現役営業マンが作成する就職偏差値ランキング2020年卒用。今回は食品・飲料・ビールメーカーまとめです。
注1) 理系・文系共通
注2) 一般的にはホワイト業界と言われる食品メーカーではあるが、上司によってブラックな労働環境となる。割に合わないと思ったら即転職すること。我慢して会社にしがみつく必要は全くない。
注3) 対象業種:食品・ビール・飲料メーカー。なお「*ネスレ」のように社名の前に「*」の付いている企業は外資ふくむ非上場であることを示している。
注4) 2ch就職掲示板とは一切関係ありません。完全に独自で作ってます。
注5) 更新履歴 2019/6; 初版公開
この記事の目次
就職偏差値ランキング2020卒:食品・飲料メーカー
【70以上】該当なし
↑↑ プレミアムゴッド級 ↑↑
【69】-
【68】-
【67】味の素
【66】-
【65】キリンビール、アサヒビール、*サントリーG主要4社 (*ホールディングス、*フーズ、*酒類、サントリー食品インターナショナル)
↑↑ スーパーゴッド級 ↑↑
【64】-
【63】JT、不二製油 (伊藤忠系)
【62】明治、森永製菓、日本ハム、カゴメ、カルビー、森永乳業、*AGF (味の素Gの飲料メーカー)
【61】キッコーマン、理研ビタミン
【60】江崎グリコ、クリニコ (森永乳業G)、日本食品化工 (三菱G)、
【外資系】*ネスレ、*レッドブル、*日本コカコーラ、*マースジャパン、その他同ランクの外資食品&飲料メーカー
↑↑ ゴッド級 ↑↑
【59】三井精糖 (物産系列)、日新製糖 (住商G)、日清製粉、サントリー食品、マルハニチロ、六花亭
【58】日本甜菜製糖、サッポロビール、ニチレイ、*テーブルマーク (JT系列)、*キリンビバレッジ、*アサヒ飲料 (アサヒG)
【57】雪印メグミルク、*カルピス (アサヒ飲料子会社)、*味の素冷凍食品、*日本食研
【56】コカコーラボトラーズジャパン、日清オイリオ、フジ日本精糖(双日系列)、エバラ食品工業、伊藤ハム米久、日清フーズ、日本水産
【55】*大日本明治製糖(三菱商事G)、*塩水港精糖(商事G)、*伊藤忠製糖(伊藤忠系列)、ハウス食品、ヤクルト
↑↑ 15枚役級 ↑↑
【54】東洋精糖(丸紅G)、日本製粉、プリマハム(伊藤忠G)、昭和産業
【53】サーティワン アイスクリーム、日清食品、J-オイルミルズ(味の素G)
【52】ミヨシ油脂、六甲バター、丸大食品、中部飼料、ダイドードリンコ
【51】わらべや日洋、永谷園、宝酒造、キユーピー
【50】ダイドービバレッジサービス、合同酒精、ヨシムラフード、オエノン、寿スピリッツ、太陽化学、日東富士製粉、サカタのタネ、マルサンアイ、佐藤食品工業、ボーソー油脂、かどや製油、ジャパンフーズ、東洋水産、フィード・ワン
↑↑ リプレイ級 ↑↑
【45~49】*日本ハム子会社(日本ハムファクトリー、日本ハム食品、日本ハムマーケティングなど)、*江崎グリコ子会社(社名が●●グリコ)、山崎製パン、カンロ、仙波糖化工業、ケンコーマヨネーズ、養命酒製造、キーコーヒー、林兼産業、ユーグレナ、北海道コカ・コーラボトリング、ブルドックソース、湖池屋、フジッコ、ヱスビー食品、伊藤園、佐藤食品工業、中村屋、大森屋、大冷、イートアンド、焼津水産化学工業、ブルボン、亀田製菓、名糖産業、日東ベスト、アリアケジャパン、エスフーズ、北の達人コーポレーション、はごろもフーズ、井村屋グループ、和弘食品、モロゾフ、滝沢ハム、石井食品、あじかん、ユタカフーズ、アヲハタ、なとり、鳥越製粉、柿安本店、その他一部上場企業
↑↑ 外れ役級 ↑↑
ランキングの理由
選定の根拠についてザックリと解説しておく。
偏差値65以上
味の素をこのクラスに選定したのは、
- 食品業界においてトップクラスの給料 (30歳700万円・35歳800-900万円・その後は課長クラスに昇格すれば35~38歳1000-1200万円となる)、
- 経営の安定性、成長性 (ここ5年くらい種まき期間であり今後の成果に期待したい)、
- 仕事それなりにマッタリ
である点を評価した。
味の素は食品メーカーには珍しく、安定的な調味料事業をかかえながらも規模拡大に余念が無い。調味料事業から生まれるキャッシュを早くから海外展開と大小M&Aにあてて成長し、今の地位を築いてきた。
なお。
直近2018年の海外売上比率は57%と、20年前の18%に比べて3倍以上の比率になっている。これは食品業界のなかではJT、キッコーマンに次ぐ水準。このまま成長をつづけて国内で何が起ころうと関係ないレベルまで到達してほしいものだ (海外80%超が目標)。
味の素に関してあえて苦言を呈するとしたら…
「ちょっと拡大を急ぎすぎた結果、キャッシュアウトだけして収穫できてないのでは?」と思う節がある。
とくに2014年・同社史上最大のM&Aとなった🇺🇸ウィンザー・クオリティ・ホールディングス (冷凍食品メーカー)を推定880億円で買収して財務安定性がだいぶ下がった。この買収、現時点でほとんど成果が見られてないけど大丈夫か?
でも会社が潰れるほどのインパクトはまったくないのでまぁ問題ないだろう。
サントリーG主要4社は仕事に対する給料の高さを評価した。企業としての評価はチャレンジを好むが安定感に欠けるという印象。30歳700万円、その後は昇格次第で35~38歳1000万円、40歳1200万円~が見込まれる。メーカーのなかではトップクラス、全業界だと上位専門商社クラスと思われる。
なお。
サントリーG主要4社 (*ホールディングス、*フーズ、*酒類、サントリー食品インターナショナル)の待遇はそんなに変わらず、さらに出向という形で人材も行き来しているため同ランキングとした。いちおうはどれも独立した会社なので、事業利益におうじてボーナスが違ってくる。結果としてはその分が異なる。
グループの機能としては、
- サントリーホールディングス:事業会社の管理、運営、経営戦略
- サントリーフーズ:食品
- サントリー酒類:ビール・洋酒・アルコール類
- サントリー食品インターナショナル:アルコール以外の飲料 (上場企業)
- その他いろいろ (マーケ、ロジ、プロダクツ、スピリッツ他):待遇面では上記4社にだいぶ劣る。年収イメージ7割くらい。
いかんせん色々な事業子会社が多すぎてまとめきれないが、イメージこんな感じ。このうち上場しているのはサントリー食品だけであり、あとは非上場となっている。
キリンビール、アサヒビールも基本は仕事に対する待遇を評価。これにくわえてアサヒは国内でのプレゼンス (ビールNo.1)、海外買収の成功など事業における好調を評価している。
キリンビールはサントリーと似たような年収体系。アサヒビールはx9割くらいのイメージ。
どの企業も仕事マッタリとは言い難いが激務とも言えず、それなりの仕事量で満足できる給与レベルにあるだろう。*また当然のことながらお酒が飲めない、あるいは嫌いな人には向かない就職先である。
偏差値60~64
会社の規模、経営の安定性、就職難易度、年収などの観点から高い評価を得ている会社たち (筆者の独断と偏見)。
それぞれ以下の理由から選定した。
- JTは年収および待遇の良さを評価 (30歳600万円、35歳800万円、その後は管理職で1000万円、昇格できなければ40歳900万円で頭打ち)。タバコ需要が減っているとはいえ、値上げによって補って利益は十分に確保されている。また海外売上比率が6割超であり、おもに途上国における成長が見込まれる。ただ全世界的に健康志向がひとつのトレンドになるなか、長期的にみるとジワジワと追い詰められていく可能性は高い。
- 不二製油 (伊藤忠系)はチョコレートの原料となる油をつくっている油脂メーカー。BtoB (対法人)がメインとなっているため知名度は低いが実は右肩あがりで成長を続けている。最近では米国No.3のチョコレートメーカーを買収するなど、今後の成長にも期待できる。年収はアベレージの低い食品業界ではトップクラスだが、極めて平均的なメーカー大手といった感じ。とにかく成長性を高く評価した。
- 明治 (乳製品)、森永製菓 (菓子)、日本ハム (肉加工)、カゴメ (トマト) 、カルビー (ポテチ)、森永乳業 (乳製品)、*AGF (味の素Gの飲料メーカー)も似たような観点から選んだ。いずれも日本を代表する食品メーカーであるため仔細は省略。仕事マッタリで待遇もそこそこ良い。年収は30歳500-600万円、35歳700-750万円、40歳900万円前後が期待値。
- キッコーマン (醤油)、理研ビタミン (調味料)、江崎グリコ (菓子)、クリニコ (森永乳業G)、日本食品化工 (三菱Gのでん粉メーカー)も経営の安定感と仕事量にたいする待遇の良さを評価した。
なお。
カルビーやカゴメ、理研ビタミンなどの中規模メーカーもふくむが、これらの企業は財務体質が健全で経営が安定していること、大手並みの年収水準にあることを評価した。
森永製菓・森永乳業やその有力グループは、財務レベルは磐石とは言い難いが年収や働き方などの面でコスパ高い点を評価した。
あとは。
外資食品・飲料メーカーのなかでも待遇に優れるいくつかの企業をこのランクに入れた。
古くからある外資メーカーは実力主義とは言い難く、日本的な要素も多くふくんでいる。したがって20代で1000万円とかには決してならない。ただ上司からの評価や会社業績によって年収は上下し、場合によっては同等の日系メーカーの1.5倍の年収となったりする。普通ランクの評価しかもらえなくても同等の日系より2割ほど年収高くなるのが一般的である。
しかし外資はビジネスの風向きが悪くなるとすぐにリストラを実行するため、これ以上の偏差値は与えられない。したがって長居することはおススメしない。
- 業界リスク:人口減少時代に突入し、国内市場は必然的にシュリンクしていく。とくに日本だけでビジネス展開している外資メーカー日本法人には将来性が無い。日系メーカーはグローバル展開している企業もおおいが、お世辞にもうまくいってるとは言い難い。割とグローバルに成功しているのがアサヒグループ、JT、味の素、キッコーマンである。チョコレートメジャーへ変革を遂げつつある不二製油は今後に期待したい。とにかく日本だけみているような会社は今後30年でジワジワとビジネス縮小していくだろう。
偏差値55~59
何かしらのネックがありこのランクに留めた大手企業および、規模では劣るが待遇面で優れているためこのランクに入れた中小クラスのメーカーたち。
消費者に馴染みのないメーカーもふくむので少し解説を。
- 製糖メーカー大手
三井製糖など「●●製糖」となっているメーカー。総合商社 (三菱商事・三井物産など)が海外から仕入れた原料サトウキビなどを購入してメーカーが製糖する、というバリューチェーンであるため総合商社のグループ会社となっていることが多い。仕事マッタリ、給料も食品業界のなかでは平均値以上の水準にはある (30歳500-600万円、35歳600-700万円、40歳700-800万円が見込まれる)。さらに砂糖の需要は減ったとしても決して無くなりはしない。したがって就職先としては悪くない。ただし60以上には劣る。また安定ではなくチャレンジを求める人にはまったく向かない。 - 日清製粉:製粉最大手メーカー。経営の安定感と年収それなり、仕事それなりの点を評価した。
- その他いろいろ
冷食大手のニチレイ、水産加工大手のマルハニチロ、精油大手の日清オイリオ、食品加工大手の伊藤ハム米久、飲料大手その他などを入れた。いずれも経営の質と年収・待遇から評価した。
なお。
このランクにすら登場しない大企業もあるがそれらは基本、大手らしからぬ待遇の悪さを考慮に入れてランキングをだいぶ下げた。
- 注意点:必ずしも仕事マッタリ高給とは言えない企業たち。仕事量に見合わない給料しかもらえないようなら、すぐに転職するべきである。
偏差値50~54
ありとあらゆる観点からみて、きわめて平均的なメーカーたち。大過なくサラリーマン人生を送りたいなら別に悪くないと思う。
食品&飲料メーカーは身近な商品をあつかっているだけあって知名度だけは高いのだが、働くには微妙な会社もいっぱいある。
見誤らないように気をつけよう。ただ総じて言えることは、一部の企業をのぞけば労働時間は短くワークライフバランスには優れている。
これらの企業はせめてもう少し年収が高ければなぁ…という企業たちである。
年収は仕事量を考えるとまぁそこそこの水準にあり、30歳400-500万円、35歳500-700万円、40歳700-800万円が見込まれる(もちろん企業と出世速度による、残業の過多によっても振れる)。
でも何度も言うように我慢して定年までしがみつくような企業ではない。
偏差値45~49
どうでも良いと思われる企業たち。
なかには優良企業もふくみ、企業として劣っているということでは無い。
あくまでも就職・転職先としてどうか?という視点でみたときのランキングであるため、気を悪くしないでほしい。
2018卒用から上げた企業、下げた企業
前回のは2018卒用であり2019卒用は作成し忘れていました…今回2年ぶりにアップデートしましたが大きくランキングを変えた企業もあります。
そこで、とくに上位ランキングに位置する食品飲料メーカーにおいてランキングを上げた企業・下げた企業をまとめておきます。
- 【69→63】日本たばこ産業(JT):誰もが私のように年収そこそこで楽な仕事を求めているわけでは無い、という点を考慮してランキングを下げた。そして、かつてのようにヌクヌク高給とは言い難い点も評価下げの理由のひとつ。
- 【68→67】味の素:近年キャッシュアウトし過ぎな点を心配して若干下げた。買収の真の成果は10年後にならないとなんとも言えず、素晴らしい企業であることに変わりないが…。
- 【67→65】サントリー食品インターナショナル:非上場であり、労働組合も弱いため不透明な点が多い。仕事マッタリ高給とは言い難いが、それでも食品業界を見渡したときにはトップクラスの待遇であるため多少下げるだけにとどめた。
- 【66→61】キッコーマン:企業としては素晴らしく待遇面でも優良だが、いかんせん醤油だけをず〜っと続けるモチベーションが保てないだろうことからランキングを下げた。
- 【65据え置き】アサヒビール:大きな変化点は無い。
- 【64→62】明治:待遇面で過大評価だったため若干下げた。企業としては素晴らしい。
- 【60→63】江崎グリコ:食品大手のなかでも待遇面で優れている点を評価しなおした。
- 前回62から変更:【62→65】キリンビール (経営は迷走気味だが、それでも年収・待遇面ではトップクラスであるため評価を見直した)、【62据え置き】日本ハム、森永乳業
- 【61→60】日本コカ・コーラ、【61→62】カルビー:他とのバランスを考えマイナーチェンジ実施。
- 前回60から変更【60→59】日清製粉、【58】ニチレイ、【58】サッポロビール、【56】日清オイリオ、【63】不二製油、【62】カゴメ、【62】森永製菓、【59】三井製糖、それぞれ待遇と経営の安定性などを考慮し評価しなおした。
- その他いろいろ:基本的には少しずつランキングを下げる方向で調整した。食品・飲料はホワイト業界として有名だが、誰もがそれなりの仕事量でそれなりの年収を目指しているわけではない、という点を考慮にいれた結果としてこうなった。
ロッテはどのレベルに入りますか?