現役メーカー海外営業マンの仕事内容、国内営業との違い

現役メーカー海外営業マンが、仕事内容について裏表なく本音でかたる記事。

まずは基本として、
「メーカーの海外営業」はひとことにしてもザックリとは以下3種類の仕事というか、求人があります。

メーカー海外営業の求人3つ
  1. 勤務地は国内。出張ベースでの海外営業
  2. 海外駐在の営業マン
  3. 現地・中途採用の海外営業マン

それぞれの海外営業は仕事内容・責任範囲が違ってきます。

ただしメーカーの海外営業って、
顧客が海外にいるというだけであって、やっていることは国内営業と大して変わらない…

むしろ国内営業よりも海外営業(駐在や現地採用)のほうが、上司・顧客からのプレッシャーや資料作成がすくなくて楽というのがメジャーな意見。

そんな中でもいちおう、

とくに国内営業とは違っている部分について、メーカー海外営業の仕事内容をまとめ、さらにそれぞれの職種でわたしの経験に基づいて基本事項と本音をかたります。

①海外商社をコントロールする

メーカー海外営業の仕事内容その1。

海外のパートナー(代理店・商社)をコントロールすること。

もっと分かりやすくすると…
メーカーの意思どおりに代理店・商社が動くよう、プレッシャーをかける仕事です。

先進国の海外営業であれば顧客との直接取引も多いのですが、とくに途上国での販売はローカル商社や日系の商社を使っていることがほとんど。

つまり、
メーカーにおける海外ビジネスのモノ・カネの流れは以下のとおり。

①メーカー
⇅ モノを売ってカネを受け取る
②三菱商事・丸紅・日系専門商社など
⇅ モノを売ってカネを受け取る
③海外ローカル商社
⇅  モノを売ってカネを受け取る
④末端顧客
メーカーの商流ポリシーで②③を使っていない場合もあり。
あるいは②だけ使ったり、③だけ使ったりしている。

メーカーといえども自動車・電機・鉄鋼・化学・機械・重工などなど…

たくさんの分野があるわけで、その企業や事業によって営業戦略は違っていて一般的な説明は無意味かとは思いますが…

いちおう共通点として、たとえば以下のような仕事をしています。

仕事内容の例

  1. 商社に月度販売報告を出させる
  2. 商社と営業戦略会議をする
  3. 商社マンに顧客訪問アレンジを要求する
  4. 技術営業をする(必要があればメーカー研究者などを同行させる)
  5. 売上が落ちていれば商社マンにプレッシャーをかける
  6. メーカーの営業戦略を商社と共有しPDCAをまわす

※末端へダイレクトに売っている場合は、商社マンと同じような仕事をする。

②海外マーケティングもする

メーカー海外営業の仕事内容その2。

海外マーケティング。

もっと分かりやすくすると…
どうやって売るか、売り方を考えたり市場の調査をしたり、現地パートナーを探したりする仕事。

これもメーカーごとに違っていますが、
「メーカー営業」といえばマーケティングの仕事も兼ねていることが多いですね。

いちおう共通点として、たとえば以下のような仕事をしています。

仕事内容の例

  1. 新製品の営業戦略をねる
    例)韓国ビジネス○○拡販プロジェクト
  2. 担当している国の営業戦略・売り方を考える
    例)中国ビジネスにおける商社カットプロジェクト
  3. ビジネス拡大にむけたプロジェクト立案
    例)米国プレミアムカー市場調査レポ・新規参入プロジェクト
    例)南アフリカ市場への新規参入プロジェクト
    例)既存ビジネスの収益改善プロジェクト
    例)増販プロジェクト

※消費者を相手にするメーカー(BtoC)では、マーケティングと営業はそれぞれ独立しています。BtoB(法人相手)は営業とマーケを同時に担当しているケースが多いです。

③製品の輸出・輸入・物流手配

メーカー海外営業の仕事内容その3。

自社製品の輸出入や物流の手配、そのほか輸出入に関する業務の全般。

これはデイリーで発生する業務。

もっと分かりやすくすると…
売るモノを海外に輸出したり、どこかの倉庫に輸入して置いといたり、船の手配やら何やらいろいろ。

ただ、

これは海外営業の仕事ではなくアシスタントの業務です。

海外営業マンは特別な対応が必要なときに指示をだしたり、トラブルがあったときに表にたって顧客と調整する役割。

したがって、

細かい貿易業務についての知識は必要ありません。あくまでも基礎的な部分を知っておくだけでOK。そこまで難しいものではないので、入社してから3ヶ月もすれば自然と身につきます。

たとえば以下のような仕事をしています。

仕事内容の例

  1. トラブルへの対処
    例)船の遅延で納期が遅れたお詫びなど
    例)品質クレーム対処
  2. 担当顧客むけ在庫の確保
    例)とつぜんの在庫切れ、ということのないように普段から情報収集しておく

※消費者を相手にするメーカー(BtoC)では、マーケティングと営業はそれぞれ独立しています。BtoB(法人相手)は営業とマーケを同時に担当しているケースが多いです。

④あとは国内営業と同じ

あとは顧客が海外にいるというだけで、基本は国内営業とおなじです。

たとえば以下のような仕事があります。

  • キー顧客のいろいろな情報収集
  • 価格交渉
  • 契約関連(法務や弁護士と協力)
  • 技術営業
  • ルート営業
  • 新規開拓営業
  • 接待
  • 価格交渉
  • クレーム処理
  • そのた

ただ、

国内営業とのおおきな違いは、海外営業の場合は細かい情報やレポートを求められないところでしょうか。

結果として
「国内営業よりも海外営業のほうが楽」という人が多いですね。ただし上司やあなたの心がけ次第。

【参考記事】化学メーカー営業って何やってるの?仕事内容・特徴まとめ

【参考記事】化学素材メーカー営業の仕事が楽すぎる!その3つの理由を解説

メーカー国内営業と海外営業の違いとは?

海外営業・担当エリア広い > 国内営業・狭い

メーカー国内営業と海外営業の違い。

まずは担当エリアについて。

  • 海外営業・担当エリア広い >>>> 国内営業・狭い

こんな感じでエリアが違います。

海外営業マンは担当するエリアがとてつもなく広く、たとえば、あなた1人で数カ国をカバーするのとかは当たり前の世界。

いっぽうの国内営業マンは担当するエリアが狭く、たとえば東北・北海道地区とか、せめてその程度のものですね。

もちろん会社とビジネスの規模によってマチマチですが、一般的にどのメーカーも同じ傾向です。

海外営業は広く浅く、国内営業は狭く深く

メーカー国内営業と海外営業の違い。

「海外営業は広く浅く、国内営業は狭く深く」

前述のとおり、

  • 海外営業マンは担当するエリアがとてつもなく広く、その結果、仕事の質は広く浅くなります
  • 国内営業マンは担当するエリアが狭く、その結果、仕事の質は狭く深くが求められます

結果として、
どちらの仕事も難易度はたいして変わりません。

難易度は国内営業のほうが高い

よく「海外営業は難しい」と言われますが、
わたしにとっては国内営業のほうが断然難しいですね。

やっぱり日本の顧客は技術レベルとか要求レベルがピカイチ高く、海外の顧客は結構テキトーでその場しのぎですから…

ミーティング前に緻密な準備が必要となるのが、国内営業。

ミーティング前に何も準備しなくてもなんとかなるのが、海外営業。

くわえて敬語の使い方とか上下関係とかビジネスマナーとか…日本の文化のめんどくささといったら、右に出るものはいないでしょう。

国内市場のワガママな客にもまれていれば、海外営業になったときに「なんて簡単な仕事なんだ」と思えます。

こればっかりは、
残念ながらどちらも経験してみないとわかりません…

Samsungなど韓国系企業は日本と似たような文化です。国によって商習慣がだいぶ違いますが、客のめんどくささでは「日本=韓国 > その他」みたいなイメージ。

要求されるスキル・知識の違い

メーカー国内営業と海外営業の違い。

あとは細かいところで、スキル・知識で求められるものが違いますかね。

海外営業をするうえでは英語はもちろん必要ですし、貿易の基礎知識も必要です、交渉術も違いますし、国ごとの文化や風習も理解しなければいけません。

ただ、

こんなことは海外営業していれば労せずとも身につくことですね。

海外営業だけを経験してきたひとは国内営業として使いものになりませんが、国内営業を経験してきたのであれば海外営業は簡単にマスターできます。

なんどもしつこいですが、
日本国内の客ってグローバルで見ても、ずば抜けて技術レベルやキッチリ度合いがすごくてビックリしますから。

裏を返せば、対応する国内営業マンは大変だということですけどね。

国内市場のワガママな客にもまれていれば、海外営業になったときに「なんて簡単な仕事なんだ」と思えます。

メーカー海外駐在・現地中途採用・海外営業の違いとは?

冒頭でも解説しましたが、
メーカー海外営業のなかには以下3つの職種があります。

  1. 海外駐在の営業マン
  2. 現地中途採用の営業マン
  3. 国内から出張ベースで海外営業する営業マン

これらの違いについて少し。

メーカー現地中途採用の営業マン「給料安いが責任もすくない」

現地中途採用とは、
メーカーの海外法人で採用されるヒトのこと。

海外に移住している日本人や現地人が採用されます。

もともと本社で採用された海外営業マンと比べて給料は安いのですが、責任も少なく楽な仕事になるでしょう。

メーカー海外の現地法人の給料は、あたえられるポジションによって決まります。

日本人だからといって、
ローカル社員よりも優遇されることはほぼ無いとお考えください。

(日本人は現地採用であってもポジションによって、若干は優遇されているのですが…)

国内にいるメーカー海外営業マン「結構きつい」

国内にいる海外営業マンは(上司とあなたのスキルによりますが)結構きついですね…

上司が日本人であり細かな資料や報告を求められるうえ、出張に同行させたりする必要あるから。

上司もたまには海外でハネを伸ばしたいでしょうからね。

顧客がめんどくさいのではなく上司がめんどくさくて、結果として仕事が増えます。

ただ、

メーカーであれば精神を病むほど激務になる、なんてことはあり得ないのでご安心を。仮に激務になったらすぐに転職してください。

激務に耐えられるほど年収の高い仕事ではありません。

駐在の海外営業マン「給料も高く仕事はそれなり。社内接待をマジメにやれば良い」

最後に、海外法人に駐在している海外営業マン。

いうまでもなく神ポジション。

給料も日本にいるときの1.5〜2倍となり、豪邸にメイドをやとって住めます。

途上国であれば、
マンションにプールとジムがつき、さらには車と運転手もあたえられます。

先進国であればプチセレブ気分になることでしょう。

もちろん家賃などの費用はすべて会社もち。
大企業であれば子供の養育費もすべて支給されます(結構デカイ)。

にもかかわらず、仕事のプレッシャーは国内営業マンより少ない。

社内の偉いヒトたちが出張という名目で遊びにくるので、その相手をマジメにやっていればよく、仕事はそれなりに手を抜いても問題なし。

正直いって、
メーカーの海外駐在員は仕事と人生をナメきってますね。

ただし、一部のヒトだけは日本にいる時と変わらずハードワークします。

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