就職偏差値ランキング2020卒:自動車メーカー

現役営業マンが作成する2020年新卒用の就職偏差値ランキング。自動車メーカーのうち、完成車を手がけている企業および二輪・トラック・バス・フォークリフトメーカーなど。理系・文系を関係なくランキングしています。

注1) 年収を参考値として書いたが、今後しばらく5%ほど下がる可能性が高い。なぜなら自動車業界は今がピークで今後しばらく後退期にはいる見込みだから。米中貿易戦争なども相まって業績悪化が懸念される。

注2) 「ホンダ自動車販売」「ネッツトヨタ」などの自動車ディーラーは子会社であり年収や待遇面・働き方の面で本体とは雲泥の差がある。したがって本ランキングにはカウントしない。またトヨタ車体などの自動車製造子会社も別でランキングを作成する。

注3) 対象業種:自動車・トラック・バス・フォークリフト。なお「*三菱ふそう」のように社名の前に「*」の付いている企業は非上場であることを示している。

また小松製作所などの建設機械メーカーは機械メーカーにもカウントしている → 就職偏差値ランキング2020卒:重工業・工作機械メーカー

注4) 2ch就職掲示板とは一切関係ありません。完全に独自で作ってます。

注5) 更新履歴 2019/6; 初版公開

就職偏差値2020卒:完成車・二輪メーカー他

【70以上】該当なし

↑↑ プレミアムゴッド級 

【69】トヨタ自動車
【68】-
【67】豊田自動織機
【66】-
【65】小松製作所

↑↑ スーパーゴッド級 ↑↑

【64】クボタ、住友重機械工業
【63】ホンダ
【62】日産、日立建機
【61】-
【60】-

↑↑ ゴッド級 ↑↑

【59】-
【58】いすゞ、*ダイハツ (トヨタ子会社)

【57】日野自動車 (トヨタ系)、ヤマハ発動機、SUBARU、川崎重工

【56】マツダ、*ヤンマー
【55】三菱自動車

↑↑ 15枚役級 ↑↑

【54】-
【53】-
【52】*三菱ふそうトラック・バス、三菱ロジスネクスト
【51】-
【50】スズキ

↑↑ リプレイ級 ↑↑

ランキングの理由

選定の根拠と、そもそもの企業解説をザックリとしておく。

偏差値65以上

  • 【69】トヨタ自動車

国内No.1の自動車メーカーであることはもちろん、世界シェアでも毎年フォルクスワーゲンとNo.1争いを繰り広げている。日本市場で販売台数シェア50%超を占めており圧倒的な存在である。海外は北米市場をメインターゲットとしつつも基本的には全世界に展開している。

もはや日本の製造業を代表する企業であり、トヨタがこけると多かれ少なかれ、どの企業もダメージを受けるほどの影響力をもつ。

100年に1度の変革期といわれる自動車業界において、自動運転などの技術変革に乗り遅れないよう引き続き頑張ってほしい。

年収はメーカーNo.1ではないが、トップクラスに位置していることは間違いない。今の好業績を維持した場合、年収は30歳750-800万円 (残業30H/月前提)、35歳900万円 (残業30H前提、もっと残業すれば1000万円超もある)、その後は出世次第で30代後半~40歳前半課長1200万円~、次長1500万円~、部長2000万円~。課長に上がれなくても40歳1000万円は誰もが到達する。

ただし業績悪化すれば5%くらいは平気で減る点はご留意を。これらすべてを考慮してランキングした。

なお激務度はこれだけの規模になると、ホントに人や部署・上司によってマチマチ。毎日定時出社・定時帰りのヒマな1000万円プレイヤーがいるかと思えば、深夜まで残業している若手もいる。こればかりは配属の運としか言いようがない。

  • 【67】豊田自動織機

トヨタの源流企業であり、祖業の繊維用織機(自動織機)もあるが今では自動車関連が同社の主力ビジネス。フォークリフトで世界No.1のほか、カーエアコン用コンプレッサー、エアジェット織機でも世界シェアNo.1となっている。

年収は30歳700万円 (残業30H/月前提)、35歳係長900万円(残業30H)、その後はよほどポンコツでなければ40歳前後で課長に到達し年収1000~1200万円が見込まれる。

豊田自動車には劣るが、トヨタGでは自動車部品のデンソーと並びNo.2の年収水準にある。

そして自動車業界のなかでは比較的仕事マッタリ企業である点も好評価。これらすべてを考慮すると、多少年収が他企業におとるとしても上位に位置すべきメーカーであると言える。

  • 【65】小松製作所

機械メーカーのところで解説。重複するがパワーショベルなど重機を製造する機械メーカー。国内No.1、グローバルでも米キャタピラーにつぐNo.2。海外売上85%とビジネスのほとんどは海外であるため国内で何が起ころうとほとんど関係ない。

世界のどこかで建設が行われるかぎり重機は必要、長期的にみると伸び続ける産業である (ただし短期的には世界景気の影響を受ける)。あとは新興国メーカーの追随を許さなければ問題ないだろう。

雇用および経営の安定感と仕事マッタリ、それなりの年収である点を評価した。

なお年収だけ見たときにはもっと高い企業はたくさんある。20代~30代前半までは給料低く、最速30代中盤~40歳前後・部下なし管理職で900万円はフツーにやっていれば到達できる。その後、ライン課長以上で1000万円超が見える。

偏差値60~64

会社の規模、経営の安定性、就職難易度、年収などの観点から高い評価を得ている会社たちをいれた。

  • 【64】クボタは農業機械などを手がけている重機の大手メーカー。農業用機械の分野では国内シェアNo.1、グローバルでは🇺🇸Deree & Co、🇬🇧CHN Industrial につぐNo.3。海外売上比率は69%であり、国内の依存度が少ない点も魅力。年収は40歳1000万円が目安・仕事マッタリそれなりの給料レベルにある点を評価した。
  • 【64】住友重機械工業は産業用機械から建設機械、精密機械などまで広く手がける総合重機メーカー。建設機械が主力。変減速機で国内シェアNo.1、グローバルでもSEWにつぐ世界No.2。売上利益成長と仕事量にたいする待遇の妥当性を評価した。年収は三菱重工より低く川重・IHIより高い。
  • 【63】ホンダ:トヨタに次ぐ国内シェアNo.2の自動車メーカー。日系メーカーのなかでは北米に誰よりも早く進出し、それなりに成功をおさめている。海外売上比率9割にせまる勢い。なお自動車のほかにもロボットASIMOやホンダジェットに代表されるように多角化も推進している。創業からの二輪車では世界シェアNo.1。30歳600-650万円(残業ゼロなら550万円くらい)、順調に昇格すれば35歳750-850万円(残業次第)、管理職で1100万円以上。ただし30歳前後から振るい分けが始まるので全員が横並びではない。財務安定性・開発力・待遇などあらゆる点でトヨタに劣るためこのランクにおいた。
  • 【62】日立建機は建設機械メーカー大手でコマツの縮小版、といっても売上1兆円あり建設機械メーカーとしてはグローバル売上ランキング3位 (No.1 🇺🇸キャタピラー、No.2 コマツに次ぐ)。40歳900万~目安。
  • 【62】日産:「コスト・キラー」と呼ばれていた前CEOゴーン退場でまともになるかと思いきや、2018年度決算では純利益半減を発表するなどイマイチな状況。彼らにとって最大の市場である米国では安値販売するしか無いくらいヒドく、さらには力を入れている中国市場も政治リスクが高すぎてダメだと思われる。給料はホンダ並みだが横並びでないため平均値はとれない。30歳主任クラス700万円は誰もが到達できるライン、その後は完全に昇格次第で係長クラスになれれば900-1000万円(みなし残業込み)、課長で1100-1200万円が見込まれる。ただし2018年実績の減益が響き、とくに管理職以上は大幅年収減となるだろう。また自動車業界のなかでは成長ドライブに乏しい会社のひとつであり、来年以降も厳しい状況が想定される。そういう意味で待遇は良くても評価を下げた。

偏差値55~59

何かしらのネックがありこのランクに留めた大手企業および、規模では劣るが待遇面で優れているためこのランクに入れた中小クラスのメーカーたち。

  • 【58】いすゞ:国内トラック最大手。海外売上比率6割そこそこと自動車メーカーの中では海外比率低く国内依存がつよい。30歳550~600万円、35歳700万円、課長800-1000万円が目安。今は好調だがほかと同様、業績悪化すれば▲5%はあり得る。
  • 【58】*ダイハツ:トヨタ子会社の軽自動車メーカー。国内軽自動車シェアではスズキと首位争いを繰り広げている。年収は30歳600万円 (残業ゼロなら550万円くらい)、35歳750万円、その後は管理職までいければ1000万円がみえる。管理職になれなければ40歳850万円前後が期待値。なお自動車業界はどこも激務とまでは言えないが、そこそこの仕事量があるため残業によって年収の絶対額だけはそれなりの水準になる。働き方では同ランクの化学素材系のほうが優れている。
  • 【57】川崎重工:二輪(バイク)および重工大手。誰もが知る大企業なのに待遇イマイチな点を加味してこの評価にした。
  • 【57】日野自動車 (トヨタ系):トラックNo.2、トヨタが50%超の株を保有し同社のグループとなっている。普通トラックでは国内シェアNo.1である。海外売上比率4割そこそこであり、国内メイン。年収は30歳500-550万円 (残業次第)、35歳650-700万円であとは出世次第。管理職に昇格できれば38歳800万円42歳1000万円、そうじゃなければ40歳800万円が期待値。
  • 【57】ヤマハ発動機:楽器のヤマハと源流は同じだが今は別会社。二輪や船外機などを製造している。売上の6割はオートバイなどの二輪事業、あとは船外機 (ボート用のエンジン)で世界シェアNo.1、ボート国内シェアNo.1。年収は30歳500万円、35歳650-700万円、40歳800万円が目安。管理職に昇格できれば1000万円が見える。
  • 【57】SUBARU:その走りの性能から熱狂的ファンの多いニッチ自動車メーカー。トヨタが筆頭株主。売上は自動車7社中6位で3兆円そこそこ (7位は三菱自)と下位ランキングではあるが、利益率では日系自動車メーカーNo.1である点と北米市場での成功をそれなりに評価した。2018年のグローバル新車販売台数は99万台。メイン市場は圧倒的にアメリカ。海外生産比率4割に満たないためアメリカの仕掛ける貿易戦争の行方によってはダメージ必至。稼いでいる割に待遇イマイチなためこのランクに留めている。
  • 【56】マツダ:内燃機関(ようはエンジン)の技術に定評のあるメーカー。2010年ころから同社の新世代技術の総称として「SKYACTIV」を前面に押し出すマーケティング戦略をとっている。が、いかんせん自動運転などの次世代技術は遅れがちであり、先行している大手にどうキャッチアップしていくのかビジョンが見えない。また海外売上比率は2017年82%であるのに対し、海外生産比率は40%を下回るため為替の影響を受けやすい。年収は30歳500万円 (残業次第だが)、35歳700-750万円であとは出世次第。管理職に昇格できれば40歳900~1000万円、そうじゃなければ40歳800万円が期待値。
  • 【56】*ヤンマー:農業用機械などで知られるメーカー。クボタの縮小版であり、非上場企業のなかでは売上大きい部類にはいる。年収は30歳500万円 (残業の過多で上下あり)、35歳700万円、その後は出世次第で管理職900万円~が見える。管理職に昇格できなければ40歳750-800万円が期待値。非上場であるため財務状況は不明だが、仕事量にたいする待遇の妥当性を評価した。
  • 【55】三菱自動車:2016年の燃費不正問題のあと日産に救済される形となったが、その後は着々と回復してきている。が、数年に一回のペースで何かしら不正をやらかしているため、いつ何がおきてもおかしくない。ただし日本のマスゴミに何を言われようと主力の東南アジア (特にタイ・フィリピン・インドネシア)・オセアニアと他海外の売上を維持できれば問題ない。海外売上比率2018年実績で83%。また年収は大手3社に劣り、上位自動車部品にも劣るレベル。30歳500万円 (残業次第で上下ある)、35歳700-750万円であとは出世次第。管理職に昇格できれば40歳900~1100万円、そうじゃなければ40歳800万円止まり。それでも上場企業の平均値よりは高い。総括してこのような評価にした。

偏差値50~54

ありとあらゆる観点からみて、きわめて平均的なメーカーたち。

大過なくサラリーマン人生を送りたいならそんなにヒドイという訳ではない。あくまで相対評価としてこうなった。

  • 【52】*三菱ふそうトラック・バス:🇩🇪ダイムラー子会社のトラック・バスメーカー。トラックはいすゞ自、日野自に次ぐ国内No.3。三菱自動車から独立した際にダイムラーも資本参加し、今では9割近くの株をダイムラーが保有している。外資ではあるがベース年収は下位自動車メーカー並み。ただしホントに人それぞれで平均値がとれない。
  • 【52】三菱ロジスネクスト:豊田自動織機につぐ国内No.2のフォークリフトメーカー。2013年日本輸送機と三菱重工のフォークリフト事業が統合し、さらに2016年ユニキャリアを子会社化し発足した。基本的には弱者の寄せ集めであり、経営もまったく盤石とはいえない。なおフォークリフト業界は他にNo.3住友ナコフォークリフト、No.4コマツリフト (小松製作所G)となっている。待遇はイマイチであり、30歳450-500万円、35歳600-650万円、その後は出世次第で管理職に昇格できれば40歳800-900万円、そうじゃなければ40歳750万円が期待値。それでも上場企業の平均値よりは高い。
  • 【50】スズキ:日本では軽自動車でダイハツと国内首位争いを演じている。でも売上の大半はインドからくる。企業としては優良だが待遇イマイチ過ぎるためこのランクに留めた。メーカーとして極めて平均的な待遇ではあるが、仕事量にみあうかという観点から「?」が残る企業である。

2018卒用から上げた企業、下げた企業

前回のは2018卒用であり2019卒用は作成し忘れていました…今回2年ぶりにアップデートしましたが大きくランキングを変えた企業もあります。

そこで、とくに上位ランキングに位置する自動車メーカーにおいてランキングを上げた企業・下げた企業をまとめておきます。

  • 【70→69】トヨタ:大きな変化点なし。全体のバランスを考えて調整。
  • 【67→63】ホンダ:とくに待遇面でトヨタおよび自動織機に大きく劣る点を考慮してだいぶ下げた。いちおうグローバルに成功している自動車メーカーのひとつではあるが、次世代むけ開発力に「?」が残ることもマイナス要素。就職先としてはそんなに悪くない。
  • 【67据え置き】豊田自動織機:大きな変化点なし。
  • 【65→62】日産:確かに待遇面では優れているかもしれないが、いかんせん本業の調子が悪すぎる。新体制のもとリストラふくむ構造改革に着手することが想定され、その成果が目に見えるまでは評価を下げることにした。
  • 【65→57】川崎重工:明らかに過大評価していたため評価を大幅に下げた。財務基盤イマイチ、大手なのにそんなに待遇よくないなどのマイナス点を加味。長く勤める前提ならそんなに悪くない会社ではあるが…
  • 【63→58】ダイハツ:20代30代の年収は残業代によって他メーカーより高いかもしれないが、その後の伸びがビミョー。また仕事量に見合った待遇かを考えたときに疑問のこる。これらのことを考慮しランキングを大幅に下げた。トヨタの完全子会社であり安定している点だけはそれなりに評価した。
  • 【62→57】日野自動車【62→57】SUBARU【61→57】ヤマハ発動機【60→58】いすゞ自動車【59→56】マツダ【57→50】スズキ【57→50】三菱ロジスネクスト:どの会社も最終製品を作っているだけあって知名度は高いが、年収や待遇面ではどうにもイマイチな点が多い。さらに仕事マッタリというわけでもなく、就職先のコスパとしては化学素材系のほうが良いだろう。
  • 【55据え置き】三菱自動車:変更なし。
  • NA→56*ヤンマー:上述したとおり。
  • 【NA→52*三菱ふそうトラック・バス:上述したとおり。

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『就職偏差値ランキング2020卒:自動車メーカー』へのコメント

  1. 名前:ななし 投稿日:2019/07/08(月) 21:37:17 ID:c0932ba10 返信

    デンソーだといくつぐらいになりますか?好きな企業なので知りたいです。