「お忙しいところ恐れ入りますが」を正しく使えていますか?就活・転職を含むビジネスメールで締めくくり(文末結び)に使いたい表現に「お忙しいところ恐れ入りますが」があります。
「お忙しいところ恐れ入りますが」ってどんなビジネスシーンで使えるのでしょうか?そもそも正しい意味って何でしょうか?
そこで今回は「お忙しいところ恐れ入りますが」「お忙しいところ」について誰よりも詳しく、かつ分かりやすく解説していきます。
この記事の目次
お忙しいところ恐れ入りますが=返信して貰いたいメールに使う!
「お忙しいところ恐れ入りますが」を使うビジネスシーンは決まりきっています。それはメールで何かお願いをして、返信メールがほしい場合に、メール締めくくり(文末・結び)に使います。
たとえば、就活や転職で面接日程の調整をしたいとき。あなたはメールで候補日程を連絡し、採用担当者から日時決定の連絡をもらう必要があります。このケースではメールの締めに「お忙しいところ恐れ入りますが、ご連絡のほど何卒よろしくお願いいたします」を使うとよいでしょう。
「お忙しいところ恐れ入りますが」の意味は「忙しいとは思いますが、すみません」
「お忙しいところ恐れ入りますが」の意味は「忙しいとは思うのですけど、すみません」です。なぜこのような意味になるのでしょうか?理由を解説します。
「お忙しいところ恐れ入りますが」を分解すると「お忙しいところ」「恐れ入りますが」の2つの言葉に分かれます。
「お忙しいところ」の意味は「忙しいとは思うのですけど…」との敬語。
「恐れ入りますが」は「①すみません」「②感謝」両方の意味を持つ謙譲語です。
この2つを合体して「①忙しいとは思うのですけど、すみません」「②忙しいとは思うのですけど、感謝です」の2通りの意味を持つ敬語であることが分かります。ただ、実際のビジネスメールでは「①忙しいとは思うのですけど、すみません」と自分を卑下して相手を持ち上げる(謙譲語)意味として捉えるのが普通です。
お忙しいところ~は社交辞令!ヒマな相手にも使える
「お忙しいところ~」は本来の意味とは違い、実際にはヒマな相手にメールするときにも使います。この採用担当者はヒマそうだから「お忙しいところ~」はメールに使えないよなぁ…。この取引先は忙しそうだから「お忙しいところ~」をメールで絶対に使うべきだ!。とか、そういう使い分けは必要ありません(苦笑)。
ビジネスメールでは、相手が誰であろうと「お忙しいところ~」を等しく使えますのでご安心ください。「お忙しいところ~」は単に相手を気遣うときに使う表現=社交辞令です。
お忙しいところ~のメール例文
つづいて「お忙しいところ~」をビジネスメールで使う際の例文をまとめます。先にも述べたとおり、実際にはヒマな相手であってもこれらの表現を使うと、より丁寧なメールになります。
ビジネスメール例文①感謝・お礼
- お忙しいところご返信いただき、誠にありがとうございます。(返信メールの文頭)
- お忙しい中ご返信いただき、誠にありがとうございます。(返信メールの文頭)
ビジネスメール例文②お願い
- お忙しいところ恐れ入りますが、ご連絡のほど何卒よろしくお願いいたします。(メール文末の締めくくり、結び)
- お忙しいところ恐縮ではございますが、ご連絡のほど何卒よろしくお願いいたします。(メール文末の締めくくり、結び)
ビジネスメール例文③挨拶
- お忙しいところ、突然失礼いたします。(文頭、メール問い合わせ)
言い換えOK!お忙しいところ~の類語例
つづいて「お忙しいところ~」の類語を例文でまとめます。ビジネスメールでは、これらの表現に言い換えすることもできますので、お好みの表現を用いてください。
- ご多用中、大変恐縮ではございますが
- ご多忙中、大変お手数ですが
- ご多忙のところ、誠に恐縮ですが
- ご多忙のところ、大変お手数ですが
- ご多忙のところ、お手数ではございますが
- ご多忙とは存じますが
- ご多忙の折、お手数をおかけいたしますが
- お忙しい中、失礼いたします
ビジネスメールでは相手に指図してもよい
「お忙しいところ」をメールに書いたとき、相手に指図をしても構いません。たとえば「お忙しいところ恐れ入りますが、早急なご対応、何卒よろしくお願いいたします」というような書き方でもOK。
忙しいとわかっている相手に「早く対応しろ」と指図しているのでNGなの?
いえいえ、NGではありませんよ。そもそも「お忙しいところ~」をメール文末に使う場合、たとえば品質クレームの一報をいれるメールだったり、こちらも対応を急いでいることが多いのです。
そんなとき「早急なご対応、何卒よろしくお願いいたします」では、相手がムッとなってしまうことでしょう。相手への気遣いを見せる意味で「忙しいとは思うのですが、すみません、早く対応をしてほしいのです」とすることで、多少はニュアンスが和らぎます。
ビジネスメールは相手に要求する内容が多いため「お忙しいところ~」をよく使う??
ビジネスメールで「お忙しいところ~」を使う目的は、メールで相手に要求ばかりするからではないです。お願いをするときのちょっとした気遣い、心遣いであって理屈では語れません。
たとえば、相手に商談のお願いをするときには「○月○日に貴社へ伺いたく存じますが、ご都合いかがでしょうか。~中略~ お忙しいところ恐縮ではございますが、ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」とします。
ここで「お忙しいところ~」を使う目的って、相手に気遣いをしてるだけですよね?普段、デスクに向かってゴミのような記事ばかり書いている人には、意味がわからないでしょうが…。
「ビジネスメールはコミュニケーションの基本」は間違い
ビジネスにおけるコミュニケーションの基本は会話(商談・会議・プレゼン・電話)であり、ビジネスメールではない。なぜなら、ビジネスで重要なことは決してメールでは済まさないからです。メールでコミュニケーションが全て済むなら、企業は人を採用するのにわざわざ面接を設けたりしません。
メールのやりとりだけでビジネスレベルを図って人を採用すればいいだけです。
だから、ビジネスメールは最低限のマナーだけを抑えておけばよく、変に気をつかいすぎる必要はありません。それよりも会話のスキルを磨くほうが重要ですね。
誰とは言いませんがビジネスを勘違いしている既存メディアがいるので、訂正しておきました(disってる訳ではなく、単なる指摘です)。
まとめ
今回は「お忙しいところ恐れ入りますが」「お忙しいところ~」の使い方と注意点について、これでもかというくらい語ってみました。
この表現はとても便利で、ビジネスメールでは万能に活躍します。
ということで、ビジネスシーンでちょっと普通の言い回しに飽きてきたなぁ~~と思ったら、お礼やお願いする際に使ってみてください。ではでは〜〜。