化学素材メーカーの売上ランキング【就活と転職の話題】

就職活動や転職の際に化学業界の全体像が必要だと思い、化学素材メーカー(日系)の売上げランキングをまとめてみました。2014年度の各社決算数字から抜粋しています。2015年度決算は出揃っていないため、これが最新の数字となります。*2016年5月10日時点

2016卒・2017年卒で就職活動をする新卒学生や、転職活動者のご参考になりましたら幸いです。

化学素材メーカーの売上ランキング上位40社
【2014年度実績】

単位は億円です。化学以外にも「ガラス・土石」「繊維」も含んでいます。また、2015年度実績は各化学素材メーカーの決算数字が出揃っていないためもう少し後にまとめます。2016年5月中旬が決算ラッシュでしょうから6月頃に思い出したらまとめますね。

No.
社名
2014年度
売上
(億円)
営業利益
(億円)
営業利益率 純利益
(億円)
自己資本比率
1 三菱ケミカルHD 36,562 1,656 5% 608 22.7%
2 富士フィルムHD 24,926 1,723 7% 1,185 62.8%
3 住友化学 23,766 1,273 5% 521 27.5%
4 旭化成G 19,864 1,579 8% 1,056 53.7%
5 東レ 18,378 1,053 6% 596 40.5%
6 三井化学 15,500 420 3% 172 28.8%
7 花王 14,017 1,332 10% 795 54.9%
8 旭硝子(AGC) 13,483 440 3% 159 53.6%
9 信越化学工業 12,555 1,853 15% 1,286 79.9%
10 積水化学工業 11,127 857 8% 529 53.3%
11 昭和電工 8,765 209 2% 35 29.7%
12 太平洋セメント 8,428 654 8% 441 29.1%
13 DIC 8,300 410 5% 251 31.1%
14 日東電工 8,252 1,067 13% 778 71.5%
15 帝人 7,862 391 5% -81 34.9%
16 資生堂 7,776 276 4% 336 47.0%
17 東ソー 7,722 415 5% 295 30.4%
18 エア・ウォーター 6,605 361 5% 207 41.3%
19 宇部興産 6,417 241 4% 146 37.0%
20 日本板硝子 6,267 223 4% 16 19.1%
21 大陽日酸 5,593 352 6% 207 40.5%
22 ユニ・チャーム 5,536 613 11% 327 60.0%
23 カネカ 5,522 246 4% 180 53.5%
24 TOTO 5,445 374 7% 248 52.3%
25 日立化成 5,339 351 7% 211 65.4%
26 三菱ガス化学 5,295 149 3% 443 47.7%
27 ダイセル 4,438 513 12% 313 57.3%
28 クラレ 4,114 402 10% 212 68.7%
29 JSR 4,040 380 9% 299 67.0%
30 デンカ 3,839 240 6% 190 46.9%
31 日本ガイシ 3,786 615 16% 415 55.8%
32 日本触媒 3,748 261 7% 190 63.2%
33 ライオン 3,673 124 3% 73 42.6%
34 東洋紡 3,512 205 6% 81 33.9%
35 関西ペイント 3,493 315 9% 204 59.2%
36 日本特殊陶業 3,476 621 18% 367 70.2%
37 日本ゼオン 3,075 282 9% 190 52.9%
38 トクヤマ 3,020 195 6% -653 29.3%
39 東洋インキ 2,866 182 6% 133 56.9%
40 日本ペイント 2,605 337 13% 1,814 59.2%

化学素材メーカーの売上げは大きく変動しない

化学素材メーカーのビジネスは、工場をフル稼働させることが前提で成り立っています。今年は工場稼働率30%だったけど来年は120%を計画している、などといった事はまずあり得ません。←こんな状況であれば巨大な設備を持つ化学メーカーは一瞬で潰れてしまいます…

そこで毎年ほぼフル稼働を前提とした売上を見込んでおり、足りなければ何とかフル稼働にするべく、粗利益が赤字であっても原料代だけ回収できていれば(限界利益がとれていれば)安売りします。従って、売上げは年次による変動が少ないです。←利益は別。

また化学メーカーは産業に必要な素材を提供することがメインで、手がけている商品にもよりますが、一般的にお客さんの顔ぶれはかなり広いです。さらにはビジネスもグローバル。これも売上げの変動が少ない理由。

従って、大きなM&A、設備増設や大恐慌がなければ年次による売上げの変動幅は小さく安定です。

売上高に効いてくる主な要因は「円安・円高=円安になると売上げが増える。海外売上のドルを円に換算するため」「原油価格=原油価格が下がれば値下げをするため売上げも減る」「その他基礎化学品の価格」ですかね。

  • 化学メーカーのビジネスは売上げの変動が少なく、安定している←利益は別
  • 化学メーカーは工場フル稼働の達成が一番重要。
  • 化学メーカーはデンソーにおけるトヨタのように、ひとつのお客さんに頼るビジネスではなく、トヨタ、日産、ホンダ、HYUNDAI、BMW…全世界のメーカーに素材を売るビジネス。

「化学」「ガラス・土石」「繊維」が含まれます

上表のデータは化学業界以外にも「ガラス・土石」「繊維」業界を含みます。化学素材メーカーのくくりにはこれらの業界も含めて考えるべきかなぁ、という個人的な見解です。*ただし明らかに素材メーカーでないアパレル関係会社、化粧品会社は除く。

データの見方

上表のデータ見方についてコメントしておきます。

  • 単位:億円。それ以下は全て切り捨て
  • データ出典:各企業の決算短針より抜粋しています。
  • 売上:各企業の2014年通年での実績です。化学メーカーにおいて売上げはそこまで大事ではないですが、規模感もそれなりに出す必要があります。
  • 営業利益:営業利益が多い会社が優良です。
  • 営業利益率:営業利益率が10%を超える企業は優良で、付加価値の高い製品が多いということが言えます。
  • 純利益:営業利益が企業の実力を反映するには一番よいのですが、一応載せておきます。
  • 自己資本率:企業の経営について安定性・将来性を見る指標です。一般的には自己資本比率が40%を超えていれば優良企業、70%を超えていれば超優良企業。