「恐縮」意味と目上・ビジネスにふさわしい使い方、例文

恐縮(読み:きょうしゅく)の意味、

ビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方、注意点について。ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。

まずは要点のまとめから。

恐縮 の意味は…

① おそれて身がすくむこと
② 相手に迷惑をかけたり、相手の厚意を受けたりして申し訳なく思うこと

「恐縮」の使い方はホントにいろいろあり、「申し訳なく思う気持ち」「恐れ入る気持ち」をあらわしたいビジネスシーンであれば、たいてい使えます。

例文でみたほうが分かりやすいため、
代表的な使い方を少し(意味などくわしくは本文にて)

  • 例文①たいそうなお品をいただき大変恐縮です(でございます)
  • 例文②たいそうなお品をいただき大変恐縮に存じます
  • 例文③〜いただき恐縮の至りでございます
  • 例文④〜いただき恐縮の限りでございます
  • 例文⑤〜いただき恐縮の極みでございます 
  • 例文⑥私事にて大変恐縮です(でございます)
  • 例文⑦お忙しいところ恐縮ですが(ではございますが)〜
  • 例文⑧恐縮に存じますが〜

例文①〜⑤でつかわれる「恐縮」の意味は…

いずれもおなじく「恐れて身がすくむ思いです」であり、お礼をあらわすビジネスシーンで使います。「ありがとう」とシンプルにお礼するよりも「こんな私に~してくれてホント恐れ入りますわ~」というような謙遜の気持ちが表れていて好感がもてますね。

例文⑥⑦⑧でつかわれる「恐縮」の意味は…

いずれも「申し訳ないと思う」であり、お願いごと・お詫び・申し訳なく思う気持ちを示したいときに使います。

上記の例文はどれも丁寧な敬語であり、

ビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)で使うのにふさわしい敬語フレーズです。

ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、本文中ではいろいろな例文を使いながら意味、使い方、注意点について説明していきます。

恐縮 の意味と使い方

意味

恐縮 の意味は冒頭でも解説したとおり

①おそれて身がすくむこと
②相手に迷惑をかけたり、相手の厚意を受けたりして申し訳なく思うこと

たとえば、

「お忙しいところ大変恐縮ではございますが、ご返信のほどお願い申し上げます」とすると、

  • 忙しいところホントに申し訳なく思うのだけど…メール返信してほしい

の意味となり、

「身に余るお言葉をいただき大変恐縮です」とすると、

「褒めてもらって、ホントに恐れて身がすくむ思いです」という意味の丁寧な敬語フレーズになります。

使い方

「恐縮」にどんな語を組み合わせるかでイロイロな敬語フレーズを作ることができます。

たとえば、

  1. 丁寧語「です」を組み合わせると「恐縮です」
  2. 丁寧語「ございます」を組み合わせると「恐縮でございます」
  3. 「思う」の謙譲語「存じる」を組み合わせると「恐縮に存じます」
  4. 「至り/限り/極み」などを併用すると「恐縮の至り/限り/極み」
  5. あとに文章を続けたいのであれば「恐縮ですが~」「恐縮ではございますが~」
恐縮ですが よりも「恐縮ではございますが」を使うともっと丁寧になる。

こんな感じで敬語フレーズを作ることができます。

ビジネスシーンでの使い方は、

①お願い・依頼、②お礼・感謝、③お詫び・謝罪 などで使います。「申し訳なく思う気持ち」「恐れ入る気持ち」を表したいときに使うとよいでしょう。

ここからは、

「恐縮」のビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい例文と使い方を紹介します。

例文①~をいただき大変恐縮です

恐縮 のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

「~をいただき大変恐縮です」
「~をいただき大変恐縮でございます」

「~」の部分にはイロイロな言葉が使えます。

たとえば、

「お心遣いをいただき大変恐縮です」
「本日はお足元の悪いなかご足労いただき、大変恐縮です」
「このたびはたいそうなお品をいただき大変恐縮です」
「身に余るご評価をいただき大変恐縮です」

意味は
「~をしてもらって申し訳ない」
「~をもらって申し訳ない」

「恐縮」のもっともオーソドックスな使い方となります。「もらう・~してもらう」の謙譲語「いただく」を使い敬語にしています。

使い方

~をいただき大変恐縮です の使い方は…

お土産をもらったり、何かしらの気づかいをしてもらった相手に伝えるお礼のフレーズとして使われます。

「ありがとう」とシンプルにお礼をするのもいいのですが、「恐縮」を使うことによって「こんな私のために~してくれて申し訳ない」という謙った(へりくだった)ニュアンスにしています。

ビジネスではつねに低姿勢であることが好まれます。

相手に負担をかける何かをさせたのであれば、「恐縮です・恐れ入ります」といったフレーズを使うとよいでしょう。

以下の例文もあわせてご参照ください。

ビジネスメール例文

  • 例文(お礼メール)
    ~前中略~
    このたびは、結構なお品をいただき厚くお礼申し上げます。
    いつもながらお心遣いをいただき大変恐縮でございます。
  • 例文(商談)
    本日はお足元の悪いなかご足労いただき、大変恐縮です
  • 例文(お土産をもらった)
    たいそうなお品をいただき大変恐縮です。
  • 例文(相手に褒められた)
    身に余るご評価をいただき大変恐縮でございます。
ご足労=(相手がコチラへ)訪問する
結構な品=すばらしい品

例文②私事にて大変恐縮です

恐縮 のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

「私事にて大変恐縮です」

あるいは、

「私事で大変恐縮ではございますが、~」
「私事にて大変恐縮ですが、~」

※ 私事の読みは「わたくしごと」

意味は
「自分や家族の事で申し訳ない」

ここで、私事(わたくしごと)は自分のことだけでなく身内にぞくする全ての都合のことを指します。

つまり家族のことであっても「私事」になります。敬語を使うときには相手からみたときに「ウチ」なのか「ソト」なのかを考える必要あり。

使い方

私事にて大変恐縮です の使い方は…

ビジネスに関係ない自分の話をするときのクッション言葉として、「いや~自分のことで申し訳ないんだけどさ…」のようなニュアンスで使います。

たとえば、

空き巣被害にあいまして…
私事にて大変恐縮ですが、事後処理のため本日休みをいただきます。

のように使うとよいでしょう。すると「いや~自分の都合で申し訳ないんだけど休みますわ~」の丁寧な敬語フレーズになります。

その他にもイロイロな使い方ができます。

以下例文もあわせてご参照ください。

ビジネスメール例文

  • 例文(上司への結婚報告メール)
    ~前中略~
    私事にて大変恐縮です。
    昨日10月10日に入籍いたしましたので、ご報告申し上げます。
    結婚を機にますます仕事に精進して参りますので、
    今後ともご指導ご鞭撻のほど宜しくお願いいたします。
  • 例文(商談)
    私事にて大変恐縮ですが、昨日実家が津波の被害にあいまして…
  • 例文(子供の風邪で休むメール)
    本日、息子の急病のため休みをいただきます。
    私事で大変恐縮ではございますが、ご了承のほどお願い申し上げます。
  • 例文(家族の都合で休むメール)
    本日、母の介護のため休みをいただきます。
    私事で大変恐縮ではございますが、ご了承のほどお願い申し上げます。
恐縮ですが よりも「恐縮ではございますが」を使うともっと丁寧になる。

例文③お忙しいところ恐縮ではございますが、

恐縮 のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

「お忙しいところ恐縮ではございますが、~」

「~」の部分にはいろいろなフレーズがきます。

たとえば、

「お忙しいところ大変恐縮ですが、ご返信いただければ幸いです」
「お忙しいところ大変恐縮ですが、ご対応いただければ幸いです」
「お忙しいところ大変恐縮ですが、ご連絡くださいますようお願い申し上げます」

意味は
「忙しいのに申し訳ないのですが…」

使い方

お忙しいところ大変恐縮ですが~ の使い方は…

とくにビジネスメールに使われる、相手を気づかうクッションフレーズです。あとに続けて、何かしらの「お願い・依頼」がつづきますね。

もっと丁寧な敬語にするには、

「恐縮ではございますが」とするとよいでしょう。

その他にもイロイロな使い方ができます。

以下例文もあわせてご参照ください。

ビジネス例文

  • 例文(ビジネスメール結び)
    ~前中略~
    お忙しいところ大変恐縮ではございますが、ご返信いただければ幸いです。
    何卒よろしくお願い申し上げます。
  • 例文(ビジネスメール結び)
    ~前中略~
    お忙しいところ大変恐縮ではございますが、
    ご連絡くださいますようお願い申し上げます。
  • 例文(ビジネスメール結び)
    ~前中略~
    お忙しいところ大変恐縮ではございますが、
    弊社オフィスまでお越しいただければと存じます。
    何卒よろしくお願い申し上げます。
  • 例文(ビジネスメール結び)
    ~前中略~
    お忙しいところ大変恐縮ではございますが、
    ご検討のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
恐縮ですが よりも「恐縮ではございますが」を使うともっと丁寧になる。

例文④差し出がましいお願いにて大変恐縮ではございますが、

恐縮  のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

「差し出がましいお願いにて大変恐縮ではございますが、~」

「~」の部分にはいろいろなフレーズがきます。

たとえば、

「差し出がましいお願いにて大変恐縮ではございますが、ご対応いただければ幸いです」
「差し出がましいお願いにて大変恐縮ではございますが、ご了承のほどお願い申し上げます」

「差し出がましいお願いにて大変恐縮ではございますが、お取り計らいのほどお願い申し上げます」

意味は
「でしゃばったお願いで申し訳ありませんが

ここで「差し出がましい」は「余計なこと・でしゃばり・出すぎたマネ」の意味。自分のした行為にたいして「余計なんだけど…」と謙って(へりくだって)使う言葉です。

使い方

差し出がましいお願いにて大変恐縮ですが~ の使い方は…

例文③と同じく、とくにビジネスメールに使われる相手を気づかうクッションフレーズです。あとに続けて何かしらの「お願い・依頼」がつづきますね。

もっと丁寧な敬語にするには、

「恐縮ではございますが」とするとよいでしょう。

その他にもイロイロな使い方ができます。

以下例文もあわせてご参照ください。

ビジネスメール例文

  • 例文(お願いメール結び)
    ~前中略~
    差し出がましいお願いにて大変恐縮ですが、ご了承いただければ幸いです。
    何卒よろしくお願い申し上げます。
ご了承=了解
恐縮ですが よりも「恐縮ではございますが」を使うともっと丁寧になる。

例文⑤ぶしつけなお願いにて大変恐縮ではございますが、

恐縮 のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

「ぶしつけなお願いにて大変恐縮ではございますが、~」

「~」の部分にはいろいろなフレーズがきます。

たとえば、

「ぶしつけなお願いにて大変恐縮ですが、ご対応いただければ幸いです」
「ぶしつけなお願いにて大変恐縮ですが、ご了承のほどお願い申し上げます」

「ぶしつけなお願いにて大変恐縮ですが、お取り計らいのほどお願い申し上げます」

意味は
「無礼なお願いをして申し訳ないのですが、」

ここで「ぶしつけ」は「しつけができていないこと、無作法」の意味。自分のした行為にたいして「無作法で申し訳ないのだけど」と謙って(へりくだって)使う言葉です。

使い方

ぶしつけなお願いにて大変恐縮ですが~ の使い方は…

例文③④と同じく、とくにビジネスメールに使われる相手を気づかうクッションフレーズです。あとに続けて何かしらの「お願い・依頼」がつづきますね。

もっと丁寧な敬語にするには、

「恐縮ではございますが」とするとよいでしょう。

その他にもイロイロな使い方ができます。

以下例文もあわせてご参照ください。

ビジネスメール例文

  • 例文(お願いメール結び)
    ~前中略~
    ぶしつけなお願いにて大変恐縮ですが、ご了承いただければ幸いです。
    何卒よろしくお願い申し上げます。
ご了承=了解
恐縮ですが よりも「恐縮ではございますが」を使うともっと丁寧になる。

例文⑥恐縮に存じます・存じますが〜

恐縮 のビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

「恐縮に存じます」

あるいは

「大変恐縮に存じます」
「大変恐縮に存じますが、ご検討のほど何卒よろしくお願い申し上げます」

意味は
「申し訳なく思います」
「恐れ多く思います」
ここで「存じます」は、
  1. 「思う」の謙譲語「存じる」
  2. 丁寧語「ます」

この2つを組み合わせた敬語フレーズです。

使い方

恐縮に存じます の使い方は…

例文③④⑤と同じく、とくにビジネスメールに使われる相手を気づかうクッションフレーズです。

「恐縮に存じますが〜」とすると、あとに続けて何かしらの「お願い・依頼」がつづきますね。

その他にもイロイロな使い方ができます。

以下例文もあわせてご参照ください。

ビジネスメール例文

  • 例文(お願いメール結び)
    ~前中略~
    ぶしつけなお願いにて恐縮に存じますが、ご了承いただければ幸いです。
    何卒よろしくお願い申し上げます。
  • 例文(ビジネスメール結び)
    ~前中略~
    お忙しいところ大変恐縮に存じますが、
    弊社オフィスまでお越しいただければ幸いです。
    何卒よろしくお願い申し上げます。
  • 例文(ビジネスメール結び)
    ~前中略~
    お忙しいところ大変恐縮に存じますが、
    ご検討のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

例文⑦恐縮の至り/恐縮の限り/恐縮の極み

恐縮 のビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

「恐縮の至りでございます」
「恐縮の限りでございます」
「恐縮の極みでございます」

意味はどれも同じく
「とんでもなく恐れ入ります」
「とんでもなく恐れて身がすくみます」
「ものすごく申し訳ない気持ちです」
ここで「至り」「限り」「極み」の意味は…

どれも似たような意味で「これ以上はない」、つまり「とんでもなく」「とてつもなく」という意味にとれます。

「恐縮」はすでに「恐れ入る」「申し訳ない」という気持ちをあらわしているのですが…

また、

「大変恐縮でございます」との違いはもちろん、どれくらいのレベルで恐縮しているのか?ということ。「至り・限り・極み」のほうがハイレベルで恐縮しています。

いったいどういう時に
「これ以上ない」くらいに恐縮する必要があるのでしょうか?

使い方

恐縮の至り/恐縮の限り/恐縮の極み の使い方は…

何か、とんでもなく恐縮しなければいけない事態が起こったときに使います。

たとえば、

【例文】
「1兆円もの融資をいただき、恐縮の至り(限り・極み)でございます」
みたいなビジネスシーンで使えますね。

銀行が1兆円というお金を貸してくれたとしたら…それはもう、これ以上ないくらいに恐縮すべき事態です。

ということで、

あまり使いすぎると「大げさだなぁ…」と相手に思われるため、ガチで恐縮すべきときにだけ使いましょう。

恐縮 の類語と言い換え

恐縮 の類語と言い換えについて。

ビジネスシーンでも使える言い換え表現をざっくりまとめておきます。

恐れ入ります・恐れ入りますが~

恐縮 の言い換え or 類語としてもっともオーソドックスなのが「恐れ入ります・恐れ入りますが」です。

意味と使い方はまったく同じであるため省略します。

申し訳ありませんが~

ここまで「恐縮」についてみてきましたが、無理してこの表現を使う必要はありません。

もっとシンプルに「申し訳ありません」で言い換えできます。

たとえば以下の例文に示すとおり、すべての「恐縮」は言い換えできますので、慣れない方はこちらを使いましょう。

  • 例文「お忙しいところ申し訳ありませんが、ご対応のほどお願い申し上げます」
  • 例文「お忙しいところご連絡いただき、誠にありがとうございます」
  • 例文「たいそうなお品をいただき、誠にありがとうございます」

【注意点】恐縮 はこう使う!