「恐れ入りますが」意味とビジネスにふさわしい使い方、例文

つづいて「恐れ入ります・恐れ入りますが」を使うときの注意点を解説します。

敬語を正しく使うことはもちろん、
ふさわしいビジネスシーンを考えて使いましょう。

ビジネスでは何かと「お願い」ばかり。だから「恐れ入ります」をよく使う

ビジネスは一人では成り立ちません。

私たちは社内の先輩や上司、社外のパートナーなど、まわりの人々にいつも助けてもらいながら仕事をしているのです。

そういう意味で、

ビジネスメールでは「お願い」ばかりすることになります。

そんなお願いをするときのちょっとした気づかい、心づかいに「お忙しいところ恐れ入りますが(恐縮ですが)、~」とすると好感がもてます。

たとえば、

相手にアポイントをとるときには「○月○日に貴社へ伺いたく存じますが、ご都合いかがでしょうか。~中略~ お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討のほど何卒よろしくお願い申し上げます」とします。

×恐れ入りますけどぉ~ はNG!

きわめて初歩的な敬語の使い方なのですが…

ビジネス会話でたま~に若者がつかうフレーズに「恐れ入るんですけどぉ~」「恐れ入りますけどぉ」みたいにかる~い感じで使っちゃうヒトがいます。

これはもちろんダメです。

せっかく「恐れ入る」というかしこまったフレーズを使っているのに、言い方がマズイとビジネスパートナーを不快にさせてしまいます。

もったいないので、

ちゃんとした言葉づかいをしましょうね。

何に対して「恐れ入る」のか?

恐れ入ります・恐れ入りますが を使うときには、対象というか、一体なににたいして「恐れ入る」であるのかをハッキリとさせて使いましょう。

お土産をもらったことに対して「恐れ入る」なのであれば、

「たいそうなお土産をいただき大変恐れ入ります」というようになりますし、

褒めてもらったことに対して「恐れ入る」なのであれば、

「身に余るお言葉をいただき大変恐れ入ります」となります。

「取り急ぎお礼まで」を目上の人に使わない理由・丁寧な言い換え

【シーン別】違いと使い分け

恐れ入ります・恐れ入りますが・恐縮です のビジネスシーン(メール・手紙・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文をみてきましたが…

こんなときにはどれを使う?

というビジネスシーンごとの使い分けを整理しておきます。

ビジネス会話なら…

  • 例文「恐れ入ります(恐縮です)」
  • 例文「恐れ入りますが(恐縮ですが)」

会話で「恐縮でございます・恐縮ではございますが」を使いすぎるとバカ丁寧な感じがするため、「恐縮です」あるいは「恐縮ですが」で十分です。

ビジネスメール・文書なら…

  • 例文「恐縮ではございますが(恐れ入りますが)」
  • 例文「大変恐縮ではございますが(恐れ入りますが)」

ビジネスメール・手紙など文書の場合、
シンプルなフレーズではなくよりかしこまった表現を使うと好感度UP。

なぜなら、文章は会話と違って態度で敬意をしめすことができないから。

恐れ入ります・恐れ入りますが のビジネスメール全文

さいごに「恐れ入ります・恐れ入りますが」を使ったビジネスメールの例文を紹介します。

【例文】アポイントメール(ビジネス)

件名: 貴社訪問のお願い(転職会社・転職太郎)

就活株式会社
就活 様

突然のご連絡、失礼いたします。
転職会社・営業部の転職太郎と申します。貴社○○様からのご紹介で連絡いたしました。

この度は、弊社サービス「スーパー転職」の紹介に伺いたく存じます。
よろしければ以下日程のいずれかで貴社へ伺いますが、
ご都合のほど如何でしょうか。

  • 12月21日9:00~12:00
  • 12月22日13:00~18:00

お忙しいところ大変恐れ入りますが(恐縮ではございますが)、
ご検討のほど何卒よろしくお願いいたします。

メール署名

【例文】OB訪問お願いメール(就活メール)

メール件名:OB訪問のお願い(就活大学・就活)

転職株式会社
営業部
転職 様

突然の連絡にて、大変失礼いたします。

就活大学・就活学部の□□と申します。
大学のキャリアセンターからの紹介で連絡いたしました。

さて、私は現在、◯◯業界を中心に企業研究をしており貴社に大変興味を持っております。そこで是非、現場でご活躍されている△△様のお話を伺いたく存じます。

よろしければ下記日程のいずれかで伺いたく存じますが、
ご都合のほどいかがでしょうか。

・x月xx日〜x月xx日 13:00-19:00
・x月xx日〜x月xx日 11:00-16:00

△△様のご都合のよろしい日時・場所をご指定頂ければ幸いです。

お忙しいところ大変恐れ入りますが(恐縮ではございますが)、
ご検討のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

メール署名

【例文】金品の辞退をする(社外メール)

メール件名:お中元の御礼

就活株式会社
営業部 ○○様

お世話になっております。

転職株式会社の転職です。

この度は、たいそうなお品をただき、
誠にありがとうございました。

いつもお心遣いを頂き大変恐れ入ります。

せっかくのご好意を無にするようで心苦しいのですが
弊社ではお取引先様からの贈り物は
お受けできないことになっております。

お心遣いだけありがたく頂戴し、
誠に勝手ながらお品は別便にて返送させていただきました。

無礼なこととは存じますが
ご理解の上、ご容赦くださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

甚だ略儀ではございますが、
まずはメールにてお礼ならびにお詫びを申し上げます。

メール署名

【敬語の補足】
・略儀ではございますが の意味は「礼儀を省略して申し訳ありませんが~」
・まずは の意味は「まずはじめに」
・言う の謙譲語「申す」
・たいそうな=結構な で言い換えできる
・甚だ(はなはだ)の意味は「とても、大変」
・ご容赦くださいますよう の意味は「お許しくださいますよう」