敬語「お控えくださいますよう vs 頂きますよう」意味と違い・使い方

あまり関係ないのかもしれませんが重要なので念のため。

ビジネスメールの文末・結び・締めとして使うことのおおい「お控えいただきますよう・お控えくださいますよう」

ここでは、

ビジネスメール結びをより丁寧にするためのコツをご紹介します。

+前置きに強調するフレーズを!

ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。

「お控え」の前置きに添える丁寧なお願いフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」を使うとより丁寧な印象のメールとなります。

たとえば以下のようなフレーズがあります。

  • どうかお控え〜
    「どうかお控えくださいますようお願い申し上げます」
    「どうかお控えくださいますようお願い致します」
    「どうかお控えいただきますようお願い申し上げます」
  • 何卒お控え〜
    「何卒お控えくださいますようお願い申し上げます」
    「何卒お控えくださいますようお願い致します」
    「何卒お控えいただきますようお願い申し上げます」

+気づかいの敬語フレーズもGood

ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。

「お控え」の前置きには強調するフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」だけでなく、申し訳なく思う気持ちや、相手を気づかうフレーズをもってきても丁寧です。

たとえば「お忙しいところ大変お手数ではございますが~」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。

  • お手数 = 手間、めんどう
    「大変お手数ではございますが、何卒お控えくださいますようお願い申し上げます」
    「大変お手数お掛けいたしますが何卒お控え〜」
  • 恐縮/恐れ入る = 申し訳ない
    「お忙しいところ大変恐縮ではございますが、お控えくださいますようお願い申し上げます」
    「お忙しいところ恐縮ですがお控え~」
    「ご多忙のところ恐れ入りますがお控え~」
  • 誠に申し訳ございませんが = 本当にすみませんけど
    「お忙しいところ誠に申し訳ございませんが、お控えいただきますようお願い申し上げます」
  • 勝手を申し上げる = 自分勝手を言う
    「勝手を申し上げますが、どうかお控えいただければと存じます」
  • ご多忙とは存じますが = 忙しいとは思うのですが
    「ご多忙とは存じますが、お控えいただければ幸いです」

“お控え”のいろいろな使い方・例文

あとはいろいろ使える「お控え」の例文を紹介しておきます。

どの例文も上司や目上・取引先などのビジネスメールに使える丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。

すでに登場した例文もありますが、いちおう全てをまとめておきます。

依頼・お願いビジネスメール結びに使う”お控え”

ビジネスにおける「お控え」のいろいろな使い方

何かしら目上や上司・取引先に「控えてほしい!!」とお願い・依頼したいときは…

たとえば、

  • 例文「お控えくださいますようお願い申し上げます」
    意味は「控えてくれるようお願いします」
  • 例文「お控えいただきますようお願い申し上げます」
    意味は「控えてもらうようお願いします」
  • 例文「お控えいただければ幸いです」
    意味は「控えてもらえたら嬉しいです」
  • 例文「お控えいただきたく存じます。何卒よろしくお願い致します」
    意味は「控えてもらいたいと思います」
  • 例文「お控えいただければと存じます。何卒よろしくお願い致します」
    意味は「控えてもらえたらと思います」

のようにお願いすると丁寧です。

「お控えいただければ幸いです」がもっとも丁寧な敬語であり、あとはほぼ等しいレベル。

それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。

ようするにすべて「控えてね!よろしく」という意味なのです。

自分が”お控えする”ときに使える敬語

ビジネスにおける「お控え」のいろいろな使い方

自分が「お控えします!」と言いたいときには…

  • 【現在形】お控えします/お控えいたします
  • 【過去形】お控えしました/お控えいたしました
  • 【進行形】お控えしております/お控えいたしております
  • 【希望①】お控えしたく思います/お控えいたしたく思います
  • 【希望②】お控えしたく存じます/お控えいたしたく存じます

などを使います。

「お(ご)~します」は謙譲語「お(ご)〜する」+丁寧語「ます」

「お(ご)~いたします」は謙譲語「お(ご)〜いたす」+丁寧語「ます」

「~いたします」の部分に渡しするべきことの中身がはいります。

たとえば、

何かしら確認しなければいけないのであれば「(ご)確認いたします」

何かしら対応しなければいけないのであれば「(ご)対応いたします」

ここで「(ご)確認いたします」というように( )書きにしているのは「確認いたします」としても丁寧な敬語だから。

ちなみに敬語「お(ご)~いたします」「お(ご)~します」は自分が「~する」ときにつかいます。

相手に「控えてもらう」としたいときには…

「お控えいただく=控えてもらう」
「お控えくださる=控えてくれる」

という敬語をつかいます。

断りのビジネスメールに使う”お控え”

ビジネスにおける「お控え」のいろいろな使い方

「お控えすることができません!」と言いたいときには…

  • 【例文】お控えいたしかねます
    意味は「お控えすることができません」
  • 【例文】お控えしかねます
    意味は「お控えすることができません」
  • 【例文】●●のためお控えすることが叶いません
    意味は「お控えすることができません」
  • 【例文】お控えすることが大変困難でございます
    意味は「お控えすることがとても難しいです」

などを使います。

あまり実用的じゃない表現になってしまいました…すみません。

いちおう紹介しておきましたが、

このようなビジネスシーンでは「ご対応いたしかねます」「お受けいたしかねます」などの敬語フレーズが一般的ですね。

ここで「(お)渡しいたしかねます」というように( )書きにしているのは「渡しいたしかねます」としても丁寧な敬語だから。

また「〜いたしかねる(兼ねる)」は「~することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。

たとえば、

  • 【例文】お応えいたしかねます
    意味は「添うことができません」
  • 【例文】お受けいたしかねます
    意味は「受けることができません」
  • 【例文】ご対応いたしかねます
    意味は「対応することができません」

などのようにして使います。ビジネスメールでは例文のように丁寧語「ます」をくっつけて「〜いたしかねます」として使うのが一般的

「〜しかねる」自体は敬語でもなんでもありませんが「できません」よりも丁寧に聞こえるため重宝するフレーズです。

ちなみに断りの敬語フレーズはほかにも「遠慮させていただきます」「●●には添いかねます」などいろいろあります。

お礼メールに使う”お控え”

ビジネスにおける「お控え」のいろいろな使い方

あとはビジネスシーンで相手に何かしら控えてもらったときの、お礼ビジネスメールにも使えます。

たとえば、

  • 例文「お控えいただきありがとうございます」
    例文「お控えいただきましてありがとうございました」
    例文「お控えくださいましてありがとうございました」

のようにビジネスメール書き出しの挨拶にお礼として使うと丁寧です。

それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。

ようするに「控えてくれてありがとう!」という意味なのです。

ほかにも色々ある”お控え”の例文

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

  • 例文「お控えいただけましたら幸いです」
    ※意味は「控えてもらえたら嬉しいです」仮定
  • 例文「お控えいただけましたら幸甚に存じます」
    ※意味は「控えてもらえれば嬉しく思います」仮定
  • 例文「お控えいただければ幸甚に存じます」
    ※意味は「控えてもらえれば嬉しく思います」仮定
  • 例文「お控えいただけますか?」
    ※意味は「控えてもらえるか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
  • 例文「お控えいただけますでしょうか?」
    ※意味は「控えてもらえるだろうか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望「~したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」

“お願い申し上げます=お願い致します”

ところでビジネスシーンでは、

「お控えくださいますようお願い申し上げます」としても丁寧ではありますが…

「お控えくださいますようお願いいたします」「お控えくださいますようお願い致します」と言い換えすることもできます。

また「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」をつかい、

「お控えくださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます」

頭の片隅にいれておきましょう。