コンサルティング営業とは?営業×コンサルの「きついだけの仕事」

現役コンサルティング営業が、
仕事内容とか激務度・年収についてウラオモテなく本音でかたる記事。

※ とある現役ITコンサルティング営業(ITコンサルタント)への取材にもとづきます。

そもそもコンサルティング営業の意味とは?

という基本的な部分から、コンサルティング営業の仕事内容〜求められる能力〜業界ごとコンサルティング営業の仕事〜年収事情〜ぶっちゃけコンサルティング営業ってどう?

についてわかりやすく解説していきます。

就活・転職のご参考にどうぞ。

コンサルティング営業とは?

コンサルティング営業の意味

コンサルティング営業(英語:Consulting Sales)とは、単に自社の商品を売リ込むのではなく顧客のさまざまな問題・課題をさがし、それに対する解決策(ソリューション:Solution)を提供する職業のこと。また、そのような営業手法もコンサルティング営業と呼ばれる。

※ただし理想論であり現実については以降で解説

営業職vs. コンサルティング営業の違い

わかりやすくコンサルティング営業のコンセプトをフツーの営業マンと比較すると、以下のとおり。わかりやすく、違いを中心に表にまとめておく。

ふつうの営業職
(モノ売り営業)
ソリューション営業職・
コンサルティング営業
営業手法 自社であつかう商品を
とにかく売り込む
顧客の課題にたいして
自社の商品にこだわらず
ソリューションを売り込む
商品 自社であつかう商品 何でもあり。
ただし最終的には
自社にお金が入るよう工夫する
商品紹介 すべての客に
ほとんど同じように紹介
顧客の困りごとにあわせて
オーダーメイドの解決策を練る
価格交渉 標準価格に基づく
価格設定
標準価格などは存在せず
オーダーメイド価格となる
プレゼン マニュアル化された
資料にもとづいてプレゼン
顧客の困りごとはぞれぞれ違うため
オーダーメイドのプレゼンになる
知識・スキル 受け身。
決められた知識を
勉強会で獲得するだけ
自己研鑽。
つねに業界のトレンドを把握し
アップデートし続ける。

ようは、

理想論ではあるものの、

営業というよりも「コンサルタント」に近いのがソリューション営業・コンサルティング営業となる。

ソリューション営業vs. コンサルティング営業の違い

ソリューション営業とコンサルティング営業はおなじ意味で使われることも多い。

が、

  1. ソリューション営業といえば…
    ・コンサルティング営業よりもフツーの営業職に近い
    ・あくまでもソリューションを提供しながら製品を売る
  2. コンサルティング営業といえば…
    ・ソリューション営業よりもコンサルタントに近い
    ・(まともな企業は)製品を売る必要はなくコンサルフィーをクライアントからもらう
    ・ただし結果的に自社のサービスや製品をオススメするほうが社内評価は上がる

というように違いあり。

ただ、

コンサルティング営業はソリューション営業よりもコンサルタントに近いイメージではあるものの、実際には営業の機能も兼ねている。

営業の機能がないのであれば「コンサルタント」だけで済まされるのに、あえて「営業」をつけていることからもそれだけは確か。

(一人で二役やるわけだから仕事はもちろん激務だしきつい)

売り込み色が強いじゅんに並べると…

営業 > ソリューション営業 > コンサルティング営業

みたいなことになるかなぁ。

ただし求人によっては何の変哲もない営業職にもかかわらず「○○コンサルタント」「コンサルティング営業」としているケースあり。
「コンサルティング営業」という求人をみたら、まずはブラックかつキツイ仕事であることを疑うこと。

コンサルティング営業の仕事内容はたとえば…

コンサルティング営業はこれまで述べてきたようなイメージなので、ニーズがはっきりしない、困りごとは分かっていてもソリューションの選択肢が多すぎてぐちゃぐちゃ、というときに求められる仕事。

具体的には、

たとえばIT企業やWEB関連、システム開発関連の営業職。営業チームのなかに「コンサルティング営業」あるいは「ソリューション営業」「ITコンサルタント」として独立したチームを抱えていることがある。

で、どういった仕事をするかというと…

コレがしたい・今コレに困っている、といったばくぜんとしたイメージはあるけど、ソリューションの幅が広すぎてどうしたらいいのか分からない。

たとえば、

「なんかよくわからないけど最新のIT技術をいれたいんだよね」

「顧客の情報管理に困ってて最新のITシステムを導入したいんだけど、何をどうしたらいいのかわからない」

といったとき。

クライアントの困りごとをより具体的に落とし込んで、それに対するコンサルティングをしながら解決策を提案するのがコンサルティング営業の仕事。

ふつうの営業マンは、自社であつかう商品のなかでソリューションを提供し売り込もうとするが、コンサルティング営業は自社のリソースだけでなく、あらゆるソリューションの可能性を検証する。

ほかにもたとえば、
以下のような職種で「コンサルティング営業」と呼ばれることがある。

  • 銀行のソリューション営業・コンサルティング営業
    中小企業の経営課題にたいするソリューションを提供し、あわよくば自社からお金を借りてもらう。
    課題例)後継者がいないどうしよう…経営計画つくったけど、どう思う?相続税の問題が…グローバル展開したいけど、どうしたらいい?
  • 保険コンサルタント・コンサルティング営業
    これは正直なところ、ふつうの営業マンとなにも変わらない。営業職のイメージ向上をはかろうとして企業がテキトーにかっこいい名前にしているだけ
  • ライフプランコンサルタント
    これも正直なところ、ふつうの営業マンとなにも変わらない。営業職のイメージ向上をはかろうとして企業がテキトーにかっこいい名前にしているだけ
  • その他、資産運用コンサルティング営業、相続コンサルティングなど色々あり

つづいて、
もっと具体的にどういった仕事をするのか?

「コンサルティング営業」として採用のある業界別にまとめておきます。

①IT業界のコンサルティング営業って何してるの?

ITコンサルティング営業の仕事内容

ITコンサルティング営業の仕事内容はたとえば、以下のようなものがある。

システムコンサルタント、ITコンサルタントなどなど。いろんな呼び名がある。

  1. 担当企業へのITソリューション提案・コンサルティング
    ・担当企業の課題や要望をヒアリングし、それにマッチしたソリューション提案をする
    ・課題を解決するためのシステム開発やアウトソーシングテクノロジーのサービスを提案する(売り込み色の強い、弱いは企業による)
  2. 上流プロセスでのコンサルティング
    例)戦略立案・新規事業開発・業務改革・IT活用企画など
  3. クライアント要望のヒアリング、設計、オフショアチームのリードからシステム導入
  4. クライアントのIT戦略の企画・実行

ようは、

コンサルティング営業というとかっこいいのだが、システムエンジニア(SE職)に営業機能・コンサル機能をつけるとこういう仕事になるかなぁ。

ITソリューション提案には答えがなく、しかもクライアントごとにオーダーメイドのソリューションを提案する必要がある。

結局はコンサルとおなじく激務でつらい仕事になる可能性あり。

転職に求められるスキル・資格

ITコンサルティング営業への転職には、以下のような経験やスキルがあると優遇される。
(必要というわけではなく、あったら優遇して採用される)

また、なにか特別な資格は必要ない。

  • 要件定義、基本設計(DB設計)、詳細設計、プログラミング、テストまで一連の開発経験
  • Web系・汎用系問わずシステム開発の経験
  • IT、経営コンサル経験
  • システム開発やPL/PMの経験
  • 何らかのシステム開発経験

②金融のコンサルティング営業って何してるの?

金融コンサルティング営業の仕事内容

金融業界におけるコンサルティング営業の仕事内容はたとえば、以下のようなものがある。

金融コンサルタント、ライフプランコンサルタント、保険コンサルタントなどいろんな呼び名がある。

  1. 個人にたいして「コンサルティング」と称して金融商品をすすめる
    ・相手のはなしをきいたうえで保険を勧めたり、投信をすすめたり、国債をすすめたり…(結局は営業とおなじである)
  2. 法人企業の経営課題にたいするソリューション提案
    ・たとえば銀行には大中小さまざまなクライアントがいる。そして経営課題もさまざま。
    ・あるときはM&Aの提案をしたり、あるときは事業継承の相談にのったり…ほかにも以下のような仕事例あり
    例)経営戦略にたいするクチだし、コンサルティング営業
    例)グローバル展開のサポート、コンサルティング営業
    (これはまともなコンサルティング営業といえる)
  3. クライアントの新規開拓 → ソリューション提案
    ・まずはソリューション提案できる見込み顧客がいないと、どうしょうもない
    ・その点では銀行や大手企業の看板があればすでにクライアントを抱えているが…取引のない見込み顧客にアプローチすることも重要な仕事(結局は飛び込み営業と商品の売り込み)
  4. 個人へのライフプランニング
  5. 生命保険、損害保険のコンサルティング営業(結局は保険のセールスとおなじ)
  6. 住宅ローンに対するコンサルティング(結局はローン販売とおなじ)

ようは、

コンサルティング営業というとかっこいいのだが、金融コンサルx営業という一人で二役をやる仕事。

ソリューション提案には答えがなく、しかもクライアントごとにオーダーメイドのソリューションを提案する必要がある。結局はコンサルとおなじで、激務でつらい仕事になる可能性あり。

明らかにブラックだろうと思われる求人もたくさんあり。とくに個人を相手にする求人(保険・住宅・投信など)にブラックな傾向が強い。
「営業職」だと応募が集まらないので「コンサルティング営業」「アドバイザー」「○○コンサルタント」としている企業もたくさんある。実際にはたんなる飛び込み営業であることもおおく、求人からしっかりと読み取る必要あり。

転職に求められるスキル・資格

金融のコンサルティング営業への転職には、以下のような経験やスキルがあると優遇される。
(必要というわけではなく、あったら優遇して採用される)

  • 金融商品に関する知識、営業経験
  • コミュニケーション能力
  • ファイナンシャルプランができる能力
  • 保険に関する知識、経験が豊富
  • 顧客との関係構築力
  • コンサルティング能力

コンサルティング営業のぶっちゃけ事情アレコレ

『コンサルティング営業とは?営業×コンサルの「きついだけの仕事」』へのコメント

  1. 名前:ちくわ 投稿日:2017/10/09(月) 14:13:14 ID:2634846e5 返信

    ある人は大手ではなく零細IT勤務ですが、コンサルフィーもらってます。
    自社の物・サービスを売れば二重にキツいというのは、少し単純化しすぎかな。
    関係者相互に都合がいいので、あえて売り込まずとも売れる形態もありますから。

    金融商品売る方の場合は…うん、たいていは営業の性格が強いですね。

  2. 名前:ちわわ 投稿日:2017/12/29(金) 16:46:25 ID:45ab0a466 返信

    コンサルティング営業=営業×コンサル→きつい
    ってあまりにも短絡的ではないかと。。。

    会社としても効率悪いので、よっぽどの少人数でない限りは
    営業がコンサルティング実務に関与するケースは少なく(低クオリティのコンサルティングを除き)、
    この部分の記載はあまり参考にならないですね。

    私としては、筆者の語る、
    コンサルティング営業=営業を格好良くしたもの、が
    一番実情に近いと思います