恐縮至極(読み:きょうしゅくしごく)の意味、
ビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方、注意点について。ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。
まずは要点のまとめから。
恐縮(きょうしゅく)の意味は…
① おそれて身がすくむこと
② 相手に迷惑をかけたり、相手の厚意を受けたりして申し訳なく思うこと
至極(しごく)の意味は…
① この上ないこと、これ以上ないこと
② 極めて
ということで、
上記2つの単語をあわせると恐縮至極の意味は…
- この上なく恐れ入ること
- この上なく申し訳ないと思うこと
ということになります。
「恐縮至極」の使い方はホントにいろいろあり、「これ以上なく申し訳なく思う気持ち」「これ以上なく恐れ入る気持ち」をあらわしたいビジネスシーンに使います。
また、
使い方については例文でみたほうが分かりやすいため、代表的な使い方について少し(意味などくわしくは本文にて)
- 例文①1兆円の融資をするに叶わず、恐縮至極でございます
- 例文②たいそうなお品をいただき、恐縮至極に存じます
- 例文③〜いただき恐縮至極に存じます
- 例文④私事にて恐縮至極に存じます
- 例文⑤お忙しいところ恐縮至極に存じますが(ではございますが)〜
- 例文⑥恐縮至極に存じますが〜
いずれもおなじく「とてつもなく恐れて身がすくむ思いです」「これ以上なく申し訳ないと思います」であり、以下3つのシーンで主に使います。
- お礼・感謝のビジネスシーン
- お詫び・謝罪のビジネスシーン
- お願い・依頼のビジネスシーン
「ありがとう」「申し訳ありません」とシンプルにお礼やお詫びするよりも「ホント恐れ入りますわ~」というような謙遜の気持ちが表れていて好感がもてますね。
上記の例文はどれも丁寧な敬語であり、
ビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)で使うのにふさわしい敬語フレーズです。
ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、本文中ではいろいろな例文を使いながら意味、使い方、注意点について説明していきます。
恐縮至極 の意味と使い方
意味
恐縮至極 の意味は冒頭でも解説したとおり
① この上なく恐れ入ること
② この上なく申し訳ないと思うこと
順序を変えて「至極恐縮」としてもおなじ意味です。
たとえば、
「お忙しいところ恐縮至極に存じますが、ご返信のほどお願い申し上げます」とすると、
- 忙しいところこれ以上なく申し訳ないと思うのだけど…メール返信してほしい
の意味となり、
「身に余るお言葉をいただき恐縮至極です」とすると、
「褒めてもらって、この上なく恐れて身がすくむ思いです」という意味の丁寧な敬語フレーズになります。
使い方
「恐縮至極」にどんな語を組み合わせるかでイロイロな敬語フレーズを作ることができます。
たとえば、
- 丁寧語「です」を組み合わせると「恐縮至極です」
- 丁寧語「ございます」を組み合わせると「恐縮至極でございます」
- 「思う」の謙譲語「存じる」を組み合わせると「恐縮至極に存じます」
- あとに文章を続けたいのであれば接続詞「が」を使い「恐縮至極に存じますが~」
こんな感じで敬語フレーズを作ることができます。
ビジネスシーンでの使い方は、
① お願い・依頼
② お礼・感謝
③ お詫び・謝罪
などのシーンで「とてつもなく申し訳なく思う気持ち」「とてつもなく恐れ入る気持ち」を表したいときに使うとよいでしょう。
恐縮至極=至極恐縮
恐縮至極と似たようなフレーズに「至極恐縮」というのがあります。
なにか違いあるの?
どっちを使えばいい?
という質問をいただくのですが、
至極x恐縮 というように順番を変えただけ。意味と使い方はおなじです。
ここからは、
「恐縮至極」のビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい例文と使い方を紹介します。
例文①~をいただき恐縮至極でございます
恐縮至極 のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
- 例文「~をいただき恐縮至極でございます」
「~」の部分にはイロイロな言葉が使えます。たとえば、
- 例文「お心遣いをいただき恐縮至極でございます」
- 例文「本日はお足元の悪いなかご足労いただき、恐縮至極でございます」
- 例文「このたびはたいそうなお品をいただき恐縮至極でございます」
- 例文「身に余るお言葉をいただき恐縮至極でございます」
「~してもらって、これ以上なく恐れ入ります」
「~をもらって、これ以上なく申し訳ないと思います」
「恐縮至極」のオーソドックスな使い方となります。「もらう・~してもらう」の謙譲語「いただく」を使い敬語にしています。
使い方
~をいただき恐縮至極です の使い方は…
お土産をもらったり、何かしらの気づかいをしてもらった相手に伝えるお礼のフレーズとして使われます。
「ありがとう」「お気遣いすみません」とシンプルにお礼をするのもいいのですが、「恐縮至極」を使うことによって「こんな私のために~してくれて申し訳ない」という謙った(へりくだった)ニュアンスにしています。
ビジネスではつねに低姿勢であることが好まれます。
相手に負担をかける何かをさせたのであれば、「恐縮至極でございます・恐れ入ります」といったフレーズを使うとよいでしょう。
以下の例文もあわせてご参照ください。
ビジネスメール例文
- 例文(お礼メール)
~前中略~
このたびは、結構なお品をいただき厚くお礼申し上げます。
いつもながらお心遣いをいただき恐縮至極でございます。
結構な品=すばらしい品
例文②~をいただき恐縮至極に存じます
恐縮至極 のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
- 例文「~をいただき恐縮至極に存じます」
「~」の部分にはイロイロな言葉が使えます。たとえば、
- 例文「お心遣いをいただき恐縮至極に存じます」
- 例文「本日はお足元の悪いなかご足労いただき、恐縮至極に存じます」
- 例文「このたびはたいそうなお品をいただき恐縮至極に存じます」
- 例文「身に余るお言葉をいただき恐縮至極に存じます」
「~してもらって、これ以上なく恐れ入ります」
「~をもらって、これ以上なく申し訳ないと思います」
こちらも例文①とおなじく「恐縮至極」のオーソドックスな使い方となります。「もらう・~してもらう」の謙譲語「いただく」を使い敬語にしています。
例文①恐縮至極でございます との違いは…
丁寧語「ございます」なのか、「思う」の謙譲語「存じる」を使うかにあります。
どちらを使っても構いませんが、「ございます」と「思う」にはちょっとしたニュアンスの違いあり。
使い方
~をいただき恐縮至極に存じます の使い方は…
例文①とおなじく、お土産をもらったり、何かしらの気づかいをしてもらった相手に伝えるお礼のフレーズとして使われます。
「ありがとう」「お気遣いすみません」とシンプルにお礼をするのもいいのですが、「恐縮至極」を使うことによって「こんな私のために~してくれて申し訳ない」という謙った(へりくだった)ニュアンスにしています。
例文③私事にて恐縮至極に存じます
恐縮至極 のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
- 例文「私事にて恐縮至極に存じます」
- 例文「私事にて恐縮至極でございます」
あるいは、
- 例文「私事にて恐縮至極に存じますが、~」
- 例文「私事にて恐縮至極でございますが、~」
※ 私事の読みは「わたくしごと」
「自分や家族の事でホントに申し訳ない」
ここで、私事(わたくしごと)は自分のことだけでなく身内にぞくする全ての都合のことを指します。
つまり家族のことであっても「私事」になります。敬語を使うときには相手からみたときに「ウチ」なのか「ソト」なのかを考える必要あり。
使い方
私事にて恐縮至極に存じます の使い方は…
ビジネスに関係ない自分の話をするときのクッション言葉として、「いや~自分のことでホント申し訳ないんだけどさ…」のようなニュアンスで使います。
たとえば、
空き巣被害にあいまして…
私事にて恐縮至極に存じます、事後処理のため本日休みをいただきます。
のように使うとよいでしょう。すると「いや~自分の都合でホント申し訳ないんだけど休みますわ~」の丁寧な敬語フレーズになります。
その他にもイロイロな使い方ができます。
以下例文もあわせてご参照ください。
ビジネスメール例文
- 例文(上司への結婚報告メール)
~前中略~
私事にて恐縮至極に存じます。
昨日10月10日に入籍いたしましたので、ご報告申し上げます。
結婚を機にますます仕事に精進して参りますので、
今後ともご指導ご鞭撻のほど宜しくお願いいたします。 - 例文(休むメール)
昨日実家が津波の被害にあいまして…
私事にて恐縮至極に存じますが本日休業いたします。 - 例文(子供の風邪で休むメール)
本日、息子の急病のため休みをいただきます。
私事にて恐縮至極に存じますが、ご了承のほどお願い申し上げます。 - 例文(家族の都合で休むメール)
本日、母の介護のため休みをいただきます。
私事にて恐縮至極に存じますが、ご了承のほどお願い申し上げます。
例文③お忙しいところ恐縮至極に存じますが、
恐縮至極 のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
「お忙しいところ恐縮至極に存じますが、~」
「お忙しいところ恐縮至極ではございますが、~」
「~」の部分にはいろいろなフレーズがきます。
たとえば、
「お忙しいところ恐縮至極に存じますが、ご返信いただければ幸いです」
「お忙しいところ恐縮至極に存じますが、ご対応いただければ幸いです」
「お忙しいところ恐縮至極に存じますが、ご連絡くださいますようお願い申し上げます」
「忙しいところホントに申し訳ないのですが…」
使い方
お忙しいところ恐縮至極に存じますが~ の使い方は…
とくにビジネスメールに使われる、相手を気づかうクッションフレーズです。あとに続けて何かしらの「お願い・依頼」がつづき、ビジネスメールの結びとなります。
その他にもイロイロな使い方ができます。
以下例文もあわせてご参照ください。
ビジネス例文
- 例文(ビジネスメール結び)
~前中略~
お忙しいところ恐縮至極に存じますが、ご返信いただければ幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。 - 例文(ビジネスメール結び)
~前中略~
お忙しいところ恐縮至極に存じますが、
ご連絡くださいますようお願い申し上げます。 - 例文(ビジネスメール結び)
~前中略~
お忙しいところ恐縮至極に存じますが、
弊社オフィスまでお越しいただければと存じます。
何卒よろしくお願い申し上げます。 - 例文(ビジネスメール結び)
~前中略~
お忙しいところ恐縮至極に存じますが、
ご検討のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
例文④~のお願いにて恐縮至極に存じますが、
恐縮至極 のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
- 例文「差し出がましいお願いにて恐縮至極に存じますが、~」
- 例文「ぶしつけなお願いにて恐縮至極に存じますが、~」
「~」の部分にはいろいろなフレーズがきます。たとえば、
- 例文「・・のお願いにて恐縮至極に存じますが、ご対応いただければ幸いです」
- 例文「・・のお願いにて恐縮至極に存じますが、ご了承のほどお願い申し上げます」
- 例文「・・のお願いにて恐縮至極に存じますが、お取り計らいのほどお願い申し上げます」
「差し出がましいお願いでホントに申し訳ありませんが~」
「ぶしつけなお願いでホントに申し訳ありませんが~」
ここで、
「差し出がましい」は「余計なこと・でしゃばり・出すぎたマネ」の意味。自分のした行為にたいして「余計なんだけど…」と謙って(へりくだって)使う言葉です。
「ぶしつけな」は「無作法な、礼儀をわきまえない」の意味。自分のした行為にたいして「無作法で申し訳ないのだけど」と謙って(へりくだって)使う言葉です。
使い方
のお願いにて至極恐縮に存じますが~ の使い方は…
例文③と同じく、とくにビジネスメールに使われる、相手を気づかうクッションフレーズです。あとに続けて何かしらの「お願い・依頼」がつづき、ビジネスメールの結びとなります。
その他にもイロイロな使い方ができます。
以下例文もあわせてご参照ください。
ビジネスメール例文
- 例文(お願いメール結び)
~前中略~
差し出がましいお願いにて恐縮至極に存じますが、ご了承いただければ幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
例文⑥恐縮至極に存じます・存じますが〜
恐縮至極 のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
- 例文「恐縮至極に存じます」
あるいは
- 例文「恐縮至極に存じます」
- 例文「恐縮至極に存じますが、ご検討のほど何卒よろしくお願い申し上げます」
「これ以上ないくらい申し訳なく思います」
「これ以上ないくらい恐れ多く思います」
- 「思う」の謙譲語「存じる」
- 丁寧語「ます」
この2つを組み合わせた敬語フレーズです。
使い方
恐縮至極に存じます の使い方は…
例文③④⑤と同じく、とくにビジネスメールに使われる、相手を気づかうクッションフレーズです。あとに続けて何かしらの「お願い・依頼」がつづき、ビジネスメールの結びとなります。
その他にもイロイロな使い方ができます。
以下例文もあわせてご参照ください。
ビジネスメール例文
- 例文(お願いメール結び)
~前中略~
ぶしつけなお願いにて恐縮至極に存じますが、ご了承いただければ幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。 - 例文(ビジネスメール結び)
~前中略~
お忙しいところ恐縮至極に存じますが、
弊社オフィスまでお越しいただければ幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。 - 例文(ビジネスメール結び)
~前中略~
お忙しいところ恐縮至極に存じますが、
ご検討のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
恐縮至極 の類語と言い換え
恐縮至極 の類語と言い換えについて。
ビジネスシーンでも使える言い換え表現をざっくりまとめておきます。
至極恐縮
恐縮至極 の類語と言い換え。
至極x恐縮 というように順番を変えただけなのですが、こちらもよく使われます。
恐縮の至り/恐縮の限り/恐縮の極み
恐縮至極 の類語と言い換え。
「恐縮の至りでございます」
「恐縮の限りでございます」
「恐縮の極みでございます」
「とんでもなく恐れ入ります」
「とんでもなく恐れて身がすくみます」
「ものすごく申し訳ない気持ちです」
どれも似たような意味で「これ以上はない」、つまり「とんでもなく」「とてつもなく」という意味にとれます。
大変恐れ入ります・大変恐れ入りますが~
恐縮至極 の言い換え or 類語としてオーソドックスなのが「大変恐れ入ります・大変恐れ入りますが」です。
「恐れ入る」と「恐縮」はどちらもおなじ意味。したがって「大変」と「至極」の違いということになります。もちろん「大変」よりも「至極」のほうがハイレベルで申し訳ない気持ちがあらわれます。
大変申し訳ありませんが~
ここまで「恐縮至極」についてみてきましたが、無理してこの表現を使う必要はありません。
もっとシンプルに「大変申し訳ありません」で言い換えできます。もちろん「大変」よりも「至極」のほうがハイレベルで申し訳ない気持ちがあらわれます。
- 例文「お忙しいところ大変申し訳ありませんが、ご対応のほどお願い申し上げます」
- 例文「お忙しいところご連絡いただき、誠にありがとうございます」
- 例文「たいそうなお品をいただき、誠にありがとうございます」