シェアしていただけると嬉しいです^ ^

3分でわかる化学業界。今後の動向と将来性まとめ【2016年版】

スポンサーリンク

就職活動と転職に必要な業界分析の話題。今回は「化学業界の動向と将来性」について語っていきます。

化学素材メーカーはグローバルにビジネスを展開していて国内ばかり見ていても無意味。世界全体の話から入ろうと思います。

スポンサーリンク

化学業界の現状と今後(世界)

◎化学品マーケットの世界規模【2012年】:約300兆円 *為替1$=100円

◎地域ごとの売上シェア:

  • 中国:27%(成長率6%前後)
  • 中国以外のアジア:25%(成長率7%前後)
  • 北米、中南米:24%(成長率2%前後)
  • 欧州:24%(成長率1%前後)

*医薬品除く。
*出典;ICISデータを参照、翻訳

▼▼▼▼▼▼

全世界の化学素材マーケット成長率は世界GDPの成長率と同じで3%前後くらいになる。人がいるところには必ず化学素材の需要があり、それはどこの国であっても同じ。GDPが伸びる国は同じくらい化学素材メーカーの売上げも伸びる。

世界を見ると有力化学メーカーは高機能商品へのシフト、M&A、原油が安い国への生産拠点拡大を実施している。*DupontとDaw Chemicalの事業統合発表が記憶に新しい。一つの国に総合化学メーカーは1社で十分。

事業領域の重なる会社は統合が進み規模拡大と利益率改善の両方を達成していくだろう。

【参考:化学素材メーカーの売り上げ世界ランキング2016年版】

化学業界の現状と課題(日本)

◎日本の化学業界概要【2015年】

  • 産業規模:約27兆円(自動車産業に次いで2位)
  • 経常利益:約2兆円
  • 従業員数:約16万人
  • 平均年齢:約41歳
  • 平均年収:約610万円
  • 業界成長率の見込み:2.5%年

*主要化学メーカー195社の合計です。

▼▼▼▼▼▼

日本は化学メーカーの数が多すぎることが課題。これは財閥解体と独占禁止法の歴史まで辿らないといけなくなるので控えておく。

営業をしていると分かるのだが、私たちの競争相手は中国・台湾・韓国メーカーではなく日本メーカー。日系メーカー同士で競合して値段を下げあっているというどうしようもない状況…

喜ぶのは高品質の素材が安く買える海外のお客さんだけ…

とにかく国内独占禁止法と労働基準法があるせいで日系化学メーカーの統廃合がなかなか進まない課題を抱えている。国内メーカー数が半分になるだけで各社の利益率は倍以上になると思う。もちろん雇用もかなり失われるが…

参考:化学素材メーカー国内の売り上げランキング

国内のマーケットは頭打ち、輸出も限界がある

各企業は国内事業所の統廃合、不採算事業の整理、撤退などを積極的に進めている。2012年以降、日系化学メーカーの業績が上向いたのは円安による輸出好調が大きい。しかし国内生産で輸出というのは付加価値商品にだけ通用する方法。

旧三大財閥が手がけるエチレンやその他ポリオレフィンなどの汎用樹脂には通用しない手段。付加価値商品を国内で生産し輸出するか、原油の安い地域で汎用樹脂を生産する方向が正しい。

ちなみに中国の石炭から作るエチレンやその他化学品(カーバイド法といいます)はかつての日本がそうであったように今後競争力を失う。中国は世界で最も製造コストの高い場所である。←このあたりをみんな間違えている。

1990年~2016年の主な事業統廃合ニュース;

・1994年 三菱化成と三菱油化が合併し三菱化学が発足
・事業統合会社(ジョイントベンチャー)の設立;
塩ビ樹脂→大洋塩ビ、新第一塩ビ
ポリオレフィン→日本ポリオレフィン、グランドポリマーなど
・1997年 三井東圧化学と三井石油化学工業が合併し三井化学か発足
・2004年 出光石油化学と出光興産が合併
・2005年 三菱化学と三菱ウェルファーマ(現・田辺三菱製薬)が三菱ケミカルホールディングスを設立。その後、三菱樹脂、三菱レーヨンを傘下におく。
・2014年 鹿島コンビナート、三菱化学エチレン2基中1基停止
・2015年 京葉コンビナート、住友化学がエチレンプラント停止、撤退
・2016年 水島コンビナート、旭化成エチレン停止、三菱化学と共同運営

海外のマーケットは途上国が急成長

中国は頭打ちでインド、アフリカが成長著しい。

このマーケットにどこまでプレゼンスを発揮できるかが各社業績の鍵を握る。

化学素材メーカーの将来性(日系企業)

ビジネスの本質を捉えている企業が生き残る。

普通すぎるコメントですが具体的にはこのような戦略を展開する企業。化学業界自体はまだまだ伸び白があり、将来性がある。

①原料の安い国にメイン生産拠点を構え汎用樹脂で勝負

米国の信越化学工業(どこまでシェールガスによる原料安が続くか不透明)。サウジの住友化学。東南アジアの旭硝子など。

原油やガスが安い国で生産しないと汎用樹脂は話にならない。

②付加価値の高い商品で勝負

日東電工住友化学偏光板ダイセルたばこフィルター東レ炭素繊維

日産化学工業、JSR、日本ゼオン、富士フィルムクラレ積水化学工業三菱レイヨンなどの特殊フィルムを製造する企業。特殊フィルムは中国・韓国メーカーがコピーするにはあと20年以上かかる。*特許と現場製造技術・ノウハウに守られている。

または富士フィルム、日本化薬、東ソー信越化学工業三菱ケミカルHD旭化成デンカなどが目指す医薬・ヘルスケア品分野。どの日系メーカーもこの分野に取り組んでいるが、欧米系の会社が先行していた。まだまだこれからという感じ。

またはニッチ分野トップ企業として、日油、日本触媒、ナミックス(非上場)なども有望。

化学素材メーカーは一部の潰れそうなメーカーと汎用品ばかりやっているメーカーを除き、どの企業もあと30年くらいは安泰。ビジネスなので浮き沈みは当然あるが、あなたの生きている内になくなることは想定できない。

詳しくは「将来性のある化学素材メーカーまとめ」で触れている。

③事業統合、M&A、規模縮小、ダウンストリーム戦略

日本企業はリストラをしないために、欧米の会社のように素早く進められないがゆっくりとは進捗している。日本の総合化学メーカーは1社に統合されるべき。

各社統合したい気持ちはあっても独占禁止法と労働基準法が邪魔をして上手くいかない…商売は日本ではなく世界。

日系メーカーは国内のちまちましたマーケットを目指しているのではない。日本政府は早く法律を改正すべき。

④輸入品が入ってこない液モノ商売を国内で展開

コニシ、東亞合成などの接着剤業界は伸びはしないが輸入品との争いがないので安定している。液モノはどんなに安い中国品でも輸送コストと港にタンクが必要で輸入品はコスト高になる。

日系接着剤メーカーも需要の大きい中国やベトナム、タイに生産拠点を持っているが、現地メーカーとはコスト的に戦えず苦しい状況。国内で稼ぎ海外で赤字を出すという最もやってはいけないパターンに陥っている。海外事業を辞めればいいのに…

おまけ:世界No.1じゃない商品は「弱小」と呼ぶ

おまけとして化学業界における商品の位置付けを解説しよう。

  • 世界No.1 = 素晴らしい
  • 世界No.2 = 弱小だがチャンスはある
  • 世界No.3以降の商品 = 弱小。他との合併しか道は残されていない
  • 日本国内No.1 = 公表するのすら恥ずかしい、貧弱なビジネス

例えば自動車における世界No.2フォルクス・ワーゲン、これには価値がある。誰もフォルクス・ワーゲンのことを「弱小メーカー」とは呼ばない。

しかし化学素材の炭素繊維で世界No.2の帝人、ほとんど価値なし。炭素繊維という分野において世界No.1東レ以外は弱小メーカーと呼び、単なる脇役程度。

論理だてて説明することは難しいが、化学素材分野において世界No.1と世界No.2にはコイキングとギャラドスくらいの戦力差がある。だから何とかしてその分野において世界No.1を目指すのである。

このあたりの事情は以下の記事に詳しくまとめてある。

追記:自動車業界の動向と将来性まとめ

スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアしていただけると嬉しいです^ ^

フォローして頂くと更新を見逃しません