所長
 880万円 55 4
学卒28年目
50歳
部長級 1024万円 64 4
学卒33年目
55歳
取締役
理事
1200~1300万
理事長 1555万円
55歳 出向
は少ない
年収カット
約2~3割減
人による
60歳 出向
は少ない
300万円 人による

(※1) 管理職から残業代ゼロになる。
(※2) 年収はボーナス額で変動するが、その差は微々たるものであり現実的には年3~5ヶ月分くらい。管理職以降はボーナスの振れ幅が大きくなる。
(※3) 公開資料によると『課長・所長級の年収587万円~1027万円』となっている。年収750万円以下の管理職は55歳以上の年収カット社員と推測。

②役職ごとの目安年収(残業代・各種手当て別)

つづいて日本年金機構『正規職員/事務職』の役職ごとにおける年収目安。ホームページで公開されている2015年度の年収をもとに作成しています。基本給は、昇格後すぐ~Max昇給の幅を持たせています。

年 齢 役 職 年 収 基本給
万円/月
ボーナス
月数/年
初任給
学部卒
地域調整
ゼロ
280万円 17.67 3
初任給
学部卒
都内 307万円 21.2 3
学卒5年目
27歳
なし 360万円 22.5 4
(※2)
学卒8年目
最速30歳~
主任 380~480万円 25~30 4
学卒15年目
最速37歳~
調査役
係長クラス
480~640万円
(※1)
30~40 4
学卒18年目
最速40歳~
管理職
課長
752~880万
(※3)
47~55 4
学卒23年目
最速45歳~
管理職
所長
 880~1024万 55~64 4
学卒28年目
最速50歳
部長級 1024~1200万 64~75 4
学卒28年目
50歳
取締役
理事
1200~1300万
理事長 1555万円
55歳 出向
は少ない
年収カット
約2~3割減
人による
60歳 出向
は少ない
300万円 人による

※日本年金機構における「理事」「理事長」の役職は独立行政法人、官僚(厚生労働省)の天下りが多い。理事長は2017年時点でプロパー。

③残業代込みの目安年収(月30h残業と仮定)

大企業の平均的な残業時間30H/月と仮定し、残業代込の年収をまとめます。管理職以上は残業代ゼロになります。基本給は、昇格後すぐ~Max昇給の幅を持たせています。

年 齢 役 職 年 収 基本給
万円/月
ボーナス
月数/年
~30歳 なし ~450万円 ~24 4
(※2)
学卒8年目
最速30歳~
主任 460~560万円 25~30 4
学卒15年目
最速37歳~
調査役
係長クラス
560~740万円
(※1)
30~40 4

※管理職以降は残業代ゼロのため省略

④注意点

【注意①】年収はボーナスの額により変わる(ここではボーナス4.0ヶ月/年の想定)。会社の業績と個人の成績にある程度は連動しているが、実際のところは、組合員であれば3.8~4.4ヶ月で安定。管理職以降は個人差が出てくるものの、それでも3.0~5.5くらいの幅でしか動かない。

【注意②】同期入社であれば30歳:主任までは年収に差がつかない。差がつくのはそれ以降。

【注意③】管理職になると残業代はゼロ。

【注意④】ピラミッド型の役職であり、どこかで出世につまづくと年収は伸びない。出世には「学歴」「減点の過多」「上司へのごますり」など全ての要素が必要である。

日本年金機構の福利厚生

日本年金機構『正規職員/事務職』の福利厚生まとめ。

  1. 独身寮|あり、家賃は数千円/月
  2. 社宅|あり、家賃は1万円/月程度
  3. 世帯手当|あり、金額は不明
  4. 住宅補助
    ・社宅のない勤務地では住宅補助がある
  5. 残業代
    ・管理職以降は年棒制であり残業代ゼロ
  6. その他の福利厚生|通勤手当、出張手当、外勤手当など
    ・昼食代が月3000-5000円くらいの負担で済む
  7. その他の注意事項
    ・地域手当あり。東京の都心がMaxで基本給に対して+20%。勤務地が田舎になるにつれて減っていくシステム。

まとめると日本年金機構の福利厚生は普通の大企業よりもよい。

福利厚生込みの年収を知りたい方は残業代込み年収に、福利厚生の金額(おおむね50-100万円/年くらい)を加算しましょう。

元政府系機関の中でどのくらい?

日本年金機構『正規職員/事務職』の年収は政府系機関の中では中の下」です。昇給ペースが遅すぎるしボーナスも少ないため、管理職までは残業代で稼ぐしかない状況。

また元政府系機関でみたときのランキングは「日本銀行 > 国際協力銀行 > 日本政策金融公庫 >>> 日本年金機構」となります。

よく日本年金機構は年収低いと言われますが、確かに年収は低い。地方公務員よりも低い可能性があります。

他業界と比べてみると…

大企業の総合職にはまったく及ばず、大企業の一般職と同じくらいの年収ではないかと想定します(どこまで出世するかによりますが…)。

→ 年収ランキングは当てにならない!メガバンク生涯賃金vsメーカー比較。真の高年収はどっち?

→ 銀行員(メガバンク)の年収ランキング。30歳・40歳・50歳の年収は?

日本年金機構の社員クチコミ・評判

日本年金機構『正規職員/事務職』の「①激務度・ブラック度」「②年収事例」「③キャリアパス(出世の難易度)」「④その他」「⑤福利厚生」に関して情報をお持ちの方へ。「コメント欄」にてご教示いただければ幸いです。

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【2016年】独立行政法人の年収ランキング

『日本年金機構『職員・事務職』は年収低い?』へのコメント

  1. 名前:S.Yamashita 投稿日:2017/09/02(土) 00:33:25 ID:799f94804 返信

    貴ブログをつねづね興味深く拝読しております。
    この記事でも(独立行政法人全般は比較的オープンにしているとはいえ)わかりにくかった待遇面についての詳細について知ることができ、大変参考になりました。
    私としては、「就職偏差値ランキング」でも取り上げておられた、都市再生機構や石油天然ガス・金属物資源機構等についても大変興味があるのですが、貴ブログにおけるこうした記事に比肩するほどの詳細情報を見つけられずにおります。
    日々お忙しいことと思いますが、今後UR・JOGMEC等の年収・待遇等についてもご解説いただけましたら幸いです。
    よろしくお願いします。