忌引き(読み方:きびき)の意味と常識的な休暇日数、メール連絡するときの例文、注意点について誰よりもくわしく解説する記事。
まずは基本として、忌引きとは「親族が亡くなって、葬儀などのために止むをえず学校や会社を休むこと」の意味。「忌引き」だけで「親族の不幸があって(亡くなって)休むこと」の意味であるため「忌引き休暇」という表現はおかしくなります。
したがって「忌引き」をもらうためにメール連絡や電話連絡するときには、たとえば以下のような表現を使います(全文は本文にて掲載)。
◎「忌引き」をもらうときのメール・電話連絡例文:
- 例文「父母にあたる親族が亡くなったため、5日間の忌引きを頂きます」メール or 電話連絡
- 例文「祖父母にあたる親族が亡くなったため、3日間の忌引きを取得します」メール or 電話連絡
もう一つよくある疑問としては「忌引き」で休暇をとれる日数はどれくらいか?というのがあります。これは亡くなった方によってちがうため、以下をご参考にどうぞ。
◎「忌引き」の常識的な日数:
- 10日間:配偶者
- 7日間:父母
- 5日間:子
- 3日間:祖父母、兄弟姉妹、配偶者の父母、姻族
- 1日間:おじ、おば、孫、配偶者の祖父母、配偶者の兄弟姉妹
◎「忌引き」の日数を考えるときの注意点:
- 日数は亡くなった日もしくは、その翌日から数える
- 交通にかかる日数は別途加算してOK
- 土日祝日も一日とカウント
- 日数は目安であり厳密な規定はない。会社や職場、学校ごとの判断となる
◎「忌引き」に関するその他の注意点:
- 必ず上司や先生に相談!
- 取引先への連絡は本人から絶対に入れない!
ざっくりとした「忌引きとは何か?」に対する解説はこれにて終了ですが、本文中ではとくに「忌引きをとるときの注意点」「連絡するときの例文」について、くわしく解説していきます。
「忌引きの休暇日数」は労働基準法に定まっていない
まずは重要な事実として、「忌引き(親族が亡くなって止むを得ず会社・学校を休むこと)」の日数は労働基準法に決まりが定めてありません。
ところが、日本人としては親族の葬儀あるいは告別式などに出席するのが普通です。決まりがないけど常識では休暇をとる必要がある。
となったとき、学校や会社はどうするか?
というと個別で決まりを作るしかありません。会社や学校単位での決まりが定められているため、「忌引き休暇日数はこうだ!」というのは、個別の判断にゆだねられています。
【注意】必ず学校や会社の「忌引きルール」を確認する
「忌引き休暇日数」は学校や会社で決められたルールがあるため、必ず事前に上司あるいは先生にご確認ください。冒頭にしめした日数は目安でしかありません。
ただし中小企業や中小規模の学校法人である場合、ルールがない可能性もあります。そんなときにはどうしたらいいでしょうか?
「忌引き休暇日数」のルールがないときの対応
こんなときは上司や先生に「父にあたる親族が亡くなったので、5日間の忌引きをいただきたいのですが…」と相談してください。
あとはもう、上司の判断にゆだねられます。
常識のある上司であることを信じましょう。
【注意】「忌引き」をとるときはメール・電話連絡どっちとも必要
忌引きをとるときには会社や学校に当然、なにかしらの連絡を入れる必要があります。このとき、メール連絡・電話連絡のどっちにする?という質問があります。
結論としては「電話連絡・メール連絡の両方とも」がベストです(例文は後述)。
まず電話連絡だけしたとき、会社側は弔電の送り先などがわからず戸惑ってしまいます。
メール連絡だけしたとき、送った相手がメールに気づかず業務に支障をきたすかもしれません。また、弔電を送るのが遅れてしまうかもしれません。
ちゃんとした企業であれば「弔電」は欠かせません。
【注意】取引先には本人から連絡しない(アポキャンセル先には連絡する)
ところで営業担当をしていると、取引先への連絡をどうするか?という問題が残ります。社内連絡はメールと電話ですればいいのですが、取引先には本人から連絡しないのが鉄則です。
※ただし、アポイントのキャンセルが必要な取引先には「親族の不幸により…」と簡潔に連絡をいれておきましょう。
これはなぜかというと、本人から連絡をするといかにも「弔電や香典を相手に要求している」ようで感じが悪いから。絶対にしてはいけません。
社外連絡は「あなた → 上司 → 取引先」が正解
連絡の経路としては、「あなた → 社内の上司 → 取引先」が正しい連絡のやりかたです。この連絡は上司、あるいは先輩・後輩が取引先にするので、あなたはノータッチにしておきましょう。
重要なので繰り返しますが、本人から取引先に直接連絡すると「弔電や香典をくれ!!」といっているのと同じ意味になるので要注意。
あとは上司がうまくやるので、あなたは社内連絡だけをしっかりとやりましょう。
※これは結婚報告など冠婚葬祭に関することすべてに当てはまります。
社内連絡は「あなた → 直の上司&部下代表 → その他」が正解
メール連絡するときにはあっちこっちに「CC:」をいれず、あなた直属の上司・部下代表だけにしましょう。この理由は、「身内の不幸」はあちこちに拡散されるべきものではないから、という単なる風習(美徳?)です。
ということで社内連絡は必要最低限にとどめるべき。そうするとあなたの役職に応じて、以下のような連絡経路が望ましいです。
- 連絡経路①「あなた(若手社員) → 直属の上司(課長) → 上司の上司(部長)、課のメンバーなど」
- 連絡経路②「あなた(課長) → 直属の上司(部長)&部下代表(課長代理) → 上司の上司(理事など)&部課のメンバーなど」
- 連絡経路③「あなた(部長) → 直属の上司(理事)&部下代表(課長) → 上司の上司(役員など)&部課のメンバーなど」
【例文】「忌引き」をとるときのメール連絡
最後に「忌引き」をとるときに使うメール社内連絡の例文をみていきましょう。社内連絡と取引先への連絡をわけて考えます。もし社内の申請書があれば、届出が必要ですのであわせて確認しておきましょう。
また繰り返しになりますが、社内連絡は電話連絡だけでは詳細がわからないためNG。逆にメール連絡だけでもスルーされている可能性があるため微妙…。
めんどくさがらずに電話連絡・メール連絡のどちらもしておきましょう。
【例文①】上司にまず一報をいれるメール(SNSでも可)
メール件名:忌引き届
転職 部長
お休みのところ大変失礼いたします。(お疲れ様です)
首記の件、実母の不幸のため以下のとおり、忌引きを取得いたしたく存じます。
休暇:4月10日~15日(合計5日)
故人:就活花子(しゅうかつ はなこ)
続柄:実母
葬儀など:未定
詳細が決まりましたら連絡をいたします。
大変恐れ入りますが、ご承認のほど何卒よろしくお願いいたします。
メール署名
【例文②】上司に詳細をメール連絡する
メール件名:忌引き届
転職 部長
お休みのところ大変失礼いたします。(お疲れ様です)
首記の件、下記のとおり忌引きを取得いたしたく、お願い申し上げます。
——-記——
1. 休暇
平成29年4月10日 から 4月14日まで
合計期間 5 日
2. 故人の氏名
よみがな:しゅうかつしょく たろう
故人氏名:就活太郎(享年90才)
続 柄:実父
3. 通夜・告別式などの日時
3.1. 通夜 平成29年4月11日
3.2. 葬式 平成29年4月12日
3.3. 納骨 平成29年4月13日
4. 場所
○○セレモニー
東京都渋谷区~~
電話 123456
5. 休暇中の連絡先
携帯電話(000-0000-0000)
メールアドレス(○○○@○○○○.○○○)
以上
ご迷惑をおかけし誠に申し訳ありませんが、
ご承認のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
メール署名
【例文③】社外の取引先にメール連絡(アポキャンセル時だけ)
メール件名:訪問予定キャンセルのお詫び
株式会社転職
転職 様
平素はお世話になっております。
さて首記の件、大変恐れ入りますが、
親族の不幸があったため、4月12日13:00の貴社訪問予定をキャンセルいたしたく存じます。
お取り計らいを頂いておきながら、誠に申し訳ございません。
大変略儀ではございますが、まずはメールにて連絡をいたします。
ご了承のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
メール署名
【注意】メール連絡・返信では「忌み言葉」を使わない
葬儀関連で気をつけたい「忌み言葉」。「忌み言葉」とは「縁起の悪い言葉」の意味であり、常識として使わないほうが無難です。
これは「結婚式での忌み言葉」「葬儀での忌み言葉」などのように、場面ごとにあるため、その都度ご確認ください。
×葬儀関連の「忌み言葉」:
- 不幸が重なることを連想させる単語
重ね重ね、たびたび、またまた、重々、いよいよ、再三、再四、ますます
、返す返すも、次々、追って、再び、続く、なお、浮かばれぬ - 仏式葬儀での忌み言葉
浮かばれない、迷う - 神式・キリスト教式葬儀での忌み言葉
成仏してください、供養、冥福、往生