【志望動機の書き方】就活サイトが教えない3つの真実

志望動機の書き方について。化学メーカー・人事採用担当と話をする機会があったので記しておきます。

まずは人事採用担当者の悩みを聞いてあげてください。そこから志望動機対策がはじまります。

  • 悩み①ここ数年(2010卒〜2017卒)の就活生はES対策・面接対策がしっかりしている
  • 悩み②結果としてみんな似通ってくる。誰を選べばよいか判断がつかない
  • 悩み③結果として学歴とスキルだけで採用を決めてしまうケースが増えている(本当はポテンシャルの高い学生を採用したいのだが…)

こういう状況なので「就活サイト・就活本が推奨する志望動機の書き方は意味をなさない」と考えた方がよいでしょう。

そこで「就活サイトが教えない3つの真実」を2018卒の就活生に送ります。志望動機の書き方についてよく考えてみましょう。

志望動機よりも「就活の軸」が重要

たいていの就活生はその会社でなければならない理由を一生懸命、考えます。

ところがそれは時間の無駄。

誰も教えてくれないのですが、就活生が志望動機を考える上で知っておかなければならないことを2つ挙げます。

  • 同じ業界なら会社ごとの違いは無い(業界ごとの違い・傾向はある)
  • 違いがあったとしても実際に働くまで分からない

会社ごとの違いがない・わからない以上、トヨタとホンダの違いをマニアックに考えることには意味がない。せいぜい業界1位と業界2位の違いくらいしかない。

「あなた自身の就活軸=あなたのやりたいことは何か・人生のテーマは何か」

嘘でもいいので業界ごとに考えるべきです。なぜなら、将来やりたいことや自身の夢、人生のテーマを語る方が、面接官もすんなりと聞けるから。さらには自分の言葉で語っているため、変に白々しくならないこともメリットの一つ。他の就活生と被りにくいこともまた、メリットの一つ(これ重要)。結局、いいことずくめなのです。

したがって、

「就活軸に合致する企業を探していたら、この業界・企業に当たった」

という流れに志望動機を持って行く方が、かなりの確率で面接をスムーズに乗り切れます。

もし「就活軸」が何も思いつかなければ以下の記事を参考にして考えてみてください。

志望動機の書き方・正解例

そうすると志望動機の書き方は必然的に以下のようになります(鉄鋼専門商社の例)。

  • 御社を志望する理由は、私の3つの就活軸(人生のテーマ)に合致するからです。
    具体的には、①グローバルで活躍したい、②製品力に頼らずヒトで勝負したい、③厳しい環境で自分を鍛えたい、という私の目標が御社で達成できると考えます。
    ①グローバルで活躍したい
    このように考える背景には〜〜〜での経験があります。後略
    ②製品力に頼らず、ヒトで勝負したい
    このように考える背景には〜〜〜での経験があります。後略
    ③厳しい環境で自分を鍛えたい
    このように考える背景には〜〜〜での経験があります。後略

このような構成でESを作ると、面接では100%、以下の質問が想定されます。想定質問と回答例も挙げておきましょう。

  1. なぜ鉄鋼商社を志望するのですか?化学系専門商社とかでもいいのでは?
    →鉄鋼ビジネスは規模が大きく、ひとつひとつの案件に対するプレッシャーが大きいと考えるからです。最もプレッシャーのかかる環境に置かれ、自身を鍛えたいです。そして、私にはそのプレッシャーに負けない能力があります。
  2. なぜ当社を志望するのですか?他でもいいのでは?
    →社員面談でお会いした○○さんの〜〜という一言に動かされたからです。このような社員の方と一緒に仕事をしたいと感じました。

特に就活生が悩ましいのは「2.なぜ当社を志望するのですか?別の会社だっていいじゃん?」という質問でしょう。

これに対する私の回答は、

「社員の人を無理やり登場させ、一緒に働きたいと思った!!」で押し通すこと。

これは面接で使うと効果的なのですが、もしESに何か書くとしたら、必ず当たり障りのない内容にします(本当はESでここまで書く必要はない)。例えば、

  • OB訪問で会った社員に共感したから
  • 独立系で自由だから
  • 業界トップ企業で、さらなるチャレンジをしたいから
  • 業界トップで守るよりも2番手、3番手で上を目指してチャレンジしたいから
  • グローバル企業だから

という誰でも語れる内容にとどめておくこと。ESに詳しく書きすぎると墓穴を掘ります。

面接でツッコミを受けたら「社員の◯◯という姿勢が素晴らしく、一緒に働きたいと思った」の一点張りで押し通すのが正解。実際、それ以上の志望動機など存在しません。

この辺りの事情はどの業界・企業においても同じなので以下の記事をご参考にしてください。

「志望動機の書き方」に決まりなどない

志望動機の書き方って、本当は決まりなんてないのです。それなのに、たいていの就活サイトには以下の書き方が推奨されています。

  • ステップ①仕事で成し遂げたい目標・夢
  • ステップ②なぜその目標・夢に取り組みたいか?
  • ステップ③なぜその会社でなければならないか?
  • ステップ④具体的にどんな風に働きたいのか?

この志望動機の書き方には何も問題がない。むしろ優等生的な書き方とも言えるでしょう。

でも私が指摘したいのは「みんな同じ書き方をすると陳腐化してしまう」ということ。

どうせ学生の考える夢や目標などだいたい決まりきってしまいます。

「日本の存在感を上げたい」

「モノづくりで世界の人々の暮らしに貢献したい」

「グローバルで活躍したい」

「若手のうちからバリバリ働きたい」

全く悪いとは思わないし、実際私もこれらのことを就活では語っていました。

ただ何千・何万というエントリーシートに目を通す採用担当者は、同じ内容のESをうんざりするほど見ている。飽き飽きしてそれだけで落としたくなる。

オリジナルを求めると書くことがなくなってしまう、という就活生のためにアドバイス。

「内容は陳腐でよい、書式を変えること」

内容は陳腐でも、ちょっと変わった書き方をしてくる就活生は、それだけで目に留まるようになります。

志望動機の書き方・正解例(特に低学歴者)

例えば以下の書き方をすると希少価値が生まれ、人事採用担当者に読まれる確率が飛躍的に高まるでしょう。

  1. 自分のやりたいことを箇条書き3つ→それぞれ考える背景を説明する
  2. 自分の就活軸を3つ挙げる→それに合致する会社だったから志望した、とする
  3. 小説風に要点もなくツラツラ書く
    【文章に自信のある就活生限定】
  4. やりたいこと+背景+自分がどう役に立つかアピール
    【その会社でなければならない理由はスキップ。面接で必ず聞かれるのでその時に答える】

色々なパターンを研究し「自分を最も売り込める」「世の中の流れに逆らう」書き方をする。それが内定に最も近い志望動機の書き方です。

※トヨタの志望動機を考える際に様々な角度・パターンで研究しているのでご参考にどうぞ。

低学歴の就活生に模範は必要なし

上記は特に低学歴の学生に意識してもらいたいです。

低学歴の就活生に「優等生的な回答」は何一つ求められない。むしろそれでは100%落ちてしまいます。

その根拠は単なる経験則…

実際に大手化学メーカーに内定した低学歴層(私も含む)。それらの人々のキャラクターの濃さを見ていればすぐにわかります。

あぁ、だからこの人は低学歴でもココにいるんだな!!ということですね。これはもう、ロジックでは説明できない「何か」なのです…。

そこで私から最後にひとつ、他の就活生と差別化するためのアドバイスを述べるとすれば

「自分を雇うと必ずいい仕事するよ!!」

これを存分にアピールすること。低学歴だと、スマートに見せても東大生には及びません。泥臭くやるしか方法がないのです。アプローチの方法はなんでも構わず、とにかくロジックが破綻しないように、なおかつ熱意を見せ、なおかつ自分を売り込みましょう(これって結構むずかしいのですが…)。

勢いだけではダメ、頭がいいだけでもダメ、熱意だけでもダメ。全てを兼ね備えていることが重要。理由はよくわかりませんが、それが就活というものです。

※ちなみに、低学歴・高学歴の基準はこちらの記事に詳しくまとめています。「私は高学歴だから大丈夫」と勘違いしている就活生が多いので必ず目を通してください。