「ちなみに」を正しく使えていますか?ビジネスシーン(メールや商談)で敬語として機能するか悩ましい表現に「ちなみに」があります。
「ちなみに」って敬語として使えるのでしょうか?そもそも「ちなみに」の正しい意味って何?
また、もっとよい類語や目上の人に使える表現はないのでしょうか?そこで今回は「ちなみに」について誰よりも詳しく、かつ分かりやすく解説していきます。
この記事の目次
「ちなみに」の意味は?敬語として正しいの?
「ちなみに」の意味を辞書で調べると「あとから補足するときに使う接続詞」の意味と書かれています。また、辞書で使われている例文を見ると「ちなみに、新郎と新婦は幼いころからのお知り合いです」とあります。ここで正解がでてきました(笑)。
結婚式という公の場で使われるということは「ちなみに」は正しい敬語(相手を敬う言葉)ということですね。
〜 ちなみに(因みに) 〜
[接]前に述べた事柄に、あとから簡単な補足などを付け加えるときに用いる。ついでに言うと。「―、新郎と新婦は幼いころからのお知り合いです」
[補説]あとに「言う」などの動詞を伴って「ちなみに言えば」「ちなみに申しますと」のように、副詞的にも用いる。
「ちなみに」の語源
辞書に漢字で表記されている通り「ちなみに」はもともと「因む」という動詞からきます。「因」は何かと関係することを意味しますので「因む=関係があること、ゆかり、因縁」という意味になります。現在の「ちなみに」として使われている意味とまぁ、近いですね。
注意!!「ちなみに」は使いすぎないこと
前項で「ちなみに」は正しい敬語の使い方であることが分かりました。従って「ちなみに」をそのまま丁寧な言葉として、使っても良いでしょう。ただし「ちなみに」を連発していると、会話やメールがスムーズじゃなくなりますので要注意。
ビジネスシーンやメールで「ちなみに」を連発する悪い例を作りましたので、まずはご一読ください。
貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。
ちなみに本日は値上げのお願いに参りました。ちなみに資料は何もご用意いただかなくて大丈夫です。
さて、ここ数年の原油高を受け、当社製品における製造コストが10%ほど上昇しておりまして…。ちなみに原油はここ数年で10%値上がりしております。
つきまして、10%の製品値上げをお願いしたく存じます。ちなみに満額でなくても、少しでもご協力をいただければ幸いです。
ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、どう思われましたか?「ちなみに」が何かを補足する便利な言葉だといっても、これはやり過ぎで耳につきます。ということで「ちなみに」を連発していると、説明足らずで頭の悪い人か、自分の知識をひけらかしたいだけの人、という印象を与えますので気をつけましょう。ちなみに、私のブログでは「ちなみに」を頻繁に使っています(自虐)。
「ちなみに」はビジネスメール1通につき1回まで
目安としては、ビジネスメール1通につき「ちなみに」を使うのは1回まで。あくまでも会話やビジネスメールのアクセントとして使ったほうが良いでしょう。※筆者の勝手な基準です。
「ちなみに」の言い換え・類語
「ちなみに」は本来、使う必要のない言葉であり何か別の表現に置き換えられます。そこで「ちなみに」の言い換えと類語についても例をまとめておきましょう。
- 付け加えますと、
- ついでながら、
- 補足いたしますと、
- ※ ← 米印で追記する
「ちなみに」をもっと丁寧に言う類語は?
「ちなみに」は多用しなければ会話やビジネスメールのアクセントに使える、便利な表現です。でも、中には「ちなみに」を使うことに抵抗を覚える方もいらっしゃるでしょう。そういうあなたのために「ちなみに」をもっと丁寧にした類語を考えました。
- ちなみに申し上げますと、
- ついでながら、
- 付け加えますと、
「ちなみに」を使ったビジネスメールの例文
導入部で「ちなみに」は正しい敬語の使い方であることが分かりました。ただ、辞書だと例文が少なすぎて、どのような場面で使えるかハッキリとしません。そこで「ちなみに」を用いたビジネスシーン(メールや商談)で使える例文をまとめておきます。
- ちなみに、こちらの商品には水に強い特性もあります。
- ちなみに、今ご購入いただく特典として10%の割引をいたします。
- ちなみに、地下鉄で来られる際には1番出口が最寄りです。
- ちなみに、タクシー運賃の目安は1500円です。
- ちなみに、私はゲイではありません。
- ちなみに、私の英語力はTOEICスコア800点です。
まとめ
今回は「ちなみに」の使い方と注意点について、これでもかというくらい語ってみました。
ここでカミングアウトしてしまいますが、私はビジネスシーン(メールや商談)で「ちなみに」を使ったことが一度もありません(苦笑)。その理由は2つあります。
- 「ちなみに」は多用するとみっともない
- 「ちなみに」は、もっと具体的な言葉に言い換えできる
「ちなみに」は便利な反面、意味があいまいで何が言いたいのかハッキリとしない場合があります。ビジネスシーンにおいて、あいまいであることは悪です(の場合もあり)。以上、私が「ちなみに」をビジネスシーンで使わない理由。
ただ、私のブログでは「ちなみに」を多用しています。
完全に矛盾していますが、ブログでの「ちなみに」の目的は、単に私が知識をひけらかしたいためです。気を悪くなさらないでくださいね。とはいえ「ちなみに」は便利な表現であることには間違いありませんので、会話やビジネスメールのアクセントにお使いください。ではでは〜〜。