不動産営業マンの仕事が「きつい・ブラック・激務」といわれる理由

不動産会社・営業マンの仕事内容と、なぜ不動産営業は「ブラック・激務・きつい仕事」と言われるのかを解明する記事。

就活・転職者のよくある以下の質問すべてに対応しています。

  1. 不動産営業マンって激務ランキングの上位にいるけど、なんでそんなに忙しいの?
  2. 不動産会社・営業マンってそもそも何してる?仕事内容は?
  3. 不動産営業マンって年収高い?

それでは進めていきましょう。

不動産会社・営業マンの仕事内容

「不動産会社の営業マン」とひとくくりにしても、仕事内容は①何を売るか?、②誰に売るか?において違いあり。

不動産営業マンは誰に売るのか?何を売るのか?

不動産営業マンには、ざっくり整理すると以下のとおりの仕事というか、売らなければいけない商品あり。

誰に売る?
↓ 何を売る?→
商品 企業の例

to 個人:

サラリーマン
医師
経営者など

①戸建て住宅
②マンション
③投資用マンション
④土地
⑤その他
(リフォームなど)

ハウスメーカー・
仲介業者

積水ハウス
大和ハウス
パナホーム
名もない仲介業者

to 法人:

不動産管理会社
不動産仲介業者
賃貸会社
資産管理会社など

①戸建て住宅
②マンション
③投資用マンション
④土地
⑤その他
(リフォームなど)

ディベロッパー

三井不動産
住友不動産
三菱地所など

上記のように不動産といってもイロイロあります。

大和ハウス・積水ハウスなどのハウスメーカーが販売する①戸建て住宅。

三井不動産・住友不動産などのディベロッパーが販売する②③マンション。

なんでも扱えるデパート型の不動産仲介業者、といった感じ。

「to 個人営業」がメインであるハウスメーカーや仲介業者が、いわゆるthe不動産会社の営業マンとなる。

「to 法人営業」がメインであるディベロッパーであれば、営業といっても小口の消費者に直接売ることはほとんどない。その下に販売を専門とする子会社があったり、代理店・特約店と称してさらにイロイロな仲介業者あり(名もない不動産販売会社のこと)。

川下の消費者に近ければ近いほど「ツライ×激務×ブラック」な仕事になる傾向。

ここではとくに、

「to 個人営業」のハウスメーカー・不動産仲介業者の仕事内容についてまとめておきます。

「to 法人営業」のディベロッパーは別の機会にまとめますね。

ステップ①見込み客の発掘

顧客ゼロの新入社員はまず、見込み客を探すことから始まります

これは会社ごとにマニュアルがあり、不動産会社の営業マンはざっくりと以下の方法で見込み客を発掘します。

  1. テレアポ・突撃お宅訪問(マンション投資にありがち)
    ・会社の営業マニュアルにそって、電話帳なり何かの名簿を手にして電話しまくります。もしくはアポなしで直接、お宅訪問をします。私は電話を受ける側の人間なのですが、WEBサイトに公開している問い合わせ電話番号に、不動産会社やマンション投資会社からしょっちゅう電話かかってきます。
    ・たいていの場合は軽くあしらわれて終わるでしょう。100件チャレンジして1件でもアポがとれれば凄いです。
  2. マンション、戸建て展示会(店舗)で営業
    ハウスメーカーやディベロッパーは展示会場というか店舗をもっていますね。そこで営業スタッフとして常駐して見込み客をつかまえる仕事もあり。これはフツーの営業であり、見込み客の連絡先をもらいしつこく付きまとえばいいだけ。
  3. いろいろな会合に出席して後日アポ
    ・上級者の不動産会社・営業マンはこっちのパターンのほうが多いかもしれません。さまざまな種類のオフ会に出席して名刺をゲットし後日アポイントを申し込む、というパターン。
    ・とくに起業家のパーティーとか、医師のパーティーとか、大企業サラリーマン中心のパーティーとか、カネを持っていてなおかつ忙しい人が集まる場所におおく出席しています。
    ・この手の会合は基本的に18:00以降に開かれるため、参加してるだけで激務になりますね。
  4. 友人・知人をあたる、紹介など
    ・最もアポイントが取り易い手法ですが、友人が減るので最終手段として心得ておきましょう。ちゃんと実績を出している不動産会社・営業マンは知り合いには頼らずあくまで新規で顧客を開拓してます。
    ・あるいは既存の顧客からの紹介などもよくあるパターン。顧客をうまく開拓し、ちゃんとした仕事をすれば別のヒトを紹介してもらえるチャンスになる。
  5. その他なんでも
    とにかく見込み客にアプローチできるのであれば、何でもありです。女性であれば女性の魅力(何のことだ?)を使っても大丈夫です。違法ではありません。

不動産仲介業者であれば①③のような電話営業・飛び込みがメインとなり、ハウスメーカーであれば②のような店舗営業がメインとなります。

まだマシな仕事といえるのはハウスメーカー営業のほうですね。

ステップ②不動産(投資用マンション・戸建てなど)の紹介

不動産は単価の高い商品であるため見込み客を発掘することすら難しいのですが、その後もさらなる試練が待っています。

見込み客にアポイントを取り、囲い込む営業努力をします。アポイントをとって商品説明に行ったりイロイロな手法があります。

ここでも会社の営業マニュアルに沿ってやればいいのですが、それだけでは顧客を獲得するのは難しいでしょう。

あなたの営業力がためされる場面です。

不動産会社の営業にかぎらず、どんな業界でもそうですが営業には答えがありません…「営業のコツを教えてくれ!」といわれても困ります。

あなたの信じるやり方で好きなようにやれば良く、どんなやり方をしようと成果をだす営業マンが偉いのです。究極の結果主義ですね。

ハウスメーカー・ディベロッパーは自社商品のみ扱いの専門店型。不動産仲介業者はなんでもありのデパート型。

ステップ③契約をとれるまで繰り返す

あとは契約が取れるまでステップ①とステップ②を繰り返すだけ。

不動産会社・営業マンの仕事内容はシンプルな作業の繰り返しなのです。つまり慣れてしまえば仕事自体は別にきつくも何ともありません流れ作業です。

ステップ④顧客をゲットしたら、見込み客を紹介してもらう

うまく新規開拓に成功して契約ゲットできたら営業マンとして一歩前進。

カネのなさそうなサラリーマンであれば、戸建てを購入したらもうそれで終わりでしょう。

が、

ここで「はい次いこう!」では三流の不動産営業マンです。できるだけしつこく付きまとって、あらたな見込み顧客を紹介してもらいます。

あるいは、

カネのありそうな医師や弁護士・税理士の顧客をゲットしたら、投資用マンション・別荘やリゾートをできるだけたくさん購入してもらえるように仕事します。見込み顧客も紹介してもらいます。

そうすることでドンドンあなたの営業成績を拡大していくのです。

もちろん、

その間にもステップ①、ステップ②を繰り返しつつ新規顧客を開拓する努力をしていけば、またたくまに売上は増えていくでしょう。

追加の仕事

実際にはこれに加えて会社ごとの決まりがあり、朝7時には出社しなければならないとか、18時に会社にもどって一日の報告会および“ツメ”があるとか、毎月の締め日に営業ノルマ未達だと”ツメ”が行われたりとか…

会社ごとに細かい規律があります

不動産会社の営業マンが「きつい×ブラック」と言われる理由

上述したように仕事内容だけをみると不動産会社の営業マンは激務になりようがないのです。

が、

別の理由によって「きつい×ブラック×激務」のツライ仕事になってしまいます。それでは理由についてみていきましょう。