「お引き立て」の意味とビジネスにふさわしい使い方・例文

お引き立て(読み:おひきたて)の意味、ビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方、注意点について。

ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。

この記事の目次

お引き立ての意味は「ひいきにすること」「ご愛顧」

お引き立て(読み:おひきたて)の意味は「ひいきにすること」「引き立てること」「ご愛顧」

「お引き立て」のもととなる単語は「引き立て」であり尊敬語or謙譲語の「お(ご)」をつかって敬語にしています。

「引き立てる」という動詞が元になる語となっており、「自分は引いて」「相手を立てる」つまり、「ひいきにすること」のような意味として考えるのが妥当となります

お引き立ての使い方

「お引き立て」の使い方はざっくり2パターンあり。①ビジネス文書の冒頭挨拶、②ビジネス文書の結び・締め、に使われることの多いフレーズ。

使い方①ビジネス文書での冒頭挨拶

「お引き立て」の使い方その1

ビジネス文書で「平素は格別のお引き立てを賜り厚くお礼申し上げます」などのようにし、社外のメール挨拶「お世話になっております」と同じような意味で使われます。

ビジネスメールではあまり使われることのない表現であり、ビジネス文書など公式なシーンでよく使います。

ほかに言い換えとして使えるフレーズには「ご高配・ご厚情・ご愛顧」などがあります。

挨拶でよく使う順にならべると…
「ご高配 > お引き立て > ご厚情 > ご愛顧」

ただし、おっさんの経験からくる感覚値ですので悪しからず。

ビジネス文書の中には「添え状」「見積書」などから「年賀状」「暑中見舞い・寒中見舞い」といった公式なものまですべてを含みます。

ほぼ以下のような例文で使われますね(意味などくわしくは本文にて)

  • 例文①平素は格別なお引き立てを賜り誠にありがとうございます
  • 例文②平素は格別なお引き立てを賜り厚くお礼申し上げます
    ※意味はどちらも「日ごろは特別にひいきにしてもらい、本当にありがとう」

使い方②何かしらの挨拶ビジネス文書の締め・結び

「お引き立て」の使い方その2

何かしらの挨拶ビジネス文書や挨拶メールの結び・締めで「今後とも倍旧のお引き立てを賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます」として使います。

  • 例文「今後ともお引き立てを賜りますようお願い申し上げます」
  • 例文「今後ともお引き立てのほど宜しくお願い申し上げます」
  • 例文「今後ともお引き立てを賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます」
  • 例文「今後とも倍旧のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます」
    ※「
    倍旧の」は「より一層の」という意味
    ※意味はどちらも「ひいきにしてもらうよう、お願いします」

のようにして、挨拶をともなうビジネス文書やビジネスメールで結び・締めくくりとして使われます。

挨拶の中には「就任の挨拶」「着任の挨拶」「退任の挨拶」「本社移転の挨拶(案内)」などがありますね。

具体的にはたとえば、社外にむけて就任の挨拶文書やメールをするとき。

「このたび、執行役員に就任いたしました。(中略)今後とも倍旧のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます」

みたいにメール結びとして使えます。

まぁ、ようするに「今後もよろしくね!」という意味なのです。難しいようでしたら「今後もよろしくね!」のカッコつけた表現だということを覚えておけばよいでしょう。

おなじような表現としては、

「今後とも変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます」※読みは「ごこうぎ」
「今後とも倍旧のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます」※読みは「ごあいこ」
「今後とも倍旧のご指導を賜りますようお願い申し上げます」
ご支援を賜りますよう〜」※読みは「ごしえん」
ご厚情を賜りますよう〜」※読みは「ごこうじょう」

もあります。

※ それぞれ別の意味ですが言い換えたとしても違和感はありません 

使い方③挨拶を伴うビジネスメールにも使える

「お引き立て」の使い方その3

これまではビジネス文書についての使い方を解説しました。これらは普段づかいのビジネスメールでは使う必要のないフレーズです。

ただ公式な挨拶を伴うようなビジネスメールでは丁寧な印象となりますので、積極的に使っていきましょう。

具体的にはたとえば、

「就任の挨拶」「着任・赴任の挨拶」「異動の挨拶」をともなうビジネスメールで使うとよいでしょう。

ざっくりとした解説はこれにて終了。

ここからはよく使う例文とその意味を紹介しておきます。

例文①平素は格別なお引き立てを賜り誠にありがとうございます

「お引き立て」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

  • 例文①平素は格別なお引き立てを賜り誠にありがとうございます

意味「日ごろは特別ひいきにしてもらい、本当にありがとう」

ここで「賜る(たまわる)」は「もらう」の謙譲語であり「平素は」は「日ごろは」の意味のかしこまったフレーズであるため上記のような意味となります。

使い方「ビジネス挨拶」

使い方はビジネス文書の挨拶文として「お世話になっております」と同じ意味で使われます(本当は違う意味ですが…)。あくまでもビジネスシーンでは、という話。

間違ったウェブサイトの解説に「目上のヒトに対してだけ使う」とありますが、断じてそんなことはありません。

公式なビジネス文書の挨拶であり、目上も目下も関係ありません。

ただしビジネスメールではあまり使われることのない表現であり、ビジネス文書など公式なシーンでよく使います。

また公式なビジネス文書では「時候の挨拶」とセットで使われることにもご留意ください。

すると以下のような例文で使われます。

ビジネスシーンの例文

  • ビジネス文書の例文(挨拶)
    拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
    平素は格別のお引き立てを賜り誠にありがとうございます。 (本文) 敬具
  • ビジネスメール例文(挨拶)
    平素は格別のお引き立てを賜り誠にありがとうございます。
    転職ノマドでございます。

例文②平素は格別なお引き立てを賜り厚くお礼申し上げます

「お引き立て」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

  • 例文②平素は格別なお引き立てを賜り厚くお礼申し上げます

「厚く=誠に」「お礼申し上げます=ありがとうございます」という意味ですので、例文①を少し変えただけであることが分かりますね。

意味と使い方は例文①と重複するため省略しますが、例文①よりもかしこまった表現です。ビジネス文書などでよく目にするのはコチラですね。

ビジネスシーンの例文

  • ビジネス文書の例文(冒頭の挨拶)
    拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
    平素は格別のお引き立てを賜り厚くお礼申し上げます。 (本文) 敬具
  • ビジネスメール例文(冒頭の挨拶)
    平素は格別のお引き立てを賜り厚くお礼申し上げます。
    転職ノマドでございます。

例文③お引き立てを賜りますようお願い申し上げます

「お引き立て」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

つづいてビジネス文書やメールの結び・締めとして使えるフレーズ

  • 例文③お引き立てを賜りますようお願い申し上げます

意味は「ひいきにしてもらうよう、お願いします」

  1. お引き立て = ひいきにすること、ご愛顧
  2. 賜る = 「もらう」の謙譲語
  3. ますよう = 「するように」の意味の敬語
  4. お願い申し上げます = お願いのかしこまった敬語

これらの単語を合体させて意味を考えます。

すると「お引き立てを賜りますようお願い申し上げます」の意味は…

「ひいきにしてもらうよう、お願いします」のように解釈できます。

「賜る(たまわる)」は「もらう」の謙譲語であり、とくに目上からの厚意を受けるときに使う敬語です。

「ご指導を賜る=指導してもらう」「お力添え賜る=手助けしてもらう」などのようにして使いますね。

またここで使う「ますよう」は丁寧語「ます」に「ように」をつづけた敬語。

要は「今後もよろしく!」だと覚えておけばよい

「お引き立て」「賜る」「お願い申し上げます」とかイロイロと大げさなフレーズを組み合わせているため、なんだかバカ丁寧な印象になる言葉です。

が、公式なビジネスシーンではよく登場します。

「お引き立てを賜りますようお願い申し上げます」までを一つのフレーズとして覚えておくと、ビジネス文書や公式な挨拶メールを書くときに役立つでしょう。

で、ビジネスシーンに使われるときはもっとシンプルに意訳して「今後もよろしく!」の意味だと考えればOKです。

次項より使い方についても見ておきましょう。

ビジネスシーンでの例文

  • ビジネス文書、メールの例文(結び・締め)
    例文「今後ともお引き立てを賜りますようお願い申し上げます」
    例文「今後ともお引き立てを賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます」
    例文「今後とも倍旧のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます」
    ※「倍旧の」は「より一層の」という意味

例文④お引き立てくださいますようお願い申し上げます

「ご厚情」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

  • 例文④お引き立てくださいますようお願い申し上げます

例文③~賜りますようを「くださいますよう」に変えただけです。よく使うのは「例文③賜りますよう」のほうです。

意味は「ひいきにしてくれますよう、お願いします」

  1. お引き立て = ひいきにすること、ご愛顧
  2. くださる = 「くれる」の尊敬語
  3. ますよう = 「するように」の意味の敬語
  4. お願い申し上げます = お願いのかしこまった敬語

これらの単語を合体させて意味を考えます。

すると「お引き立てくださいますようお願い申し上げます」の意味は…

「ひいきにしてくれますよう、お願いします」

のように解釈できます。

お引き立てをくださいますよう~よりも「お引き立てを賜りますよう」を使う

繰り返しにはなりますが、

「今後ともお引き立てくださいますようお願い申し上げます」

よりも

「今後ともお引き立てを賜りますようお願い申し上げます」
「今後とも倍旧のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます」

といった表現のほうがよく使われます。意味はどれもおなじですが尊敬語「くださる」よりも謙譲語「賜る(たまわる)」のほうがかしこまったシーンにおいて好まれるフレーズです。

※ 賜る(たまわる)は「もらう」の謙譲語
※ 「くださる」は「くれる」の尊敬語

要は「今後もよろしく!」だと覚えておけばよい

「お引き立て」「くださる」「お願い申し上げます」とかイロイロと大げさなフレーズを組み合わせているため、なんだかバカ丁寧な印象になる言葉です。

が、公式なビジネスシーンではよく登場します。

「お引き立てくださいますようお願い申し上げます」までを一つのフレーズとして覚えておくと、ビジネス文書や公式な挨拶メールを書くときに役立つでしょう。

で、ビジネスシーンに使われるときはもっとシンプルに意訳して「今後もよろしく!」の意味だと考えればOKです。

次項より使い方についても見ておきましょう。

ビジネスシーンの例文

  • ビジネス文書、メールの例文(結び・締め)
    例文「今後ともお引き立てくださいますようお願い申し上げます」
    例文「今後ともお引き立てくださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます」
    例文「今後とも倍旧のお引き立てをくださいますようお願い申し上げます」
    ※「倍旧の」は「より一層の」という意味

例文⑤お引き立てのほどお願い申し上げます

「お引き立て」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

  • 例文「お引き立てのほどお願い申し上げます」
  • 例文「今後ともお引き立てのほど何卒よろしくお願い申し上げます」

意味は「ひいきにしてもらうよう、お願いします」

  1. お引き立て = ひいきにすること、ご愛顧
  2. 〜のほど = 〜してもらうよう、〜してくれるよう
  3. お願い申し上げます = お願いのかしこまった敬語

これらの単語を合体させて意味を考えます。

すると「お引き立てのほどお願い申し上げます」の意味は…

「ひいきにしてもらうよう、お願いします」のように解釈できます。

「〜のほど」の意味は「該当なし」

「〜のほど」に深い意味はありません。

断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。

たとえば、

  1. ご査収のほどお願い申し上げます
    意味「よく中身を確認して受け取るよう、お願い」
  2. お取り計らいのほどお願い申し上げます
    意味「物事をうまく進めてくれるよう、お願い」
  3. ご確認のほどお願い申し上げます
    意味「確認してくれるよう、お願い」
  4. ご了承のほどお願い申し上げます
    意味「了解してもらうよう、お願い」

などのようにして使います。

これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「〜のほど」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。

ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。

すると、

ここで使われる「お引き立てのほど」のもっとも近い意味は「ひいきにしてもらうよう」「ひいきにしてくれるよう」のようになりますね。

ビジネスシーンでの例文

  • ビジネス文書、メールの例文(結び・締め)
    例文「今後ともお引き立てのほどお願い申し上げます」
    例文「今後ともお引き立てのほど何卒よろしくお願い申し上げます」
    例文「今後とも倍旧のお引き立てのほどお願い申し上げます」
    ※「倍旧の」は「より一層の」という意味

その他いろいろな例文

  1. お引き立てくださり~
    意味は「ひいきにしてもらい~」
    ~の部分にはお礼などがきます
  2. お引き立てをいただき誠にありがとうございます
    意味は「ひいきにしてもらい本当にありがとう」
    日ごろお世話になっていることのお礼を表すフレーズです

「お引き立て」の類語と言い換え

「お引き立て」の類語と言い換えについて。

ビジネスシーンでも使える言い換え表現をざっくりまとめておきます。

ご高配(読み:ごこうはい)

ビジネスシーンで使える「お引き立て」の言い換え・類語

オーソドックスなのは「ご高配」です。

「ご高配」の意味は「お心配り」「お心遣い」

「高配」の「高」は「高察=察することを敬って言う表現」で使われるように、相手を高める、つまり尊敬の意をこめて使われます。

「配慮・心配り」などで使われる「配」をつけ加え「高配」としています。

「ご高配」も「ご厚誼」も日ごろの感謝の気持ちを込めて使う言葉であり、おなじように使えます。

すると以下のようなフレーズも同じように使えますね。

  • 例文「平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のご高配にあずかり厚く御礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のご高配を賜り誠にありがとうございます」
  • 例文「平素は格別のご高配を頂き誠にありがとうございます」
  • 例文「今後とも倍旧のご高配を賜りますようお願い申し上げます」※「倍旧の」は「より一層の」という意味

ご厚情(読み:ごこうじょう)

ビジネスシーンで使える「お引き立てのほどお願い申し上げます」の言い換え・類語

続いてオーソドックスなのが「ご厚情を賜りますようお願い申し上げます」です。

「お引き立て」は「ご厚情」に言い換えることもできます。

「ご厚情」の意味は「厚いなさけ。心からの深い思いやりの気持ち」であり、「お引き立て」と似たようなシーンで使われます。

意味としては違いますが結局のところどちらも「今後もよろしく!」的な意味でビジネスメールや手紙・文書の締めくくりとして使われますね。

  • 例文「今後ともご厚情を賜りますようお願い申し上げます」
  • 例文「今後ともご厚情を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます」
  • 例文「今後ともご厚情を頂きますようお願い申し上げます」
  • 例文「今後とも倍旧のご厚情を賜りますようお願い申し上げます」
    ※「倍旧の」は「より一層の」という意味

ご厚誼(読み:ごこうぎ)

ビジネスシーンで使える「お引き立て」の言い換え・類語

続いてオーソドックスなのが「ご厚誼」です。

「ご厚誼」の意味は「親しいお付き合い。厚いよしみ、親しみ」であり、「お引き立て」と似たようなシーンで使われます。

「ご高配」も「ご厚誼」も「ご厚情」も相手にたいする日ごろの感謝の気持ちを込めて使う言葉であり、おなじように使えます。

すると以下のようなフレーズも同じように使えますね。

  • 例文「平素は格別のご厚情を賜り厚くお礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のご厚情にあずかり厚く御礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のご厚情を賜り誠にありがとうございます」
  • 例文「平素は格別のご厚情を頂き誠にありがとうございます」
  • 例文「今後とも倍旧のご厚情を賜りますようお願い申し上げます」※「倍旧の」は「より一層の」という意味

ご愛顧(読み:おひきたて)

ビジネスシーンで使える「お引き立て」の言い換え・類語

つづいて「ご愛顧」

「ご愛顧」の意味は「ひいきにすること」であり、「お引き立て」とおなじ意味をもちます。

こちらも相手にたいする日ごろの感謝の気持ちを込めて使う言葉であり、おなじように使えます。

すると以下のようなフレーズも同じように使えますね。

  • 例文「平素は格別のご愛顧を賜り厚くお礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のご愛顧にあずかり厚く御礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のご愛顧を賜り誠にありがとうございます」
  • 例文「今後とも倍旧のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます」※「倍旧の」は「より一層の」という意味

その他

ビジネスシーンで使える「ご厚誼」の言い換え・類語

あとは場合によっては使えるであろう言い換え・類語を紹介します。

  • お心遣いをいただき、ありがとうございます
    意味は「心配り」であり、とくに何かをもらったときのお礼のビジネスシーンで「●●に際してお心遣いを頂き誠にありがとうございました」のようにして使われます。

「お心遣い」意味と目上・ビジネスメールにふさわしい使い方、例文

  • ご配意いただき、ありがとうございます
    意味は「配慮」であり、とくにお礼のビジネスシーンで「ご配慮を頂き誠にありがとうございました」のようにして使われます。

書き出しの挨拶でよく使う「ご高配」「お引き立て」+結びによく使う「ご厚誼」「ご厚情」「ご愛顧」

これだけいろいろな言い換えがあると、一体どれを使ったらいいものか悩んでしまいますね…

そこでビジネス挨拶によく使われる順にならべておきましょう。

もっとも簡単に使い分けする方法は…

  1. 書き出しの挨拶では「ご高配」「お引き立て」を使うこと
    ※よく目にするのは「ご高配>お引き立て」の順
  2. 結び・締めくくりには「ご厚誼」「ご厚情」「ご愛顧」を使うこと
    ※よく目にするのは「ご厚誼>ご厚情 >ご愛顧」の順

こんな風に使い分けしていればどんなビジネス文書・ビジネスメールにも対応できますね。

すると…

「拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。(本文)今後とも倍旧のご厚誼(ご厚情・ご愛顧)を賜りますようお願い申し上げます 敬具」

上記をテンプレート化してしまえばOKです。

【注意点】お引き立てはこう使う!

つづいて「お引き立て」を使うときの注意点を解説します。

敬語を正しく使うことはもちろん、ふさわしいビジネスシーンを考えて使いましょう。

お引き立てを頂き・くださり~よりも「お引き立てを賜り~」を使う

繰り返しにはなりますが、

「お引き立てくださり厚くお礼申し上げます」
「今後ともお引き立てを頂きますようお願い申し上げます」
「今後ともお引き立てをくださいますようお願い申し上げます」

よりも

「お引き立てを賜り厚くお礼申し上げます」
「今後ともお引き立てを賜りますようお願い申し上げます」
「今後とも倍旧のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます」

といった表現のほうがよく使われます。意味はどれもおなじですが謙譲語「いただく」や尊敬語「くださる」よりも「賜る」のほうがかしこまったシーンにおいて好まれるフレーズです。

また「ありがとう」よりも「御礼申し上げます」「お礼申し上げます」のほうが好まれます。

とくに公式なビジネス文書では気をつけましょう。

かしこまった言い方であり、ビジネス文書や手紙でよく使う

「お引き立て」はかなりかしこまった表現であるため、普段のビジネスメールや会話では使いません。

公式な挨拶が必要となるシーン、

たとえば「ビジネス文書」「手紙」「暑中寒中見舞いハガキ」「年賀状」「転勤の挨拶メール」といったビジネスシーンで使われます。

普段のビジネスメール結びや締めくくりに使ったらダメという訳ではないですが、ほとんど目にしたことがありません。

もちろん異動の挨拶・就任の挨拶・転勤の挨拶・赴任の挨拶・退職の挨拶メールなど、公式なビジネスメールではよく使われますが…

あくまでも普段づかいのビジネスメールではあまり目にしないという話。

【参考】「取り急ぎお礼まで」を目上の人に使わない理由・丁寧な言い換え

ビジネスでは何かとお世話になってばかり。だから「お引き立て」を使う

ビジネスは一人では成り立ちません。

私たちは社内の先輩や上司、社外のパートナーなど、まわりの人々にいつも助けてもらいながら仕事をしているのです。

そういう意味でビジネスメールでは誰かにお世話になりっぱなしなのです。

そんなお世話になっている相手に対して「今後もよろしくね!」といった挨拶や「日頃からお世話になっています」などのような挨拶の意味を込めて使うのが「お引き立て」です。

ビジネス文書で使うときは時候の挨拶も入れる!

「お引き立て」をつかうときの、一連の流れとして覚えていただきたいこと。

ビジネス文書で使うとき「平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます」の前に時候の挨拶を入れましょう。

そして「拝啓~敬具」もあわせて使います。

すると以下のような感じ。

  1. 企業向け「拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り厚くお礼申し上げます (本文) 敬具」
  2. 企業向け「拝啓 ●●の候 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配にあずかり厚くお礼申し上げます (本文) 敬具」
  3. 個人向け「拝啓 時下ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます (本文 敬具)」
  4. 個人向け「拝啓 ●●の候 xx様におかれましては益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配にあずかり厚くお礼申し上げます (本文) 敬具」

かみくだくと「最近どうよ?世話になっててありがとう!」というような意味となります。

季節ごとに「●●の候」というような季語を使うこともありますが…最近では上記のようにオールシーズンで使われる時候の挨拶しか見たことないですね。

➡︎ ビジネス挨拶文の例文50選(文書・メール・年賀状・時候ほか)

➡︎ ビジネスメールでの「拝啓・敬具」の書き方と位置

「お引き立てしてください」はNG!

きわめて初歩的な敬語の使い方なのですが…

「お引き立て」するのはあくまでも相手の厚意であるため、相手に「お引き立てしてください=ひいきにしてください」と要求するのは、なんとも厚かましい感じがします。

これは受け手の感情次第であり、そんなことは考えずに使っているヒトがほとんどだと思いますが…

とくに目上のヒトに何かをお願いするときには「お取り計らい」をつかい、「お取り計らいのほど、何卒よろしくお願いいたします」などのようにするのが無難です。

「お取り計らい」意味と目上の方への正しい使い方【例文あり】

「お引き立て」のビジネス文書・ビジネスメール

さいごに「お引き立て」を使ったビジネスメールや文書の例文を紹介します。

例文①ビジネス送付状

平成29年8月28日

株式会社ビジネス
ビジネス文書部 ビジネス太郎 様

〒123‐4567
東京都渋谷区○○1-1-1 渋谷ビル13F
株式会社レター文書
営業部
担当:転職 一郎
TEL/FAX:xxx-xxxx-xxxx/oooo
e-mail:shukatsu@shukatsu

送付のご案内

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
さて、表題の件につき下記のとおり送付いたします。ご査収のほど宜しくお願い申し上げます。

敬具

・iPhone6 製品カタログ     3部
・iPhone6 技術資料       3部
・iPhone6 品質規格書      3部

以上

【ビジネス】送付状の書き方と例文テンプレート(物品・郵送・FAX)

参考記事

➡︎「ご厚情を深謝いたします」意味と使い方・例文
➡︎「平素は格別のご厚情を賜り厚くお礼申し上げます」意味と使い方・例文
➡︎「ご厚情痛み入ります」意味と使い方・例文
➡︎「ご厚情を賜りますようお願い申し上げます」意味と使い方・例文
➡︎「ご厚誼」「ご交誼」「ご高配」「ご厚情」の意味と違い、使い分け