化学メーカー営業の激務な仕事内容。第1話

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学歴がどうであれ、社会人になったら上も下もない。失態を犯せば、どんな人でも平等にお客さんに罵られる、というつらい話をしようと思います。

えっ、そんなの化学メーカーの志望動機を作るのに役立つの?営業マンの苦労話なんて要らないよ…

ツッコミが聞こえてきそうですね、ごめんなさい。就活や転職の志望動機には全く役に立ちませんm(_ _)m

化学メーカー営業マンとして、苦労したこともちゃんと書いておかないとなぁ…という完全な備忘録です。

ちなみに、激務な商社マンの仕事1コマはこちらのシリーズにしました。同じ出来事を取り上げていますが、商社マンと化学メーカー営業マンではアクションが違うのです。
http://nomad-salaryman.com/distributor-gekimu-vol-1

だって人間だもの

完璧な仕事ロボットがいればいいのですが、ビジネスは人間が動かしている以上、避けられないこと。それが「ヒューマンエラー」なのです。ヒューマンエラーなどと、横文字でカッコつけちゃいましたが、要するに「人間の凡ミス」のことです。

なにもトラブルが無ければ営業マンは必要ないし、普段はやる事が少ない楽な化学メーカー営業の仕事。でも、ごく稀にとんでもないミスをやらかして瞬間的に激務になってしまうのです。

鳴りっぱなしの電話…

定時間際になって、「さぁ今日の夜は何を食べようかなぁ…」という時に突然電話が鳴りっぱなしの状態に!私は定時過ぎての電話は、携帯電話であろうが出ません。大抵の事はどうでもよい内容だからです。

しかし、あまりに鳴りっぱなしの電話には「これは…完全に何かのトラブルだ!」と察知して電話をとります。

案の定…商社マンが声色を変えて話します。

まずい。間違った商品を届けてしまった!

商社マン「◯◯さん、やばいです。お客さんに届けた商品が間違った銘柄だったようで激怒してます!このままだと、原料(私が本来届けなければいけない商品)の在庫が無くなってお客さんの工場が停まります。助けてくださいm(_ _)m」

「承知しました。大至急、差し替えの手配します!」

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誰のミスでこのような事態が発生したかはまず置いて、お客さんの工場を停めないためにベストを尽くすのが正解。犯人探しをしていると、貴重な時間があっという間に過ぎてしまい「お客さんの工場停止」という営業マンにとって最も最悪な事態に発展するからです。

お客さんの工場停止=うつ病の原因

原料サプライヤーである化学メーカーの責任でお客さんが工場停止になった場合、当然、その損失をすべて請求されます。「◯億円の損害賠償請求…」という言葉が頭によぎった瞬間、吐き気がして生きた心地がしません。

お客さんの工場停止というのは、とてつもなく責任重大なのです。

今日は帰れないな…

こうなった時は完全に覚悟を決めます。運の悪いことにお客さんは海外。当然、最速となると飛行機で輸送するしか手段がありません。(いつもは船でチンタラ運んでます)

なんとか頼みますよ…社内の関係者に土下座

商品の出荷には通常の出荷リードタイムというものがあって、それでは最速手配をしてもお客さんの工場停止が確実になります。それを避けるために、関係者のケツを叩きます…ではなく土下座する勢いで頭を下げまくります。

工場から空港までの出荷手配をする工場一般職、飛行機の手配をする物流関係者、通関業者、オーダーのやりとりをするアシスタント…とりあえず関係するすべての人に土下座。

営業マン単体では何もできないのが辛いところ。司令塔となって各所に指示(土下座)します。

人を動かすには切迫感と土下座。営業マンにはこれしかない!

海外輸出であろうと3営業日で届く

通常は飛行機輸送でも受注後、最速で5営業日…

でも関係者に土下座をすれば2日も納期が前倒しできます!正直、工場の一般職などに土下座をしたくない気持ちはありますが、プライドを捨てる時は完全に捨てる、それも営業マンの仕事。

お前が犯人だ!

ひと段落して犯人探しを始めます。内心、自分のミスで起こっていたらどうしようかとヒヤヒヤ。この時は、商社のアシスタントがお客さんのオーダーを見間違えて、こちらに誤発注したことが要因。

たちまち態度がデカくなる私

とりあえず商社マンにやつあたりします(性格最悪)。

「お宅の誤発注が原因なのですから、お客さんの工場が停まったら◯◯さんが損害賠償してくださいね。今回の飛行機運賃◯百万円もすべて請求しますね。」

商社マン(泣きそうな声で)「◯◯さん、助けてください!頼みます!」

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商社マンとはお客さんにも怒られ、メーカーの営業マンにも怒られの激務な仕事であることが今わかりましたね!?

自分のせいでなくてもお客に土下座

世界中どこにいようとスケジュールを代えて、お客さんのところへ飛んでいきます。(これはそのお客さんの重要度によりますが…)

海外であっても同じ。とりあえずチケットをとって商社マンと共に土下座をするために飛んでいきます。

アシスタントのせいであろうと商社のミスであろうと関係なく、土下座しにいかなければならないのが、営業マンの辛いところ…

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大学で体育会系部活に所属していた人が商社マンとして内定しやすい理由が、今わかりましたね!?

そうです、営業マンには体育会系部活でよくあるような理不尽さに耐える能力が絶対に必要なのです。

なめたマネしてくれたのぉ。おい。

当然、お客さんは激怒!!飛んで火に入る夏の虫、状態。

普段は温厚なお客さんも工場停止はさすがに被害が甚大。彼らとて、その先にお客さんが待っている訳ですから怒るのも無理はありません。

その道のお方なのね…と思えるくらい叱られます。

その間こちらは平謝り、1時間ほど説教に耐えます。

なぐさめ会

商社マンとの帰り道。しょんぼりするかと思いきや、とりあえずヤケ酒で発散!!飲まないとやってられないのですよ…

化学メーカー営業マンの仕事とは、なんというストレスの溜まる職種なのでしょうか!?

(オチなし…)