「致します(いたします)」と「申し上げます」は統一するべき?混在や併用してもいい?
という疑問を解消していく記事。
統一するべきかどうか悩む表現にはたとえば、
- 例文①連絡いたしました通り・連絡申し上げました通り(連絡したとおり)
- 例文②お願いいたします・お願い申し上げます(お願いする)
- 例文③報告いたします・報告申し上げます(報告する)
- 例文④感謝いたします・感謝申し上げます(感謝する)
などがあります。
違いは「する=いたす」なのか「言う=申す」なのか、ということ。
もちろん「連絡する=連絡いたします」「お願いする=お願いいたします」「報告する=報告いたします」「感謝する=感謝いたします」が自然なのですが、「言う=申し上げます」を使っても成り立ちますよね。
実際にはどちらの表現もビジネスメールで広く使われているため、今さら否定しても無意味。ということで、どちらを使っても違和感はありません。
少し話が逸れましたが結論としては、
「申し上げます」「致します」はビジネスメール内で統一しなくてもよく、混在や併用もOKです。その理由は、メールの読みやすさにあります。
それでは例文をみながら具体的に解説していきましょう。
※長文になりますので、時間の無い方は「パッと読むための見出し」より目的部分へどうぞ。
“申し上げます・致します”を統一したときのメール例文
まずは完全に「申し上げます」「致します」を統一してビジネスメールを作ってみましょう。例文を作ると、こんな感じになります。
例文|お礼メール(致しますver)
メール件名:お品の御礼(転職会社・転職)
〜前略〜
このたびは、結構なお品物をいただき、誠にありがとうございました。
部員一同で、とても美味しくいただきました。
温かいお心遣いに、一同感謝いたしております。
また来年度も変わらぬお付き合いのほど、何卒よろしくお願いいたします。
寒さ厳しき折、皆様くれぐれもご自愛くださいませ。
甚だ略儀ではございますが、まずはメールにて御礼いたします。
メール署名
▼▼▼▼▼▼
いかがでしょうか?
ここでは「致します」に統一してみましたが、「致します」ばかりになってメールが読みにくいことが分かります。
“申し上げます・致します”を混在・併用したメール例文
つづいて、「申し上げます」「致します」を混在・併用してビジネスメールを作ってみましょう。例文を作ると、こんな感じになります。
例文|お礼メール(Mix ver)
メール件名:お品の御礼(転職会社・転職)
〜前略〜
このたびは、結構なお品物をいただき、誠にありがとうございました。
部員一同で、とても美味しくいただきました。
温かいお心遣いに、一同感謝申し上げております。
また来年度も変わらぬお付き合いのほど、何卒よろしくお願い致します。
寒さ厳しき折、皆様くれぐれもご自愛くださいませ。
甚だ略儀ではございますが、まずはメールにて御礼申し上げます。
メール署名
▼▼▼▼▼▼
いかがでしょうか?
「致します」「申し上げます」がバランスよく混在しており、読み手にとってわかり易い、読みやすいメールになりますよね?
やはり統一せず、混在・併用したほうが読みやすい
例文でみてきた通り、「申し上げます」「致します」を統一せず、混在・併用してビジネスメールを作ったほうが読みやすくなりました。
したがって結論としては「混在・併用してもよい」ということになります。論より証拠ですね。
これには別に決まりがあるわけではないので「どうしても統一したい!!」というあなたは、それでも構いません。単にメールが読みやすいかどうか、というだけの問題です(論理的でなくて申し訳ありません)。
「致します」をメインに、「申し上げます」をサブに使う
私は「致します」をメインで使い、「申し上げます」をサブに使います。
理由は、
「いたします」がビジネスメール・商談を問わずに使えるオールラウンダーな表現だから。「申し上げます」は商談で使うには少々、おおげさな表現であると考えます。
たとえば「何卒よろしくお願い申し上げます」を実際に発音してみるとよいでしょう。まるで時代劇をやってるみたいで、滑稽になりませんか?
いやいや「申し上げます」のほうが丁寧だから、そっちをメインにすべきだ!!という人もいますが、心底どちらでも構いません。
これはもう個人の好みで変わります。
具体的な使い分けですが、
メールが「いたします」ばかりになって気持ち悪いときに、「申し上げます」を使います。ひとつの表現をず~っと使い続けると、例文のようにメールがぐちゃぐちゃになりますので、お気をつけください。
まとめ
今回はこれでもかというくらい「申し上げます」「いたします」を統一するべきか、について語ってみました。
「申し上げます」「いたします」はとても便利な表現で、「お願い・頼みごと・謝罪」をするシーンだけでなく、どんなビジネスメールであろうと、商談であろうと使えます。
ぜひ、ありとあらゆる場面を経験し、使い倒してください。頭でどうこうなるものではないので、ビジネスシーンで場数を踏んでくださいね。ではでは~~。